余剰活性汚泥の熱分解実験を回分式反応炉を用い, 400~1,200℃の熱分解温度において行った.生成した分解ガス, ガス液, タールおよびチャーの収率, 組成に与える反応温度の影響を検討し, 本実験範囲内において次の結論を得た.
1) 余剰活性汚泥の熱分解は, 約400℃付近から進行しはじめる.
2) 生成ガス量は, 熱分解温度のほぼ2乗に比例して増加し, 主成分はH
2, CO, CH
4, CO
2である.熱分解温度が1,000℃以上で生成したガスは, 高発熱量が4,000kcal/Nm
3程度であった.
3) タール収率は, 600~800℃の温度範囲において最大となる.
4) チャー収率は, 600℃以上では, 熱分解温度にほとんど影響されず, 約48wt%(乾き汚泥基準)とほぼ一定となる.また, 生成チャーの高発熱量は, 1,650~2,200kcal/kg-charあった.
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