日本東洋医学雑誌
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45 巻, 1 号
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  • 1994 年 45 巻 1 号 p. 1-36
    発行日: 1994/07/20
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
  • 1994 年 45 巻 1 号 p. 37-95
    発行日: 1994/07/20
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
  • 伊藤 忠信, 村井 繁夫, 斉藤 弘子, 伊藤 真紀, 小田島 潤一, 道尻 誠助, 橋本 信孝
    1994 年 45 巻 1 号 p. 97-106
    発行日: 1994/07/20
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
    柴胡加竜骨牡蛎湯 (研究用エキス原末; 以下柴竜と略す) の中枢モノアミン関連物質に及ぼす影響について, マウスを用いて検討した。柴竜は50mg/kgまたは400mg/kgを経口的に単回または反復 (1日2回, 7日間) 投与した。脳の摘出, 分割は常法に従って行い, モノアミン関連物質の測定はHPLC-ECDを用いる方法で行った。主な結果は, 次の通りである。
    大脳皮質では, 50mg/kgの単回および反復投与でDOPAC, HVA含量の増大; 視床下部では, 50mg/kgの単回投与でNE含量の減少, 反復投与でNE含量の減少とDOPAC含量の増大; 線条体では, 50mg/kgの単回投与でDA, DOPAC, HVA, 5-HIAA含量の増大, 反復投与ではそのほかにNE, MHPG含量の増大, 400mg/kgの単回投与でNE, 5-HIAA含量の増大と反復投与でNE含量の増大; 海馬では, 50mg/kgの反復投与でMHPG含量の増大, 400mg/kgの反復投与でHVAの減少が認められた。以上のことから, 柴竜は400mg/kgよりも50mg/kg投与のほうがマウス脳内モノアミン含量への影響が強く, その効果は脳部位によって異なることが示唆される。
  • 自覚症状の改善と証との関連性についての解析
    海野 雅浩, 長尾 正憲, 室賀 昭三
    1994 年 45 巻 1 号 p. 107-113
    発行日: 1994/07/20
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
    高齢者の口腔乾燥症状に対する白虎加人参湯の効果および自覚症状の改善度と証との関連性について観察した。
    白虎加人参湯の投与により30名の患者の中, 60%の患者で症状の改善をみた。効果の得られた患者では, 無効群に比べ, 年齢が低く, 体格がよいものが多く, 無効群との間に統計的有意差が認められた。また食欲不振の発現率は無効群で有意に高かった。しかし便泌, 下痢, 腹鳴, 上腹部膨満感, 身体の冷えの発現率に関しては両群間に有意な差は見られなかった。苦味, 口渇, ねばり, 粘膜乾燥等の口腔内の証の発現率に関しても両群間に有意な差は認められなかった。これらの結果から白虎加人参湯は高齢者でも年齢が低く, 体格がよい, 実証に有効であると考えられた。
  • 四要素集中定数モデルのパラメータを用いた脈波形状の定量化
    石山 仁, 笠原 宏, 児玉 和夫, 許 鳳浩, 天野 和彦, 石井 弘允
    1994 年 45 巻 1 号 p. 115-121
    発行日: 1994/07/20
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
    20~40代の男性73名について延べ120例の橈骨動脈波の記録と1回拍出量の測定を行い, 先に著者らが開発した方式により四要素集中定数モデルでのパラメータ値を算出した。記録した橈骨動脈波形の中から文献における脈波模型にしたがって平脈, 滑脈および弦脈といわれている形状を抽出した。それらのパラメータ値を比較した結果, 形状の違いとそれに伴う脈診診断名の差を定量的に表すことができた。
  • 溝部 宏毅, 新井 信, 佐藤 弘, 代田 文彦
    1994 年 45 巻 1 号 p. 123-127
    発行日: 1994/07/20
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
    呼吸困難と起坐呼吸を主訴に来院した82歳の心不全患者に対して西洋医学的な治療を行った。利尿剤に対する反応は良く, 比較的短期間に心不全は改善した。しかし水分制限が守れずに心不全が悪化し入退院をくり返した。入院後は安静と水分制限のみで呼吸困難は改善した。利尿剤や血管拡張剤を増量して退院しても心不全を再発した。中等度の胸脇苦満と水毒を認めたので柴苓湯を併用した。柴苓湯を併用してから6週間後に胸脇苦満は消失した。また食欲が亢進し, 口渇が軽くなり, 水分制限が守れるようになり心不全の再発をみなくなった。心不全の治療には木防已湯が用いられることが多いが,心不全は一種の水毒であり五苓散のような利水剤が有効であったと考えられる。
  • 野崎 豊
    1994 年 45 巻 1 号 p. 129-135
    発行日: 1994/07/20
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
    柴胡四物湯合猪苓湯去滑石加鳥頭が奏効したネフローゼ症候群の一例を報告した。症例は56歳の男性, 来院の約8ヵ月前に農協の検診にて蛋白尿が発見され, ネフローゼ症候群として治療を受けたが, 諸治療に抵抗して進行し, 浮腫, 蛋白尿, 低蛋白血症が著明であった。柴胡四物湯で少し改善傾向を, 柴胡四物湯合猪苓湯去滑石加鳥頭で, それら所見の完全消失を得た。烏頭, 阿膠を減ずると, それら所見の悪化をみたことより, 烏頭, 阿膠も蛋白尿, 低蛋白血症, 浮腫の改善に大きな役割を果していたことが分った。柴胡四物湯は胃潰瘍等への報告は散見されるが, ネフローゼ症候群への治療報告はない。本例は陰証に対する烏頭使用が蛋白尿, 低蛋白血症に効を示した点, 柴胡四物湯が効を促した点に特異性がみられた。
  • 小泉 久仁弥, 花輪 壽彦, 石野 尚吾, 大塚 恭男, 角田 裕
    1994 年 45 巻 1 号 p. 137-140
    発行日: 1994/07/20
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
    脊髄癆による神経痛は難治であるが, 香川解毒剤加味方が奏効した症例を経験した。
    症例は55歳の女性。昭和37年頃より, 全身, 特に両下肢に最も多く生じる持続的な痛みが出現した。改善しないため, 昭和50年福島医科大学附属病院にて脊髄癆と診断された。駆梅療法の後に, 全身の痛みに対して鍼治療や種々の薬剤を使用していた。しかし, 次第に鎮痛効果が弱くなったため, 平成4年5月7日当研究所漢方診療部に紹介された。既往歴と全身所見より香川解毒剤加味方を処方したところ, 次第に非ステロイド系消炎鎮痛剤坐薬の鎮痛作用が増強した。一時足の痛みが増強したため附子と大黄を増量したところ, 全く痛みはなくなり, 坐薬も中止した。平成5年1月に再度上腕の痛みが出現し, 附子, 大黄を再度増量したところ, 次第に疼痛は軽減した。梅毒に対し, 駆梅療法の後の治療に漢方薬の活用が期待できると考えられた。
  • 服部 紀代子
    1994 年 45 巻 1 号 p. 141-146
    発行日: 1994/07/20
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
    現在まで嗅覚脱失症に関する治験報告は極めて稀で殆んど見られない。私は嗅覚脱失を主訴として来院した症例に随証的に香蘇散を使用し有効であった2症例を経験したので以下に述べる。
    症例1: 42歳 女性 風邪から発症した鼻炎が治癒した後に嗅覚脱失が生じなかなか治らず耳鼻科医より難治と診断され4ヵ月治療したが無効のため, 漢方を求めて来院。
    症例2: 75歳 男性 2~3年前から嗅覚の低下しているのを自覚していた。ある日こぼした香水が匂わないことが契機で自分が無嗅覚になっていると分りショックを受けて来院。
    以上2症例に香蘇散1日7.5g (分3食前) を投与し極めて良好な結果が得られ, 漢方治療の基本である随証治療の大切さを再認識したので考察を加えて報告する。
  • 神谷 浩
    1994 年 45 巻 1 号 p. 147-150
    発行日: 1994/07/20
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
    抜歯後の疼痛発現時に, 立効散エキス顆粒を1包 (2.5g) 服用させ, 鎮痛効果を調べた。被験対象は20例である。鎮痛効果の判定では, 有効が13例 (65%), やや有効が4例 (20%), 無効が3例 (15%) であった。抜歯後疼痛が軽度の場合, 服用後13例すべて無痛になった。抜歯後疼痛が中等度の場合, 5例のうち4例は服用後軽度になったが, 1例は服用後も疼痛が軽減しなかった。抜歯後疼痛が強度の場合,服用後2例とも疼痛が軽減しなかった。立効散エキス顆粒は, 普通抜歯で抜歯後疼痛が軽度と予想される場合は十分な鎮痛効果が期待できるが, 難抜歯で抜歯後疼痛が中等度以上と予想される場合は十分な鎮痛効果が期待できないと思われる。自覚的な副作用は20例すべてに認められなかった。
  • 高森 成之, 安藤 貴志
    1994 年 45 巻 1 号 p. 151-157
    発行日: 1994/07/20
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
    肝硬変では150例中48%と高頻度に有痛性の限局性筋痙攣であるこむら返りを認めた。しかも, 肝硬変の非代償期でこむら返りの合併頻度が76.7%と, 代償期36.4%に比べ高かった。こむら返りの治療として, 八味地黄丸1日5gまたは7.5gをこむら返りを伴う肝硬変31例 (代償期15例, 非代償期16例) に4週間投与し, 全例にこむら返りの改善 (うち消失61.3%) を認めた。その上, 下肢の振動覚検査を施行の5例で, 八味地黄丸投与後全例こむら返りの改善と同時に振動覚閾値の改善を認めた。また八味地黄丸はこむら返りを伴う肝硬変11例での比較試験で, 五苓散 (改善率36.4%) や芍薬甘草湯 (改善率54.5%) に比べ有意に改善率が高かった。メコバラミン投与無効のこむら返りを認める6例に, 八味地黄丸投与後全例こむら返りの改善を認めた。以上より, 八味地黄丸は肝硬変のこむら返りの治療として, 病態に関係なく投与でき, 極めて有用であった。
  • 津谷 喜一郎, 並木 隆雄, 村松 慎一
    1994 年 45 巻 1 号 p. 159-164
    発行日: 1994/07/20
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
    1993年度の日本東洋医学会・編集委員会・データベース小委員会の活動として, 前年度に報告した JMEDICINE (JICST・医中誌国内医学文献ファイル) 収録の54の東洋医学関係雑誌について, その雑誌発行開始年と JMEDICINE 収録状況を調査した。収録開始年と件数については, JICST 分と医中誌分に分けた上での調査から, 論文の収録される期間, 件数の全体像が明らかとなった。また近年の JMEDICINE のアクセス性の向上も議論され, 研究, 臨床におけるより一層の利用が期待された。
  • 1994 年 45 巻 1 号 p. 165-179
    発行日: 1994/07/20
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
  • 津谷 喜一郎, 矢船 明史
    1994 年 45 巻 1 号 p. 185
    発行日: 1994/07/20
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
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