日本東洋医学雑誌
Online ISSN : 1882-756X
Print ISSN : 0287-4857
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60 巻 , 3 号
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学会シンポジュウム
第21回伝統医学臨床セミナー
原著
  • 蛯子 慶三, 丹波 さ織, 吉川 信, 菊池 尚子, 新井 寧子, 佐藤 弘
    60 巻 (2009) 3 号 p. 347-355
    公開日: 2009/08/12
    ジャーナル フリー
    難治性の末梢性顔面神経麻痺に対する鍼治療の効果をretrospective studyにより検討した。対象は,1996年8月から2004年6月までの間に鍼治療を施行したBell麻痺およびHunt症候群患者のなかで,ENoG最低値0%でかつNETスケールアウトであった29例(Bell麻痺14例,Hunt症候群15例)である。29例の性別は男性21例,女性8例,年齢は44.3±12.8歳,罹病期間と40点法(柳原法)による麻痺スコアはそれぞれ43.2±23.9日,10.2±2.7点であった。効果判定には麻痺スコアと西本・村田らの考案した後遺症評価法の変法による後遺症スコアを用いた。発症6カ月以内に麻痺スコアが36点以上となり,明らかな後遺症を認めないものを完全治癒,それ以外のものを不完全治癒として評価した結果,完全治癒は5例(17.2%),不完全治癒は24例(82.8%)であった。ENoG最低値0%の場合,発症6カ月以内の治癒は見込めないとされており,結果からは鍼治療の有効性が示唆された。
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臨床報告
  • 大沢 正秀, 李 康彦
    60 巻 (2009) 3 号 p. 357-363
    公開日: 2009/08/12
    ジャーナル フリー
    同一患者において複数の臓腑経絡が関与する頭痛が生じ,それぞれの頭痛の特徴,増悪因子,緩解因子が異なる一例を経験した。症例は40歳女性。(1)後頭部痛(足少陰腎経が関与)。(2)両側頭部から目,耳の奥にかけての痛み(陽明,少陽経が関与)。弁証論治により,腎陽虚水泛,肝気上逆と弁証し,温陽利水と疏肝降気による活絡目的で,真武湯を処方。いずれの頭痛も軽減,消失した。病因病機では本たる証を腎陽虚,標の証として肝気上逆を考えた。真武湯は標治法としても本治法としても効果的であったと考えられた。
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  • 來村 昌紀, 寺澤 捷年, 関矢 信康, 地野 充時, 橋本 すみれ, 並木 隆雄, 王子 剛, 小川 恵子, 大野 賢二, 平崎 能郎, ...
    60 巻 (2009) 3 号 p. 365-369
    公開日: 2009/08/12
    ジャーナル フリー
    閉塞性動脈硬化症による下肢潰瘍は抗血小板療法や抗凝固療法などの保存的治療に抵抗性の場合,下肢切断術が必要とされる重症の虚血病変である。今回,我々は自家製桂枝茯苓丸と大柴胡湯を投与し,閉塞性動脈硬化症による間欠性跛行と下肢潰瘍が改善した73歳男性の症例を経験したので報告する。この症例の経験により閉塞性動脈硬化症による虚血性病変に対し,西洋医学的な抗凝固療法,抗血小板療法に,桂枝茯苓丸や大柴胡湯を併用することで微小循環改善作用が加わり,虚血病変を安全に少ない負担で改善できる可能性があることが示唆された。
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  • 盛岡 頼子, 佐藤 弘
    60 巻 (2009) 3 号 p. 371-378
    公開日: 2009/08/12
    ジャーナル フリー
    成人の虚弱者の症状について,問診表より調査を行なった。対象は筆者の外来を受診した患者のうち,「虚弱」と判断した39人(男性3人,女性36人,24歳から67歳)である。疲労感を伴う疾患を除外し,疲れやすく,通常の人では影響を受けないような外界の変化やストレスによって体調を崩しやすい人を「虚弱」とした。
    虚弱者の症状で,疲れやすいこと以外に最も多かったのは冷えに関する症状で6割以上に見られた。その他,肩こり,首のこり,腰痛など筋肉のこりや痛みを有するもの,食べ過ぎると調子を崩すもの,良好な睡眠が取れていないもの,頭痛,目の疲れ,めまいなど頭頸部の症状を持つものが多かった。問診表により虚弱者が多く有する症状の傾向については把握できたが,一方,主訴に関しては非常に多彩であることがわかった。これらの結果を虚弱者の診断,治療に役立てたい。
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  • 松井 龍吉, 小林 祥泰
    60 巻 (2009) 3 号 p. 379-384
    公開日: 2009/08/12
    ジャーナル フリー
    急性膵炎後の巨大仮性膵嚢胞に対し,柴胡桂枝湯加附子を投与したところ,諸症状の改善と,嚢胞の縮小が見られた症例を経験した。症例は71歳男性。脳梗塞後遺症,糖尿病などにて外来治療中,急性膵炎を合併し近医入院。保存的治療にて症状の軽快傾向が見られたが,その後も腹痛や食思不振が続くため,継続治療目的にて当院転院となる。腹部CT検査にて巨大仮性膵嚢胞を認め,その他の内服薬を変更することなく柴胡桂枝湯加附子を追加投与したところ諸症状が消失し,腹部CT検査においても嚢胞の縮小が認められた。柴胡桂枝湯加附子は熱性疾患後の心窩部の疼痛や食欲不振などを伴う場合の方剤であり,本症例においても嚢胞の縮小に何らかの作用を示したと考えられた。
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  • 笠原 裕司, 関矢 信康, 地野 充時, 並木 隆雄, 大野 賢二, 来村 昌紀, 橋本 すみれ, 小川 恵子, 平崎 能郎, 寺澤 捷年
    60 巻 (2009) 3 号 p. 385-389
    公開日: 2009/08/12
    ジャーナル フリー
    腎癌術後に多彩な腹部症状を訴えた症例に対し,漢方治療が奏効した一症例を経験した。症例は58歳女性。腹腔鏡下右腎摘出術直後に嘔気,噫気,心窩部痛,下腹痛,食欲不振等が出現。消化器内科における諸検査に異常なく,治療にても軽快しなかった。胸中痰飲による嘔気,噫気と考えて茯苓飲加大黄を投与したところ1週間で嘔気,噫気は消失し,安中散料加大黄に転方後,心窩部痛,下腹痛,食欲不振も消失した。
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  • 木村 容子, 杵渕 彰, 稲木 一元, 佐藤 弘
    60 巻 (2009) 3 号 p. 391-395
    公開日: 2009/08/12
    ジャーナル フリー
    気管支喘息に対する漢方治療では,咳や痰の性状や呼吸困難の程度などを指標として,通常,臓腑の立場からは「肺」へのアプローチをを選択することが多いと思われる。さらに,気管支喘息の増悪因子がある場合は,その要因を排除することも大切である。今回,便通異常を伴って気管支喘息の症状が悪化した患者において,便通の改善を図ったところ,患者の咳嗽や呼吸困難などの症状が軽快した3症例を経験したので報告した。漢方では「肺」と「大腸」は表裏関係をなすとされるが,どのような気管支喘息患者の場合に,便通調整を考慮するのが有効であるかを検討した報告は少ない。今回の3症例から,便通が安定している軽症の気管支喘息患者が,突然,気管支喘息症状の悪化とともに便通異常を認めた場合に,「肺」に直接作用する処方だけではなく,その表裏関係にある「大腸」の作用を整える治療をすることが有効であるのではないかと推測された。
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  • 山田 和美, 及川 哲郎, 齋藤 絵美, 鈴木 邦彦, 花輪 壽彦
    60 巻 (2009) 3 号 p. 397-401
    公開日: 2009/08/12
    ジャーナル フリー
    桂枝去桂加茯苓白朮湯が有効であった4症例を経験したので報告する。
    症例1:53歳女性。15年来の倦怠感,頭痛,肩こりを主訴に来所。歯痕舌,心下の圧痛が見られたため桂枝去桂加茯苓白朮湯を投与したところ,主訴が著明に改善した。症例2:29歳女性。アレルギー性鼻炎のため来所。首や肩のこり,鼻閉,くしゃみ,心下の圧痛を目標に桂枝去桂加茯苓白朮湯を処方した。6カ月で症状が消失した。症例3:37歳女性。メニエール病のため来所。数種類の漢方方剤を試すも無効であったが,首や肩のこり,めまい,心下の圧痛を目標に桂枝去桂加茯苓白朮湯を処方したところ,2週間で症状が消失した。症例4:50歳女性。緊張型頭痛を主訴に来所。首や肩のこり,立ちくらみ,心下の圧痛を目標に桂枝去桂加茯苓白朮湯を処方したところ2週間で頭痛が軽快した。桂枝去桂加茯苓白朮湯は表証様の症状に水毒症状を兼ねた症例に広く有用であることが示唆された。
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