化学工学論文集
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7 巻, 6 号
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  • 斎藤 恭一, 宮内 照勝
    1981 年 7 巻 6 号 p. 545-548
    発行日: 1981/11/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    人工海水中におけるウランの拡散係数を, ウラン濃度10~1,000μg-U/l, 液温5~35℃の範囲で測定した.その結果, 拡散係数は次の実験式で示された.
    D=0.0475exp (-23,500/RT)
    ここで, Dは拡散係数 [cm2/s], Rはガス定数 [J/mol・K], Tは温度 [K] である.
  • 村田 康一, 中島 国博, 船津 和守, 篠原 久
    1981 年 7 巻 6 号 p. 549-555
    発行日: 1981/11/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    ポリマーブレンドとして, ポリエチレン (PE) -ポリプロピレン (PP) 系, ポリエチレン (PE) -ポリスチレン (PS) 系を用いて, 基礎的流動特性として, 粘度・法線応力差を測定するとともに, 押し出し物の内部形態を電子顕微鏡写真で観察した、
    粘度の組成依存性は, 既往の研究と同様な結果を得た.流動複屈折法を用いて測定された法線応力差では, 第1法線応力差のみが得られ, 純成分よりブレンドのほうがおおむね小さくなることがわかった.さらに, 粘度と法線応力差の剪断速度依存性を指数法則にあてはめると, PE分率0.6で指数に大きな変化が現れ, 流動機構に違いがあることが示唆された.流動複屈折法を用いるさい必要な光弾性定数も実験的に求め, ゴム弾性理論の傾向と一致することがわかった.内部形態を電子顕微鏡写真で観察し, ある程度流動特性と対応する知見が得られた.
  • 白戸 紋平, 村瀬 敏朗, 岩田 政司
    1981 年 7 巻 6 号 p. 556-563
    発行日: 1981/11/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    スクリュー押し出し機内のべき乗則流体の圧力分布の簡便な解析法を得るため, スクリュー溝を平板で近似した従来の流動基礎式を平均微分粘度を定義することにより修正した.牽引, 圧力, 漏洩, 横断の四つの流動様式を考慮して一定ピッチ・直線絞り勾配型および一定溝深さ・減少ピッチ型押し出し機における圧力分布の簡易推定式を導いた.平均微分粘度に対する修正係数は服部の流動式から圧力流量を計算することにより求め, また, 非ニュートン流体の運動方程式から軸対称流の流量を計算して, 平板モデルに対する形状係数の計算式を求めた.スクリュー溝に沿う圧力分布とスクリュー特性は, ニュートン流体の場合と同様の方法で容易に求めることができる.
    流動特性指数nが0.201から0.876のべき乗則流体を用いたスクリュー押し出し実験の結果は, 本報の推定結果とかなりよい一致を示した.
  • 黒田 千秋, 小川 浩平, 井上 一郎
    1981 年 7 巻 6 号 p. 564-567
    発行日: 1981/11/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    3次元液流速変動を電気化学的に測定するのに用いられる多電極球状プローブの表面上に微小孔をあけ, その直下に設けられた圧力変換器によって圧力変動をも電気信号として同時に検出するという手法に基づいた静圧, 流速両変動の同時測定法を提案した.そして, この測定法が, 流れとプローブ主軸のなす角θの変動範囲が0°≦θ≦30°で, プローブ球径を基準としたレイノルズ数Reがおよそ103<Re<104の液乱流場に対して適用可能であること, またその応答性能が主流速度Uに比例して向上し, たとえばU=0.5m/s程度の流れ場でおよそ50 Hzであることなどを実験的に明らかにした.
    さらに, 円形開水路内の格子後流において, 上述のプローブを用いて測定を試みた結果, 静圧変動のrms値と乱流運動エネルギー代表値との間に線形関係が存在することなどの新たな知見が得られた.
  • 和泉 健吉, 山田 章, 沢 俊雄, 高橋 燦吉
    1981 年 7 巻 6 号 p. 568-574
    発行日: 1981/11/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    多段フラッシュ蒸発式海水淡水化装置におけるpHコントロール法によるスケール防止効果を造水量, 日産100m3, 10段フラッシュ蒸発器を用いて試験検討した.
    補給海水に対する硫酸添加量を変えて4回試験した結果, 硫酸添加量110ppmにて補給海水を脱炭酸処理すれば, 循環ブラインのpHは7.2に制御でき, アルカリスケールの析出はほぼ完全に防止できた.またブライン最高・温度を120℃, ブライン濃縮比を2.0に押さえることにより硫酸カルシウムスケールの析出も抑止した。
    ブライン中での炭酸物質の反応速度を考慮して, 循環ブライン中のスケール成分の物質収支を計算するプログラムを開発した.また実験値と計算値の比較から炭酸カルシウムの過飽和性に関する知見を得た.
  • 小針 正夫, 清水 幸夫, 遠藤 美保子, 稲積 彦二
    1981 年 7 巻 6 号 p. 575-580
    発行日: 1981/11/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    植物繊維抄造成形材の乾燥機構と乾燥速度の推算法を明らかにすることを目的として, その有効熱伝導度と温度, 水分および空隙率との関係を, 線熱源法を用いて測定した.含水繊維の熱伝導度をこれを構成する繊維と水の熱伝導度の加成性に基づいて近似し, この含水繊維からなる多孔性材料と考えた伝熱モデルを用いると, 湿った繊維質成形材料の有効熱伝導度は簡単な実験式で表現でき, 実験値とよく一致することを示した.
  • -連続分布モデルによる待ち時間分布の検討-
    久保田 徳昭, 只木 〓力
    1981 年 7 巻 6 号 p. 581-587
    発行日: 1981/11/10
    公開日: 2010/02/19
    ジャーナル フリー
    待ち時間分布 (WTD) を数10日の長期間にわたって測定した.また, 連続分布モデル, すなわち各サンプルにランダムに分布した活性点により不均質的にしかもランダムに核発生が起こるとしたモデルを提案した.このモデルでは, 活性点の活性強度分布が連続的な関数 (ガンマ関数) で表現されている.実測のWTDを本モデルで解析した結果, 次のことが明らかになった. (1) 実測のWTDはモデルによりかなりよく表現できる. (2) WTDは比較的活性の強い少数の活性点により決まり, 活性の弱い (おそらく数多くの) 活性点にはまったく関係しない. (3) WTDの測定を長く続ければ続けるほどより活性の弱い活性点による核発生も実現するようになる.すなわちより活性の弱い活性点まで検出できるようになる。検出可能な最小活性強度k0c [s-1] と測定継続時間θm [s] の関係は, k0cθm≈10-1で与えられる.
  • -塔内の濃度分布について-
    日比野 真一, 柘植 秀樹
    1981 年 7 巻 6 号 p. 588-594
    発行日: 1981/11/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    1段および多段気泡塔を用い, 炭酸ガスの水への吸収実験を行い, 塔内軸方向の濃度分布を種々の条件下で測定した.多段気泡塔内の濃度分布は実験的に出口滞留時間分布関数の分散を求めれば, 1段気泡塔におけるガスホールドアップ, 混合拡散係数ならびに液側容量係数と平均ガス空塔速度との関係を用いて, 段内は拡散モデルに従い, かつ段間に逆流があるとするD-Bモデルにより推定しうることを示した.
    さらにD-Bモデルと逆混合モデルによる塔内濃度分布の計算結果を比較すると, 段間隔/塔径が大きくなるほどD-Bモデルで, よりよく多段気泡塔内の濃度分布が表されるが, 出口濃度の推算では両モデルで約2%程度の差しかないことを見いだした.
  • 稲積 彦二, 川崎 順二郎, 鈴木 孝典, 丸山 力
    1981 年 7 巻 6 号 p. 595-601
    発行日: 1981/11/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    非等温系の (1, 1) 次反応を伴うガス吸収において, 気相と液相問の顕熱移動, 溶媒の蒸発, 液相での溶解熱, 反応熱などに起因する温度分布および反応生成物の生成によるイオン強度の変化を考慮すべき場合について, 浸透モデルに基づいた吸収速度の数値解法を提示した.
    また濡れ壁塔を用いて, 界面活性剤を添加した力性ソーダ水溶液の流下液膜への炭酸ガスの反応吸収実験を行い, 異なる接触時間に対する平均吸収速度を求め, 前述の方法による数値解および等温系とした場合の数値解と比較した.その結果より本報の数値解の値が実験値とよく一致することを確かめた.
  • 稲葉 敦, 井上 博愛
    1981 年 7 巻 6 号 p. 602-609
    発行日: 1981/11/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    ポリスチレンを340~380℃の範囲で熱分解し, G.P.C.により溶融残渣の分子量分布と平均分子量の変化について調べた。分子量分布の変化も平均分子量の変化も攪拌速度や気相圧力に代表される操作条件に依存するが, これらの実験結果はJellinekが示した「Weak links」説では説明されないし, ポリマーラジカルの遊離基連鎖反応機構だけでも説明されえないと思われる.
    遊離基連鎖反応機構を基礎にして, 分解生成物の物質移動速度と気液平衡濃度および再重合反応を組み入れたモデルは, 分子量変化に関する実験結果だけでなく留出速度に関する実験結果をよく説明することが, 計算機を使用しての模擬によって示された.
  • 新井 紀男, 架谷 昌信, 杉山 幸男
    1981 年 7 巻 6 号 p. 610-614
    発行日: 1981/11/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    余剰活性汚泥の熱分解生成チャーのN2-O2雰囲気下での燃焼速度がミクロ熱天秤 (TGA) を用いて測定され, 燃焼速度に与える燃焼温度, 酸素濃度, 熱分解温度およびチャー粒径の影響が検討された.
    その結果, 本実験範囲内において, 次の結論が得られた.
    1) 燃焼温度550℃以下では, 総括燃焼速度は化学反応律速であり, 酸素濃度および固体中炭素濃度とともに1次に比例する.
    2) 燃焼速度定数は, 生成チャー中の酸素含有率により大きな影響を受け, 酸素含有率の増大に伴って活性化エネルギーおよび頻度因子がともに減少する傾向が認められた.
    3) 石炭チャーの速度データと比較した結果, 低品位固体燃料生成チャーの燃焼性には, 酸素含有率の影響が大きく, (2) の結論が石炭チャーにも拡張適用しうるとの推論を得た.
  • 架谷 昌信, 新井 紀男, 鈴木 靖彦, 杉山 幸男
    1981 年 7 巻 6 号 p. 615-620
    発行日: 1981/11/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    並流・向流の両機能を有する実験室規模の移動層型反応炉において, 余剰活性汚泥の熱分解生成チャーの連続燃焼実験が行われた.両接触方式での実験結果を比較検討した結果, つぎのような結論が得られた.
    1) 燃焼条件が同一の場合, 向流の燃焼温度の方が並流のそれより高い.しかし, トータルの燃焼効率は, 向流の方がむしろ低い.
    2) 向流では, 排ガス中にCOが10vol%程度含まれており, それと同時に並流ではまったく感臭されない悪臭成分をも含む.
    3) チャー中のN分のfuel NOxへの転換率は, 空気比の低下に伴い減少する.また, 並流と向流とを比較すると並流の方が転換率は低い.
    4) 余剰活性汚泥の灰分は, NOの反応吸収剤として有効利用することができる.
    5) (1) ~ (4) より, 並流部 (燃焼) と向流部 (熱分解・ガス化) を有機的に組み合わせた2段燃焼方式が低品位固体燃料のガス化燃焼法として有効であるとの推論を得た.
  • 半沢 保, 加藤 邦夫, 只木 〓力
    1981 年 7 巻 6 号 p. 621-627
    発行日: 1981/11/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    水平型Epitaxial装置における支持台表面への結晶の析出速度を, 気相内での移動現象に対する基礎方程式を解くことによって求めた.シリコンの析出速度を測定した既往の実測値と本計算値とを比較したところよい一致をみた.
    析出速度におよぼす諸因子の影響を, 析出速度が物質移動と反応の各律速の場合について求めた.物質移動律速の場合, 析出速度は反応ガス流速, 反応成分濃度が大さいほど大きく, 流速が大きいほど, そしてGr数が小さいほど軸方向の析出物の分布は一様になる.他方, 反応律速の場合には, 物質移動律速の場合と比較して, 全般的に析出速度の分布は平坦になる結果を得た.
  • 鈴木 翼, 後藤 圭司
    1981 年 7 巻 6 号 p. 628-634
    発行日: 1981/11/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    均一球形粒子のランダム充填層を電算機内に作り, この充填層が粒子の自重によって引張り破断に至る過程について電算機シミュレーション実験を行った.その結果, 実際の粉体層についての実験結果をよく表わすシミュレーション実験式を得た.またこの実験式とよく知られたRumpfの式との比較検討を試みた.さらにシミュレーション実験結果から, 一様ランダムな充填層においては平均充填率が0.235以下になるともはや引張強度はもたないこと, すなわち最初から破断している面が層内に存在することを明らかにした.
  • 清水 厚司, 井上 博愛
    1981 年 7 巻 6 号 p. 635-642
    発行日: 1981/11/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    グルコアミラーゼ固定コラーゲン膜による澱粉の加水分解反応速度についての研究を行った.固定化酵素の至適pHは, 可溶性酵素の至適pH 5.0よりも低い値であるpH4.5を示した.可溶性酵素の反応速度がMichaelis-Menten式で整理されたのに対し, 固定化酵素の真の反応速度は, 澱粉濃度に比例した.
    コラーゲン膜内の澱粉の有効拡散係数を, 擬定常状態法により測定し, 有効拡散係数は, 酵素担持量に依存することを示した.
    実験結果から計算した固定化酵素の有効係数は, 固定化酵素の真の反応速度が澱粉濃度に比例すると仮定して計算した理論的な有効係数と良好な一致を示した.
    膜型反応器の設計について, 圧力損失や, 総括反応速度に対する流速の影響などを, 実験的に研究した.
  • 柳沢 幸雄, 西村 肇
    1981 年 7 巻 6 号 p. 643-650
    発行日: 1981/11/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    反応工学的な解析と実験の結果, 大気環境中のNOの濃度を精度よく測定できる小型・軽量な測定器を開発した.測定原理は, NOを酸化剤を含浸させた濾紙層内に拡散させてNO2に酸化し, 大気中に共存するNO2とともにアルカリ溶液を含んだ濾紙に吸収させる方法である.酸化剤の濾紙層には, 拡散抵抗物としての機能もある.NO濃度は吸収濾紙に吸収したNO2量と, 他の測定法から得たNO2濃度から算出する.測定器は大きさ50×38mm, 重さ15gである.数時間の暴露で, 50%の精度で大気中のNOを測定することができる.
    論文では, まず理論解析によって, このような測定器の可能性と特性について検討した.次に実験によって, 適切な酸化剤を選択し, 最適な濾紙層の厚みを決定した.最後に実用化試験の結果を述べている。
  • 架谷 昌信, 新井 紀男, 杉山 幸男
    1981 年 7 巻 6 号 p. 651-653
    発行日: 1981/11/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
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