並流・向流の両機能を有する実験室規模の移動層型反応炉において, 余剰活性汚泥の熱分解生成チャーの連続燃焼実験が行われた.両接触方式での実験結果を比較検討した結果, つぎのような結論が得られた.
1) 燃焼条件が同一の場合, 向流の燃焼温度の方が並流のそれより高い.しかし, トータルの燃焼効率は, 向流の方がむしろ低い.
2) 向流では, 排ガス中にCOが10vol%程度含まれており, それと同時に並流ではまったく感臭されない悪臭成分をも含む.
3) チャー中のN分のfuel NO
xへの転換率は, 空気比の低下に伴い減少する.また, 並流と向流とを比較すると並流の方が転換率は低い.
4) 余剰活性汚泥の灰分は, NOの反応吸収剤として有効利用することができる.
5) (1) ~ (4) より, 並流部 (燃焼) と向流部 (熱分解・ガス化) を有機的に組み合わせた2段燃焼方式が低品位固体燃料のガス化燃焼法として有効であるとの推論を得た.
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