化学工学論文集
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6 巻, 5 号
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  • 割れ伝播に及ぼす環境条件の影響
    竹本 幹男
    1980 年 6 巻 5 号 p. 441-447
    発行日: 1980/09/10
    公開日: 2009/10/21
    ジャーナル フリー
    SUS304の応力腐食割れに及ぼす塩化マグネシウム試験液の温度と濃度の影響について研究した.表面マクロ・ブランチングはpHが4.4以上, 腐食電位が-350mV vs.SCEより卑な試験液で観察される.表面にマクロ・ブランチングをもつ試験片は, 交叉角60°, 30°をもつ表面直下での枝分れ粒内割れをもっている.断面割れ深さ : δは, 浸漬時間 : t, 割れ発生時間 : tcの関数として
    õ = Clog (t/tc)
    で表される。定数Cはマクロ・ブランチングを起こさない高温・高濃度試験液で1.19, マクロ・ブランチングを起こす試験液で1.77である.
    一方, 表面割れ長さ : l
    l= v(t-tc)
    で表され, 伝播速度は試験温度全域にわたってArrhonius型の温度依存性を示し, マクロ。ブランチングを起こす領域と起こさない領域において特に異なった温度依存性は示さなかった。
  • 塔高の小粒予飛び出し速度に与える影響
    石蔵 利文, 田中 勇武, 篠原 久
    1980 年 6 巻 5 号 p. 448-454
    発行日: 1980/09/10
    公開日: 2009/10/21
    ジャーナル フリー
    連続式固-気系噴流層からの小粒子の飛び出し速度Vと塔高Hとの関係が, 大小2粒子系において実験的に研究された.
    その結果, 小粒子が飛び出す流速範囲で, 大小2粒子系噴流層を形成させるためには, 大粒子が飛び出さないある高さの塔高が必要であることが認められた.また, 噴流層のフリーボード部について考察し, この部分が3領域に区分できること.さらに, この各領域において, 飛び出し塔高係数αを各粒子系, 各実験条件について算出し, そのαが粒子供給速度の影響を受けず, 流速Uによって変化すること.また, α=αUUによってあまり影響されず, 粒子径が大きくなるほど大きくなることが見いだされた.さらに, 塔の任意の高さでの粒子の飛び出し速度の推箪が, この αを用いることによって提案された.
  • 大佐々 邦久, 三分一 政男, 中倉 英雄
    1980 年 6 巻 5 号 p. 455-460
    発行日: 1980/09/10
    公開日: 2009/10/21
    ジャーナル フリー
    回転二重管型気泡塔は, 中心に設けられた回転内管と静止外管との間隙部において, 気液反応を行わせる反応器である.
    本報では, 反応器内の流動特性, すなわち気泡群の流動状態ガスホールドアップHGおよび液の軸方向混合拡散係数Ezと, 操作条件および回転内管の幾何学的形状との関係を実験的に調べた.その結果, 中程度の回転数範囲において, Ezは回転数の増加とともに顕著に減少することから, 内管の回転数を調節することによって, 液の軸方向混合が制御されうることが明らかとなった.同様に, HGも回転数の増加とともに漸減した.これらの傾向を, 内管回転が気泡群の流動状態に与える影響を調べることにより定性的に説明した.また, 中程度の回転数範囲において, EzHGを与える実験式を得た.
  • 白戸 紋平, 村瀬 敏朗, 岩田 政司
    1980 年 6 巻 5 号 p. 461-467
    発行日: 1980/09/10
    公開日: 2009/10/21
    ジャーナル フリー
    一定ピッチ・直線絞り勾配型および一定溝深さ・減少ピッチ型スクリュー押し出し機内の圧力分布の簡便な解析法を提出した.スクリュー溝を2平板で近似した従来の流動基礎式を, 漏洩流が圧力流と牽引流のねじ山をよぎる成分によって生じることを考慮して修正し, ニュートン流体の押し出し過程における圧力分布の簡易推定式を導いた。また, 軸対称流に関する3次元のNavicr-Stokes式から単軸スクリュー押し出し機の流量を数値計算して, 平板モデルによるらせん流路の近似をより正確にするための形状係数を求めてその計算式を与えた。簡易圧力分布式を用いれば, スクリュー溝に沿う圧力分布とスクリュー特性が容易に近似推定できる.
    粘度が5.39から113Pa・sの水アメ水溶液を用いたスクリュー押し出し実験の結果はフィード圧が0から167kPaまでの範囲で本報の計算結果とかなりよい一致を示した.
  • 中村 肇, 松浦 章裕, 木脇 充明, 山田 幾穂, 架谷 昌信
    1980 年 6 巻 5 号 p. 468-475
    発行日: 1980/09/10
    公開日: 2009/10/21
    ジャーナル フリー
    水平長方形管内の温度助走区間における摩擦係数とヌッセルト数が, 壁温一定の境界条件での, 層流の高粘性ニュートン流体に関して, 理論的, 実験的観点から研究された.理論的研究は, 温度による粘度変化の影響を考慮することによって差分法を使用して行われ, 実験は大気圧の飽和水蒸気でエチレングリコールを加熱することによって行われた.
    数値結果に基づいて, ƒとNuについての粘度の温度依存性の影響を考慮した相関式における粘度比のべき乗が, アスペクト比 γ=1と0.25の長方形管に関して, 種々のμω0のもとでGzと相関された.
    圧力損失, ヌッセルト数の両方共, この粘度比によって修正された実験結果は, 粘度一定の理論解をかなりよく満足することが確かめられた.
  • 嵐 紀夫, 菱沼 孝夫, 楢戸 清, 中島 史登, 黒田 博
    1980 年 6 巻 5 号 p. 476-480
    発行日: 1980/09/10
    公開日: 2009/10/21
    ジャーナル フリー
    平板状触媒を平行に配列した触媒層において, 触媒と触媒の間の流路でのNH3によるNOxの還元分解反応を行わせ物質移動速度を測定した.流路におけるNOxの物質移動速度はガスの流れ方向の触媒長さによって変わり, 特に触媒長さが短い場合に従来諸家により報告されている2平板間の発達した層流に対する物質移動速度よりも大きな値を得た.
    このことから, 触媒の長さが短くなると触媒間でのガスの流れが, 発達した層流になっておらず, 触媒全体が流れの助走区間内にあり, そこでの物質移動が発達した層流に対するそれよりも大きくなっていることが明らかになった.
    助走区間での物質移動速度に対し, 無次元物質移動係数Sh=Kf・2b/Dを無次元長さ刃= (l/2b) /Reにより整理し, 触媒長さl=0.05~0.5m, ガス流速v=10~19m/sの範囲で実験式
    Sh=6.0+0.0006 (X) -1.36
    を得た.ここでKfは物質移動係数, bは流路幅, bはNOの拡散係数, lは触媒長さ, Reは流路幅の2倍, 2bを代表長さにとったレイノルズ数である.
  • 新川 正
    1980 年 6 巻 5 号 p. 481-488
    発行日: 1980/09/10
    公開日: 2009/10/21
    ジャーナル フリー
    本実験は内径13.47mm, 肉厚1.2mm, 伝熱長さ1.2mの銅蒸発管で水ならびに水ーメタノール系を用いて行い, シース型C-C熱電対 (可撓性保護管外径 : 1.0mm) を管壁に埋め込み壁温度を測定することにより熱伝達係数を求めた.総括俵熱係数については上昇式と同じ相関関係を得, ジャケット内加熱蒸気側熱伝達係数についてはKirkbrideの相関が成立するが約46%大きな値を得た.
    環状液膜側熱伝達係数についてはNu/ (Pr) 1/3と蒸発蒸気のレイノルズ数との相関を求め次の実験式を得た.
    Nu=0.82 (Rev) 0.46 (Pr) 1/3
    さらに液膜側熱伝達係数は環状液膜流の厚さのみに左右せられるのでなく, その内部および表面の乱れにより変化することがわかった.またLockhart and Martinelliのパラメータ1/Xttを用いて整理したところ, Denglerらの行った水一空気上昇2相流の伝熱の場合と一致した。
  • 松田 晃, 本田 克美, 岡田 幸治, 宗像 健
    1980 年 6 巻 5 号 p. 489-494
    発行日: 1980/09/10
    公開日: 2009/10/21
    ジャーナル フリー
    濡れ壁塔を用いて蒸気Re数500の層流域からフラッディングに至る広い流量範囲における精留性能と圧力損失について測定した.実験に用いた濡れ壁塔の内径は0.485, 0.9, 1.6, 2.0cmの4種, 圧力は533Pa (4mmHg) から常圧まで変化させた.試料には低圧下でシュウ酸エチル-サリチル酸メチル系を, 常圧下でシクロヘキサン-トルエン系およびn-ヘプタン-トルエン系を用いた.
    その結果, 層流域の精留性能は伝熱のGraetz-Nusseltの解を物質移動に適用して得られる式にほぼ一致し, 乱流域では運動量輸送と物質移動のアナロジーから得られる式に一致した.また, 層流から乱流へ遷移しはじめるRe数は内径が0.485, 0.9cmの塔では圧力によらず1,500で一定であったのに対し, 内径が大きい塔では圧力によって異なる傾向を示した。既往の真空精留装置のデータと比較して濡れ壁塔が優れた真空精留特性を有することを知った.
  • 千田 佶, 只木 〓力
    1980 年 6 巻 5 号 p. 495-500
    発行日: 1980/09/10
    公開日: 2009/10/21
    ジャーナル フリー
    次の四つの気固系反応速度式を取り上げ殻状モデルに従って速度解析を行った.I.G (Z) =Z/1+KZ II. G (Z) =Z/ (1+K√Z) 2
    III. G (Z) =Z/ (1+KZ) 2 IV. G (Z) =Z (Z-Ze) /1+K1Z+K2Z2
    ここにG (Z) は無次元反応速度, ZおよびZeは無次元気体濃度およびその平衡値, そしてK, K1, K2は定数である.
    その結果, 速度式1およびIIには大きい差異がなく, 単に速度解析という観点から言えば速度式IIを1で置き換えることが可能であることがわかった.また反応率時間曲線を議論する場合には速度定数に適当な値を選べば速度式1およびIIを1次速度式で近似的に扱えることもわかった.一方速度式IIIに関しては, 条件により擬定常状態が3点存在し反応界面における反応気体の濃度が急激に変化する場合のあることがわかった.
    また速度式IVの場合には他に比べ拡散抵抗の影響が大きく, 速度解析にあたっては注意を要することがわかった.
  • 筒井 俊雄, 古崎 新太郎, 宮内 照勝
    1980 年 6 巻 5 号 p. 501-507
    発行日: 1980/09/10
    公開日: 2009/10/21
    ジャーナル フリー
    2種類のFCC粒子を塔径60cmの塔で流動化させ, 層内の静圧分布の測定と熱線による気泡の挙動の測定を行った.
    気泡の体面積平均径は1.5cm程度であり, 気泡の成長する傾向は弱い.また, 小気泡 (気泡径0.3~0.7cm), 中気泡 (1~2cm), 大気泡 (4cm程度) が運ぶガス量はそれぞれ同じオーダーの量であることがわかった.
    気泡のホールドアップは半径方向に広がったかなりフラットな分布をしている.分散板近傍の域では壁付近に気泡が多いが, 分散板から離れるほど気泡は塔中心部に集まる傾向がみられる.
    エマルジョン相では循環流が存在し, 濃厚相上部に循環流の流れの向きが反転する領域のあることがわかった.この領域では気泡のホールドアップは半径方向にほぼ一定で, エマルジョン相の軸方向の速度はほぼゼロである.この領域 (遷移域) の占める軸方向長さはガス空塔速度Uf=22cm/ sで約15cm, Uf=33cm/sで約40cmにわたる.
  • 木村 淳一, 架谷 昌信
    1980 年 6 巻 5 号 p. 508-514
    発行日: 1980/09/10
    公開日: 2009/10/21
    ジャーナル フリー
    テストバーナ法の評価を行うことを圏的として, テストバーナとガスの燃焼特性との相関関係を明らかにするために, 試作したテストバーナを用いて実験的検討を行い次の結論を得た.実験ガスはCH4-H2-N2-O2である.
    (1) 特性点 (一定長さ18mmで安定している内炎, 逆火およびリフトの三つをいう) におけるガスの燃焼特性値および1次空気量が明らかにされた.
    (2) 特性点は, 空気ダンパ開度を用いて座標上に表すことができ, 前2者を表す曲線の傾きは互換域群の逆火限界線, 後者の場合はリフト限界線の傾きと一致する.
    (3) 特性点における1次空気量/理論空気量の比は, ガスの燃焼特性値と密接な関係がある.
    (4) 以上の結果に基づき, テストバーナはガスの互換性推定, 燃焼性指数の検証に有用である.
  • 架谷 昌信, 湯沢 恩, 杉山 幸男, C. Y. Wen
    1980 年 6 巻 5 号 p. 515-521
    発行日: 1980/09/10
    公開日: 2009/10/21
    ジャーナル フリー
    低熱量ガス化ガス中のH2Sの高温直接除去剤として, Fe2O3を取り上げ, 熱天秤を用いて反応温度600~900℃にて, Fe2O3とH2Sを含む低熱量ガス化ガスとの反応実験を行った結果, 本実験範囲内で次に示す主な知見を得た.
    1) Fe2O3の還元。硫化同時反応における重量の経時変化は, 還元および硫化個別の結果を単純に加え合わせたものに近い特性を示した.
    2) Fe2O3の還元時における最終還元率は0.95±0.05, またFeとSの硫化の最終段階における化学量論比はFeS1.1±0.1程度となった.
    3) Fe2O3の還元反応および還元生成鉄の硫化反応に関する化学反応速度の活性化エネルギーとして, 13.0kcal/mol, 1.5kcal/molをそれぞれ得た.
    4) 硫化反応に関して, 粒径1.1mm以下では反応律速, これ以上では拡散抵抗の影響を考慮する必要があることが認められた.なお, 有効拡散係数を反応生成物内マクロポアの空隙率の2乗で相関した場合, 総括反応速度解析結果と実験結果との対応はほぼ良好であった.
  • 加藤 邦夫, 前野 光喜, 高橋 隆
    1980 年 6 巻 5 号 p. 522-526
    発行日: 1980/09/10
    公開日: 2009/10/21
    ジャーナル フリー
    管を等間隔で規則的に水平に多数挿入した流動層において, 各種粒子を流動化した場合の層膨張を測定した.使用した挿入管の外径および管の間隔はそれぞれ1.0~5.0cmおよび25~15cmであり, 流動化粒子の最小流動化速度は0.5~30cm/secの間であった.
    水平管群を挿入した流動層の層膨張は, 粒子の最小流動化速度, 挿入管と挿入管との間の間隔, 流動化強度によって大きく影響された。水平管群を挿入した流動層の層膨張に対する実験式を得た.
  • 本間 寅二郎, 長谷川 政裕, 浅葉 好幸
    1980 年 6 巻 5 号 p. 527-532
    発行日: 1980/09/10
    公開日: 2009/10/21
    ジャーナル フリー
    Micronizer型のジェット粉砕機を用いて, 砕料のホールド・アップ, 粉砕産物の粒度分布や比表面積について実験的に検討した.粉砕機は, Rumpfの資料に基づいて試作したもので, ミル直径は100mmである.粉砕実験は石灰石, ケイ石など6種類の試料について行った.その結果ホールド・アップは粉砕条件によって変化し, 粉砕産物の増加比表面積は砕料供給速度の-0.25乗, ノズルを通過する総空気量に比例することなどがわかった.さらに, 次元解析により増加比表面積と供給砕料の比表面積の比であるRG'に関して, 砕料供給速度, 供給粒度, 総空気猛, ノズル径などの因子を含んだ無次元の実験式を得た.
  • 野澤 勝廣, 宮武 修, 橋本 俊行, 松田 晃, 本田 克美, 吉武 照義, 宮下 健二郎, 宗像 健, 山田 幾穂, 森 秀樹, 西 洋 ...
    1980 年 6 巻 5 号 p. 533-549
    発行日: 1980/09/10
    公開日: 2009/10/21
    ジャーナル フリー
  • 1980 年 6 巻 5 号 p. 549a
    発行日: 1980年
    公開日: 2009/10/21
    ジャーナル フリー
  • 1980 年 6 巻 5 号 p. 549b
    発行日: 1980年
    公開日: 2009/10/21
    ジャーナル フリー
  • 1980 年 6 巻 5 号 p. 549c
    発行日: 1980年
    公開日: 2009/10/21
    ジャーナル フリー
  • 1980 年 6 巻 5 号 p. 549d
    発行日: 1980年
    公開日: 2009/10/21
    ジャーナル フリー
  • 1980 年 6 巻 5 号 p. 549e
    発行日: 1980年
    公開日: 2010/11/22
    ジャーナル フリー
  • 1980 年 6 巻 5 号 p. 549f
    発行日: 1980年
    公開日: 2010/11/22
    ジャーナル フリー
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