日本東洋医学雑誌
Online ISSN : 1882-756X
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56 巻 , 5 号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
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  • 中野 哲
    56 巻 (2005) 5 号 p. 769-778
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
    現在の日本の近代医学は基礎医学や医療機器の進歩によって著しく発展し, 今や臓器移植, 遺伝子診断や遺伝子治療まで可能になってきた。この近代医学 (西洋医学) は臓器医学を基盤としており, 客観性のある科学的アプローチに慣れており, 急性期疾患や外科的疾患の分野の診療を得意とする。一方, 漢方医学は患者の話をよく聞いて独特の病態把握法で, 診断法でもある証によって病気を全体として捉えるので, 多くの臓器に障害がみら加れる高齢者や慢性に経過する機能性疾患などの治療には有用である。近年, 臨床の場でのEBMが求められてきている。昨今, EBMに耐えうる漢方薬が東洋医学会で報告され, さらに証に対する科学的分析も行われるようになり漢方医学も客観性, 普遍性を目指すようになってきた。西洋医学と漢方医学はそれぞれの得意分野と不得手の分野があり両者は相補完的な関係にあると思われる。
    ここにおいてより良い医学を目指して analytic medicine である西洋医学と holistic medicine である漢方医学の結合が望まれる。
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  • 後山 尚久, 佐久間 航, 野坂 桜
    56 巻 (2005) 5 号 p. 779-787
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
    更年期不定愁訴例における日本漢方の伝統的な虚実, 寒熱証および気血水病態の分布を検討した。対象はさまざまな不定愁訴で産婦人科更年期外来を受診した1598例のうち, 虚実, 寒熱証および気血水病態の診断が可能であった899例である。伝統的な弁証により「虚実」,「寒熱」を診断し, 寺澤スコアを用いて気血水病態を診断した。最終的に方剤が有効であったことを診断の正否の根拠とした。「寒熱」診断では寒証が54.5%を占め,「虚実」診断では実証はわずかに13.9%であった。気血水病態診断では, 最も頻度の高い異常は〓血 (36.5%) であった。頭痛を主な症状とする症例において最も高い頻度で認められた気血水病態異常は水毒 (48,8%) であり, ホットフラッシュでは〓血 (48.1%), そして, めまいを主な症状とする症例においては, 頭痛と同様に水毒 (48.0%) であった。随証療法を行った899例の51.1%に当帰芍薬散, 加味逍遙散および桂枝茯苓丸が処方された。
    以上の結果から, 更年期不定愁訴例では〓血の頻度が高いため, その治療においては駆〓血剤の適切な処方が治療効果をあげる可能性が示唆された。また更年期医療領域での治療的アプローチに際して, 漢方医学の組み込みは良好な臨床的結果を導くことが期待される。
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  • 山田 和男
    56 巻 (2005) 5 号 p. 789-795
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
    「胸脇苦満」は, 現代医学的には分析がされていない。著者は, これまでの研究結果より, 胸脇苦満は身体化症状の重症度を反映するという仮説を立てた。この仮説を検討するため, 胸脇苦満と身体化症状との相関を, 慶大式胸脇苦満評価尺度 (K尺度) と Screener for Somatoform Disorders (SSD) を用いて検討した。150例 (男性38例, 女性112例, 平均年齢40.69±17.56歳) を対象として, 胸脇苦満の程度と身体化症状数の評価を行った。右側のK尺度得点 (胸脇苦満の程度) と, 現在ある身体化症状の数 (R=0.440, p<0.0001), 過去1年間にあった身体化症状の数 (R=0.476, p<0.0001) との間, 左側のK尺度得点と, 3ヵ月以上続いた身体化症状の数 (R=0.450, p<0.0001), 現在ある身体化症状の数 (R=0.597, p<0.0001), 過去1年間にあった身体化症状の数 (R=0.586, p<0.0001) との間に, それぞれ有意な相関を認めた。以上の結果より, 胸脇苦満を呈する患者ほど多くの身体化症状を訴える傾向にあった。胸脇苦満と身体化症状の関連が示唆された。
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  • 長坂 和彦, 巽 武司, 名取 通夫, 引網 宏彰
    56 巻 (2005) 5 号 p. 797-800
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
    漢方エキスの使用量は年々増加している。しかし、修治附子末は、猛毒のトリカブトの根茎をエキス化したのもであるため、少量しか使用されていないのが現状である。1996年から2002年までの7年間に諏訪中央病院・東洋医学センターを受診した593例 (男性153例, 女性440例) に修治附子末を投与した。副作用は4例にみられ、その内訳は血圧上昇3例、悪心2例、ほてり1例であった。重症例はなく、修治附子末を減量あるいは中止すると、これらの症状は速やかに消失した。今以上に修治附子末を積極的に用いてよいと考える。
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  • 堀野 雅子
    56 巻 (2005) 5 号 p. 801-804
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
    半夏厚朴湯は金櫃要略記載の気剤で「咽中炙臠」を目標に使用される事が多いが, 先人達は腹候, 特に中〓痞満の重要性を指摘している人も多い。そこで咽中炎臠と中〓痞満の関係を中心に検討してみた。半夏厚朴湯証と思われる患者18名 (男性2名女性16名) 全員中〓圧痛及び不快感のあった人について半夏厚朴湯エキス又は煎じ薬を投与して主訴, 自覚症状, 腹候特に中〓の状態, 服薬後の中〓の変化について検討した。咽中炎臠は66.7%, 冷えは55.6%, 腹力は中程度が77.8%, 心下に変化のあった人は38.9%, 振水音は11.1%であった。服薬後の中〓の状態は, 記載漏れを除く69.2%が圧痛又は不快感が消失または軽減していることが判明した。
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  • 平岩 久幸, 平岩 里佳, 金津 幸子, 廣瀬 方志, 太田 庸子, 伊達 伸也
    56 巻 (2005) 5 号 p. 805-812
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
    乳幼児期以来の精神遅滞, てんかん, 複雑腎尿路奇形をもつ22歳男性。多尿型の慢性腎不全と心因性多飲, 粗暴な言動のためQOLの低下と適切かつ安全な透析管理が困難であった。透析開始後3年8ヵ月で4回目のシャント形成術を受けたのを機会に, 不眠や手の痒みなどの改善目的で黄連解毒湯を用いたところ, 不定愁訴の改善のみならず, 指導を受け入れるようになった。とくに, 透析前日に理解力不足から大量に飲水する行動が消失し, 無理のない除水量で透析が遂行でき, 塩酸メチルフェニデート, カルバマゼピンの減量も可能となった。中枢神経系への作用機序の更なる解明が待たれるが, 小児や若年者の発達障害等への応用も今後考慮してみたい。
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  • 濃沼 政美, 亀井 美和子, 松本 邦子, 八木 美才, 白神 誠
    56 巻 (2005) 5 号 p. 813-822
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
    〔目的〕漢方薬の有用性を費用対効果の面から明らかにすることを目的に, 過去の研究論文を解析することにより, 如何なる処方や疾患に対し, 薬剤経済分析を実施することが相応しいかについて判断基準を設け検討を行った。
    〔方法〕医学中央雑誌及び医療経済研究機構のデータベースで, 漢方―経済等のキーワードを検索し, 原著・臨床・薬価基準収載処方の論文 (EA) を抽出した。薬剤経済分析では比較対照治療法の確立が重要であるため, 判断基準 (1)として比較対照のある研究論文 (Comp) を抽出し, 対象 (疾患・処方), 対照処方, 測定アウトカム・「証」の取り扱い等について解析を行った。次いでEAにおいて研究頻度の多い処方はアウトカムが豊富かつ明確であると考えこれを判断基準 (2) として, 該当処方のアウトカム解析を行った。
    〔結果・考察〕
    判断基準 (1): Comp (38件) に含まれる処方と延べ収載件数は25処方41件 (多い順に小青竜湯4件・小柴胡湯4件・〓帰調血飲3件・他) であった。研究対象疾患は消化器疾患, 感染症, 耳鼻咽喉疾患, 女性妊娠分娩関連の研究が全体の約3分の2を占めた。またアウトカムはQOL等の人間的アウトカムの測定がされた論文は10.5%しか存在せず, 費用効用分析の実施が難しいものと思われた。また「証」の取り扱いついて解析した結果, 虚証対象の処方は随証治療を考慮せずとも比較的治療効果が得やすいと考えられた。
    判断基準 (2): EA中, 延べ収載件数の多い処方を便宜上15件以上と定義し抽出を行った結果6処方が抽出された (補中益気湯・桂枝茯苓丸・梔子柏皮湯他)。この中で, 梔子柏皮湯は研究のアウトカムの殆ど (88.2%) が直接的な治療目標であり, 内容は紅斑や掻痒の消失等皮膚症状改善であった。
    〔結論〕・漢方薬と西洋薬では最終的な効果がほぼ同じであっても効果を得る上での作用機序が大きく異なるため, 単純には比較しにくいことが明確となった。・漢方薬によりQOLが改善する事が十分に考えられたため, 薬剤経済研究も含め人間的アウトカムを得られる研究計画を立てる必要があろう。・虚証対象の処方については比較的, 随証治療を考慮せずとも臨床効果は得やすいものと考えられた。
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  • 56 巻 (2005) 5 号 p. 823-826
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
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