食塩電解工業とアルミニウム電解工業は, 一時は工業電解の花形として, 日本の素材産業を担って来た。しかし, 環境問題とエネルギー事情の変化という社会的, 経済的荒波を浴びて, それぞれに, 製法転換, 生産地移行という大転換をせまられた。めっき工業は, 排水, 排ガス浄化処理を行うことにより, 環境との共生をはかっている。食塩電解工業はイオン交換膜法の新しい技術を生み, アルミニウム電解は, 国内での製錬をほとんど止めて, 加工をはじめとする多角経営化に活路を見いだしている。ここでは, 今後の課題と新しい試みについても触れる。
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