超臨界流体とは, 液体と蒸気の区別がつかなくなる臨界点を超え, 臨界圧力・臨界温度以上に保持された流体である。本稿では, 超臨界流体のうち, 超臨界水と超臨界二酸化炭素の性質を説明し, どのような化学反応や化学操作に用いられているかを解説した。水と二酸化炭素は無害であり, 超臨界状態では有機物を溶解させることから, 有機反応の代替溶媒としての可能性を持っている。それらの流体を用いた例として, 超臨界水による有機物の分解反応と超臨界二酸化炭素による溶媒抽出を挙げ, 環境との関わりを中心にして説明した。
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