ポリマー微粒子は無機微粒子とくらべ, 大きさや構造に関して多種多様なものを作りやすく, また均一に再現性よく量産できるという特長をもつ。その合成法は, 既存のポリマーから出発する方法と, モノマーの重合により一気にポリマー粒子を得る方法とに分かれる。本稿では特に後者に焦点を絞って, 乳化重合, 懸濁重合, 分散重合における最近のトピックスを中心に解説する。ポリマー微粒子の主な用途は, 塗料, 接着剤・粘着剤, 紙加工材, 繊維加工材などであるが, ここでは環境応答性ゲル微粒子, バイオセパレーションに活躍する微粒子の二例を紹介する。
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