化学工学論文集
Online ISSN : 1349-9203
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45 巻 , 3 号
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編集ノート
移動現象,流体工学
  • 中島 遼太, 千葉 匠, 本間 俊司, 山田 岳, 大久保 洋佑, 梅宮 弘和, 小田 純久
    原稿種別: 報文
    2019 年 45 巻 3 号 p. 109-114
    発行日: 2019/05/20
    公開日: 2019/05/20
    ジャーナル フリー

    粘着剤の塗布膜表面に生じるピンホールのはじきへの成長について数値解析を行った.粘着剤のレオロジー特性はべき乗則モデルで近似し,粘着剤の界面の運動はVOF法で追跡した.得られた計算結果は,離型紙上に塗布した粘着剤に生じるはじきの実験結果とよく一致した.数値解析の結果,ピンホールの成長速度は,Ohnesorge数に反比例することがわかった.すなわち,粘着剤の粘度が大きいほど,また表面張力が小さいほど,ピンホールの成長が遅くなる.

  • 神田 信, 貝出 絢, 佐伯 隆, 栃木 弘
    原稿種別: 報文
    2019 年 45 巻 3 号 p. 115-122
    発行日: 2019/05/20
    公開日: 2019/05/20
    ジャーナル フリー

    本研究では,ベースオイルとしてポリ-α-オレフィンを用いたMR(磁気粘性)流体に,低分子オイル増粘・ゲル化剤であるピロメリット酸テトラカルボキシアミド(PMDA-R)を添加することで,安定性の良好なMR流体を調製する技術を発展させることを目的とした.調製したMR流体のレオロジー特性を評価し,安定性を評価するため,油分分離試験,静的安定性試験,および遠心沈降試験を行った.実験結果より,側鎖にオレイル基と2エチルヘキシル基を用いたPMDA-2C8/oleylを添加することにより,安定性が良好なMR流体が調製できた.また,遠心分離試験による安定性の結果とレオロジー特性との関連づけを行った.

分離工学
  • 鹿屋 京平, 馬場 由成
    原稿種別: ノート
    2019 年 45 巻 3 号 p. 123-126
    発行日: 2019/05/20
    公開日: 2019/05/20
    ジャーナル フリー

    近年,金をはじめとする貴金属は,宝飾品としてだけでなく,電子材料や工業用触媒としての需要が高まっている.特に,技術革新による電子機器の小型化に伴い金属加工技術もナノレベルでの加工が求められている.金をナノサイズの粒子状に加工した金ナノ粒子は,様々な分野での活用が期待されている材料であり,容易な製造技術が求められている.今回,酢酸水溶液に溶解させたキトサンを膜状に加工し,それを用いて1000 ppmの金を含んだ0.1 M-NaCl水溶液からのキトサン膜による金イオンの吸着および還元によるナノ粒子化を検討した.その結果,キトサン膜上に金のナノ粒子が生成できることを見い出した.また,金ナノ粒子の粒子径は還元剤の種類と還元時間に依存しており,還元剤濃度では差がみられなかった.

プロセスシステム工学,安全
  • 堀 嘉成, 白石 朋史, 長谷部 伸治
    原稿種別: 報文
    2019 年 45 巻 3 号 p. 127-132
    発行日: 2019/05/20
    公開日: 2019/05/20
    ジャーナル フリー

    データクラスタリング技術を用いたプラント性能評価システムを提案した.本システムは,プラント効率などの評価指標(Key Performance Indicator; 以下,KPIと呼ぶ)が紐付けられた運転データを解析するものであり,KPI付データ分類機能および分類結果可視化機能からなる.KPI付データ分類機能では,プラントの運転データをART2により複数のカテゴリーに分類し,分類したカテゴリーとプラントのKPIの関係を対応付ける.カテゴリー毎に警戒係数ρを設定できるART2を用いることで,必要以上にカテゴリー数を増加させることなくデータの分類が可能となる.その結果,未学習データの分類性能が大幅に向上することがわかった.また,分類結果可視化機能では,カテゴリーとKPIの関係を3次元グラフで可視化する.3次元グラフのz軸はKPIで,xy平面は,カテゴリーの重心を多次元尺度法(MDS)で擬似的に2次元平面上マッピングしたものである.これにより,各カテゴリーのおよその位置関係およびKPIとの関係を直感的に把握できる.これらの機能のプロトタイプを作成し,テストデータにより本機能を検証した結果,プラントの運転データとKPIとの関係をモデル化でき,その結果を可視化できることを確認した.

環境
  • 伊藤 康孝, 宇敷 育男, 佐藤 善之, 猪股 宏
    原稿種別: 報文
    2019 年 45 巻 3 号 p. 133-139
    発行日: 2019/05/20
    公開日: 2019/05/20
    ジャーナル フリー

    本研究では,半導体製造実プロセスでの排気処理装置において逐次加熱処理されながら利用されている活性炭を想定して,その加熱処理温度が活性炭の超臨界二酸化炭素(ScCO2)再生に与える影響について検討した.実験は,当該プロセスでの主要な溶剤であるプロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)およびプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)をあらかじめ含浸した活性炭をArガス雰囲気下において,温度200–300°C,時間1–63 hの条件で加熱処理し,TGA(熱重量分析)を用いて活性炭に残存する吸着質を解析した.PGME含浸活性炭は,加熱処理温度200°CにおいてTGAの高沸点領域(400–900°C)のピークに相当する高沸点吸着質は確認されなかったが,250°Cにすることで高沸点吸着質が確認された.PGMEA含浸活性炭は,加熱処理温度250°Cにおいて高沸点吸着質が確認されなかったが,300°Cにすることで高沸点吸着質が確認された.これら高沸点吸着質についてScCO2による洗浄除去を試みたが,前報(Ito et al., 2019)の実プロセスで使用された活性炭の検証結果と同様,高沸点吸着質の洗浄除去は困難であった.すなわち,PGMEおよびPGMEAを吸着した活性炭は排気処理プロセスの加熱処理の影響を受け,高沸点吸着質が生成・蓄積する可能性が示された.同時に,加熱処理温度を200°C程度に留めることで,高沸点吸着質の生成・蓄積を大きく抑制することができ,高効率なScCO2洗浄再生が見込める可能性も示唆された.

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