プロセス最適化の方法としてさきに提案した線形モデル法を, 一般のプロセス装置に拡張する方法を示した。拡張の要点は政策変数として装置内で進行する速度過程をとり, 装置の機能を行列であらわすことである。この方法によればプロセスの最適化問題をプロセスレベルと装置レベルの2段階に分解でき, またリサイクルのある時の物質収支の計算が容易になる。この方法をDSMOを抽剤とする芳香族抽出分離プロセスの実用的な最適化問題に適用し, 最適化計算の具体的手続きと計算結果を示した。手続きは, 抽出装置, 蒸留装置の変換行列の作製, 信号線図によるプロセスの物質収支計算, 装置の部分最適化プロセス全体の最適化の各項目からなる。
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