国際生物学オリンピック(IBO)に日本は今まで参加していなかったが,今回,初参加した。IBOに参加するということは単にメダルを競うということだけではなく,同時代の高校生が互いに語り親睦を図り,それがやがて世界をつなぐ絆となる。その結果,将来,世界に通じる生物科学(生命科学)に活躍する人材が日本から排出されることが期待される。加えて,遅れている日本の生物学教育を世界のレべルに高めることができ,日本の高校生にとってよい影響を与えるであろうことが望まれる。その意味で,全国の高校生が一人でも多く国内試験に参加し,生物学への興味,関心を持ち,すそ野が広がっていくことが期待される。国際生物学オリンピックに参加する最終的な目標は,世界的に見て低い日本の科学リテラシーを高めることにある。
抄録全体を表示