日本東洋医学雑誌
Online ISSN : 1882-756X
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48 巻 , 2 号
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  • 寺澤 捷年
    48 巻 (1997 - 1998) 2 号 p. 163-176
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
    わが国は歴史的に経験したことのない高齢化社会を迎え, 医療保険制度は財政的に破綻の危機に瀕している。国民の基本的人権とも呼べる「健康で人生を全うする」ための医学や医療, あるいは介護・福祉も, 政治や経済の埒外で論じることはもはや不可能な事態である。現在の混乱は「古い時代が終わり, 新しい時代が始まる, その夜明け前である」という認識に立って, 新しい時代を作り上げて行くのが私たちに課せられた使命である。
    そこで, 本稿では漢方医学の過去を特に明治維新の医制改革周辺の問題を主に解析し, またその後の漢方医学復興の足跡を辿り, 漢方製剤の保険薬価収載の歴史を検証してみた。そして現在我々が抱える問題を分析し, 将来にわたって打破すべき古い価値観は奈辺にあるのか, 新しい価値観は何に求めるべきなのかを考え, 漢方医学の明日を論じた。
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  • 戸田 静男, 八瀬 善郎
    48 巻 (1997 - 1998) 2 号 p. 177-183
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
    活性酸素による酸化的ストレスにより種々の疾患 (特に老化, 脳神経系疾患など) の起こることが示唆されている。漢方方剤には, それを抑制する作用のあるものがある。本研究では, スモンに対して一定度の症状改善効果が認められている黄耆桂枝五物湯に酸化的ストレス障害を抑制する作用のあることを認めた。すなわち, スモンの発症物質であるキノホルムど同族体である 8-hydroxyquinoline と3価鉄の共存による脳ホモジネート脂質過酸化に対して, 黄耆桂枝五物湯は抑制作用があった。また, この反応が活性酸素の一種である hydroxy radical によることが確認されたことにより, その hydroxy radical scavenger 作用を検討したところ, その作用が認められた。そして, 黄耆桂枝五物湯にはラジカルそのものを除去する作用も認められた。
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  • 長坂 和彦, 土佐 寛順, 巽 武司, 嶋田 豊, 寺澤 捷年
    48 巻 (1997 - 1998) 2 号 p. 185-195
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
    人間ドック受診者489例の呼吸機能検査所見, 胸部X線所見, 心電図所見と漢方医学的腹候 (腹力, 心下痞鞭, 左・右胸脇苦満, 左・右腹直筋緊張度, 振水音, 心下悸, 臍上悸, 臍下悸, 臍傍圧痛, S字結腸部圧痛, 回盲部圧痛, 小腹腹壁緊張度低下, 小腹知覚低下, 正中芯) の関連性について検討し、以下の結果を得た。
    1) 腹力は肺活量, 胸郭前後径, 心臓陰影最大横径, CTR, QRS軸の反時針方向への回転と正の相関を示し、胸郭縦径と負の相関を認めた。
    2) 振水音は、胸郭縦径, QRS軸の時針方向への回転と正の相関を示し、胸郭前後径, 心臓陰影最大横径, CTRと負の相関を認めた。
    3) 腹直筋緊張度と肺活量, 胸郭縦径は正の相関を示し、胸郭前後径と負の相関を認めた。
    4) 心下悸, 臍上悸, 臍下悸は胸郭前後径, 心臓陰影最大横径と負の相関を認めた。
    5) 心下痞鞭は胸郭内側最大横径と負の相関を認めた。
    6) 正中芯は胸郭縦径, QRS軸の時針方向への回転と正の相関を示し、SV 1と負の相関を認めた。
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  • 巽 武司, 土佐 寛順, 長坂 和彦, 嶋田 豊, 伊藤 隆
    48 巻 (1997 - 1998) 2 号 p. 197-203
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
    人間ドック受診者484例の Body Mass index (BMI), 血液生化学検査, 脂肪肝の有無と漢方医学的腹候 (腹力, 心下痞鞭, 左・右胸脇苦満, 左・右腹直筋緊張度, 振水音, 心下悸, 臍上悸, 臍下悸, 臍傍圧痛, S字結腸部圧痛, 回盲部圧痛, 小腹軟弱度, 小腹知覚低下, 正中芯の関連性について検討し, 以下の結果を得た。
    1) 腹力は, 男性においてBMI, TG, TCh/HDL, GPT, RBC, Hb, 脂肪肝の出現頻度と正相関し, HDLと負の相関をした。女性ではBMIと正相関を示した。
    2) 腹筋緊張度は, 男性においてBMIと負の相関があった。
    3) 心下部振水音は, 男女ともBMIと負の相関を認めた。
    4) 心下悸は, 男性においてBMIと負の相関, HDLと正の相関があった。女性では, BMIと負の相関があった。
    5) 臍下悸は, 男性においてBMIと負の相関を認めた。
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  • 中田 輝夫
    48 巻 (1997 - 1998) 2 号 p. 205-210
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
    主として中高年の, HRS得点で30点以下の軽うつ病の患者30例に対して, 加味帰脾湯の投与を試みたところ, 30例中76.6%が平均3.5週間の観察でやや有効以上の成績を得た。症例は虚証で, 自殺企図がない症例に限定し, 不眠, 不安, 食欲不振等の症状のある例にはその緩和のために Benzodiazepine 系の抗不安薬および十全大補湯の併用という条件であったが, 加味帰脾湯は有効であると考えられた。
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  • 鈴木 隆, 原田 丈典
    48 巻 (1997 - 1998) 2 号 p. 211-216
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
    症例は26歳の女性で不妊を主訴に当院初診す。排卵障害に対しクロミフェンを投与したところ両側卵巣が多嚢胞性に腫大し, 下腹部痛を訴えたため卵巣過剰刺激症候群と診断す。クロミフェンの再投与は困難と判断し同日より温経湯の単独投与に切り替えたところ基礎体温が二相性となり, その後妊娠成立し, ●●●●●●●●●●妊娠39週0日で正常分娩した。温経湯は月経異常の女性や, 排卵障害を有する不妊婦人に投与され有効であったとする報告が多い。他方近年の不妊治療に於いて排卵誘発剤は欠かす事のできない治療法の一つとなっているがその副作用として卵巣過剰刺激症候群が社会問題となっている。一般にはHMG-HCG製剤投与での報告が多いが, クロミフェン投与でも約3%に本症が発症するとの報告も見られる。今回の症例は温経湯の持続的投与によりこの副作用を防止し月経周期を正順化し妊娠, 出産に至った点で意義が大きい。
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  • 喜多 敏明, 伊藤 隆, 嶋田 豊, 新谷 卓弘, 寺澤 捷年
    48 巻 (1997 - 1998) 2 号 p. 217-224
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
    加味逍遥散が有効であった不定愁訴症候群患者9例を対象に, 身体的ならびに精神的愁訴について検討した。投薬前後で, 阿部の自律神経失調症の問診表の43項目と Cornell Medical Index の51項目 (M~R) を施行したところ, 3ヵ月間の加味逍遥散投与により, 身体的愁訴の数は平均19.9から9.1に減少し, 精神的愁訴の数は平均16.7から9.3に減少した。
    加味逍遥散が適応となる臨床像を明らかにするために, 身体的愁訴を7つのカテゴリーに, 精神的愁訴を6つのカテゴリーに分けて投薬前のそれぞれのカテゴリーに対する平均訴え率を検討したところ, 身体的には運動器と疲労に関する訴えが多く, 消化器に関する訴えが少なく, 精神的には過敏・怒りに関する訴えが多く, 抑うつ・緊張に関する訴えが少ないという特徴を認めた。
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  • 後藤 博三, 喜多 敏明, 新谷 卓弘, 嶋田 豊, 寺澤 捷年
    48 巻 (1997 - 1998) 2 号 p. 225-232
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
    心身症を主とする外来受診者に対して胸部症状を目標に, 梔子剤を投与し19例中9例の有効例を認めた。著効例を示すとともに胸部症状以外の使用目標について推計学的検討を行ったので, 若干の考察を加え報告する。症例1は68歳の主婦で咽喉神経症の診断のもと1994年3月初診。のどの灼熱感を目標に梔子甘草鼓湯を投与し症状は改善した。症例2は57歳の主婦でエチレンオキサイト中毒の既往があり, 胸部不快, 不眠等を主訴に来院。梔子甘草鼓湯を投与し諸症状は改善した。症例3は25歳の主婦で夫婦仲の悪化と共にアトピー性皮膚炎が再発。頭痛・不安感も併発し, 抑欝状態と診断され1994年9月初診。皮膚のかゆみを目標に梔子乾姜湯を投与しかゆみや不安感の改善を認めた。有効例では自覚症状として不眠, 身熱, 煩燥を, 腹証として心下濡を多く認めた。以上のことから, 梔子剤は, 胸部症状を有する心身症患者に対して有用な方剤であると考えられた。
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  • 小山 誠次
    48 巻 (1997 - 1998) 2 号 p. 233-235
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
    『日本東洋医学雑誌』第47巻第2号に筆者の論文「安中散の縮砂の出典」が掲載された。今回は薬価基準にも収載されている安中散加茯苓の茯苓の出典について検討した。製剤メーカーは矢数道明著『臨床応用漢方処方解説』の薬味記載欄に「(多く茯苓5.0を加える)」とあるので, この書に典拠するという。しかし, 明治22年刊の村瀬豆洲著『方彙続貂』には, 局方安中散に茯苓の加味が最も妙であると記載されている。矢数は『漢方の臨床』第2巻第9号「『古今方彙』とその応用に就て」の中で,『方彙続貂』は『古今方彙』を補完しうる書であり, 両者他を共に備えて座右の書としている旨, 記述している。それ故, 矢数は『方彙続貂』のこの記載を熟知していたはずであり,『臨床応用漢方処方解説』の茯苓記載はこれに基づくものと思われる。実際, 筆者の質問に対して矢数の回答もそれを肯定している。結論として, 安中散加茯苓の茯苓の出典は『方彙続貂』である。
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