実験室にある薬品は, そもそも化学反応を起こすために使用するものですから, 反応性が高く, その取り扱いには十分な注意が必要です。したがって初心者の場合には, すべての薬品が危険であると考えて実験するほうがよいでしょう。しかし, 事故を恐れるあまり実験が減ると, かえって将来の大きな事故につながりかねません。薬品を棚に眠らせておくのではなく, 実際にどんどん活用し, 生徒に実験させる機会をたくさん作ってやることが大切です。そこで, 私たちは, 積極的に予備実験を繰り返しながら薬品の取り扱い方を修得し, 活用しやすい薬品の管理ができるよう心掛けたいものです。実際に薬品を使用する場合には, (1)使う薬品の性質を前もって熟知しておくこと, (2)必要最小限の薬品を使用すること, (3)わかりやすい試薬ラベルを貼り, 正しい薬品管理をおこなうこと, (4)実験環境を整えて計画的に実験することが大切です。以下, 薬品の取り扱いについて簡単にまとめてみました。
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