本研究では,低温環境下のウルトラファインバブル化したオゾンによる殺菌効果を検討するため,市販の生野菜のつけ置き洗浄を対象とした一般生菌数調査による洗浄効果を明らかにした.液体状態の超純水および空気ウルトラファインバブルの場合,両者に有意差を確認することができなかった.また,10 min間のつけ置き洗浄ではオゾン水の効果が消失することもわかった.一方,オゾンウルトラファインバブルおよび次亜塩素酸ナトリウム水溶液の一般生菌数は一桁程度低下し,オゾンウルトラファインバブルの殺菌効果は次亜塩素酸ナトリウムの場合と同程度であることを明らかにすることができた.凍結状態においては,オゾンの効果が低下し,次亜塩素酸ナトリウム水溶液の場合のみ,殺菌効果を有することがわかった.また,ウルトラファインバブル化したオゾンの保存性および温度変化の影響について考察を加えた.
竪型ストーカ式焼却炉は,従来のストーカ式焼却炉とは大きく異なる特徴を持っている.本論文では竪型ストーカ式焼却炉の運転データを用いて物質・熱収支モデルを作成し,炉内の燃焼反応について分析した.ガス量変化が主に水噴霧や水分蒸発によって生じることから,物質収支モデルは乾ガスと水分を区別した.炉内温度を物質収支,熱収支モデルにより推定し,測定値と一致することからモデルの信頼性を示した.ごみ中の水分,ごみの発生熱量を推定することができ,水素燃焼による水分発生が大きいこと,ごみ中酸素が燃焼に消費されることを示した.さらに竪型ストーカ式焼却炉は底部で熱分解残渣の燃焼と熱分解,ごみ層上部で熱分解ガスの燃焼が起こるが,両者の発生熱量の比はおよそ4 : 6であった.