化学工学論文集
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5 巻, 5 号
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  • 丸山 敏朗, 鈴木 重俊, 水科 篤郎
    1979 年 5 巻 5 号 p. 437-443
    発行日: 1979/09/10
    公開日: 2009/10/21
    ジャーナル フリー
    直角合流による2流体の管路内乱流混合について研究し, 急速な混合の最適条件を解析した.特に, 主流に直角に吹き込まれた支流が本管中で形成する偏向噴流が流れを支配する, 混合の初期の段階に注目した.巨視的混合の理論解析においては, 噴流の軌跡の実験相関式にしたがって噴流の流量を1次元解析より求めた.さらに, 合流点より下流の本管断面の温度分布の実測値から計算した空間的一様性より, 最適条件を決定した.
    その結果, 噴流の軌跡は支流と主流の速度比と支管と本管の管径比の広い範囲にわたり, これらの比の関数として無次元式で相関された.また急速混合の条件は, 壁面噴流が支配的な場合を除いて, 最適値の存在を示した.最適条件は管径比と速度比または流量比との間の簡単なべき乗関数で表され, 噴流の1次元解析を用いて流量を比較することにより解析的に求められる.特に, 合流点から本管内径の3倍の下流距離の範囲内での比較が適当である.
  • 犬塚 正憲, 守谷 健, 三輪 一成, 山田 幾穂, 平岡 節郎
    1979 年 5 巻 5 号 p. 444-448
    発行日: 1979/09/10
    公開日: 2009/10/21
    ジャーナル フリー
    傾斜軸45°および60°をもつ回転円錐および球面上の液流れに対して, 液膜の厚さ, 液膜から液柱状への遷移点が光学的方法によって測定され, 次の結論を得た.
    a) 液膜の厚さについて, 実測値と理論的近似解との関係は次のように要約される.実測値は2<Re<10の領域において理論解とよく一致するが, 10<Re<140の間では, 不均一流れによる誤差が観察された.ただし, Reは容積流量基準による.
    b) 液柱状への遷移点については, 回転円錐および球の両面に対して・ストロボスコープによって測定された液膜の分裂位置は次式でよく相関された.
    Q+Reω-1/2We-0.110sinα+0.777=-0.1665sinα+0.178
    ただし, Q+ は無次元流量, Reωは角速度基準, αは傾斜角である.
  • 黒田 正和, 田部井 康一
    1979 年 5 巻 5 号 p. 449-452
    発行日: 1979/09/10
    公開日: 2009/10/21
    ジャーナル フリー
    1次元2相流モデルが適用できるとして, 充填物特性および液物性を含め, 理論的最小流動化速度式を得た.
    気液2相流におけるみかけ摩擦係数は, 通常の気-固系充填層の摩擦係数に比べ, 非常に大きかった.みかけ摩擦係数は層の液ホールドアップの関数として表される.
    理論式より計算される最小流動化ガス速度を, 種々の操作条件における実測値と比較した.実験結果は±20%の精度で推算できる.
  • 蓄気室容積の影響
    高橋 照男, 宮原 敏郎
    1979 年 5 巻 5 号 p. 453-456
    発行日: 1979/09/10
    公開日: 2009/10/21
    ジャーナル フリー
    段塔などの気液接触装置の実際の操作では, 定ガス流量の条件が満足されることは少なく, 蓄気室容積および孔径が相互に関係するような条件で操作され, 気泡が形成されることが多い.
    本研究では単一円孔より生じる気泡容積に関し, 蓄気室容積が影響する領域に対し, 低ガス流量域には蓄気室内の圧力変動が断熱過程であるとして得た気泡容積を適用し, 高ガス流量域には著者らの定ガス流量の場合の解析を一部修正して適用した.そして真の気泡容積はこれら両者の加成性によって表されるとして相関したところ実測値と比較的良好な一致をみた.
  • 尾添 紘之, 岡本 隆志, チャーチル S. W.
    1979 年 5 巻 5 号 p. 457-463
    発行日: 1979/09/10
    公開日: 2010/05/07
    ジャーナル フリー
    垂直環状容器内の自然対流について実験的ならびに理論的に検討した.透明側壁を通して上面図を得るKrishnamurtiの撮影法により流動形態の写真を撮った.安定した流動形態は半径方向にその軸をもち, 円周方向に並んで存在する多数のロールセルであり, その個数は平均円周を容器の高さで割って推定できることを示した.このロールの一つを3次元円筒座標系の自然対流の式でモデル化し, これを差分近似し, 数値解を求めた.平均熱伝達速度は本報告で求めた実験値とよく一致した.矩形容器内の場合と同様, 1個のロールは1対の共軸二重らせん渦から成ることが予測されたが, 扇形領域のため二つのらせん渦の占める部分領域は大きさも形も異なるものであった. これらの流動形態は長時間粒子軌跡を透視図法で描くことによって明快に表すことができた.
  • 今野 宏卓, 原田 英二, 都田 昌之, 栗山 雅文, 浅野 政裕
    1979 年 5 巻 5 号 p. 464-470
    発行日: 1979/09/10
    公開日: 2009/10/21
    ジャーナル フリー
    水に直径 0.15~1.0mm の球形ガラス粒子およびイオン交換樹脂を浮遊させ, ジャケットを設けた垂直円管 (内径8, 12.8および19mmの3種) 中を下降せしめ温水により加熱したときの混相流と管壁面間の伝熱特性について実験した(実験範囲Re数600~20,000, 吐出粒子体積濃度 0~0.1).その結果混相流のNu数とRe数の関係は粒子の直径が0.2~0.3mmを境として二とおりあり, (1) 0.3mm以上の粒子では両対数紙上Re数600~10,000の範囲で直線で示され, さらにRe数が大となるとこれより勾配の大きな水のみを流した場合に得られる直線に近づく.したがって水のみを流した場合のNu数に比し同一Re数では層流域および遷移域でかなり大きな値を示す.(2) 0.2mm以下の小さな粒子では両対数紙上でS字曲線となり, あるRe数の範囲において水のみを流した場合よりむしろ小さなNu数を示すことがある, などが明らかとなった.
  • 水平面がふく射加熱される場合の実験
    新井 紀男, 高橋 慎治, 杉山 幸男
    1979 年 5 巻 5 号 p. 471-475
    発行日: 1979/09/10
    公開日: 2009/10/21
    ジャーナル フリー
    ふぐ射加熱を受ける媒体層の上向き水平面から空気への自然対流による熱および物質移動について実験的に検討した.
    実験は, ふく射熱源として赤外線ランプ, 面ヒータ, 媒体にはふぐ射透過性の異なる水, ジエチルフタレートおよび大理石を用いて行われ, 自然対流の伝熱係数および物質移動係数が種々の実験条件の下で測定された.
    その結果, 本実験範囲(3×105<Ra, Ram<5×106)において, 本実験結果は既往のふく射伝熱が支配的でない系での実験結果とほぼ同様な値を示し, かつ熱移動と物質移動との間に相似の関係が成立することが明らかにされた.
  • 小島 紀徳, 富田 淳一, 宮内 照勝
    1979 年 5 巻 5 号 p. 476-480
    発行日: 1979/09/10
    公開日: 2009/10/21
    ジャーナル フリー
    LIX65N-Dispersol-水系における, 粘度, 界面張力, 分配平衡を25℃において測定した.界面張力は, ギブスの等温吸着式を用いて検討した.その結果, 有機相濃度が, 0.1%より大きいとき,LIX65Nの界面過剰吸着量は一定と計算された. LIX65N の, Dispersolと水の間の分配は, 有機相中における多量体生成によると思われる濃度依存性がみられた. 2相間の銅の分配平衡は, 理論とよく一致した.
  • 鈴木 道隆, 牧野 和孝, 幸 一彦, 山本 秀正, 井伊谷 鋼一
    1979 年 5 巻 5 号 p. 481-486
    発行日: 1979/09/10
    公開日: 2009/10/21
    ジャーナル フリー
    粉体層にいかなる変位を与えれば崩壊するのかを測定するために, 分割セル型の測定装置を試作し, 2種類の炭酸カルシウム粉体について詳細に検討した結果, 広い空間率の範囲で, 統計的モデルにおける定移動距離崩壊条件が妥当であることを確認した.また, 引張-剪断的と圧密的の2種類の崩壊状態が存在し, かつそれらが, 移動座標面で連続的に接続していることが明らかとなった.これらの結果は Roscoe 空間に対する一つの定量的な証拠を与える.
    一例として, 定移動距離崩壊条件から二つのパラメータ(s, d/2)を, 一方既報のモデルを用いて供試粉体の圧密特性から他のパラメータ(m, n)を求め, これらより粉体崩壊曲線(P. Y. L.)を算出してリングセルを用いた剪断試験結果と比較した.
  • 石田 愈, 小川 好司, 白井 隆, 西脇 昭雄
    1979 年 5 巻 5 号 p. 487-492
    発行日: 1979/09/10
    公開日: 2009/10/21
    ジャーナル フリー
    1粒の発光粒子が等間隔に並んだN個の観測点を通過すると, 各観測点での受光信号を加算した信号には, 粒子の移動速度に比例した周波数を有するN個のパルス信号が合成されている.この空間フィルタ法の原理を固体粒子の速度測定法に応用した.観測点としては直径約 250μm のプラスチック製光学繊維を利用し, 4対ならびに1対の差動型構成としたプローブを作製した.
    固体粒子の速度が時間的に変化しない場合には, スペクトラム解析器を利用してパワースペクトルを描き, その最大値を与える周波数より固体粒子の速度が精度よく求められた.一方, 固体粒子の速度が時間的に変化する場合には, 多少測定精度は落ちるもののF-V変換器を利用することによって, その変化を連続的に記録できた.
  • 垂直流型磁気フィルタの粒子捕集の解析
    吉川 〓, 阪田 総一郎
    1979 年 5 巻 5 号 p. 493-499
    発行日: 1979/09/10
    公開日: 2009/10/21
    ジャーナル フリー
    空気流れに対して直交するように強磁性ワイヤを配列した垂直流型磁気フィルタの捕獲半径 (単独繊維捕集効率) を理論的に求めてみた.磁界の印加方向と粒子の慣性力と流れの場および粒子の強磁性, 常磁性の差異が, 捕獲半径に及ぼす影響について検討した.
    エァロゾル粒子の濾過では, 液体濾過を対象とした従来の解析と異なり, 捕獲半径に及ぼす粒子の慣性力の影響を無視できない.数値計算の結果から, 慣性力の影響は, 磁界の印加方向が強磁性ワイヤをよぎる気体流れの方向に対して平行の場合と垂直の場合では, 著しく異なるのがわかった.
    円筒状ワイヤ周りの流れに遷移領域の流れを用いて計算された捕獲半径の値は, ポテンシャル流れを用いて計算された値と比較してかなり小さくなった.
    さらに, 捕獲半径の磁気力パラメータと慣性パラメータに対する依存性は, 粒子の強磁性, 常磁性の区別によってあまり影響されないことがわかった.
  • 井伊谷 鋼一, 森 康維, 牧野 和孝, 小松 延勝, 尾崎 美喜雄, 永嶋 良一
    1979 年 5 巻 5 号 p. 500-505
    発行日: 1979/09/10
    公開日: 2009/10/21
    ジャーナル フリー
    パルス・ジェット式バグ・フィルターは, 濾過速度を比較的大きく選ぶことができ, 含塵気流を止めずに払い落としが可能である.しかし, この方式の払い落とし性能に関する基礎的, 実験的研究は少ない.
    本報では払い落とし性能に及ぼす種々の因子の影響を実験的に検討した結果, 次のような結論が得られた.
    1) パルス噴射圧には最適値があり, 噴射は2回連続した方が効果がある.
    2) 払い落とし残留率は粉塵負荷が大きくなると一定となる.
    3) 気流を停止した払い落とし操作で, 金属製濾布支持枠に発生する電荷を測定したところ, 発生全電荷量は払い落とし粉塵量に比例せず, かつ関係湿度や集塵終了後払い落とし開始までの放置時間の影響を受けることがわかった.
    4) 本実験における炭酸カルシウム粉塵と羊毛フェルト濾布の組み合わせでは, 関係湿度が中程度の時, 圧力損失は最小になるが, 影響は小さい.関係湿度の増加につれて, 払い落とし能力はわずかに向上する.
  • 森 康維, 久堀 保, 石塚 昌義, 牧野 和孝, 井伊谷 鋼一
    1979 年 5 巻 5 号 p. 506-512
    発行日: 1979/09/10
    公開日: 2009/10/21
    ジャーナル フリー
    濾布集塵は, 代表的な高性能乾式集塵の一つであるが, その基礎的な研究は少ない.本報では, 9種類の濾布と3種類の炭酸カルシウム粉塵を用いて, 織濾布とフェルト濾布の集塵性能の比較, および未使用濾布と使用済み濾布の性能の比較を実験的に検討し, 次の結論が得られた.
    1) 圧力損失は, フェルト濾布では粉塵負荷にほぼ比例するが, 織濾布では低粉塵負荷で急上昇した後, 中高粉塵負荷で粉塵負荷に比例する.
    2) 圧力損失は濾過速度の1より大きいべき乗に比例する.
    3) 同一粉塵負荷での圧力損失と濾過速度とは, 粉塵層の圧密や崩壊現象のため, ヒステリシス関係を示すことは, 従来の結果と同様である.
    4) 比較的低い濾過速度では, 濾布の種類によらず, 中高粉塵負荷域でほぼ完全捕集となるが, 濾過速度が速くなるほど, 積算および瞬間通過率は大きくなる.
    5) 3μm以上の通過粒子は, きわめて短時間の集塵で激減するが, 2μm以下は, 局所的な粉濾層の崩壊のため, 比較的長期間通過する.
    6) 使用済み濾布と未使用濾布の圧力損失特性は, ほとんど変わらないが, 集塵率は使用済み濾布の方がよい.
  • 金川 昭
    1979 年 5 巻 5 号 p. 513-519
    発行日: 1979/09/10
    公開日: 2009/10/21
    ジャーナル フリー
    エアロゾル粒子濃度測定用光散乱フォトメータによる集塵装置の集塵効率の測定において, フォトメータの応答感度および集塵装置の粒子捕集効率の大きな粒径依存性によって原理的に発生する誤差を理論的に考察し, それに対する修正係数を慣性効果, さえぎり効果および拡散効果の粒子捕集基本メカニズムをそれぞれもつ三つの集塵装置および原子力産業施設の排気系にその装備が定められている高性能エアフィルタについて計算した.さらに, 高性能エアフィルタの検定に用いられる試験エアロゾルが0.3μm単分散の条件を満たしえなかった場合に, 0.3μm粒径粒子に対し99.97%という高性能フィルタの捕集効率を保証するフォトメータ計測値としての粒子通過比の値も計算した.
  • 種々の攪絆装置における対流混合作用
    上和野 満雄, 古閑 俊通, 大矢 公夫
    1979 年 5 巻 5 号 p. 520-525
    発行日: 1979/09/10
    公開日: 2009/10/21
    ジャーナル フリー
    本研究では, 種々の高粘度液攪拌装置における対流による混合を検討した.
    攪拌液は30~150poiseの粘度を有するニュートニアンを対象にし, トレーサは攪拌液中で分子拡散の生じないもの(カーボンブラック)を用いた.
    攪拌槽内に対流によって発生する濃度むらの混合状況を写真撮影し, 5μmの分解能を示す光電濃度計を用いて写真フィルムの黒化度を分析した. この測定方法によって, 装置特有の混合のパターンを検討した. その結果, 装置ごとに槽内の未混合部分のスケールの減少速度を与える解析式を導出した.
  • 油膜内の粘性抵抗の拡がり速度に及ぼす影響
    高橋 照男, 北村 吉朗, 中田 賢三
    1979 年 5 巻 5 号 p. 526-531
    発行日: 1979/09/10
    公開日: 2009/10/21
    ジャーナル フリー
    静止水面上での油膜の1次元方向への拡がり速度が実験的に研究された.拡がり係数の小さな油を用いれば比較的小規模な実験装置で広範囲な油膜の挙動を実験的に検討できることが明らかにされている.油の粘度を十分に大きく保って拡がり係数のみを小さくするのは困難であるため, 拡がり係数の小さな油を用いて実験を行うには, まず油膜内の粘性抵抗が拡がり速度に及ぼす影響を知る必要がある.
    表面張力が支配的となる領域においては, 油の粘度が水の粘度の5倍以下であれば拡がり速度は油の粘度の影響を受けることが明らかにされた.また重力と表面張力が同時に支配的な力となる領域においても同じ影響が観察された.両方の領域における拡がり速度が油膜内の粘性力による補正項を含む実験式によって相関されている.
  • 山口 賢治, 古閑 二郎, 井上 一郎, 西川 正史, 岡本 幸道, 鮫島 睦, 藤枝 繁雄, 橋本 健治, 上和野 満雄, 大矢 公夫, ...
    1979 年 5 巻 5 号 p. 532-545
    発行日: 1979/09/10
    公開日: 2009/10/21
    ジャーナル フリー
  • 1979 年 5 巻 5 号 p. 545
    発行日: 1979年
    公開日: 2009/10/21
    ジャーナル フリー
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