食や生活様式が多様化している現代において,加工食品に用いられる食品添加物は必要不可欠なものとなっている。本稿では,食品添加物が,どのような目的で用いられているか,それらの使用についてどのように制御されているか,また,その安全性がどのように担保されているかに焦点を絞って概説する。
食品添加物は加工食品の製造に欠かせない素材である。また加工食品は,食材,加工技術,食文化などの地域で異なる。日本は経済連携協定などで海外との連携を深め,海外の加工食品と接し,日本の加工食品を海外へ提供する機会が増えている。今回,海外の状況を理解する一つとして,海外の食品添加物法規について解説する。
食品添加物の研究には,安全性や有効性についての研究など様々ある。本稿では,食品添加物の公的な規制整備を検討する上で必要とされる化学分野の最近の研究から,多変量解析を応用した研究,定量核磁気共鳴法により得られる正確な相対モル感度を応用した研究及び食用色素の不純物に関する研究について紹介する。
プラスチック(有機材料),金属,セラミックスは三大材料である。プラスチックや金属は高温で溶かして成型加工できるが,セラミックスは基本的に粉を固めて焼く『焼結』という方法で製造される。そのため,セラミックスの製造には,原子・分子レベルからの原料粒子調製技術,粒子集合体への成形技術,焼結の制御が高度に要求される。一方で,高温耐熱性,高強度,半導性,誘電性,磁性などのセラミックスの多様な特長は,構成原子の化学的な結合や構造と密接に関連している。
機能性セラミックスは,エレクトロニクスから環境・エネルギー,航空・宇宙,医療に至る様々な分野で幅広く活躍している。セラミックスの研究は,古くは粉体,焼結体を扱うバルクから始まり,現在のナノ薄膜の研究へと大きく進展している。特に,近年のナノテクの発展は目覚ましく,原子・分子レベルの構造を自在に操り,新しい機能性セラミックスを開発しようという取り組みが精力的に行われている。本稿では,筆者らのナノ材料の研究を例に,焼かないで機能性セラミックスをつくる新しい技術について紹介したい。
セラミックスという言葉を聞いて思い浮かべるのは,食器類をはじめとする陶器ではないだろうか。そのセラミックスにバイオという修飾語がついた“バイオセラミックス”という言葉から想像されるのは,いったいどのようなものであろうか。“バイオセラミックス”は,私たちの身体を修復する材料であるが,実際の使用者は医療従事者であるため,一般的にあまりよく知られていない。しかし,日本で研究・開発され,既に患者さんに使用されているものも多くある。バイオセラミックスの歴史は約50年で,他の分野と比べるとまだまだ新しい分野である。超高齢化社会の中で重要性が高い材料を取り扱う本分野は,これから研究者を目指す若い人たちに,興味を持って参画して欲しい研究分野である。