日本東洋医学雑誌
Online ISSN : 1882-756X
Print ISSN : 0287-4857
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64 巻 , 3 号
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原著
  • 池谷 洋一, 砂川 正隆, 時田 江里香, 山﨑 永理, 岩波 弘明, 幸田 るみ子, 石川 慎太郎, 中西 孝子, 石野 尚 ...
    64 巻 (2013) 3 号 p. 143-149
    公開日: 2013/11/18
    ジャーナル フリー
    小青竜湯のアレルギー性鼻炎に対する効果については,いくつかの作用機序によることが報告されている。過去に我々は,アレルギー性鼻炎モデルラットに小青竜湯を投与することにより,鼻炎症状やアレルギー症状増悪に関与する鼻汁中のサブスタンスP(SP)やカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)の増加が抑制されることを報告している。本研究では,小青竜湯投与によって SP やCGRP の分泌が直接抑制されるかを検討した。
    健常な雄性 SD ラットにヒスタミン溶液(10mg/ml)5µl を両鼻孔に点鼻しアレルギー症状を誘発したところ,小青竜湯を前投与した群では,鼻汁中の SP や CGRP 濃度の増加は有意に抑制された。また三叉神経節における SP や CGRP の産生を免疫組織学的に調べたところ,同様に有意に抑制された。以上の結果から,小青竜湯は鼻粘膜 C 線維における SP や CGRP の分泌を直接抑制することが示唆された。
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  • 森元 康夫, 渡部 晋平, 道原 成和, 範本 文哲, 中島 慶子, 樋浦 基, 大窪 敏樹
    64 巻 (2013) 3 号 p. 150-159
    公開日: 2013/11/18
    ジャーナル フリー
    六君子湯は8生薬から構成され,食欲不振や胃もたれに用いられている。これらの症状は胃排出の低下に起因する場合が多い。シスプラチンは食欲不振や吐き気を引き起こす代表的な薬物であるが,やはり胃排出を低下させる。しかし,シスプラチンによる胃排出低下に対する六君子湯の作用はこれまで検討されていない。そこで今回,シスプラチンによるラット胃排出低下に対する六君子湯(白朮処方)の作用を検討した。その結果,六君子湯は胃排出を改善し,構成生薬では白朮,人参,茯苓,陳皮が同様に改善した。これら4生薬の組み合わせでは,白朮を含む場合に作用が強くなる傾向が認められた。一方,六君子湯から白朮を除くと作用は六君子湯よりも減弱した。なお,白朮由来成分のアトラクチレノリドⅢも六君子湯や白朮と同様に胃排出を改善した。以上の結果から,六君子湯はシスプラチンによる胃排出低下を抑制し,それには白朮が深く関与することが示唆された。
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  • 熊本 友香, 久末 伸一, 安田 弥子, 井手 久満, 知名 俊幸, 井上 正浩, 斉藤 恵介, 磯谷 周治, 山口 雷蔵, 武藤 智, 堀 ...
    64 巻 (2013) 3 号 p. 160-165
    公開日: 2013/11/18
    ジャーナル フリー
    今回,我々は加齢男性性腺機能低下症候群患者(late onset hypogonadism : LOH)に対する補中益気湯の有効性について検討した。帝京大学付属病院泌尿器科メンズヘルス外来を受診し,Aging Male Symptoms(AMS)scale が27点以上で,テストステロン補充療法を施行していない47例に補中益気湯エキス7.5g/日を8週間投与した。投与前および投与8週間後のAMS と各種ホルモン値,各種サイトカインについて検討した。47例中31例で評価が可能であり,補中益気湯8週間の投与によって遊離テストステロンは有意な上昇を示し,ACTH とコルチゾールは有意に低下した。補中益気湯投与後の自覚症状は各種質問紙で変化なかった。本検討により補中益気湯はLOH 症候群患者のホルモン値に影響を与えることが証明された。今後,長期間投与による症状変化の検討を要するものと考えられた。
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臨床報告
  • 木村 容子, 永尾 幸, 黒川 貴代, 佐藤 弘
    64 巻 (2013) 3 号 p. 166-172
    公開日: 2013/11/18
    ジャーナル フリー
    更年期不定愁訴には加味逍遙散や桂枝茯苓丸などが頻用されるが,虚証タイプには柴胡桂枝乾姜湯が有効とする報告がある。一方,呼吸器症状は更年期スコアに含まれず,随伴症状として重要ではないと考えられてきた。今回,比較的軽微な呼吸器症状を訴える更年期女性に対して柴胡桂枝乾姜湯を投与したところ,更年期症状と呼吸器症状が共に改善した4症例を経験した。
    症例1は疲れやすい,風邪を引きやすい,咳が出やすい,ホットフラッシュ,不眠がみられた49歳女性,症例2は疲れやすくイライラと空咳を訴えた47歳女性,症例3は疲れやすく,鼻詰まりおよび歯肉が腫れやすい51歳女性,症例4は冷えのぼせと不眠,喉のイガイガ,空咳が多いと訴えた53歳女性であった。
    呼吸器症状は,柴胡桂枝乾姜湯に関する多くの口訣の中で,処方鑑別に役立つと考えられた。虚証で冷え,気虚,気うつによる呼吸器症状がみられる更年期女性に柴胡桂枝乾姜湯が処方選択の一つになる。
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  • 吉野 鉄大, 堀場 裕子, 水口 雄貴, 佐藤 卓, 末岡 浩, 渡辺 賢治
    64 巻 (2013) 3 号 p. 173-176
    公開日: 2013/11/18
    ジャーナル フリー
    経腟採卵後の著明な膀胱血腫に対して血腫除去を行った後の,日単位での変化に対する随証治療で改善をみた急性疾患の1例を報告する。症例は44歳女性。朝,体外受精のために静脈麻酔下に経腟超音波下採卵を施行し昼過ぎに帰宅した。同日夕方に,右下腹部痛,血尿,頻尿,尿失禁,発熱,悪寒が出現したため救急外来を受診し,超音波で膀胱内に径45mm 程度の血腫を認めたため入院となった。膀胱洗浄後に膀胱内持続還流,抗菌薬,止血薬を投与した。右下腹部痛は持続し,第5病日に発熱が再発した。浮脈,腹力中等度,右下腹部痛,頻尿,尿失禁,便秘傾向から大黄牡丹皮湯エキスを投与し,歯痕と入院時からの下腿浮腫を水毒とし五苓散料エキスを併用した。第6病日,右下腹部痛はほぼ消失,頻尿,尿失禁は軽減し,軟便になった。発熱時の発汗,脈浮虚,腹力虚より桂枝湯エキスに転方し,軽度の頻尿,尿失禁より猪苓湯エキスを併用すると汗が持続的に出て発熱を認めなくなり,頻尿,尿失禁も消失した。第7病日,全身状態良好となったため退院となった。
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  • 中永 士師明
    64 巻 (2013) 3 号 p. 177-183
    公開日: 2013/11/18
    ジャーナル フリー
    熱中症により有痛性筋痙攣をきたした5例に対して芍薬甘草湯を用いたところ,著明な改善をみたので報告する。熱中症の重症度はI 度が4例,III 度が1例であった。I 度の4例は来院時速やかに芍薬甘草湯を頓用することで症状の改善をみた。III 度の1例は芍薬甘草湯の頓服だけでは改善せず,定時の服用も追加し,完治まで4日間を要した。3例は横紋筋融解を合併していたが,芍薬甘草湯服用による有害事象はみられなかった。熱中症による有痛性筋痙攣では横紋筋融解から急性腎障害への進展を防止するためには筋痙攣を早急に抑制することが重要である。その治療として芍薬甘草湯は有用な治療になると考えられた。
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  • 寺澤 捷年, 小林 亨, 隅越 誠, 來村 昌紀, 竹田 眞
    64 巻 (2013) 3 号 p. 184-187
    公開日: 2013/11/18
    ジャーナル フリー
    加齢性白内障は人口の高齢化に伴って増加しており,手術法も侵襲の少ない手技が開発されている。しかし,その合併症も皆無ではない。今回我々は加齢性白内障の診断のもとに超音波乳化吸引療法を受けた74歳の女性が,術後に劇しい羞明感を訴え,日常生活に支障を来していた一症例に漢方治療を試み,苓桂甘棗湯により著効を得た症例を経験したので報告した。原因不明の術後羞明感は術者,患者双方にとって不幸な病態であるが心身症的愁訴であるためかその報告は公表されていない。
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