日本東洋医学雑誌
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65 巻 , 2 号
選択された号の論文の10件中1~10を表示しています
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原著
  • 笛木 司, 松岡 尚則, 牧野 利明, 並木 隆雄, 別府 正志, 山口 秀敏, 中田 英之, 頼 建守, 萩原 圭祐, 田中 耕一郎, 須 ...
    65 巻 (2014) 2 号 p. 61-72
    公開日: 2014/10/17
    ジャーナル フリー
    『傷寒論』の薬用量は往古から問題とされており,『宋板傷寒論』の1両を現在の何g に換算すべきか,未だ定説が得られていない。江戸時代の狩谷棭斎は『漢書』の権衡(1両=約14g,「常秤」)で秤量した『宋板傷寒論』収載処方が,煎方指定の水量では煎じられないという根拠から「常秤」を否定,「神農之秤」(「常秤」の1/10量)を用いるべきことを主張し,これが現代の漢方薬の処方量の基準となっている。我々は煎じあがりに生薬カスが吸着している水量に着目して検討を行い,『宋板傷寒論』に「常秤」を適用しても煎じ可能なことを実証した。また『宋板傷寒論』及び複数の宋代の医書に記載された麻黄湯方について1回服用分煎液中のマオウアルカロイド量を計算し,宋代の医師達が『宋板傷寒論』の権衡を「常秤」で認識しており,また,「常秤」の換算が臨床的に使用可能であるという結果を得た。『宋板傷寒論』の権衡が「常秤」であることが強く示唆された。
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臨床報告
  • 石毛 達也, 早崎 知幸, 鈴木 邦彦, 及川 哲郎, 花輪 壽彦
    65 巻 (2014) 2 号 p. 73-78
    公開日: 2014/10/17
    ジャーナル フリー
    胸背部痛に栝楼薤白白酒湯と栝楼薤白半夏湯が奏効した二症例を報告する。症例1は67歳の男性で大腸癌肝転移で化学療法2カ月後に左胸背部痛が出現した。骨転移を疑い骨シンチなど精査を行ったが原因不明であった。栝楼薤白白酒湯を処方したところ,内服2週間で胸背部痛は軽減し,内服3カ月で消失した。症例2は40歳,男性。右胸背部痛を自覚し,CT や内視鏡検査など精査を受けたが原因不明で,鎮痛剤の処方を受けたが改善しなかった。栝楼薤白半夏湯を処方したところ,内服1カ月で胸背部痛は改善した。本二症例では,『金匱要略』の記述にそれぞ れ「胸背痛」「心痛徹背者」とあり,これらの胸痛の性状を主目標として処方し,短期間に症状が改善した。本症例の経験から現代医学的検索でも診断のつかない胸痛症例に対しても本方が奏効する可能性があるものと考える。さらに構成生薬の効能や酒煎の効果が胸痛に対する即効性に関与するものと考える。
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  • 森 裕紀子, 早崎 知幸, 伊藤 剛, 及川 哲郎, 花輪 壽彦
    65 巻 (2014) 2 号 p. 79-86
    公開日: 2014/10/17
    ジャーナル フリー
    漢方治療中の予期せぬ好転反応を瞑眩という。瞑眩と有害事象の鑑別は重要である。しかし,これまで瞑眩の頻度や内容についての全体像は明らかになっていない。
    そこで過去の症例報告から瞑眩の特徴を1)発症時期,2)持続日数,3)症状に関して検討した。対象は,1945年から2009年までの64年間に報告された瞑眩事例報告のうち,その症状の発症時期の記述がある70症例とした。症状の発現は,症例の42%が服用当日に,79%は3日以内に生じた。持続日数は35%が服用当日のみで,63%が3日以内だった。これらの症状の39%は瞑眩と判断しにくい症状であった。また2010年5月から2011年11月までに受診した143例の初診患者(自験例)において,初診時処方(煎じ薬)で瞑眩事例と判断した症例は11例(7.7%)であった。
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  • 守屋 純二, 竹内 健二, 上西 博章, 赤澤 純代, 元雄 良治, 橋本 英樹, 金嶋 光男, 小林 淳二, 山川 淳一
    65 巻 (2014) 2 号 p. 87-93
    公開日: 2014/10/17
    ジャーナル フリー
    慢性疲労症候群(Chronic Fatigue Syndrome : CFS)は6ヵ月以上持続する,休息後も改善しない強い疲労感を主症状とする。発熱,睡眠障害,頭痛などの症状を呈し,著しく生活の質が損なわれる。原因として,ウイルスによる先行感染,免疫学的な変調,中枢神経系の,特に海馬における形態的・機能的変化などが報告されている。しかし,明らかな原因は不明で,診断マーカーや治療法は確立していない。
    今回報告する症例は16歳男子高校生で,インフルエンザ罹患後の持続する発熱と強度の倦怠感などを主訴とした。既に複数の医療機関において約1年間の精査・加療を受けるも原因は不明で,CFSと診断された。当科紹介時に再度CFSの診断基準を満たすことを確認し,三黄瀉心湯エキス7.5g/分3とデュロキセチンを併用したところ,4週後には疲労・倦怠感は軽減した。しかし,熱型は不変,食欲低下を認めたため,補中益気湯エキス7.5g/分3を追加したところ,劇的に症状が改善した。
    西洋医学的に治療に難渋するCFS のような疾患に対して,漢方治療が有効な治療方法として使用できると考え報告する。
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  • 野上 達也, 柴原 直利, 藤本 誠, 渡り 英俊, 海老澤 茂, 三澤 広貴, 北原 英幸, 荒井 紗由梨, 引網 宏彰, 嶋田 豊
    65 巻 (2014) 2 号 p. 94-99
    公開日: 2014/10/17
    ジャーナル フリー
    症例は49歳女性。医原性に十二指腸穿孔を来たし,後腹膜気腫,後腹膜炎を発症した。絶食とし経鼻胃管挿入にて減圧を行い,プロトンポンプ阻害薬,セフォペラゾンの投与にて保存的に加療したところ腹膜炎の症状は軽減したが,その後,MRSA 腸炎を疑う病態を発症しショック,急性腎不全,急性呼吸促迫症候群を併発した。バンコマイシンの経口投与後も症状は改善しなかったため高熱と腹満を目標に小承気湯(大黄3g 枳実4g 厚朴4g)の投与を開始したところ,速やかに大量の排便を認め,解熱傾向となり,血圧の安定と呼吸不全の軽快が得られ,全身状態の改善を得ることができた。近年,入院を要するような重症感染症に対して漢方治療が行われる機会は少なくなっているが,重症腸管感染症に対する漢方治療の併用は有用である可能性があり,積極的に行われるべきであると考える。
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  • 石田 和之
    65 巻 (2014) 2 号 p. 100-107
    公開日: 2014/10/17
    ジャーナル フリー
    就寝中にこむら返りのために安眠が妨げられる sleep-related leg cramp (SRLC) は睡眠障害の原因の1つである。今回は SRLC に対する牛車腎気丸 (GJG) の有効性を検討した。当漢方外来を受診した患者で,SRLC に対して GJG を投与した症例を抽出し,症例の特徴を検討した。対象となる症例は7例(男性5,女性2),平均年齢72.1歳で,筋痙攣 (cramp) の様式は SRLC に加えて,歩行や水泳・登山などの運動で誘発される症例4例,この中1例では上肢にも cramp が出現した。7例中3例の SRLC に GJG が有効であったが,残り4例は効果不十分であった。GJG の有効例は冷え,排尿障害,小腹不仁など腎虚を呈し,胃腸虚弱の無い症例であった。一方,腎虚のない症例や胃腸虚弱のある症例,上肢に cramp を認めた症例は GJG に反応しなかった。以上から腎虚を呈し,胃腸虚弱が無い症例の下肢に限局した SRLC に対して GJG が治療の選択肢となりうることが示唆された。
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  • 永井 愛子, 小川 恵子, 三浦 淳也, 小林 健
    65 巻 (2014) 2 号 p. 108-114
    公開日: 2014/10/17
    ジャーナル フリー
    放射線治療装置や技術の発展にも関わらず有害事象である腸炎や口内炎は存在する。半夏瀉心湯は腸炎や口内炎に対する効果が報告されている。放射線による腸炎や口内炎に対する半夏瀉心湯の有効例を経験したので報告する。腸炎3例,口内炎5例の計8例に対して症状出現後1-35日に半夏瀉心湯7.5g/日または18錠/日(適宜漸減)を投与した。腸炎と口内炎の重症度は内服前後でCommon Terminology Criteria for Adverse Events と Numerical Rating Scale で評価した。口内炎5例中,改善,不変,増悪は各々3例,1例,1例,腸炎3例中では各々2例,1例,0例であり,増悪はなかった。放射線治療中の腸炎や口内炎などの早期有害事象を制御することは患者の負担軽減のみならず腫瘍制御率改善にもつながる。今後より多くの患者に対するランダム化比較試験の報告が望まれる。
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  • 今井 美奈, 松本 園子, 堤 祐介, 光畑 裕正
    65 巻 (2014) 2 号 p. 115-123
    公開日: 2014/10/17
    ジャーナル フリー
    四逆散の難治性疼痛に対する報告は少ない。西洋医学的治療で鎮痛を得られなかった26症例で四逆散の有効性が認められた。男性13症例,女性13症例,年齢は57歳~85歳であり,発症から受診までの期間は1週間から15年であり,慢性痛に分類される症例は17症例であった。四逆散7.5g分3を処方し,証により他の漢方薬を併用した。NSR で0~4にまで痛みが改善した期間は3日~90日であり,平均26±19日であった。痛みの部位は様々であり,漢方医学的腹診では,腹直筋の緊張を認めた症例は58%,胸脇苦満は38%,心下痞鞕は38%であった。これらの腹候がある場合には四逆散を基本とした治療で鎮痛効果が認められた。特に腹候が明らかでなくてもうつ状態と脇胸部から背部にかけての痛みでは四逆散と香蘇散の併用で効果が認められた。四逆散は難治性疼痛に対して試みる価値のある方剤であることが示唆された。
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論説
  • 王 財源
    65 巻 (2014) 2 号 p. 124-137
    公開日: 2014/10/17
    ジャーナル フリー
    身体的な「美」を創出する方法の一つとして,顔面局所の物理的鍼灸刺激による,皮膚の環境改善を主流とした美容鍼灸が注目されている。しかし,従来から行われてきた美容鍼灸は,顔面皮下の出血等々のリスクにより,最近では全人的に身体を観察して施術する方向へと変わりつつある。医書『黄帝内経霊枢』には体表部の肌色や艶,また,肌の弾力性が,身体内部の気血や蔵府また経絡と繋がり,体内の異常が体表部へと反映する法則性が随所に記されていた。即ち,心身の乱れが体表面の血色や容貌,体形の「美」へと波及するという概念である。よって『霊枢』には「美」を創出するための羅針盤の一つとしてその役割を果たすことができるように思われ,従来から局所を主とする「美容鍼灸」とは別に,哲学と医学の共生による「鍼灸美容」の二極化に対する身心への美容研究が,今後,望まれることが示唆された。
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フリーコミュニケーション
  • 飯塚 徳男, 内薗 明裕, 北野 敬明, 佐藤 泰昌, 千福 貞博, 中永 士師明, 西田 欣広, 福元 銀竜, 南澤 潔, 山口 孝二郎, ...
    65 巻 (2014) 2 号 p. 138-147
    公開日: 2014/10/17
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は『四肢の冷え』に対する漢方治療のアンケート調査に基づき,医師の経験則を統計学的に分析することであり,得られたデータベースとその臨床有用性を検証することである。『四肢の冷え』に対し最も汎用する方剤は,当帰四逆加呉茱萸生姜湯であり,以下,桂枝加朮附湯,八味地黄丸,当帰芍薬散と続いた。医師がこれらの方剤を処方する際に重視する所見として,四診の中で特定なものはなく,各々の方剤に特有な所見や診断基準を用いて処方する点が特徴的であった。医師間で,方剤選択における症状や所見の信頼度に違いがあった。医師の経験値としての,『四肢の冷え』に対する汎用方剤の効果発現時期と寛解時期は正に相関した(R2=0.971,P =0.014)。効果発現時期(X)と寛解時期(Y)の重回帰式(Y=4.379X-0.519)は,実際の『四肢の冷え』治療後の寛解例(n=7)の臨床経過と合致しており,この重回帰式の治療経過のモニターとしての有用性が示唆された。
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