日本東洋医学雑誌
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55 巻 , 6 号
選択された号の論文の6件中1~6を表示しています
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  • 佐藤 祐造
    55 巻 (2004) 6 号 p. 737-750
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
    糖尿病の漢方治療について
    1) 糖尿病と合併症, 2) 糖尿病診療における漢方薬の果たす役割, 3) 糖尿病神経障害の治療と漢方薬の役割: 臨床的研究, 4) インスリン抵抗性と漢方薬: 動物実験的研究, 5) 結語: 糖尿病における漢方薬の適応, の項目で, 20年間にわたる私共の臨床的研究成績の一部および最近, 名古屋大学大学院医学系研究科健康・スポーツ医学分野の大学院生と実施した動物実験成績を紹介した。
    1. 臨床的研究
    1) 牛車腎気丸は糖尿病神経障害に由来するしびれを中心とした愁訴の改善に有用である。
    2) 牛車腎気丸の有用性のメカニズムに関して (1) アルドース還元酵素阻害作用, (2) 皮膚血管拡張に由来する皮膚温上昇, (3) 末梢血管拡張作用にはNOが関与している, 等の客観的 evidence が報告されている。
    2. 動物実験成績
    1) 覚醒下正常血糖クランプ法を用いた私共の検討成績によれば, 牛車腎気丸は単回投与でも, 長期間投与 (7日間) によってもストレプトゾトシン (STZ) 糖尿病ラットのインスリン抵抗性を改善させる。しかし, NO合成阻害薬であるL-NMMA同時投与により, その効果が消失することから, NOの関与が想定されている。また, インスリンシグナル伝達系の関与も明らかとなっている。
    2) 桂枝加朮附湯についても同様の検討を行ったが, インスリンシグナル伝達経路 (牛車腎気丸と一部異なる) を介したインスリン抵抗性改善を認めている。
    結語
    糖尿病における漢方医学的診療は次のように行うべきと考える。1) 西洋医学的診断・治療を活用する。2) 漢方薬は合併症の早期治療と進展防止に有用である。3) 漢方薬は糖尿病 (2型) 発症予防に有用である可能性がある。
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  • 福島 峰子
    55 巻 (2004) 6 号 p. 751-762
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
    米国では1980年以降, 性差医療に関して研究が進み, 女性医療センターが設立されるようになった。日本でも, ここ2~3年女性専門外来が次々開設されてきた。その背景は次のような医療が求められているからではないか。すなわち
    1) 性差医療の必要性
    2) 女性特有の体の仕組みや心理に基づいた個の医療
    3) 心身相関に基づいた全人医療
    4) 生活の質 (QOL) 向上への期待
    全人医療はもとより, 個の医療は東洋医学の求めるところでもある。
    女性の一生の中で更年期は性中枢の gonadotropin の分泌亢進に対して卵巣での反応の低下, すなわち estrogen 分泌の急激な低下など内分泌変調があり, 視床下部における cathecolamine を介して自律神経系に影響を及ぼし, その結果さまざまな不定愁訴が現れる。これを更年期障害という。その他, 更年期以降には骨量の減少, 脂質代謝異常, 泌尿器疾患, 膣粘膜萎縮など estrogen 低下に起因して起こりやすい。もちろん life style に関係のある生活習慣病 (diabetes mellitus, obesity, malignant tumor, liver cirrhosis など) も頻度が高くなる。
    更年期障害は, 発症は内分泌異常であっても時期を経ると自律神経不安定症状であり, 必ずしも estrogen deficiency syndrome とはいえない。
    これら機能性疾患に対しては漢方薬が極めて有効である。ただ, 漢方療法を行う場合は東洋医学的考え方, 診断法によらなければならない。
    更年期障害では気血水の概念の導入が便利である。漢方的見方では更年期障害は〓血を核として気, 水がそれを修飾している病態が多い。頻用される処方を紹介した。
    また, 更年期障害以外の更年期疾患に対する漢方療法の有効性と限界を考察した。最後に女性専門外来の今後の課題について言及した。
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  • 池内 隆夫
    55 巻 (2004) 6 号 p. 763-773
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
    私は, 日本における男性更年期あるいは男性更年期障害の現状と問題点を紹介いたします。その結果, 男性更年期障害患者に対する診断・治療のガイドラインの作成が急務であり, 新しいテストステロン製剤の導入が不可欠であることを強調いたしました。加齢男性に伴う障害に対しては患者の「生活の質の向上」を図ることが焦点となっています。そこで, この機会に日本漢方への可能性と期待性に望みを込めまして, 男性更年期障害に対する理想的な漢方治療についての展望をお話いたします。
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  • 55 巻 (2004) 6 号 p. 775-801
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
  • 引網 宏彰, 関矢 信康, 長坂 和彦, 古田 一史, 嶋田 豊, 寺澤 捷年
    55 巻 (2004) 6 号 p. 803-810
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
    Diabetic foot (糖尿病性足病変) に対して帰耆建中湯加味方が奏効した3症例を報告する。症例1は68歳女性。糖尿病の他, 関節リウマチを合併している。両側足底部に潰瘍が出現し糖尿病性壊疽と診断され, 西洋医学的治療を受けたが改善しなかった。帰耆建中湯加附子の投与により改善するとともに, 血糖コントロールも良好となりリウマチ因子も陰性化した。症例2は66歳の糖尿病とくも膜下出血後遺症をもつ男性。再発を繰り返す母趾潰瘍が帰耆建中湯加附子の投与により消失した。症例3は72歳男性。糖尿病性腎症の治療中, 両足趾に壊疽を生じたため足趾の切断術が施行されたが, その後も血流が悪く治癒が遷延していた。帰耆建中湯加反鼻を使用したところ, 肉芽形成が進むとともに患者の意欲の増進も認めた。帰耆建中湯ならびにその加味方は Diabetic foot に対して有効な治療法となりうる可能性があると考えられる。
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  • 関矢 信康, 引網 宏彰, 古田 一史, 小尾 龍右, 後藤 博三, 柴原 直利, 嶋田 豊, 寺澤 捷年
    55 巻 (2004) 6 号 p. 811-815
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
    難治性の気管支喘息の3症例に対して咽喉不快感, 動悸, 自汗を目標として清暑益気湯を投与した。目標とした症状および所見は速やかに改善した。さらに発作の回数が著明に減少あるいは消失した。そのほか3症例に共通していた事柄は中年期であること, 発作が通年性であること, 心窩部不快感, 心下痞〓, 臍上悸を認めることであった。これまで清暑益気湯は夏やせ, 夏まけに対して用いられることが多かったが中年期の気管支喘息の長期管理薬 (コントローラー) としても認識されるべき処方であると考えられた。
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