化学工学論文集
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7 巻, 3 号
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  • 丸山 敏朗, 白崎 慶次, 水科 篤郎
    1981 年 7 巻 3 号 p. 215-221
    発行日: 1981/05/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    本管に垂直かつ接線方向に支管を取り付けた合流管による2流体の混合特性について実験的に研究した.本管断面の温度分布を実測し, 混合平均温度に対する2次モーメントを用いて, 広い範囲の管径比・速度比における混合特性を比較した.同時に吹き込まれた支流が本管中で形成する偏向壁面噴流の軌跡を測定し, この噴流の挙動に基づいて混合機構を考察した.旋回の強さを表すパラメータとしてスワール数を用い, 旋回の強さと混合条件との関係を検討した.
    その結果, 偏向壁面噴流の軌跡は運動量長さスケールでよく正規化された.旋回合流による混合には, 最短流下距離での急速な混合のための最適速度比が存在する.これは速度比の増加とともに初めは増大する偏向壁面噴流の同伴が, 次第に強まる旋回の影響により抑制されるためと考えられる.急速な混合のための最適条件はスワール数が0.4から0.6の範囲に存在し, 混合前の支流の運動量が主流の運動量の0.7倍の条件として与えられる.
  • 西村 龍夫, 河村 祐治
    1981 年 7 巻 3 号 p. 222-227
    発行日: 1981/05/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    完全発達領域における円柱群内の流動状態が研究された.円柱表面近傍の流れに着目するため, 電極反応法による拡散電流分布の測定および水素気泡法による流れの可視化が行われた.
    錯列配列では前列円柱間流路狭部で形成された噴流, そして正方配列では前列円柱で形成されたはく離せん断流が, それぞれの着目列の円柱に到達して, 円柱表面近傍の流動状態に影響を与える.またピッチ比の減少によって, いずれの配列においても着目列円柱間流路狭部で形成された加速流が同様に表面近傍の流動状態に影響を与える.円柱群内の巨視的流れは, 正方配列の場合ピッチ比の減少によって著しく変化するが, 錯列配列の場合ほとんど変化しない.
  • 大竹 伝雄, 東稔 節治, 久保井 亮一, 井上 義弘, 小川 伸二
    1981 年 7 巻 3 号 p. 228-232
    発行日: 1981/05/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    運動粒子の局所的な移動速度と粒子径の測定に利用される非接触型光学繊維反射光検出端の応答特性について, 反射光応答モデルと実験の両面から検討した.
    照射光に拡散線光源モデルを適用し, 粒子表面および粒子内2次反射光を考慮に入れた応答モデルを導いた.
    運動粒子の検出端に対する立体的な挙動を表す基本的な立体特性因子を導入した結果, 反射光強度は, 立体特性因子により大きく変化し, 反射光強度が最大となる立体的状態を基準状態と定義した.応答モデルに基づき, 基準状態にある粒子の応答特性長さの粒子径への変換式を提出した.この変換式を, 気泡上昇群で得られた応答群に適用して求めた気泡径は, 写真撮影法による測定値と良好な一致を示した.
  • 田代 久夫, 小谷田 一男, 山田 知雄
    1981 年 7 巻 3 号 p. 233-238
    発行日: 1981/05/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    本報告は, 火力発電用ボイラ蒸発管の熱負荷測定のため, ボイラ炉内において耐久性が大で, 測定精度もよくかつ安価という目標をおいて新しく考案した熱流計の実用化について検討したものである.その結果, 本熱流計は, 銀ヌー付け法によりよい密着が得られ, 測定精度も高くなる.またボイラ炉内の雰囲気における耐久性も充分あることを明らかにした.
  • 村田 芳治, 山口 和之, 田中 茂宏, 田村 一人
    1981 年 7 巻 3 号 p. 239-244
    発行日: 1981/05/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    振動板塔における冷媒直接接触による熱移動について検討した.
    総括容量係数に及ぼす振動板塔の仕様と操作条件の影響を検討し, 次のような相関関係式を求めた.
    Ua/CpCρCuC=3.56α0.15 [Ed4/vD3] 0.13 [uD/uC] 2.15m/l] 0.18m/l] 0.12
    ここでE=f3αm/l32l
  • 西村 誠, 倉石 迪夫, 杉山 幸男
    1981 年 7 巻 3 号 p. 245-252
    発行日: 1981/05/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    1次元輻射半透過性媒体の輻射加熱に関して, 媒体の射出を考慮に入れて温度応答ならびに定常状態温度分布および熱流束分布を理論的に解析した.解析結果は本実験範囲内において実験結果と良好な傾向的一致を示し, 本理論解析の妥当性が確かめられた.また, 内部加熱効果が温度応答, 定常状態温度分布および熱流束分布に顕著な影響を及ぼし, その程度は入射輻射線の主要な振動数域における媒体の単色光学的厚さと境界壁の単色射出率の大きさに強く依存することを明らかにした.
  • 佐野 雄二, 薄井 洋基, 斉藤 英二
    1981 年 7 巻 3 号 p. 253-260
    発行日: 1981/05/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    攪拌槽内に設置した冷却コイルの外面の伝熱係数を, 種々の攪拌翼について測定し, 液の単位質量あたりの消費動力を用いて相関した.
    相関式としては, 邪魔板の有無によらず, 既往の槽径 1.2mまでのデータを含み, レイノルズ数103~2×106の範囲に適用できる次式が推奨される.
    hcodco/λ=0.28・ (εdco43) 0.205 (d/D) 0.1 (dco/D) -0.3Pr0.35Vis-0.14
    ここにb : 翼幅 [m], 槽径 [m], d : 翼径 [m], dco : コイル外径 [m], hco : =イル外面伝熱係数 [W/m2K], Pr : プラントル数, Re : レイノルズ数, Vis : 粘度補正項 [-], ε : 液単位質量あたり消費動力 [m2/s3] λ : 熱伝導度 [W/mK], D : 運動粘度 [m2/s]
  • 今石 宣之, 井口 秀行, 宝沢 光紀, 藤縄 勝彦
    1981 年 7 巻 3 号 p. 261-266
    発行日: 1981/05/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    シクロヘキシルアミンの非水溶液によるCO2の吸収速度を液柱塔および攪拌槽を用いて実験的に調べた.溶媒としては, トルエン, メタノール, メタノールと水の混合物, および水を用いた.
    トルエンの場合は, 吸収速度は浸透説に基づく理論で説明された.しかし, 他の溶媒の場合は, 界面攪乱の発生のために吸収速度は理論値より大となった.
    未反応アミン溶液と炭酸化されたアミン溶液の表面張力の測定から, 界面攪乱の原因は気液界面での塩生成による局所的な表面張力の増加のためであることが示唆された.
    反応吸収に及ぼす界面攪乱の影響を定量化するために乱流拡散係数モデルを提案した.
  • 構造と化学組成の変化
    大矢 晴彦, 根岸 洋一, 加本 健二郎, 松井 孝二, 井上 治彦
    1981 年 7 巻 3 号 p. 267-271
    発行日: 1981/05/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    1.0 MPaの圧力下における次亜塩素酸ソーダの逆浸透分離において, アセチル化度39.8%の非対称酢酸セルロース膜の劣化促進実験を高濃度, 高温で行った.劣化膜の特徴は, 分離率の低下および純水透過速度の増大となって現れる.膜全体として, 膜物質の化学的組成の変化は認められないが, 表面活性層では変化が生じている.しかし, 表面層における構造上の変化は, 走査型電子顕微鏡では認められなかった.
  • 機構の解明
    大矢 晴彦, 根岸 洋一, 加本 健二郎, 松井 孝二, 井上 治彦
    1981 年 7 巻 3 号 p. 272-277
    発行日: 1981/05/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    表面活性層内の酢酸セルロースの加水分解速度は, NaOClの分解による発生期の酸素により促進されるであろう.アセチル基含有量の減少速度はNaOClの濃度の2乗の関数として表現できる.この速度定数の活性化エネルギーは70.7kJ・mol-1であった。膜内におけるNaOClの濃度はアセチル基含有量と熱処理因子の関数である膜透過係数に依存している.逆浸透分離の経時変化は, 熱処理因子および, Lonsdaleらによって得られた各アセチル基含有量に対応する純水および溶質透過係数のデータにより推定することができる.造水促進センター茅ヶ崎臨海研究所において得られた, 東レ製SC-5000スパイラルモジュールを用いた逆浸透法による海水淡水化の分離率の低下を, この推定法により, よく説明できる。
  • 長谷川 裕, 蜂谷 彰啓, 小屋 敏行, 国井 大蔵
    1981 年 7 巻 3 号 p. 278-284
    発行日: 1981/05/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    微粉鉄鉱石と重質油の単一混合ペレットを, 窒素ガスを上方に流した石英管内で加熱し, ガス成分の発生速度とペレットの温度を測定した.反応管温度は850~1,050℃, 混合比は0.18および0.20kg-oil/kg-ore, 混合ペレットの粒径は3.5および7mmとした.
    重質油のガス化は120秒以内に終了し, 主なガス生成物としてH2, H2O, CH4, C2H4, C2H6, CO, CO2が得られた.また, COおよびCO2の生成機構は, H2, H2O, CH4, C2H4, C2H6の生成機構とは異なることが見いだされた.一方, 重質油のガス化と同時に微粉鉄鉱石の焼結および還元が起こり, 還元率15~30%の多孔質ペレットが得られることがわかった.
  • 長谷川 裕, 沢田 郁夫, 小屋 敏行, 国井 大蔵
    1981 年 7 巻 3 号 p. 285-290
    発行日: 1981/05/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    微粉鉄鉱石と重質油の単一混合ペレットの同時焼結・還元・ガス化の反応モデルを提出した.本モデルは次のような概念に基づくものである, 混合ペレットの反応は, 重質油のガス化およびそれと同時に起こる鉄鉱石の還元 (第1段階) ならびにペレット内に析出した炭素と鉄鉱石間の反応 (第2段階) の2段階の反応が組み合わさっており, それぞれの段階の反応速度は異なる温度依存性を持つ.
    混合ペレットの粒径が大きい場合, COおよびCO2の発生速度の経時変化には二つのピークがあることの説明がついた.また, 第2段階で発生するCOおよびCO2は, COおよびCO2の総発生量の70~80%を占めると推算された.
    焼結・還元・ガス化の同時現象を利用する新しい微粉鉱直接還元プロセスの設計計算のための手掛りが得られた.
  • 赤嶺 和彦, 冨田 重幸, 大島 榮次
    1981 年 7 巻 3 号 p. 291-297
    発行日: 1981/05/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    アタクチックポリプロピレンを回分型反応器を用い, 355~395℃, 不活性ガス雰囲気下で熱分解した.気相生成物については留出速度と組成の経時変化を, 一方, 液相生成物については分子量分布の経時変化を測定し, 熱分解反応機構についての検討を行った.
    その結果, 気相生成物中の各成分の生成においては, 分子内連鎖移動反応機構が支配的な因子であり, 一方, 液相生成物の挙動については, 分子間連鎖移動反応に基づくランダム解裂が支配的な因子であるという結論を得た.
  • 鏡面反応器における反射の影響
    横田 俊幸, 岩野 俊彦, 只木 〓力
    1981 年 7 巻 3 号 p. 298-303
    発行日: 1981/05/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    反応器壁面を鏡面状にした二重円筒型の光化学反応器を作製し, この反応器の光吸収速度に及ぼす反射の影響について検討した.光吸収速度の算出は, 光源からの直接光および反射光の光路長を求め, これを基に行った.
    一方この鏡面反応器を用いてトリオギザレート鉄溶液の光還元反応を行い, その反応速度を求めた.実験は, 原料濃度を10-7~10-5mol/cm3と変え, また外筒直径の異なる3種類の反応器を用いて行った.
    実験的に求めた反応速度と, 先に求めた光吸収速度から計算した反応速度とはいずれの場合もよく一致することがわかり, 光路長を基にして光吸収速度を推定する方法が有効なことが確かめられた.次いで, この鏡面反応器の光エネルギー利用率について考察し, これが減衰係数や反応器の大きさによってどのように変化するかを検討した.
  • 側混合モデルによる解析
    久保 建二, 荒谷 敏朗, 三島 明
    1981 年 7 巻 3 号 p. 304-308
    発行日: 1981/05/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    液系における充填層の軸方向混合を明確にするために数種の直径の異なるガラス球および1/2inの磁製ラシヒリングの充填層を用いて滞留時間分布曲線を測定した.曲線は, 規則充填層内のフローパターンの写真観測ならびにモデルと実測曲線との一致性に基づいて提案された側混合モデルにより解析した.充填層の軸方向混合を与える側混合モデルのパラメータはサイド・ポケット率βと側混合係数Mであり, この2個のパラメータは層流から乱流にわたってレイノルズ数, ガリレイ数の関数として良好な相関実験式が得られた.
  • 大屋 正明, 平沢 信三, 城戸 伸夫, 山崎 正和, 河合 操, 宮島 邦男, 服部 久雄
    1981 年 7 巻 3 号 p. 309-314
    発行日: 1981/05/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    小型2段燃焼試験炉を用いて, 都市ガス, 灯油, C重油を燃料とした場合の2段燃焼によるNOx抑制実験を行い, 火炎内および炉内のNO, O2, CO2, CO, H2ガス濃度と温度の分布を詳細に測定し, NOxの生成などの挙動を調べ, 2段燃焼の全般的な特性について検討した.
    その結果, 通常燃焼の場合のNO排出量は空気比に強く依存しており, N含有率が増加するとNOの最大濃度を示す空気比は空気過剰側へ移動するが, 一般に上に凸型のプロファイルであり, 特に燃料過剰側では酸素濃度低下による大幅なNO減少がみられた.また, 2段燃焼を行った場合のNO抑制率は, 主空気比に強く依存しており, 主空気比を燃料過剰側へ下げるほど高い抑制率が得られた.さらに, Fuel NOの生成は空気比を下げると変換率も低くなる傾向にあり, 2段燃焼を行うことによりNO変換率を低減できた.
  • 古瀬 久幹, 合葉 修一
    1981 年 7 巻 3 号 p. 315-319
    発行日: 1981/05/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    酵母 (Saccharomyces cereyisiae) の濃厚懸濁液はダイラタント流動を示すが, その流動特性に及ぼす菌体体積率と添加塩の効果について基礎的な解析を試みた.同一の条件で酵母を水または食塩水に分散させた場合, 食塩の存在が菌体体積率をかなり減少させたが, それぞれの体積率と酵母懸濁液のみかけ粘度との関係は球形粒子の高濃度分散液の粘度式を修正した半理論式で表すことができた.また, ダイラタント流動に関して, 分散粒子間の衝突効果を考慮した補正因子を含む粘度式を用いみかけ粘度と菌体体積率の関係をシミュレートした.
  • 森下 道男, 大崎 知恵, 権藤 晋一郎
    1981 年 7 巻 3 号 p. 320-323
    発行日: 1981/05/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    皮粉より調製した再生コラーゲン膜を担体とする膜状の固定化グルコースオキシダーゼを溶存酸素電極に被覆してグルコースセンサーを作成し, その特性について検討した.
    皮粉100mgあたり酵素使用量を2mgから10mgに順次増加することにより検量線の形状は大きく変化し, より低濃度域のグルコースの定量に有利な形の検量線が得られた.酵素使用量10mgの場合, 温度5℃でもグルコース定量に使用しうる形の検量線が得られた.45℃以上では酵素の失活の影響が大きい.酵素使用量が大で温度が低いほど, みかけの固定化酵素活性の半減期が長くなる.また, 時間tにおけるみかけの酵素活性相対値の経時変化は (Et/E0) app= 1/ (1+Ktn) で表すことができ, nは1.7~2.7であった.
  • 田中 裕之, 小宮 山宏, 井上 博愛
    1981 年 7 巻 3 号 p. 324-325
    発行日: 1981/05/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
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