化学工学論文集
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5 巻, 4 号
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  • 高松 武一郎, 河内 健次, 渡辺 文尚
    1979 年 5 巻 4 号 p. 327-334
    発行日: 1979/07/10
    公開日: 2009/10/21
    ジャーナル フリー
    本論文では, 2 成分蒸留塔の両端組成定値制御系として, 分離制御をかけた後に分離された個々の系についてレギュレータを設けるような分離制御系全体の一設計法が提案される.特に, 本設計法によれば, 分離制御に影響を与えるパラメータが変動した場合にも, よい制御性能が得られることが見いだされている.この方法では, 分離制御の際に残っている極指定の自由度を使って, 指定可能な極がシステムの主要極よりも小さくなるように, つまり複素平面上において主要極よりも左側に位置するように設計される.
  • 初期装填条件の影響
    杉本 益規, 山本 健市
    1979 年 5 巻 4 号 p. 335-340
    発行日: 1979/07/10
    公開日: 2009/10/21
    ジャーナル フリー
    水平回転円錐型容器内2成分混合粒子の軸方向混合偏析過程を検討するために, 球状アルミナー硅砂混合粒子を実験試料とし, 種々の初期装填条件のもとで容器軸方向の粒子濃度変化を観測した. なお, 容器回転速度は粒子がカスケード流動を示す 10~30rpm の範囲で変えた.
    混合粒子の容器軸方向混合偏析過程に関する三つのパターンが得られ, このパターンは初期装填条件と平衡時の粒子偏析特性との関係によって与えられた.また, これらの過程は, 平衡時の粒子軸方向配位特性をもとに demixing Potential φを修正することにより, Rose式により推定できた.さらに, demixing Potential φは混合粒子の容器軸方向濃度分布と関係があることを見いだし, 混合粒子の容器軸方向偏析特性を表す偏析の大きさおよび粒子軸方向配位性は, 容器内の平均濃度CAの変化を測定することにより決定できることを得た.
  • 伊ケ崎 文和, 外山 茂樹, 牧野 和孝, 井伊谷 鋼一
    1979 年 5 巻 4 号 p. 341-347
    発行日: 1979/07/10
    公開日: 2009/10/21
    ジャーナル フリー
    電場における粉体層付着力の理論的および実験的検討を行った. 供試粉体としてタルク, 軽微性炭酸カルシウムを使用し, 篠原らの考案した引張破断試験装置を改良することにより, 電圧印加時の粉体層の付着力を測定した. その結果, 電場において付着力は, 印加電界強度の 2 乗に比例するという均一完全絶縁体の場合と異なり, ほぼ 1 乗に比例して増大することおよび粉体層の空隙率に著しく依存することが実験的に確認された. 一方, McLean の解析モデルを基に粉体層空隙率を考慮したモデルを提出した. そしてモデルの解析結果は実験結果と良好な一致を見た.
  • 宇敷 建一, 加藤 秀夫, 高橋 成夫, 伊谷 鋼一
    1979 年 5 巻 4 号 p. 348-355
    発行日: 1979/07/10
    公開日: 2009/10/21
    ジャーナル フリー
    気流に対して斜めに羽根列を配置することによって方向転換角を大きくした場合の, ルーバー液滴分離機の性能を検討した.まず, 平板および山形の2種の羽根形式で, 10%のブローダウン空気流量の有無に対して部分捕集効率および圧力損失を測定し, 次の知見を得た.1) 液滴捕集効率は従来から知られている固体粒子の集塵率よりかなり高い.たとえば羽根間隙基準の慣性パラメータの値が1のとき, 固体粒子の部分集塵率は0.8といわれているが, 水滴の部分捕集効率はほぼ1 であった.2) ブローダウンの無い場合には山形羽根形式は平板羽根形式に比べて捕集効率はかなり高く, たとえば平板では0.4のとき山形羽根では約2倍となった.しかも, 圧力損失は山形羽根の方が少なく, 平板のときの75%しかなかった.3) 固体粒子では, 10%ブローダウン流量のとき, 平板と山形羽根では捕集効率にほとんど差は無いといわれているが, 液滴の場合も同様の結果が得られた.また10%ブローダウン流量による部分捕集効率の向上は平板において顕著でたとえば0.4 が0.8 になった.しかし, 山形羽根ではあまり変化はなかった.
    一方, 羽根間隙中の乱流渦 (ウェイク) の形状を可視化し, その外部をポテンシャル流と仮定して粒子軌跡を求め部分捕集効率を計算した結果は50%捕集液滴径の推定には有効であった.しかし部分捕集効率曲線の傾きを十分説明できなかったので, 粒子の乱流混合の影響を補正したところ測定値と良好に一致した.
  • 岡屋 克則, 菅沼 彰, 国井 大蔵
    1979 年 5 巻 4 号 p. 356-360
    発行日: 1979/07/10
    公開日: 2009/10/21
    ジャーナル フリー
    オリフィスによる高速気流を用いて凝集微粉体を分散させ, これをサイクロン型分級器により分級試験を行い, 微粉体の分散状態が分級性能に及ぼす影響を研究した.オリフィス径は6~30mmφで, 気流速度は10~230m/secである.
    分級器にオリフィス型分散器を前置すると微粒子回収率が著しく増加した.また, 気流速度が速いほどこの効果が大きかった.これは凝集粒子がオリフィスの高速気流部を通過する際に分散され, 分級性能が向上するためであると推論される.
  • 柘植 秀樹, 日比野 真一
    1979 年 5 巻 4 号 p. 361-365
    発行日: 1979/07/10
    公開日: 2009/10/21
    ジャーナル フリー
    液中の単一孔より蓄気室内の圧力変動を伴って発生する気泡の大きさに及ぼす塔径の影響を実験的に求め, 蓄気室容積により塔径の影響の仕方が異なることを見いだした.さらに, 液の上向き移動による慣性力を考慮して, 著者らがすでに提出した蓄気室内圧力変動を伴う 2 段階気泡生成モデルを塔径の影響を含むモデルに拡張し, このモデルによる計算結果と実験結果を比較し, 定性的によく一致することがわかった.
    また, 塔径が小さいほど, 気泡の大きさに及ぼす液高の影響が大きいことを明らかにした.
  • 大竹 伝雄, 東稔 節治, 久保井 亮一, 高橋 保夫, 中尾 勝実
    1979 年 5 巻 4 号 p. 366-373
    発行日: 1979/07/10
    公開日: 2009/10/21
    ジャーナル フリー
    液体エジェクターをガス分散器として用いたときの, スロート内の流動状態, 生成気泡径, 槽内ガスホールドアップについて実験的に検討した.スロート内の流動状態は, スラグ流, 環状流, 気泡流, ジェット流に大別でき, これら各領域を気液流量比 G/L 対スロート内液流速 uLT 基準のFroude 数, Fr (=uLT2/gDT) の線図で示した.気泡径分布, ガスホールドアップ εG, 体面積平均気泡径 dBvsFr G/L に対する依存性は, 遷移 Froude 数 Frc を境に大きく変化する. Fr≦Frcのスラグ流-環状流領域では, 気泡径分布の幅は広く, G/Lを増加するとその標準偏差は増加し, εG も同一ガス流量の条件下の気泡塔における値 εG0 と変わらない. Fr>Frc の気泡流-ジェット流領域では, 1~4 mm の小気泡が均一に分散した流れとなり, Frを増加またはノズル-スロートロ径比 DN/DTを減少すると, εG は増加し, dBυs は減少する.各領域における平均気泡径, ガスホールドアップは, Fr, G/L および DN/DT を含む実験式で相関された.
  • 山本 芳太郎, 中川 克巳
    1979 年 5 巻 4 号 p. 374-379
    発行日: 1979/07/10
    公開日: 2009/10/21
    ジャーナル フリー
    液体中の気泡径の測定法として気泡の固有振動数について実験的に検討した.気泡がノズルまたはオリフィスから離脱したときの発生音波は水中マイクで捕捉し, 固有振動数を求めた.この発生音波が減衰した後の上昇中の気泡固有振動数についてはスピーカーで正弦波状インパルスを加え, その応答から求めた.測定は気泡径が 0.16 から 1.56cm まで, 振動数範囲が3オクターブにわたって行われた.得られた固有振動数と気泡相当直径との相関は本実験範囲において, Minnaert の式と一致した. 特に, インパルス法は液体中を上昇中の気泡相当直径を求めるにあたって有効であることを明らかにした.
  • 佐藤 正之, 黒田 正和, 佐賀井 武
    1979 年 5 巻 4 号 p. 380-384
    発行日: 1979/07/10
    公開日: 2009/10/21
    ジャーナル フリー
    蒸留水を用いた, 単一ノズルからの気泡生成に対する高電圧印加効果の実験的検討を行った. 正, 負および交流の電圧は, ノズルと対向アース電極との間に印加された.気泡の生成状態は, 印加電圧の変化により, 五つの領域に分けられた.すなわち, 比較的大きなノズル内径と気体流量における独立気泡生成領域 (I, II) では, 印加電圧の上昇にともなって気泡径は減少し, 電圧を印加しないときの気泡径の2/3程度まで低下し, それ以上の電圧になると分散状態 (III) となった.ノズル内径と気体流量を減少させると, 領域 (IV) に移行し, 直径0.5mm前後の微泡が, ノズル先端から湧き出すように生成するのが見られた. さらに, 適当な条件の設定により, 直径が85μm程度の均一に近い雲状の気泡群が得られた (V). 気泡生成に高電圧を作用させることにより, 生成気泡径の大幅なコントロールが可能となることがわかった.
  • 松崎 晴美, 黒田 修, 高橋 燦吉
    1979 年 5 巻 4 号 p. 385-390
    発行日: 1979/07/10
    公開日: 2009/10/21
    ジャーナル フリー
    膜間に少量の空気を噴出し, 気泡の攪拌と洗浄作用を利用する高性能で新構造の透析槽の開発を進めた.
    本報では, 気泡攪拌の濃度分極低減効果について述べる.
    電極間の電気抵抗から拡散層厚さを評価する式を導き, 膜間が無給気の場合, スペーサ有の場合, 気液混相流の場合の三つの状態について検討した.その結果, 気泡攪拌は濃度分極防止に有効で, 限界電流密度を, 従来のスペーサをもっ sheet flow type に比べて倍増できる.槽の最適構成条件も明らかにした.また, 新評価式で得た結果は従来法の結果にほぼ一致した.
  • 屈曲毛細管集合モデルによる考察
    高橋 健造, 草川 英昭, 田中 修
    1979 年 5 巻 4 号 p. 391-396
    発行日: 1979/07/10
    公開日: 2009/10/21
    ジャーナル フリー
    屈曲毛細管集合モデルを用い, 繊維性多孔質材料の平均屈曲率, 孔径および毛細管数の推算式を提案した.
    提案した推算式を用い, 紙類およびメンブランフィルターの平均屈曲率, 孔径および毛細管数を求めた.
    さらに, ポリマー含浸紙について, 有効毛細管数を導入することにより気体透過係数の推算式を提案した.そして実測されたポリマー含浸紙に対する水蒸気の気体透過係数と推算値の比較検討を行った.
  • 安定操作領域中の粒子の排出特性
    田中 勇武, 石蔵 利文, 内山 晃, 篠原 久
    1979 年 5 巻 4 号 p. 397-403
    発行日: 1979/07/10
    公開日: 2009/10/21
    ジャーナル フリー
    多孔板式連続多段流動層における流動化特性を実験的に調べた. 特に安定な流動層状態を保ちうる領域について検討し, 次の結果を得た. (1) 流動層を 2 段, 4 段と多段化しても各段の流動化特性は単一段のそれと差異は認められなかった. (2) 多孔板の幾何特性, 流動化粒子の物性, 操作条件との関係を調べ, 粒子排出速度に関する無次元整理式を得た.
    一方, 孔 1 個に着目した多孔板からの粒子群の排出特性を光学的手法を用いて実験的に調べ, 次の結果を得た. (3) 粒子群は多孔板孔から間欠的に排出されることを認めた. (4) 1 回あたりの粒子排出量および粒子の排出頻度は空塔ガス速度に逆比例し, さらに前者は流動層の粒子保有量に比例することがわかった.
  • 加藤 邦夫, 天田 清美
    1979 年 5 巻 4 号 p. 404-409
    発行日: 1979/07/10
    公開日: 2009/10/21
    ジャーナル フリー
    各素反応が1次である並列逐次反応を, 充填流動層で行った場合の反応特性 (原料ガスの転化率, 中間生成物の収率) を種々の操作条件, すなわち, 各素反応の反応速度定数, 反応速度定数の比, 気泡内粒子存在割合, 最小流動化速度, 操作ガス流速などを変えて, さきに提出した2相説を用いて解析した.
    並列逐次反応の各素反応の反応速度定数が小さい場合, 気泡相内粒子存在割合が大きい場合, 流動化ガス速度と最小流動化速度との比が大きい場合には, 一定の層内でのガスの平均滞留時間のもとでの原料ガスの反応率および中間生成物の収率は押し出し流れ反応器として求めた場合の値に近づいた.
  • 岡本 幸道, 西川 正史, 橋本 健治
    1979 年 5 巻 4 号 p. 410-415
    発行日: 1979/07/10
    公開日: 2009/10/21
    ジャーナル フリー
    槽内各位置でのエネルギー消散速度を, 適当な補正を伴う算出法により乱流エネルギースペクトルの測定結果から求め, その槽内分布を得た.
    消散速度は, 邪魔板の無い場合および邪魔板を挿入した場合ともに, 液単位質量あたりの動力にほぼ等しい槽内平均値を持ち, その位置による差違は大きく数十倍に達するという結果を得た. また, 装置形状相似の条件下では, 各局所の消散速度は液単位質量あたりの動力に比例して変化し, その分布形状を一定に保つ傾向のあることを確かめた.
    液-液および固-液攪拌に対する消散速度分布の影響を定量的に検討した結果, 従来の報告に見られる, 翼寸法が分散液滴径および固-液物質移動に及ぼす効果は, 消散速度分布の変化に基づいて説明できることを示しえた.
  • 平均分子量の評価法に関する考察
    迫原 修治, 海野 肇, 明畠 高司
    1979 年 5 巻 4 号 p. 416-420
    発行日: 1979/07/10
    公開日: 2009/10/21
    ジャーナル フリー
    所定の除濁効果を得るのに必要な高分子凝集剤添加量とその凝集剤の平均分子量の関係を実験的に検討した. 被凝集物質としてカオリンを用い, 高分子凝集剤には非イオン性のポリアクリルアミドを用いた. 種々の平均分子量をもつ凝集剤は, 高回転ミキサーを用いて機械的に高分子鎖を切断して調整した.
    その結果, 残余濁度を所定の値以下にする凝集剤添加量にはかなりの幅が認められた. 有効添加量領域と定義したこの範囲は, 平均分子量と共に拡大し極大値をとった後減少した. 実際の除濁操作では, 被凝集物質の濃度, 組成などが変動することが多いので, 広い有効添加量領域をもつ凝集剤を使用することが, 処理の信頼性を高め, 安定した除濁効果を与える. したがって, 凝集剤の選択を行うさい, 平均分子量の影響は有効添加量領域という考え方に基づいて評価すべきである.
  • 野田 勝嗣, 吉田 隆光, 石田 清春
    1979 年 5 巻 4 号 p. 421-423
    発行日: 1979/07/10
    公開日: 2009/10/21
    ジャーナル フリー
    フロパン, n-ブタン, n-ペンタンおよびエチルアルコール, n-ブチルアルコールに対する硫黄の溶解度を-20~40℃の間で測定した.測定は飽和溶液中の過剰の固体硫黄を濾紙で濾過し, その飽和溶液の溶媒を蒸発させおのおのの量を秤量して組成を求めた.測定温度範囲内の同族列 (n-パラフィンおよびアルコール) の硫黄の溶解度は, パラメータを温度の1次関数とした4パラメータのwilson 式と, 1パラメータの正則溶液理論式を組み合わせた活量係数式によりよく相関できることが認められた.この相関式はn-パラフィンやアルコールに対する硫黄の溶解度の推算にも役立つものと思われる.
  • 宇敷 建一, 沢田 宏之, 井伊谷 鋼一, 森 滋勝, 磯部 光利, 荒木 和男, 森山 昭, 諸岡 成治, 花田 賢治, 西中 誠幸, 加 ...
    1979 年 5 巻 4 号 p. 424-435
    発行日: 1979/07/10
    公開日: 2009/10/21
    ジャーナル フリー
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