日本東洋医学雑誌
Online ISSN : 1882-756X
Print ISSN : 0287-4857
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59 巻 , 6 号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
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特別講演
原著
  • 幾嶋 泰郎
    59 巻 (2008) 6 号 p. 775-781
    公開日: 2009/05/15
    ジャーナル フリー
    東洋医学では生体のエネルギーが不足した状態を気虚と説明している。生体エネルギーの低下状態では新陳代謝も低下し,血液検査に反映されると推測し,13カ月間に当院に来院した新患333名を対象に,気虚スコアにおける気虚病態の有無と血液生化学検査値の低下の有無との間でカイ二乗検定を行い,危険率0.0001未満で有意であった。感度は49%であったが,陽性的中率は85%であった。通常の血液生化学検査で基準値未満の検査結果がある場合,『異常ではない』と考えず,『新陳代謝が低下した疲弊した状態』と認識する必要がある。
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  • 朱 燕波, 折笠 秀樹, 上馬場 和夫, 許 鳳浩, 王 き
    59 巻 (2008) 6 号 p. 783-792
    公開日: 2009/05/15
    ジャーナル フリー
    目的:本研究の目的は中国語版体質に関する質問票(CCMQ)の日本語版を開発することである。この質問票は全部で60問あり,9つの下位尺度(平和質・気虚質・陽虚質・陰虚質・痰湿質・湿熱質・お血質・気鬱質・特稟質,ここで平和質を除く8体質は病理体質)に分けられる。この質問票に対して,信頼性と妥当性を検証することを目標とする。  方法:2005年12月から2006年2月にかけて,富山市内の130名の住民に対してTest-retest法を用いて調査を実施した。質問票の許容性は回答時間と回答率で評価した。内部妥当性は下位尺度ごとにクローンバックα係数で検討し,1回目と2回目の回答に関する再現性は重み付けカッパ係数とスペアマン相関係数で検討した。基準連関妥当性は,本質問票のCCMQと包括質問票として著名なSF-36下位尺度との相関係数で評価した。
    結果:回答時間は平均8分であり,回答率はほぼ100%であった。9つの下位尺度に関するα係数は0.65から0.79であった。再現性は各質問につき0.41~0.81であり,下位尺度については0.79~0.88と優れていた。基準連関妥当性については,予想通り,正常体質である平和質型とSF-36とは正の相関を示し(r=0.46,P<0.001),病的体質である残り8つの体質型とSF-36とは負の相関を示した(-0.35~-0.50,P<0.001)。
    結論:中国語版体質に関する質問票(CCMQ)の日本語版を開発し,その信頼性と妥当性を130名の住民に対して立証した。今後,日中間において体質研究を行う際,この質問票は有用な道具になることが期待される。
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臨床報告
  • 関矢 信康, 並木 隆雄, 笠原 裕司, 地野 充時, 林 克美, 平崎 能郎, 小川 恵子, 来村 昌紀, 橋本 すみれ, 大野 賢二, ...
    59 巻 (2008) 6 号 p. 793-798
    公開日: 2009/05/15
    ジャーナル フリー
    清湿化痰湯は『壽世保元』を出典とし,肋間神経痛およびこれに類する胸背部の疼痛に用いられてきた方剤である。今回,我々は胸郭に疼痛あるいは冷えを訴える5症例に対して清湿化痰湯を投与し,4症例に有効,1症例には無効であった。有効例,無効例と文献的検討から清湿化痰湯を投与する際には,移動性の胸郭の冷え,水毒の症候が多く認められること,脈状は浮ではないこと,炎症による胸郭の疼痛では肺の失調病態に伴うものであることに留意すべきであると考えられた。
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  • 二宮 文乃
    59 巻 (2008) 6 号 p. 799-807
    公開日: 2009/05/15
    ジャーナル フリー
    心因的ストレスはアトピー性皮膚炎の病勢に影響を与える。このことに着目して気剤を併用し,精神症状や自律神経系の異常だけでなく,皮膚症状の改善を認めた6症例を報告した。これらの異常に対する気剤の効果を客観的に評価する目的で手掌足底発汗検査やSDS検査を用いた。皮膚症状の標治治療に加えて,症例1では桂枝加竜骨牡蛎湯,症例2と3では四逆散,症例4は抑肝散加陳皮半夏と桂枝加竜骨牡蛎湯,症例5では四逆散から桂枝加竜骨牡蛎湯へ転方,症例6では柴胡桂枝乾姜湯を併用した。アトピー性皮膚炎の治療では,皮膚所見だけでなく,気の異常を治療することは重要であると考えられた。
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  • 中永 士師明
    59 巻 (2008) 6 号 p. 809-812
    公開日: 2009/05/15
    ジャーナル フリー
    修治ブシ末単独投与による組織血流量増加および温熱作用について検討を行った。健常人14例に対して修治ブシ末を3g/日を3日間処方した。服用直前,服用90分後,服用72時間後の3回,示指の皮膚温,組織血流量を測定した。皮膚温に関して,直前と90分後の間には有意差を認めなかったが,72時間後との間には有意差を認めた(p=0.0736,p=0.0219)。また,90分後と72時間後との間にも有意差を認めた(p=0.0253)。組織血流量に関して,直前と90分後の間には有意差を認めなかったが,72時間後との間には有意差を認めた(p=0.0736,p=0.0219)。90分後と72時間後との間には有意差を認めなかった(p=0.4074)。皮膚温と組織血流量との間には有意の相関関係が認められた(p=0.0052)。ヒトにおいて附子が組織血流量増加作用と温熱作用を発揮する可能性が示唆された。
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東洋医学の広場
  • 田原 英一, 新谷 卓弘, 三潴 忠道
    59 巻 (2008) 6 号 p. 813-820
    公開日: 2009/05/15
    ジャーナル フリー
    漢方医学において半表半裏とされる部位について,傷寒論条文を発生学的に検討したところ,鰓弓領域と一致性がみられた。鰓弓部分は主に三叉神経から迷走神経の支配領域に一致し,一部内耳神経と副神経にも関連が見られた。つまり,半表半裏証は鰓弓由来の部分が熱を持っている病態と考えられる。傷寒論と発生学は本来別のものであり,傷寒論の病態を発生学的に理解することには限界もあるが,理解の一助にもなるのではないかと思われる。
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  • 佐藤 広康
    59 巻 (2008) 6 号 p. 821-828
    公開日: 2009/05/15
    ジャーナル フリー
    東洋医学への意識調査を奈良医大卒業(3,4,5年)後の医師を対象に調査した。郵送で実施され,回収率は24.1%であった。調査結果は,「東洋医学に対して興味をもっている」と答えた医師は83.0%であり,「西洋医学と異なる良さがある」を理由としている。一方,「興味がない」と答えた医師の17.0%が「東洋医学に触れる機会が少ない」を主たる理由に挙げている。全体的に,「今後東洋医学に関するセミナーなどの勉強会に参加したい」は89.8%と高く,より多くの勉強会やセミナー開催が求められている。「東洋医学に関するどのような講義を望んでいるか」では,処方解説,基礎知識,診断方法を希望している。「これからも東洋医学の活用」に関する質問では,93.2%が向上的意識をもった解答をした。以上,将来の医療を踏まえた回答であり,学生時代には受講しなかった漢方講義を独自に勉強する意欲が感じられた。これは東洋医学への社会環境的な動向によるのかも知れない。
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