日本東洋医学雑誌
Online ISSN : 1882-756X
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63 巻 , 5 号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
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原著
  • 木村 容子, 田中 彰, 佐藤 弘
    63 巻 (2012) 5 号 p. 299-304
    公開日: 2013/02/14
    ジャーナル フリー
    目的:当帰四逆加呉茱萸生姜湯が有効な冷え症のタイプを検討した。
    研究デザイン:後ろ向きコホート研究。
    対象:冷え症患者181名を対象とし,初診時に自覚症状をデータベースに登録した。さらに,外的妥当性を新規28名で評価した。
    介入:エキス顆粒7.5g/日服用1ヵ月後に評価。
    評価項目:治療効果の有無。
    結果:冷えは74%の患者で改善し,頻度および程度(0-4)は各々3.2±0.7から2.1±0.1(p <0.01),3.1±0.7から2.2±0.9(p <0.01)に減少した。治療効果予測の最適モデルとして,胃もたれおよび抑うつを伴わない腸骨窩圧痛の有無が選ばれ,判別予測率は84.4%であった。このモデルを別の28名の患者で検証したところ,予測精度は82.1%であった。
    結論:胃もたれや抑うつ感がみられず,腹診にて腸骨窩圧痛が認められる冷えの患者で,当帰四逆加呉茱萸生姜湯が有効である可能性が示唆された。
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報告
  • 大井 逸輝, 河﨑 亮一, 田中 健太郎, 御影 雅幸
    63 巻 (2012) 5 号 p. 305-312
    公開日: 2013/02/14
    ジャーナル フリー
    漢方生薬「附子」は強毒性のブシジエステルアルカロイド(BDA)を含むが,生薬原料には BDA 含量の高いものがよいと考えられてきた。一方,第十六改正日本薬局方では減毒処理方法および BDA 含量の上限値が規定された。本研究では,古文献の附子の良品に関する記載内容を検討し,附子の形状と BDA 含量の関係について調査した。その結果,大型で角(細根基部肥大部)がある附子が尊ばれていたこと,また使用時は,原材料(子根)から細根基部肥大部(節・角)および根頭部(臍)を切り取る修治が行われていたことが明らかとなった。大型の附子は BDA 含量が低値に安定し,根頭部(臍)および細根基部肥大部(角)は子根本体に比べて BDA 含量が高いことが明らかになったことから,選品においても修治法においても BDA 含量を低くする目的があった可能性が示唆された。したがって,古来の良質品附子は毒性が低くかつ安定したものであったと考証した。
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基礎報告
  • 笛木 司, 松岡 尚則, 別府 正志, 山口 秀敏, 中田 英之, 頼 建守, 坂井 由美, 長坂 和彦, 牧野 利明, 並木 隆雄, 岡田 ...
    63 巻 (2012) 5 号 p. 313-321
    公開日: 2013/02/14
    ジャーナル フリー
    北京市昌平区で採水した上水道水を用いてマオウを煎じ,これを新潟市の上水道水,及び数種の市販ミネラルウォーターによる煎液と比較し,水の性質が生薬からの成分の煎出に与える影響を検討した。日中の上水道水によるマオウ煎液には,種々の相違点が認められ,北京市の上水道水に対するマオウアルカロイドの移行率は,新潟市の上水道水における移行率に比べ,約80%であった。これらの現象には,水の一時硬度成分であるカルシウム/マグネシウムの炭酸水素塩濃度が影響していることが示唆された。さらに,硬度の高い水でマオウを煎じる際にタイソウが共存することにより,アルカロイドの抽出効率を含めた煎液の状態が,軟水で煎じた場合に近づくことを見いだした。タイソウは硬水煎の際には水軟化剤としての働きを負っている可能性が示唆された。
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臨床報告
  • 竹田 眞
    63 巻 (2012) 5 号 p. 322-324
    公開日: 2013/02/14
    ジャーナル フリー
    顔面神経麻痺後の異常神経再生による「ワニの涙」症候に対する根本的治療は無い。この現象は唾液支配分枝が涙腺を異常支配する事により起こるとされている。
    今回筆者は右顔面神経麻痺後の「ワニの涙」症候を針治療にて急速な改善を認めた一例を経験したので報告する。用いた針は和針(ステンレス製)1寸6分,3番である。また取穴は,右聴宮,右太陽,右和髎であった。10分間の置針一回のみで「ワニの涙」症候は完全に消失し,再発は無かった。しかし食事中の瞼裂狭小は改善するものの完全には消失しなかった。
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  • 松本 大樹, 木村 容子, 佐藤 弘
    63 巻 (2012) 5 号 p. 325-329
    公開日: 2013/02/14
    ジャーナル フリー
    更年期女性の動悸に対し,桂枝加竜骨牡蛎湯が有効であった症例は報告されているが,冷えに対する効果に言及した報告は認めない。今回動悸と冷えに対し,桂枝加竜骨牡蛎湯が速やかに奏効した症例を経験したので冷えを中心に考察を加え報告する。
    症例は48歳,女性。2-3年前より動悸,手足の冷えが出現し,X 年5月8日当院を初診。虚証で動悸と不眠を訴え,腹診所見の腹部動悸から,桂枝加竜骨牡蛎湯7.5g/日を投与したところ,服用2週間で動悸,手足の冷えが改善した。1年後に5g/日と減量したが,症状は落ち着いている。
    今回の症例では,臍上悸を伴う動悸と手足の冷えに対し,桂枝加竜骨牡蛎湯が速やかに奏効した。桂枝加竜骨牡蛎湯はのぼせを伴う上熱下寒型の冷えに限らず,のぼせの訴えがない場合でも,動悸や臍上悸などの気逆によると考えられる所見を伴う手足の冷えには,桂枝加竜骨牡蛎湯を応用できると考えられた。
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  • 和田 健太朗
    63 巻 (2012) 5 号 p. 330-335
    公開日: 2013/02/14
    ジャーナル フリー
    症例は58歳男性。透析歴8年。幼児期に開腹術の既往あり。反復するイレウスのため過去2年間入退院を繰り返してきた。パントテン酸,ジノプロスト,大建中湯,半夏瀉心湯を投与するも著効を認めず,精査加療目的にて当院へ転院となった。腹痛・嘔吐を認め,腹部X 線検査で小腸ガスを認めた。通過障害の原因検索のため,腹部CT,PET-CT,上部・下部・小腸内視鏡検査,イレウス管造影検査を施行したが,明らかな腫瘤や軸捻転などの閉塞機転を指摘できなかった。真武湯を投与したところ,腹痛・悪心など腹部症状の改善を認めた。現在まで10ヵ月以上本剤を継続処方しているが再発を認めない。透析患者は腎不全による慢性の水滞状態にあり,排便障害,四肢の冷感など新陳代謝の低下した虚証の頻度が高いため,透析患者にイレウスを合併した際は本剤の適応となる症例が多く存在する可能性がある。
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  • 斉藤 晶, 竹越 哲男
    63 巻 (2012) 5 号 p. 336-339
    公開日: 2013/02/14
    ジャーナル フリー
    耳管開放症はまれな病気でなく,全人口の5%に存在している可能性がある。自声強聴や耳閉感がよく見られる症状である。薬物治療,手術を含め種々の治療が行われているが,満足した結果が得られていない。漢方医学的には,気虚または血虚と考えることができる。耳管開放症の漢方治療は加味帰脾湯が良く知られていた。今回,補中益気湯を10症例に投与した結果を報告した。4例が改善,1例がやや改善,4例が不変であった。作用機序は,耳管の緊張の亢進,耳管周囲の脂肪組織の増加,精神面への影響を考えた。補中益気湯が耳管開放症の選択肢の1つとなることが期待される。
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理論と論説
  • 坂井 由美, 並木 隆雄
    63 巻 (2012) 5 号 p. 340-346
    公開日: 2013/02/14
    ジャーナル フリー
    現在、日本では数多くの漢方処方が用いられており、それらの漢方処方群をいかに分類するかは重要な課題である。それにもかかわらず、近年日本で出版されている漢方処方集や方剤解説書の中に、古方・後世方・中医処方を網羅的に分類しているものはほとんどなく、漢方処方の分類法に関する研究も行われていないのが実情である。しかし歴史的に見ると、江戸期から昭和初期にかけて、漢方処方を分類ごとにまとめて編纂した処方集や方剤解説書が多数存在している。そのような方剤分類を試みた医家の一人に、古方派の奥田謙蔵がいる。本論文では奥田の著書に見られる「類方分類」の内容について検討を行い、さらに奥田に先行する我が国の「類方分類」の歴史について調べ、今後の日本における薬方分類の課題について考察した。
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