日本東洋医学雑誌
Online ISSN : 1882-756X
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46 巻 , 1 号
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  • 三国 英一, 坂口 俊二, 森田 義之, 黒岩 共一, 木村 通郎
    46 巻 (1995 - 1996) 1 号 p. 1-7
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
    気功保健体操の効果を運動量が同等の歩行群を対照にし脈拍, 収縮期血圧, 拡張期血圧, 末梢循環を測定することにより比較検討した。対照の歩行群では脈拍, 血圧共, 歩行前に比して歩行後に有意の変化を示さなかったが気功群では経時的に低下し, 気功体操終了30分後には前値に比して全て有意の低下を示した。この事実は以前に報告した気功群でカテコールアミンが気功体操終了30分後に前値に比して有意に低下した事実とよく符合する。超音波ドプラーを用いた末梢循環血流速度の検討では対照が経時的な変化に乏しいのに比較して, 気功群では体操前値に比しての体操後の有意な末梢循環改善が示唆された。気功保健体操にはストレスホルモンの低下作用と共に末梢の血液循環を改善させる効果のあることも推定され, その効用についても検討を加えた。
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  • 櫻井 重樹, 常田 享詳
    46 巻 (1995 - 1996) 1 号 p. 9-19
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
    腸閉塞予防の目的で大黄附子湯を用い, 日常有していた腹部症状が消失し, 腸閉塞も再発していない5症例を報告した。
    症例1は78歳の女性で, 23年前に受けた子宮筋腫摘出術の後に反復して腸閉塞が出現した。1987年11月に腹痛と嘔吐で当院を救急受診し, 大建中湯の注腸で腹痛と嘔吐はわずかに改善したが, 排便がないため大黄附子湯に転方したところ, その後7年間, 経過順調である。
    症例2は34歳の男性で, 1986年に十二指腸潰瘍の穿孔で緊急手術を受けた。手術後は数回の腹痛発作が出没。1989年7月に腹痛と嘔吐を主訴に来院。腸閉塞と診断し, 大建中湯の注腸に次いで, 芍薬甘草湯合大黄附子湯を投薬し, 5年後の現在も経過順調である。
    症例3は83歳の男性で, 反復性の腸閉塞を主訴に来院。1975年に胃癌のため胃の亜全摘術を受けている。手術後, 1年に1~2回の頻度で腸閉塞を起こし, 入院を繰り返していた。1984年には腸閉塞が保存的治療では軽快せず手術を受けた。しかし, 手術後も腸閉塞症状が反復して出現したため, 1990年3月に当科を受診した。当初, 大建中湯合小建中湯を投与し, 約1年間は腸閉塞は来さなかったが, 1991年10月に腸閉塞となり当科入院。大建中湯の注腸に次いで, 大黄附子湯を投与したところ, 退院後3年を経過した現在も経過順調である。
    症例4は67歳の女性で, 繰り返す腸閉塞の治療目的で当科を受診した。1970年子宮癌のため子宮全摘出術と放射線治療を受けた。術後5年を経過してから腸閉塞が反復して出現するようになった。大黄附子湯を投与して2年半経った現在も経過順調である。
    症例5は70歳の女性で1992年胃癌で胃亜全摘術を受けた。術後に便秘が出現。術後2ヵ月で腸閉塞で救急入院。大黄附子湯の投与でその後2年間経過順調である。
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  • 金 成俊, 緒方 千秋, 小宮 敬子, 山田 陽城
    46 巻 (1995 - 1996) 1 号 p. 21-37
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
    漢方薬の煎出液に関する味覚アンケート調査を行い, 味覚の強弱を点数で示し, 漢方薬煎出液の味覚ランク表および味覚の内容をまとめた一覧表を作成した。
    味覚ランク表および一覧表を利用することによって, 患者に投薬されている漢方薬の味覚を把握することが可能であるため, 漢方薬煎出液の味覚表は漢方の治療および服薬指導に役立つと思われる。
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  • 今村 純子, 裏辻 嘉行, 渡辺 武
    46 巻 (1995 - 1996) 1 号 p. 39-43
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
    乳幼児期にある障害児は, 身体発達が遅れているために新陳代謝が悪く, 感染に弱く, 中耳炎, 扁桃炎, 急性副鼻腔炎を繰り返すことが多い。そうした症状を持つダウン症の3歳男児と脳性麻痺の2歳男児に小柴胡湯と小建中湯の合方を投与し, 感冒罹患が少なくなり, 感染をおこさなくなり, 消化器症状も改善した。このような乳幼児期の虚弱障害児には炎症緩解期より小柴胡湯と小建中湯など証に合わせて投与することが虚弱体質の改善に有効であった。また, 学齢期にある精神発達遅滞児で, 感冒によく罹患し, 急性副鼻腔炎を繰り返す14歳男児に小柴胡湯と桂枝加芍薬湯の合方を投与し有効であった。患児は身体発達は問題ないが, 精神発達遅滞があるため, 日常の基本的な生活習慣が身についておらず, 偏食で, そのため虚弱児となっていた。
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  • 寺澤 捷年, 喜多 敏明, 嶋田 豊, 柴原 直利, 伊藤 隆
    46 巻 (1995 - 1996) 1 号 p. 45-54
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
    桃核承気湯加味法が奏効した難治性のアトピー性皮膚炎の4症例を報告した。症例1は25歳, 女性。小学校低学年時に発症。1992年7月当科初診。首と口周囲の痒みが強い。腹力は中等度で, 左右の臍傍圧痛・回盲部圧痛を認め, 便秘と月経前緊張症があり, 上半身に皮疹が分布。桃核承気湯加冬瓜子・〓苡仁を投与したところ, 4週間後より改善し, 順調に経過している。症例2は14水歳, 女性。生後3ヵ月頃発症。1993年1月当科初診。四肢関節屈側, 顔面, 頸部を主とする乾燥性皮疹がみられた。顔面の紅潮, 皮疹が上半身に強く分布すること, 左右臍傍の圧痛, S状結腸部の圧痛, 便秘傾向を目標に桃核承気湯加牡丹皮・〓苡仁を投与。2週間後に改善傾向が見られたが, 顔面の発作的な紅潮を伴うことから, 苓桂味甘湯を併用した。症例3は28歳, 女性。3歳頃に発症。1993年10月当科初診。顔面, 肘部など上半身を主に乾燥性, 一部湿性皮疹が見られた。左右臍傍圧痛, S状部, 回盲部の圧痛があり, 上熱下寒が明らかなことから桃核承気湯加冬瓜子・牡丹皮・紅花を投与した。症例4は26歳, 女性。幼少期発症のアトピー性皮膚炎。1988年より外用剤と内服薬を投与されていたが改善せず, 1993年10月に当科を初診。皮膚は全体に乾燥して, 上半身, 特に上腕, 背部, 顔面に赤味の強い痒疹がある。便秘傾向があり, 脈は沈・緊。腹力はやや軟弱で, 軽度の心下痞鞭と両側臍傍の圧痛を認める。初診時, 当帰飲子を投与したが無効。上半身に皮疹が強いこと, 上熱下寒, 便秘傾向を目標に桃核承気湯を投与した。3ヵ月後には皮疹はほぼ消失し, 経過順調である。文献的にはアトピー性皮膚炎に対する桃核承気湯の治験例は無く, 本報告が初めてである。上半身に皮疹が分布し, 上熱下寒の傾向, 臍傍圧痛, S状部の圧痛, 便秘傾向があることが本方使用の目標となる。
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  • 大野 健次, 延原 弘明
    46 巻 (1995 - 1996) 1 号 p. 55-61
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
    三叉神経痛の患者34名に, 小柴胡湯と桂枝加芍薬湯のエキス顆粒を同時に投与し, 2週間後における効果を検討した。
    漢方薬開始前から carbamazepine (CBZ) を服用していた19名のうち11名において, CBZ を減量または中止することができ, 症状の変化から14名において漢方処方が有効であると考えられた。漢方薬のみを投与した11名中8名に痛みの消失ないし軽減がみられた。
    効果判定不能の4名を除くと, 30名中22名 (73%) において小柴胡湯・桂枝加芍薬湯が有効であった。
    小柴胡湯合桂枝加芍薬湯は基礎実験と臨床の両面から抗けいれん作用が確かめられており, 三叉神経痛治療の標準薬であるCBZと薬理学的な共通点が多い。小柴胡湯・桂枝加芍薬湯を単独で, あるいはCBZと併用して用いることにより, 三叉神経痛の薬物療法がより有効で安全なものとなる可能性があると思われた。
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  • 坂根 直樹, 吉田 俊秀, 田中 茂
    46 巻 (1995 - 1996) 1 号 p. 63-67
    公開日: 2010/03/12
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    安中散が奏効した神経性食思不振症の一例を報告する。症例は, 17歳の学生で1990年12月に食欲不振, 摂食障害を主訴に再入院した。3ヵ月間に約 12kgの体重減少があった。入院時現症では身長154cm, 体重26kg, 血圧75/40mmHg, 脈拍30回/分, 体温34.4℃であった。著明なるいそうを認めたが, 活動性は亢進していた。東洋医学的には, 症候として顔色不良, 手足の冷え, 食後の頭痛, 耳閉塞感があり。脈診では緩・弱。腹診では, 腹力は2/5と弱く, 胃内停水を認めた。気虚, 血虚と気鬱による脾胃の機能不全で, 安中散の証と診断した。1991年1月より安中散を服用しはじめた。その後, 徐々に食欲が増加し, 体重も2ヵ月間に26kgから47kgまで増加した。
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  • 林 天明, 品川 晃二
    46 巻 (1995 - 1996) 1 号 p. 69-75
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
    症例は64歳男性。C型慢性肝炎で近医にて加療中腹部膨満感出現。 AFP高値となり精査の為, 当科へ紹介入院。入院時腹部膨隆し腹水あり, 肝腫大著明。AFP 11,535ng/ml, CTで肝右葉に9×8cm大腫瘍。更に両肺野に直径約1cm大の肺内転移を多数認め, 肝腫瘍は切除不適応と診断。平成4年8月, MMC 10mg, ADM 20mg動注を1回のみ行い, 8月末よりUFT 600mg/日経口投与, 3週間後退院, UFT 300mg/日を続けたが肝機能増悪傾向のため, 12月11日より小柴胡湯 (EK-9) 6g/日を併用。徐々に症状が軽減, 自覚症状が消失し, 同5年9月 (小柴胡湯投与8ヵ月後) 胸部X線で肺転移陰影消失, CTで腹水と肝右葉の腫瘍陰影の消失を認めた。AFP 11.7ng/ml, PIVKA-II 0.06AU/ml以下と低下し現在に至る。平成6年12月現在小柴胡湯とUFTの服用を続けているが,体重減少等の副作用なく, 腫瘍再発はみられず, 軽度の貧血の他は全身状態は良好である。
    本症例は, 小柴胡湯とUFT併用の原発性肝癌に対する有効性を示唆するものと考えられる。
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  • 長坂 和彦, 柴原 直利, 松田 治巳, 嶋田 豊, 寺澤 捷年
    46 巻 (1995 - 1996) 1 号 p. 77-81
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
    柴胡疎肝湯は, これまで心労, 不眠, 術後腸管癒着, 四逆散証で左脇痛, 四逆散証で肝気胸協の鬱塞などの症状に対し奏効した報告がなされているが, 投与目標は不明の点も多い。今回, 肩こり, 頭痛, 腹部膨満感, のぼせ感等の症状に対し柴胡疎肝湯が奏効した7症例を経験した。これら7症例の検討より柴胡疎肝湯の投与目標として (1) 胸脇苦満, (2) 心下痞鞭, (3) 気鬱が考えられた。また重度の〓血証では『一貫堂』の柴胡疎肝湯が有効であった。
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  • 山際 幹和
    46 巻 (1995 - 1996) 1 号 p. 83-89
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
    葛根湯加川〓辛夷の速効性を立証すべく, アレルギー性鼻炎患者 (26歳, 男性, 陽表熱実証で水滞あり) の感冒様症状後に生じた鼻閉塞を目標に葛根湯加川〓辛夷エキス顆粒を常用量 (2.5g) 投与し, Visual Analogue Scale (VAS) と近年開発された Acoustic Rhinometry (AR) でその即時的効果の自他覚的評価を試みたところ, それが, 以下のように, 極めて明白であることを証明しえた。
    1) VAS-鼻閉塞感得点は, 服用後70分まで直線的に下降し, それと経過時間の回帰に有意性があった (P<0.05)。そして,服用後70分以降は, 徐々に再閉塞が生じることが観察された。
    2) ARで評価した右+左最小鼻腔断面積と右+左鼻腔容積は服用後60分間は直線的に増加し, それらと経過時間の回帰の有意性が示された (ともにp<0.05)。その後は, いずれも漸減し, 服薬前の値に近づいた。
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  • 伊藤 隆, 喜多 敏明
    46 巻 (1995 - 1996) 1 号 p. 91-99
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
    茯苓杏仁甘草湯の投与により呼吸器症状に改善が得られた慢性呼吸器疾患の4症例を報告した。第1例: 66歳女, 気管支喘息 (ステロイド非依存例)。毎晩出現していた発作は服用後著明に改善。ピークフロー値は上昇し西洋薬剤を中止できた。第2例: 63歳女, 咳喘息疑い。激しい咳のため月に数回は夜間帯での応急処置を要したが著明に改善した。第3例: 80歳女, 気管支拡張症。夜間の咳嗽, 労作時呼吸困難は徐々に軽快し2ヵ月後ほぼ消失した。第4例: 62歳女, 強皮症に伴う間質性肺炎。呼吸苦および咳嗽改善し, 赤沈値・血清LDH値の低下, 動脈血酸素分圧の上昇を認めた。慢性呼吸器疾患における同証の目標を文献学的に検討した結果, 比較的高齢の女性, 夜間悪化する咳嗽, 胸部を主とした呼吸苦, 心下痞堅が考えられた。同方剤は種々の慢性呼吸器疾患に対してはより試みられてよい方剤と考えられた。
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  • 舟橋 節夫
    46 巻 (1995 - 1996) 1 号 p. 101-103
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
    ナルコレプシーの患者に釣藤散を投与し, 4日後に, 睡眠発作, 情動性脱力発作, 入眠時幻覚などの症状の消失をみた。
    ナルコレプシーの漢方治療では葛根湯, および補中益気湯加味方の使用で症状が著明に軽減した報告があるが, 今回のように釣水藤散で極めて短時日のうちに症状の消失をみた報告はない。
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  • 堀野 雅子
    46 巻 (1995 - 1996) 1 号 p. 105-107
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
    桂姜棗草黄辛附湯の加味方としての, 桂枝湯エキス, 麻黄附子細辛湯エキス合方の効果を検討した。寒がり或いは手足の冷えを有し,かつ桂姜棗草黄辛附湯証を示唆するとされる心下部の盤状抵抗のある症例に同方剤を投与したところ15症例 (頭痛, 感冒, 鼻炎, 冷え, 下痢等) で主症状の著明な改善をみた。このうち2症例 (頭痛, 下痢) の経過を報告した。同方剤の証は桂姜棗草黄辛附湯証に類似しており, 相違点について注意する限り, 桂姜棗草黄辛附湯の便方として使用しうるものと考えられた。
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  • 岩崎 鋼, 松本 清彦, 神 久和, 佐々木 英忠
    46 巻 (1995 - 1996) 1 号 p. 109-120
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
    高血圧を主病とする患者集団において, 症状の分布から数量化III類によって患者, 症状を数量化し, その結果得られた数量軸と, 従来の証の概念とを比較検討した。症状の第1軸は, 虚実の程度を反映していると考えられた。又, 症状の第1, 第2, 第3軸を組み合わせて検討すると, この患者集団が有する症状の中に, 集団内における出現パターンの異なるいくつかのグループが存在することが判り, そこには従来中医学で言われていた広義の肝気鬱結, 腎虚 (或いは広義に気虚) などの概念との類似が見いだされた。従来の弁証論治は, 様々な症状を, その出現パターンの特徴を捉えて「証」として弁別している。今回の検討は, その弁別の妥当性について客観的に評価する方法論を示唆していると言えよう。
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  • 中野 頼子, 新井 信, 溝部 宏毅, 佐藤 弘, 代田 文彦
    46 巻 (1995 - 1996) 1 号 p. 121-126
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
    漢方を希望して当研究所の外来を受診した患者に, 漢方に対する認識についてアンケート調査を行った。患者は副作用に対する関心が強く, 漢方を選んだ理由は副作用が少ないということが最も多かった。副作用の程度はほとんど心配ないと考える人が多数であるが, 副作用が全くないあるいは重篤なものもあるなどの答えもあり, 診療において患者への充分な説明が必要と思われた。また, 西洋医学で良くならない患者や不安感をもつ患者も多く, 西洋医学への批判的な意見もめだった。
    病気の治療に対する漢方への期待感はかなり強く, その治療成績も高く評価していた。また体質改善や健康維持, 病気の予防, 体力の増進など西洋医学では見いだしにくい点での期待もみられた。漢方治療を求める患者は西洋医学に対して十分に満足しておらず, 漢方へは安心感のある治療が最も望まれているものであった。
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  • 46 巻 (1995 - 1996) 1 号 p. 131-133
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
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