日本東洋医学雑誌
Online ISSN : 1882-756X
Print ISSN : 0287-4857
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59 巻 , 1 号
選択された号の論文の9件中1~9を表示しています
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特別講演
招待講演
原著
  • 御影 雅幸, 遠藤 寛子
    59 巻 (2008) 1 号 p. 25-34
    公開日: 2008/07/23
    ジャーナル フリー
    日本薬局方では釣藤鉤としてUncaria rhynchophylla (Miq.) Miq., U. sinensis (Oliv.) Havil., U. macrophylla Wall.のとげが規定されているが,中国の局方ではこれら3種以外にU. hirsuta Havil.とU. sessilifructus Roxb.を加えた5種の鉤をつけた茎枝が規定されている。本草考証の結果,当初の原植物はUncaria rhynchophyllaであり,薬用部位は明代前半までは藤皮で,その後現在のような鉤つきの茎枝に変化したことを明らかにした。一方,日本では暖地に自生しているカギカズラの主として鉤が薬用に採集されてきた。このことは明代に李時珍が「鉤の薬効が鋭い」と記したことに影響を受けたものと考察した。釣藤散など明代前半以前に考案された処方には藤皮由来の釣藤鉤を使用するのが望ましい。
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  • 假野 隆司, 土方 康世, 清水 正彦, 河田 佳代子, 日笠 久美, 後山 尚久
    59 巻 (2008) 1 号 p. 35-45
    公開日: 2008/07/23
    ジャーナル フリー
    目的:不妊症における漢方療法の適応は卵巣機能不全不妊症と考えられる。同疾患に対する集学的不妊治療における,漢方治療の適応を検討した。方法:卵巣機能不全不妊症患者で,随証漢方治療により,妊娠成立し生児を分娩できた漢方妊娠100症例を対象とした。1)漢方医学的診断について,種々の疾患による不妊症症例2737例をコントロール群として比較した。両群の特徴,虚実・陰陽・表裏・寒熱(八綱)・気血水に関する診断結果をカテゴリー別に比較した。2)さらに漢方単独群46例と西洋薬併用群54例に分けて,両群の特徴を比較した。結果:1)漢方妊娠群においてカテゴリー別に多く認められた漢方医学的特徴は虚51例,少陽(半表半裏)69例,上熱下寒52例,気逆47例,お血71例,水毒67例であった。コントロールと比較して,より多く認められた診断は実,太陽,少陽,上熱下寒,お血,水毒であり,表熱裏寒はより少なかった。基本方剤では加味逍遙散が55例と過半数を占めた。2)漢方単独群と西洋薬併用群に卵巣機能不全症の型に差はなかった。妊娠成立までの治療期間は,漢方単独群5.0±4.4カ月,西洋薬併用群9.5±6.8カ月と前者でより短かった。結論:1)妊娠症例には,少陽,上熱下寒,気逆,お血,水毒が多かった。2)漢方療法は単独療法でも重症症例に有効な可能性がある。3)治療6カ月以内に妊娠が成立しない場合は西洋薬の併用を考慮すべきである。4)卵巣機能不全不妊症に対しては随証漢方療法を第一選択とした医療を行うべきである。
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  • 大熊 康裕, 青山 重雄, 金倉 洋一, 金子 幸夫, 佐藤 祐造
    59 巻 (2008) 1 号 p. 47-51
    公開日: 2008/07/23
    ジャーナル フリー
    メタボリックシンドロームは,腹部内臓脂肪の蓄積が原因で発症する。漢方医学には,腹部を診察し疾病の診断を行う腹診がある。そこで,健診受診者を対象に,メタボリックシンドロームと腹診による腹力との関連性について検討した。対象者は999名で,男性は619名,女性は380名であった。メタボリックシンドロームは14.5%(男性21.3%,女性3.4%)に認められ,メタボリックシンドローム予備軍も含めた有病率は40.8%(男性55.9%,女性16.3%)と高率であった。
    一方,腹診では,実証19.1%,中間証64.6%,虚証16.3%であった。実証は,そのほとんどがメタボリックシンドローム,あるいはその予備軍であった。虚証の中には,メタボリックシンドローム,あるいはその予備軍は存在しなかった。以上の結果は,腹力の判定がメタボリックシンドロームの良好なスクリーニング法となりうることを示唆している。
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臨床報告
  • 小田口 浩, 若杉 安希乃, 伊東 秀憲, 正田 久和, 蒲生 裕司, 渡辺 浩二, 星野 卓之, 及川 哲郎, 花輪 壽彦
    59 巻 (2008) 1 号 p. 53-61
    公開日: 2008/07/23
    ジャーナル フリー
    柴胡加竜骨牡蛎湯を服用することにより,自律神経機能の変化とともに降圧効果が得られた高血圧症の1例を経験したので報告する。
    患者は46歳,男性で,軽症高血圧の他,交感神経緊張状態を疑わせる症状も呈していた。柴胡加竜骨牡蛎湯エキス顆粒(ツムラ)を約3カ月間服用することで,外来血圧は収縮期,拡張期ともに著明に低下した。24時間自由行動下血圧測定(ABPM)では,24時間平均血圧の低下が認められたほか,脳血管障害の危険因子とされる早朝血圧上昇が改善した。起立検査では,服用前は立位負荷により交感神経優位に傾いた自律神経バランスが,服用後は逆に副交感神経優位に傾くという結果が認められた。脂質プロファイルの改善も認められた。
    本症例の経過は,柴胡加竜骨牡蛎湯が自律神経機能に効果を及ぼすことで降圧効果を示す可能性を示唆しており,ストレス過多により交感神経緊張をきたした高血圧患者に対する有用性が期待される。
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  • 地野 充時, 関矢 信康, 大野 賢二, 平崎 能郎, 林 克美, 笠原 裕司, 喜多 敏明, 檜山 幸孝, 並木 隆雄, 済木 育夫, 寺 ...
    59 巻 (2008) 1 号 p. 63-71
    公開日: 2008/07/23
    ジャーナル フリー
    十全大補湯が有効であった皮膚疾患3例を経験した。十全大補湯は伝統的に気血両虚の病態に使用され,現在では様々な皮膚疾患にもしばしば応用されている方剤である。自然免疫系の受容体であるToll‐like receptors (TLRs)が抗原提示細胞に発現していることが近年明らかになっているが,我々は以前,十全大補湯がマウス腹腔滲出細胞において,TLR4シグナル伝達経路に影響を及ぼし,interleukin‐12(IL‐12)およびinterferon‐γ(IFN‐γ)産生を増強することを報告した。表皮にも抗原提示細胞であるLangerhans細胞が存在するため,十全大補湯がLangerhans細胞のTLRシグナル伝達経路に作用しTh1/2バランスを改善している可能性がある。皮膚疾患に対する十全大補湯の作用機序の一つとして,自然免疫系を介する獲得免疫系への影響を示唆する症例と考えられた。
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  • 厚海 徹, 力丸 米雄, 鈴木 順造
    59 巻 (2008) 1 号 p. 73-76
    公開日: 2008/07/23
    ジャーナル フリー
    掌蹠膿疱症に対して排膿散及湯を投与したが治癒せず,麻黄附子細辛湯を合方することにより次第に治癒に向かった一例を経験した。症例は64歳女性。2000年5月頃から両側掌蹠に約2mm大の多発性の膿疱が生じ,陳旧化すると皮膚が剥けて一時治るという状態がほぼ2週間周期でみられた。皮膚所見より,掌蹠膿疱症と診断し,排膿散及湯の投与により,新たな膿疱が生じる間隔は延長したが,治癒しなかった。しかし,麻黄附子細辛湯を合方したところ4週間後にはほぼ膿疱は消失した。本疾患に対する附子剤奏効例の報告は稀であり,興味深い症例と思われ報告した。
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  • 中永 士師明
    59 巻 (2008) 1 号 p. 77-81
    公開日: 2008/07/23
    ジャーナル フリー
    大建中湯はイレウスの保存的治療法の一つとして現代医学に定着しつつある。今回救急受診した急性腹症3例に対して大建中湯を使用したので報告した。3例とも腹痛が強く,小腸ガスも認められたが,大建中湯の内服によって症状が改善し,入院することなく帰宅することができた。救急診療において機能性イレウスであれば積極的な大建中湯の投与により入院治療を回避できる可能性が示唆された。
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