化学工学論文集
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9 巻, 2 号
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  • 赤木 靖春, 山本 繁, 高橋 照男
    1983 年 9 巻 2 号 p. 111-115
    発行日: 1983/03/10
    公開日: 2010/03/15
    ジャーナル フリー
    孔径0.001~0.020m, 開孔比0.024~0.302の0.15×0.15m多孔板上の気液混相が泡沫層からスプレイ層へ遷移する条件について研究した.
    ガス流速を増大した時の遷移ガス流速を光透過法などによって測定し, これに対する液流速, トレイ形状および液物性の影響を検討した. その結果, 遷移ガス流速は液流速および液の表面張力とともに増大し, 孔径の増大につれて減少することを明らかにした. これらの実験的考察に基づいて, 遷移ガス流速に対する相関式を提案した.
  • 井上 義朗, 伊藤 龍象
    1983 年 9 巻 2 号 p. 116-122
    発行日: 1983/03/10
    公開日: 2010/03/15
    ジャーナル フリー
    エネルギー積分法を用いて層流のベナール対流を解析し, 得られた計算値と今までの実験値を比較することによりその有効性を調べた.
    攪乱の波数と温度の空間的分布とがレイリー数に依存することを考慮することにより, 従来のエネルギー積分法を改良し, 広いレイリー数域にわたって精度の良い解を得た. 臨界レイリー数と臨界波数は0.13%以内で厳密解と一致した. レイリー数が臨界レイリー数より大きくなると, 攪乱の波数や温度分布中のパラメータを決める付加的な条件が必要となる. 本論文では, そのような条件として5種類の条件を取りあげ, 計算結果と実験値との比較を行った. その結果, ヌッセルト数最大条件を用いた場合には, 平均ヌッセルト数, 平均温度分布, 最大流速の各実験値とよく一致することが解った. しかし, 波数に対しては, いずれの条件も満足な結果を与えなかった.
  • 高橋 洋志, 川向 一史, 竹内 隆男
    1983 年 9 巻 2 号 p. 123-128
    発行日: 1983/03/10
    公開日: 2010/03/15
    ジャーナル フリー
    本研究は, 空気が粒子群の重力流れに対して向流上昇する移動層での軸方向温度分布の特性を調べるために行われた. 流体および粒子共に管外から電気ヒータによって加熱された. 得られた軸方向温度曲線は通常, 軸方向のある位置で最大値を示した. “熱流”なる用語をq= (質量流束) × (比熱) によって定義すると, この最大温度の位置は熱流比m=qsolids/qfluidによって変化した. この様な温度分布の挙動は, 流体の軸方向混合および流体と粒子間の熱交換を考慮に入れた伝熱モデルによって説明することができた. 総括伝熱係数hoもまた推算された. hoと操作条件との相関の特徴の一つは, m≦1またはm>1によって, 熱流比mがhoに対して異った影響を示したことである.
  • 周期加熱による方法
    三浦 隆利, 深井 潤, 大谷 茂盛
    1983 年 9 巻 2 号 p. 129-134
    発行日: 1983/03/10
    公開日: 2010/03/15
    ジャーナル フリー
    周期加熱法を連続昇温過程に適用し, 任意の昇温速度で熱拡散率が測定できる方法を開発した. 周期加熱法は比較的熱拡散率の小さい物質に対して有用な方法である. 測定は380~800Kの間で0~0.05K/sの昇温条件下で, テフロンとアルミナ粒子層を試料として行った. その結果, テフロンの熱拡散率は380Kで0.83×10-7mm2/s, 550Kで0.65×10-7mm2/sという値を得た. アルミナ粒子層 (充填密度8.5×10102kg/m3) の有効熱拡散率は500~800Kで約2.05×10-7mm2/sであった. さらに, 測定値が昇温速度, 加熱周期あるいは試料径にほとんど影響されないことを示した.
  • 液液系の場合
    中池 康夫, 水越 隆, 青沼 孝正, 只木 〓力
    1983 年 9 巻 2 号 p. 135-141
    発行日: 1983/03/10
    公開日: 2010/03/15
    ジャーナル フリー
    液滴生成時に界面攪乱が発生する場合の物質移動速度を実験的に研究した.
    界面攪乱が発生すると物質移動速度が大きくなる. 界面攪乱が発生しているときの総括物質移動係数と浸透説に基づく推算値との比を物質移動速度の促進効果と定義し, その実験式を得た.
    この実験では, また界面攪乱が発生し始めるときのマランゴニー数, すなわち臨界マランゴニー数を5種類の溶剤と3種類の溶質を用いた系で測定した. その結果, 臨界マランゴニー数は分配係数と両相内の溶質の拡散係数の比との積で相関された.
  • 黒田 修, 松崎 晴美, 高橋 燦吉
    1983 年 9 巻 2 号 p. 142-147
    発行日: 1983/03/10
    公開日: 2010/03/15
    ジャーナル フリー
    電気透析槽における透析室の構造および運転条件の最適化を行うべく, 透析室に挿入されるスペーサーの液流動特性および物質移動促進特性, さらにはスペーサー構造とこれら両特性の関係を電気透析常用レイノルズ数範囲 (50<Re<700) で検討した.
    実験は, 透析室を模擬した平行平板流路 (厚さ1, 2.4mm, 幅150mm, 長さ1540mm) 内に4種のプラスチック製ネットを挿入して行い, 物質移動速度の測定には電極におけるK4Fe (CN) 6およびK3Fe (CN) 6の酸化還元反応を使用した.
    得られた主な結果は以下のごとくである.
    1) 流体摩擦係数の主要決定因子が, スペーサーと流路壁面の間隔, 流路間隔および網目の大きさであることを見い出し, これらから摩擦係数を求める実験式を得た.
    2) 同様に, 透析室構造および液流通条件と物質移動速度を関係づける実験式を得た. ここで, 流路間隔の影響が大きく, スペーサー構造のそれは小さい.
    3) 上記1), 2) の結果から, 低圧力損失で相対的に高い物質移動速度を与えるスペーサー開発の可能性を見い出した.
    4) 物質移動速度に与える温度の影響はシュミット数 (Sc) の影響として理解できることを確認, 得られた関係から求めた物質移動係数と温度の関係は, 電気透析の限界電流密度と温度の関係に良好に一致した.
    以上の各結果から, 電気透析槽の透析室構造および運転条件の最適化法が明らかとなる.
  • 西村 誠, 倉石 迪夫, 坂東 芳行
    1983 年 9 巻 2 号 p. 148-153
    発行日: 1983/03/10
    公開日: 2010/03/15
    ジャーナル フリー
    塗装膜の赤外線乾燥に関して, 単色輻射特性を考慮に入れて理論解析を行い, 赤外線ランプによるPVA水溶液塗装膜の乾燥実験の結果と比較し, 内部加熱効果の乾燥速度への影響を検討した. その結果, 理論解析結果は本実験範囲において実験結果と良好な傾向的一致を示し, 本解析法の妥当性が確かめられた. また, 内部加熱効果は塗装膜の光学的厚さに依存し, 表面蒸発律速の期間の乾燥温度や膜温度ならびに最終膜温度に顕著な影響を及ぼすことが明らかになった.
  • 稀薄エチルアルコール-水系
    大矢 晴彦
    1983 年 9 巻 2 号 p. 154-158
    発行日: 1983/03/10
    公開日: 2010/03/15
    ジャーナル フリー
    前報で提出したエチルアルコール-水系の逆浸透透過機構モデルに基づき, 逆浸透法による稀薄エチルアルコール水溶液濃縮の際に必要なエネルギーおよび膜面積の算出を行った. また, 蒸留法によって同様の濃縮を行う際に必要な熱量を, 最少還流比, 沸点液フィードの条件下で行った.
    濃縮されたエチルアルコール1kgあたり濃縮に要するエネルギーは, 到達濃度にはあまり関係なく, 初期濃度にほぼ反比例する. たとえば, 6MPaの圧力下で, 濃度分極がない場合, 15wt%まで濃縮するに要するエネルギーは, 初期濃度0.5, 1, 2wt%, それぞれに対し, 0.5, 0.25, 0.125kWh/kg EtOH retainedとなる.
    所要膜面積は, 操作圧力にほぼ反比例して減少する. たとえば, 0.5~15wt%まで濃縮する際, 濃度分極がなければ, 操作圧力6, 8, 10MPaに対し, それぞれ, 0.62, 0.37, 0.26mm2/ (kg EtOH/day) となる.
    しかし, エチルアルコールの残留率は, それほどよくなく, 0.5~10wt%まで濃縮する場合に, 10MPa, 濃度分極なしの条件で, 85%となる.
  • 河添 邦太朗, 藤本 正彦
    1983 年 9 巻 2 号 p. 159-165
    発行日: 1983/03/10
    公開日: 2010/03/15
    ジャーナル フリー
    尿素法により, 含水酸化チタンおよびアルミナゾル添加のゲル型含水酸化チタンを調製し, 物性ならびに海水ウランの吸着容量を測定した. その結果, 調製時の母液のpH値が8付近の試料が最も優れた吸着容量を示すことがわかった.
    これらの吸着剤を用いて, 攪拌槽およびshallow bed法によって, 海水ウランの回分吸着を行い, 吸着速度データと数値計算による理論曲線との比較により, 炭酸ウラニルイオンの液相濃度基準の粒内拡散係数として, 0.7~1.4×10-10mm2/sという値が得られた. これらの値が, 吸着剤粒子のマクロ孔内細孔拡散係数として妥当であることから, 吸着における拡散機構はマクロ孔内細孔拡散が支配的であると推論した.
  • 還元性ガス中のH2S・SO2のCaOによる高温同時反応吸収
    架谷 昌信, 湯沢 恩, 矢島 功
    1983 年 9 巻 2 号 p. 166-171
    発行日: 1983/03/10
    公開日: 2010/03/15
    ジャーナル フリー
    ガス化ガス中のH2SおよびSO2の高温直接除去を目的として, 粒径5~1000μm石灰石からの熱分解生成CaOとH2OおよびSO2との同時反応実験を熱天秤を用いて, 反応温度750~1150℃にて行い, 個別反応と比較し検討を行った.
    本実験条件下における同時および個別反応に対して, 最終反応固体生成物としてCaSが得られた. dp=5μmの粉末試料に対して, 得られた見掛けの反応速度定数および活性化エネルギーは, 本反応例のすべてについてほぼ同一値であった. また, 同時反応に対する反応の選択性は認められなかった.
    dp=300~1000μm粒子の同時反応における硫黄吸収容量 (S/CaOモル比) は, 既知のCaOとSO2およびO2との反応での値に比し著しく高い値を示した.
  • 金木 則明, 原 弘
    1983 年 9 巻 2 号 p. 172-175
    発行日: 1983/03/10
    公開日: 2010/03/15
    ジャーナル フリー
    LaNi5を多孔性アノード極に用いたアルカリ型H2-O2燃料電池の電極特性は電解液へのCO2ガス吸収によって限界電流密度が大きく影響されるため, 本実験の寿命試験にはCO2ガスを除いた電解液で行った.
    本実験のアノード極の寿命時間は電極反応生成水の一部がガス側膜全体を充満することによる水素ガスの液側膜の反応面への供給が阻止されることによって決まる. 供給水素を50mmHgに加圧した場合, 負荷電流100mA/cmcm2の寿命は600時間から1000時間に改良された.
  • 堀尾 正靱, 劉 今, 鞭 巌
    1983 年 9 巻 2 号 p. 176-182
    発行日: 1983/03/10
    公開日: 2010/03/15
    ジャーナル フリー
    大型実用流動層の性能を定量的に推定するために, 気泡分布と粒子循環の直接シミュレータを作成した. モデルの理論的基礎は既に確立している2気泡の合体理論によった. 2個以上の他気泡と相互干渉している気泡の速度は, 2気泡理論から得られる個々の干渉効果を重ね合わせて推算する. 分散板設計が気泡の挙動に及ぼす効果を評価するために, 本シミュレータは各種の分散板に適用できるようにしてある.
    計算された気泡群挙動の時間平均値を1m×1mおよび1.2m×1.2mの実験用流動層のデータと比較した. 低層高の場合, 粒子循環が気泡の挙動に及ぼす効果を特に考慮しなくても, 実測値との間によい一致が得られた. しかし, 層高が層の横幅をこえる場合には, 粒子循環効果を考慮する必要がある. 粒子循環の情報を用いて単一気泡の上昇速度を補正する式を提出した. この補正により層が深い場合にもよい一致が得られた.
  • 山本 英夫, 菅沼 彰
    1983 年 9 巻 2 号 p. 183-188
    発行日: 1983/03/10
    公開日: 2010/11/22
    ジャーナル フリー
    数種類の粉体の凝集粉塵をオリフィスで分散させ, 得られた分散粉塵の粒度分布をスリット型カスケード・インパクターで測定した. 使用した粉体はタルクの微粉体, 関東ローム粉 (試験用粉体11種, JIS Z8901), ホワイト アランダム#8000, 炭酸カルシウムである.
    凝集粉塵はオリフィスの気流によって大変よく分散される. どの種類の粉体の場合も, 分散の程度と気流の強さの間に, 次の定量関係がある.
    Dp50a/Dp50s=31.3∈-0.2 (1)
    ここで, Dp50aはカスケード インパクターで測定した粉塵の50%粒子径, Dp50sは沈降天秤法で測定した試料粉体の50%粒子径である. また, ∈はオリフィスを通過する気流の強さを表示するパラメータであり, 次の式で定義される.
    ∈=0.4ΔPou/do [J/m3・s] (2)
    ここで, ΔPoとuはオリフィスを通過する気流の圧力損失 [Pa] と平均流速 [m/s], doはオリフィス径 [m] である.
    次に, ∈を計算するための簡略式を得た.
    ∈=2.7×106Qo3/do7 [J/m3・s] (3)
    (Qo: [l/min], do: [mm])
    ここで, Qoはオリフィスを通過する空気流量である. Eqs. (1), (3) は実用面で大変有効である. たとえば, 7.0mmφのオリフィスでよく分散した浮遊粉塵を得ようとする場合, 必要な空気流量は次のように計算できる. まず, Eq. (1) で, Dp50a/Dp50s=1とおくと凝集粉塵を完全に1次粒子にまで分散するために必要な気流の強さが求まる. その値は3.0×107J/m3・sである. 次にEq. (3) から, その気流の流量がQo=210l/minと求まる.
  • 椿 淳一郎, 加藤 啓一, 永広 泰久, 神保 元二
    1983 年 9 巻 2 号 p. 189-194
    発行日: 1983/03/10
    公開日: 2010/03/15
    ジャーナル フリー
    著者らは既に, 気流速度の急激な変化による凝集粒子の破壊分散が, 粒子流体間の相対速度によるものであるとして理論的考察より, 凝集粒子の破壊分散に関してモデルを提案した. 本研究においては, そのモデルを検証する目的で, 凝集粒子を含む固気2相流を急激に減速することにより, 凝集粒子を破壊分散する実験を行った.
    破壊分散後の凝集粒子径は, 相対速度によって凝集粒子に作用する破壊分散力によってよく整理されることを示し, 気流速度の急激な変化による凝集粒子の破壊は, 相対速度によるものであることを実験的に確認した. また凝集粒子の強さを表す指標として, 比表面積径を代表径とする1次粒子径が有効であることを, 実験的に明らかにするとともに, 凝集粒子の強さは粉体試料の引張り強さだけでなく, 凝集性の影響を強く受けていることを示唆した.
  • 越島 一郎, 西尾 雅年, 城子 克夫, 梅田 富雄
    1983 年 9 巻 2 号 p. 195-202
    発行日: 1983/03/10
    公開日: 2010/03/15
    ジャーナル フリー
    これまでに提案されているプロセスシステムの設計余裕の決定法は, 数値計算に依存しており, 設計余裕に関する本質的理解を得るのに不充分である. ここに提案する方法は, 高松らの感度解析法に基づき線形計画問題 (IP) として定式化した最適設計余裕問題を基礎とし, LPの解析的手法を適用し, 問題の本質的理解を得るものである. ここで適用するLPの解析的手法は新しく開発した一般性をもつものであり工学的価値は極めて高い. また提案する方法の有効性を示すため, 例題としてリサイクルを含む反応分離システムを取り上げ解析を行い, 最適解空間図の解析的検討により数値計算では得ることのできない, 1) 実行不可能な変数組の提示, 2) 最適解とはなりえない変数組の提示, 3) 設計余裕の反応器および分離器間での配分とその変化の提示, を可能とした.
  • 加藤 覚, 稲積 彦二, 鈴木 孝典, 山田 幾穂, 李 寿, 平岡 節郎, 内山 正生, 澤田 正敏, 松井 聡, 河野 恵宣, 草野 一 ...
    1983 年 9 巻 2 号 p. 203-231
    発行日: 1983/03/10
    公開日: 2010/03/15
    ジャーナル フリー
  • 1983 年 9 巻 2 号 p. 232a
    発行日: 1983年
    公開日: 2010/03/15
    ジャーナル フリー
  • 1983 年 9 巻 2 号 p. 232b
    発行日: 1983年
    公開日: 2010/03/15
    ジャーナル フリー
  • 1983 年 9 巻 2 号 p. 232c
    発行日: 1983年
    公開日: 2010/03/15
    ジャーナル フリー
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