化学工学論文集
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8 巻, 5 号
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  • 藤津 正則, 杉山 幸男
    1982 年 8 巻 5 号 p. 545-551
    発行日: 1982/09/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    加熱乾燥時のキャスタブルの損傷機構を解明するため放出水分の影響を無視し, 過渡温度と過渡熱応力との関係を平面歪モデルに準拠して荷重増分法を用い, そして亀裂発生ならびにその伝播を考慮して有限要素法により解析した.残留混練水をほぼ完全に除去した中空円筒形試料を用いた実験結果と対比させた結果次のような知見を得た.
    1) 試料外表面に発生した亀裂は, 試料内表面近傍に発生した亀裂がぜい性破壊により短時間で伝播したものと考えられた.
    2) 著者らによる既往の研究との比較から, 加熱乾燥中は以後の加熱昇温時に比べて損傷しやすいという従来の定説と同一の結論を得た.なおセメント水和物の脱水分解反応の影響については, さらに検討を要するものと考えられるが, 本研究の範囲内では無視しても大過ないように思われた.
  • 井口 高行, 奥田 聡
    1982 年 8 巻 5 号 p. 552-555
    発行日: 1982/09/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    有機ライニング材中への液の拡散によって電気容量は増加する.この過程について被膜中の液の濃度分布を考慮した詳細な検討を行い, 濃度分布のない場合との比較, 実験結果との比較を行った.
    また, 液拡散による電気抵抗の低下が小さく, 樹脂自身の抵抗を無視できない場合について検討を行った.
  • 井口 高行, 奥田 聡
    1982 年 8 巻 5 号 p. 556-559
    発行日: 1982/09/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    温度勾配の存在する有機ライニング材の劣化過程を電気容量法によって調べた.ライニング材の片面が高温の水と接し, 下地金属側がそれより低温に保たれると, ブリスタの発生が激しく, この場合容量の増加が大きい.この容量の増加は液の浸入によって起こる.温度勾配下におけるライニング材への液の拡散過程を説明するために熱拡散を導入し, 温度勾配下におけるライニング材の劣化に熱拡散が重要な役割を果たしていることを示した.
  • 高瀬 均, 海野 肇, 明畠 高司
    1982 年 8 巻 5 号 p. 560-565
    発行日: 1982/09/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    6枚羽根上側円板付タービン型翼を用いた表面攪拌式角型エアレーションタンクの所要動力を, 槽および翼の大きさ, 翼回転数, 翼浸漬深さ, 液深を変えて測定し, 流れを可視化して観察した槽内液のフローパターンと合わせて検討した.
    攪拌の動力数は, 翼下部への空気巻き込みにより大きく影響される.空気巻き込みが起こらない場合の動力数は装置条件で決まる一定値となるが, 空気巻き込みが始まると, 翼レイノルズ数の-1.0乗に比例して減少する.また, 動力数は槽内液のフローパターンの影響も受け, 槽内に軸流が形成される条件下では一定値となり, 円周流が形成される条件下では, (液深) / (槽幅) の比が小さくなるにつれて減少する.
  • 酒井 清孝, 田村 真紀夫, 石川 厚史, 小森 昌樹, 伊藤 和廣, 呂 恒盛, 多田 正
    1982 年 8 巻 5 号 p. 566-571
    発行日: 1982/09/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    液中燃焼装置は, 熱効率が非常に高い反面, 圧力損失が大きい.この欠点を改良するために, スプレークエンチング形式を用いた直接接触式熱交換器を研究してきた.その結果, 液加熱効率を90%前後に維持して, 圧力損失を従来の約1/10に減少させることができた.また気液の混合状態を, 水供給口穴径, 穴数を変えることにより変化させ, その伝熱容量係数に及ぼす影響に関する実験式を得た.さらにこの式を用いて液温度を推算し実験結果とよい一致を得た.
  • 米本 年邦, 成田 睦夫, 佐藤 恒之, 只木 〓力
    1982 年 8 巻 5 号 p. 572-577
    発行日: 1982/09/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    濡壁塔におけるアンモニアならびに亜硫酸ガスの反応吸収に伴う気相内高物質流束移動現象を実験的および理論的に検討した.その結果, 物質流束に起因する界面法線方向速度成分が存在すると, 流線は液膜方向に圧縮され, ガス吸収は促進されることが確かめられた.
    このような高物質流束効果が顕著となる状況下では, 系内を流れる気相全流量は流れ方向に変化し, さらに物性値が系内各点で大きく変化することから密度対流の発生も予想され, 現象は大変複雑となる.しかし流量変化ならびに物性値の濃度依存性を厳密に考慮した差分法数値解析によれば現象を定量的に評価できることがわかった。
  • 久保田 克之, 林 新也, 田和 一樹
    1982 年 8 巻 5 号 p. 578-583
    発行日: 1982/09/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    1価陽イオンであるナトリウムイオン, アンモニウムイオンを, これらイオンの溶存する水溶液より, 捕集剤としての代表的なアニオン系界面活性剤であるドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム, DBSNaを用いて実験的に分離した.
    この実験において, DBS-過剰量は, 被捕集イオン濃度増加とともに単調に増加した.
    DBSNa水溶液におけるDBS-吸着等温線と界面電位を結合して得られる捕集剤イオン, DBS-過剰量推算式を, ナトリウムイオン, アンモニウムイオンを含むDBSNa水溶液に適用し, 検討を加えた.
    DBS-吸着によって生成される負の帯電面を中和するナトリウムイオン過剰量, アンモニウムィオン過剰量を, 上に推算したDBS-過剰量と被捕集イオン過剰量の比が溶液中の濃度比に等しいという拡散層理論によって算出した.計算による過剰量は, 実験的な泡沫分離の結果と定性的に良好に一致した.
    DBS-吸着によって生起する負に帯電した固定気泡表面膜と周囲流動流体間のすべり面におけるζ-電位を, DBSNa水溶液に対してドルン効果を利用して測定した.
    この結果, 界面電位とζ-電位とは数値的に見合うものであった.
  • 吉田 英人, Nonot Soewarno, 藤井 一将, 頼実 正弘
    1982 年 8 巻 5 号 p. 584-589
    発行日: 1982/09/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    トレー上に仕切り板を設置した場合およびダウンカマー内の液混合に関し実験および理論より検討を行った.
    バッフルに関しては出口堰と同程度の高さのものを, 4枚等間隔に設置した場合がトレー上の液混合を最もプラグフローに近づけることができる.またバッフルを設置することにより, トレーが傾斜した場合の液混合の変化割合を減少させることができる.さらにトレー上での液混合は塔が入口堰側に傾斜した場合が一番大きく, 次に水平静止, 出口堰側傾斜の順となり, これは主に液流速の変化に起因する.
    ダウンカマー内での液混合程度はほぼトレー上での液混合と同程度である.またダウンカマー内での液混合は塔が出口堰側に傾斜した場合が一番大きく, 次に水平静止, 入口堰側傾斜の順となり, この傾向はトレー上での液混合状態と逆である.
  • 二宮 康平, 栗林 敦, 河野 尚志
    1982 年 8 巻 5 号 p. 590-597
    発行日: 1982/09/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    平面接触攪拌槽を用い, NOおよびNO2混合ガスの苛性ソーダ水溶液への吸収実験を行い, これらの実験結果に基づいて吸収機構を考察した.NOxガスの吸収速度は苛性ソーダの拡散速度によって大きく影響された.苛性ソーダの拡散速度が充分速い場合にはN2O3およびN2O4の同時吸収反応で, それぞれの吸収速度は非瞬間不可逆1次反応を伴う吸収理論でよく説明できた.苛性ソーダの拡散速度が遅い場合には, 液境膜内に中和反応面を考え, HNO2のN2O3への反応も考慮したモデルで吸収速度をよく説明できた.
    苛性ソーダ濃度を下げるとNO3-選択率が著しく増加し, この結果もここに提出した吸収機構によって説明された.
  • 大竹 伝雄, 東稔 節治, 駒沢 勲, 川嶋 将夫
    1982 年 8 巻 5 号 p. 598-603
    発行日: 1982/09/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    二重円筒内部照射光反応器を用いてアルカリ水溶液中における鉄シアノ錯塩の紫外線照射による分解反応を行った.鉄シアノ錯塩および中間体のアクアペンタシアノフェライト (II) の濃度が低い場合には, 分解速度はみかけ上, 溶質濃度に大きく依存した.錯塩濃度の時間的な変化にともなう光反応器の光強度分布を考慮して, 半径光モデルに基づき広い濃度範囲にわたり鉄シアノ錯塩, アクアペンタシアノフェライト (II) の分解反応を解析した.照射光完全吸収から光強度分布を伴う操作条件にわたって適用しうる総括反応速度式を提出した.
  • 長谷川 裕, 国井 大蔵
    1982 年 8 巻 5 号 p. 604-610
    発行日: 1982/09/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    微粉鉄鉱石と重質油の混合ペレット (0.2kg-oil/kg-ore, 平均粒径773μ) と流動媒体 (平均粒径356μ) を, 連続的に流動層に供給し, 発生ガスの組成と盗流したペレットの還元率を測定した.層温度は850~1, 0500℃, ペレットのホールドアップは5~20%ペレットの平均滞留時間は10~80分とした.
    還元率に対するホールドアップおよび平均滞留時間の影響の検討, ならびに本実験結果と単一ペレットの結果との比較を行った.これらの検討比較により, 流動層内では, メタンの分解, 流動媒体に付着した炭素のガス化, および重質油により予備還元されたペレットの還元が起きていることが確認できた.
    また, 層温度が高く (950℃以上), ホールドアップが大きく (20%以上), 平均滞留時間が長い (80分以上) 場合には, 集塊を生じて層を閉塞することがわかった.
  • 架谷 昌信, 湯沢 恩, 小椋 弘治, 松田 仁樹
    1982 年 8 巻 5 号 p. 611-617
    発行日: 1982/09/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    低熱量ガス化ガス中のH2SとFe2O3との反応により生成したFeSαとO2との反応実験を行った結果, 本実験条件下において, 以下に示す主な知見を得た.
    1) 本実験で得られたFeSαは, 反応温度600℃以上では, 酸素濃度, 粒径によらずほぼ完全にFe2O3を再生しうる.しかし, 600℃以下では, 反応機構が異なり, Fe2O3の再生は不完全となる.さらに, 反応温度600℃以上での反応をFe2O3へのみかけ1段と仮定すると, 化学反応速度は酸素濃度に関して1次のグレインモデルで表示でき, 反応の活性化エネルギーとして, 25.6kJ/molを得た.
    2) Fe2O3のH2Sに対する反応性は, 再生前後で変化せず, 脱硫剤としてFe2O3を再生利用して支障ないことが認められた.
    3) FeSαからFe2O3への再生反応は, 粒径2mm以上では, O2拡散の影響が現れる.なお, 有効拡散係数を反応生成物内マクロボアの空隙率の2.25乗で相関した場合, 総括反応速度解析結果と実験結果との対応はほぼ良好であった.
  • 吉岡 進, 平戸 瑞穂, 里見 義仁, 尾崎 博己
    1982 年 8 巻 5 号 p. 618-623
    発行日: 1982/09/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    粒子循環回路における粒子流量制御方式の確立を目的にして, スタンドパイプ下端の絞りから流出する粒子の流出量と, 絞り直上に付加されるガスの流量との関係が実験的に研究された.
    その結果, 絞り部の圧力降下が粒子の流れ方向に対して正である時, 粒子流出量は絞りを流れる付加ガスの流量に比例して増加することが見いだされた.そして, 粒子流出量と, 絞りを通過する付加ガス流量, 絞りの径, 粒子の平均径およびかさ密度とを相関させた実験式が得られた.
    絞り部の圧力降下は, Ergunの式から導かれた理論式によってよく説明されることも明らかにされた.
  • 金岡 千嘉男, 江見 準, 藤井 伸明, 山口 宗英
    1982 年 8 巻 5 号 p. 624-628
    発行日: 1982/09/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    微小ミストを繊維層フィルターで捕集すると, 一定時間経過後フィルターから大粒子が飛散することが知られている.しかし, その機構についてはまだ明確でない.
    そこで, 本研究では繊維層フィルターの捕集効率, 圧力損失, 飛散ミスト径の経時変化を実験的に求めることにより, 繊維層フィルターの微小ミストの凝集装置としての機能を明らかにした.また, 実験結果に基づいて, ミストの捕集, 蓄積, 再飛散過程を説明できるモデルを提案した.
  • 高橋 武士, 金川 昭
    1982 年 8 巻 5 号 p. 629-634
    発行日: 1982/09/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    帯電したニュクリポァ・フィルターの捕集効率を, 粒子慣性, さえぎり, および静電気力の捕集機構について, 理論的, 実験的に考察した.理論捕集効率を, pichによって提案された毛細管フィルターモデルと電荷がフィルター表面に一様に分布していると仮定したフィルター電荷分布モデルを用いて, 数値的に算定した.なお, フィルターを通る流れをNavier-Stokes方程式を数値的に解くことにより求めた.
    理論計算値を, 単分散ポリスチレン・ラテックスエアロゾルを用いて測定したニュクリポァ・フィルターの捕集実験結果と比較検討した.
    捕集効率は, エアロゾル粒子が帯電している場合にかなり上昇した.そして, この粒子荷電量の増加による捕集効率の上昇は, フィルター電荷と粒子電荷との間に働くクーロンカによって説明されえた.
  • 上原 斎, 石井 英一, 石川 博, 中根 正典
    1982 年 8 巻 5 号 p. 635-642
    発行日: 1982/09/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    水素の熱化学的製造法として次の4段反応からなる新しいハイブリッドサイクルを提案する.
    4HBr → 2H2 + 2Br2 (電気分解)
    5/3 As2O3 +2Br2 + 3H2O → 2H3AsO4 + 4/3AsBr3 (水溶液)
    4/3 AsBr3 + 2H2O → 2/3As2O3 + 4HBr (水溶液)
    2H3AsO4 → As2O3 +3H2O +O2 (750℃)
    この構成反応について熱力学的および実験的検討を加えた.最高温度がAs2O5のAs2O3とO2への熱分解での750℃であり, 各反応での生成物が気・液・固または濃厚水溶液相に分離した形態で得られるため, このサイクルは熱源と生成物分離の点で有利な特徴をもつ.
  • 宮原 敏郎, 加瀬野 悟, 高橋 照男, 白神 直弘, 井上 一郎, 小松 弘昌, 中野 勝之, 福地 賢治, 楠 浩一郎
    1982 年 8 巻 5 号 p. 643-653
    発行日: 1982/09/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
  • 1982 年 8 巻 5 号 p. 653a
    発行日: 1982年
    公開日: 2010/02/19
    ジャーナル フリー
  • 1982 年 8 巻 5 号 p. 653b
    発行日: 1982年
    公開日: 2010/02/19
    ジャーナル フリー
  • 1982 年 8 巻 5 号 p. 653c
    発行日: 1982年
    公開日: 2010/02/19
    ジャーナル フリー
  • 1982 年 8 巻 5 号 p. 653d
    発行日: 1982年
    公開日: 2010/02/19
    ジャーナル フリー
  • 1982 年 8 巻 5 号 p. 653e
    発行日: 1982年
    公開日: 2010/02/19
    ジャーナル フリー
  • 1982 年 8 巻 5 号 p. 653f
    発行日: 1982年
    公開日: 2010/02/19
    ジャーナル フリー
  • 1982 年 8 巻 5 号 p. 653g
    発行日: 1982年
    公開日: 2010/02/19
    ジャーナル フリー
  • 1982 年 8 巻 5 号 p. 653h
    発行日: 1982年
    公開日: 2010/02/19
    ジャーナル フリー
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