再生可能エネルギー普及手法として,本研究では太陽光発電(PV)を農耕放棄地に設置することに着目した.農耕放棄地に大量にPVを設置導入し,大消費地のエネルギー需要を満たすスマートネットワーク構築の実装可能性評価を研究目的とする.東海4県22地域を大規模PVの設置対象とし,そこで得られた電力を水電解でH2に変換し,さらにはエネルギーの大消費地である名古屋市まで各種H2キャリアで輸送して発電した際のエネルギー効率,CO2排出率,一般家庭の消費電力を何日賄えるかのレジリエンス評価を行った.その結果,評価した22地域では御前崎市において年間合計PV発電電力量の最高値664 GWhが得られた.PVで得られた電力を液化CH4に変換し,名古屋市まで輸送後にLNGコンバインドサイクルで一般家庭全世帯の消費電力を賄うとすると,御前崎市に大規模PVを設置想定した場合に40 d間賄えることが明らかとなった.本研究で対象とした全過程におけるエネルギー効率は,液化CH4変換とLNGコンバインドサイクル発電の組み合わせが最も高くなり,46.3%であった.一方,全過程におけるCO2排出率は,液化H2変換とPEFC発電の組み合わせで最も低くなり,−6.4%となった.今回評価した22地域では名古屋市までの輸送距離が最短の豊田市がエネルギー効率,CO2排出率ともに最もよくなった.
非定常拡散過程は,前半の浸透期間(PP)と後半のregular regime(RR)に大別できる.拡散係数が一定のとき,濃度分布に2次式を仮定した線形推進力近似(LDF)は,非定常拡散過程における平均濃度とその変化速度の関係式であり,RRの解と類似の式を与えるが,PPへの適用は難しかった.本研究では,PPの初期解の近似解を提案し,これにRRにおける解を組み合わせることで,非定常拡散過程の全域で有効な拡張LDFモデルを導出するとともに,簡便な適合式を提案した.紙の吸湿過程を対象として,拡張LDFモデルと適合式のシミュレーション実験を実施し,LDFモデルの結果と比較した.
低融性,低熱膨張性,高耐水性に優れた封着加工用鉛フリーガラスは,封着材としてセラミックスやエレクトロニクス産業の分野で望まれている.本研究では,V2O5–TeO2–ZnO系の三成分系の金属酸化物を選択し,さまざまな組成で調製し,封着加工用鉛フリーガラスとしての要求を満たすガラスの評価を行った.具体的には,熱量分析によるガラス転移点,ガラス軟化点,結晶析出点,熱機械分析による熱膨張特性,耐水試験によるガラスの重量減少,フローボタン試験によるガラスの流動性,封着・引張試験によるガラスの封着性能を評価した.その結果,400°Cで封着可能なV2O5–TeO2–ZnO系ガラスの開発に成功した.中でも29.1 mol%V2O5–67.9 mol%TeO2–3.0 mol%ZnO,28.5 mol%V2O5–66.5 mol%TeO2–5.0 mol%ZnO,27.0 mol%V2O5–63.0 mol%TeO2–10.0 mol%ZnOの組成からなるガラスは,高耐水性,高い流動性を保持して実用化されている鉛ガラスと同等の封着強度を有していた.本研究で開発した鉛フリーガラスは,鉛ガラスの代替物として極めて有効なガラスであることを示した.
Table 2の溶解度データのスケールにエラーがありました.誠に申し訳ございません.正しい表を以下に示します.これに伴い,Table 3, Figure 1およびFigure 2に修正が必要となりました.こちらも併せて以下に示します.
この度の修正に重ねてお詫び申し上げます.