1価陽イオンであるナトリウムイオン, アンモニウムイオンを, これらイオンの溶存する水溶液より, 捕集剤としての代表的なアニオン系界面活性剤であるドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム, DBSNaを用いて実験的に分離した.
この実験において, DBS
-過剰量は, 被捕集イオン濃度増加とともに単調に増加した.
DBSNa水溶液におけるDBS-吸着等温線と界面電位を結合して得られる捕集剤イオン, DBS
-過剰量推算式を, ナトリウムイオン, アンモニウムイオンを含むDBSNa水溶液に適用し, 検討を加えた.
DBS
-吸着によって生成される負の帯電面を中和するナトリウムイオン過剰量, アンモニウムィオン過剰量を, 上に推算したDBS
-過剰量と被捕集イオン過剰量の比が溶液中の濃度比に等しいという拡散層理論によって算出した.計算による過剰量は, 実験的な泡沫分離の結果と定性的に良好に一致した.
DBS
-吸着によって生起する負に帯電した固定気泡表面膜と周囲流動流体間のすべり面におけるζ-電位を, DBSNa水溶液に対してドルン効果を利用して測定した.
この結果, 界面電位とζ-電位とは数値的に見合うものであった.
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