日本東洋医学雑誌
Online ISSN : 1882-756X
Print ISSN : 0287-4857
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64 巻 , 6 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
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原著
  • 大野 修嗣, 秋山 雄次
    64 巻 (2013) 6 号 p. 319-325
    公開日: 2014/05/16
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は関節リウマチ(RA)に対する防已黄耆湯とメソトレキサート(MTX)の併用効果と経済的有用性を3年間の後ろ向き検討で明らかにすることである。2006年5月から2011年11月に治療した症例で,1987年のアメリカリウマチ学会(ACR)分類基準で診断された症例を対象とした。抽出された症例は126例であり,その中で3年間継続投与できたMTX-防已黄耆湯併用群(併用群)45例とMTX 単独群(非併用群)48例を比較検討した。併用群は非併用群に比較して低疾患活動性達成率が有意(P=0.0372)に高く,また寛解率も有意(P=0.0093)に優れていた。3年後の活動性の変化も併用群で有意(P=0.0050)に優れていた。3年間の期間中に他の疾患修飾性抗リウマチ薬(DMARD)が追加された症例は併用群でより少なく,1人当たりの薬剤費は¥2,145,470であり,非併用群では¥2,301,690であった。従って,防已黄耆湯を併用することによって1人当たり¥156,220の節約となった。
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臨床報告
  • 磯部 哲也
    64 巻 (2013) 6 号 p. 326-329
    公開日: 2014/05/16
    ジャーナル フリー
    多のう胞性卵巣症候群(Polycystic Ovary Syndrome : PCOS)は月経不順や不正性器出血の原因疾患となる。当センターにてPCOS と診断された患者の中で鍼治療を行なった21症例を対象とした。鍼治療6回終了後に迎えた月経周期で超音波断層法および血中エストラジオールとプロゲステロンの測定によって卵胞発育と排卵を観察した。月経開始30日目までに卵胞発育または排卵を認めなかった場合にはピルを投与して消退出血を起こさせ鍼治療を4回追加した後に同様の観察を行なった。鍼治療を10回行なって迎えた月経周期30日目までに卵胞発育および排卵を認めなかった症例を無効とし,それまでに成熟卵胞を認めた症例または排卵した症例を有効とした。
    有効症例の割合は57.1%となった。有効症例において成熟卵胞を認めるまでに要した平均日数は20.6日であり,成熟卵胞または排卵を認めるまでに要した平均施術回数は7.9回であった。今回の検討によりPCOS 症例に対する鍼治療の有効性が認められた。
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  • 犬飼 賢也, 野本 真由美, 須永 隆夫
    64 巻 (2013) 6 号 p. 330-335
    公開日: 2014/05/16
    ジャーナル フリー
    日本女性の約50%に冷え症の自覚があるとされているが,現代医学では冷え症に対する薬剤がない。今回,冷えを伴っためまいに当帰四逆加呉茱萸生姜湯が有効であった3例を経験したので報告する。症例1は35歳女性の良性発作性頭位めまい症,症例2は29歳女性のめまい症,症例3は80歳女性の良性発作性頭位性めまい症である。いずれも痩せ形で冷え症があり,漢方医学的には裏寒虚証,血虚と考えた。当帰四逆加呉茱萸生姜湯エキスを内服させたところ著効した。過去に良性発作性頭位めまい症,めまい症に用いて有効であったという報告はない。めまいの漢方診療では,冷えに注目し当帰四逆加呉茱萸生姜湯を使用するのも一法と思われた。
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  • 加藤 彩, 中永 士師明
    64 巻 (2013) 6 号 p. 336-339
    公開日: 2014/05/16
    ジャーナル フリー
    繰り返す性器ヘルペスの治療には,抗ヘルペスウイルス薬の継続投与による再発抑制療法が行われているが,漢方薬による治療報告は散見される程度である。今回,繰り返す性器ヘルペスの再発に補中益気湯が奏効した症例を経験したので,若干の考察を加えて報告する。
    症例は,34歳女性,2回妊娠2回出産。数年前より性器ヘルペスの再発を繰り返し近医にて治療していたが,再発が頻回となり当科を初診した。再発所見の他,全身倦怠感,食欲低下などを自覚し,気虚と考え補中益気湯を7.5g/日投与開始した。服用後2週間で全身倦怠感は消失。徐々に再発回数は減少し一年弱で服用を中止したが,その後も再発は認めなかった。
    本症例は,全身倦怠感,食欲低下の改善ともに,性器ヘルペスの再発回数も減少していった。性器ヘルペス再発の状態を気虚と考え,補中益気湯で治療は可能と考えられた。
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  • 関口 由紀, 畔越 陽子, 河路 かおる, 長崎 直美, 永井 美江, 金子 容子, 吉田 実, 窪田 吉信
    64 巻 (2013) 6 号 p. 340-343
    公開日: 2014/05/16
    ジャーナル フリー
    腹圧性尿失禁を有する女性患者10名(平均年齢60.7歳)に対して,麻黄附子細辛湯を4週間内服させ,前後の自覚症状,パッド枚数を比較し評価した。50%の患者の尿失禁の自覚症状の改善が認められた。効果があったグループの平均年齢は,73.2歳,効果がなかったグループの平均年齢は,50.2歳であり。両群間には,統計的に有意な年齢差がある傾向が認められた。改善した症例の中には,著明改善例が含まれていた。麻黄附子細辛湯は高齢者の感冒予防に長期内服が可能な薬だが,構成生薬である麻黄は,エフェドリンを含有しているため,尿道内圧を上昇させて腹圧性尿失禁を改善させる可能性がある。さらに附子はアコニチンを含有し,過活動膀胱症状を改善させる可能性がある。このことから麻黄附子細辛湯は,高齢女性の腹圧性尿失禁のみならず混合性尿失禁にも長期に用いることができる漢方方剤であると考えられる。
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論説
  • 花輪 壽彦, 小田口 浩, 若杉 安希乃, 伊藤 剛, 及川 哲郎, 鈴木 邦彦, 早崎 知幸, 齋藤 絵美, 五野 由佳理
    64 巻 (2013) 6 号 p. 344-351
    公開日: 2014/05/16
    ジャーナル フリー
    漢方医学的診断の基礎となる漢方医学的所見の平準化は重要な課題である。しかし現状では,漢方医学的所見の判断基準や採取方法は多様で,最終的な採取結果にばらつきが生じている。
    我々は施設内で漢方医学的所見の平準化を図る試みを実施しているので紹介する。まず我々が着手したのは言葉による平準化である。施設内の漢方指導医・専門医9名の合議により,問診上の自覚症状・他覚所見(舌診,脈診,腹診)の各々について,対象項目の選択,対象項目の判断基準,付随事項に関する決定を行った。決定に当たっては,主要な古典の記載を重視すること,現代の一般臨床家に受け入れられやすい内容にすること,判断基準を明確にすることに留意した。
    問診上の自覚症状は120項目を選択した。他覚所見は,舌診所見12項目,脈診所見6項目,腹診所見10項目を選択し,それぞれについて判断基準を定めた。
    今後は漢方医学界全体での平準化が議論となることを期待している。
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  • 本間 行彦
    64 巻 (2013) 6 号 p. 352-357
    公開日: 2014/05/16
    ジャーナル フリー
    漢方医学が医学研究や臨床の現場において未だに一人前と認知されていない理由として,大学を中心とした多くの医学研究者の「漢方は科学でない」という評価によると思われる。このことは漢方の普及を著しく妨げ,漢方で改善されるべき悩める多くの患者の救済を制限していると思われる。このことから,漢方が科学であることを証明することは急がれねばならない。著者は,今回,科学とはなにかを主テーマとする「科学哲学」の視野から漢方の「証」の成立を中心に検討し,漢方は確固とした科学であると結論した。
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