315℃から390℃の温度域において, 同一のポリスチレン試料を, 3種類の異なる分解装置で分解した.
石英スプリングノミランスによる減圧下での微量分解実験からは, 第1次分解生成物の生成速度が測定され, この活性化エネルギーは39.3kcal/molであった.
常圧下で気液界面積の小さい長管型攪拌槽では, 2次分解生成物の生成速度に影響された分解速度が測定された.この分解速度は, 1次分解速度よりも小さく, 活性化エネルギーは54.2kcal/molである.
通常の分解炉に近い攪拌槽では, 減圧高回転撹拌のもとで第1次分解速度が測定され, 常圧低回転攪拌のもとでは2次分解生成物の生成速度に影響された分解速度が測定される.常圧の場合は, 分解生成物の移動過程は, 分解生成物の発泡という形式で行われているために装置形式の影響を受けにくいものと思われる.
分解装置や操作条件の相違と, 熱分解速度や生成物分布との関係を, 実験により, 定性的に把握することができた.
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