温度や圧力を上げていくと, 水のイオン積は増加し, 誘電率は減少する。水の臨界点(371℃, 22.1MPa)以上では, 液体と気体の区別ができなくなる(超臨界水という)。超臨界水中では, 塩化ナトリウムのような電解質の溶解度は低下し, 一方炭化水素のような非極性物質の溶解度は飛躍的に増大する。また, イオン化反応が促進されるので, 環境汚染物質であるPCBやフロンを容易に分解することができる。このようなユニークな性質を持つ, 高温高圧下の水や電解質水溶液のミクロ構造を原子レベルで明らかにする。
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