日本東洋医学雑誌
Online ISSN : 1882-756X
Print ISSN : 0287-4857
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65 巻 , 4 号
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原著
臨床報告
  • 関口 由紀, 畔越 陽子, 河路 かおる, 長崎 直美, 永井 美江, 金子 容子, 吉田 実, 窪田 吉信
    65 巻 (2014) 4 号 p. 268-272
    公開日: 2015/03/30
    ジャーナル フリー
    間質性膀胱炎/慢性骨盤痛症候群の疼痛緩和と自律神経失調症状の治療に漢方薬を西洋薬に併用した症例を4例提示した。1例目は42歳女性で,膀胱部痛・陰部痛にたいして竜胆寫肝湯を投与し,自律神経失調症状の改善と慢性疼痛による血流障害の改善に加味逍遥酸を用いた。2例目は51歳女性で,内臓を温めて下腹部痛を改善する安中散を用いた。3例目は49歳女性で,全身の冷えに対して真武湯合人参湯を用いた。4例目は27歳女性で,下半身の冷えに対して当帰四逆加呉茱萸生姜湯を用いた。間質性膀胱炎/慢性骨盤痛症候群の自律神経症状改善をめざす漢方治療が結果的に患者の気血水のバランスを整えていた。
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  • 山﨑 麻由子, 木村 容子, 佐藤 弘
    65 巻 (2014) 4 号 p. 273-277
    公開日: 2015/03/30
    ジャーナル フリー
    強い気虚や不眠,抑うつを呈する患者に対して随証治療を進めて加味帰脾湯を投与したところ,月経前症候群(PMS)の精神症状だけでなく,月経痛も軽減した3症例を経験したので報告する。症例1は26歳女性で月経前のイライラ,乳房痛,月経痛を訴えていた。疲労感などの気虚が強く不眠も認めたため加味帰脾湯を処方したところ,不眠と倦怠感の改善とともにPMS 及び月経痛も軽快した。症例2は38歳女性で疲労倦怠感が強く,不眠,月経前のイライラを認めたため加味帰脾湯を処方した。倦怠感の改善に伴いPMS 及び月経痛も軽快した。症例3は31歳女性で膀胱炎を繰り返し,倦怠感が強く不眠や憂うつ感もみられた。加味帰脾湯を処方したところPMS や月経痛の軽快だけでなく膀胱炎も再発していない。
    加味帰脾湯は帰脾湯に柴胡・山梔子を加味した処方である。気虚が強い患者で不眠や抑うつ傾向があり,PMS や月経痛を訴える場合に有効であると考える。
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  • 金田 康秀
    65 巻 (2014) 4 号 p. 278-286
    公開日: 2015/03/30
    ジャーナル フリー
    Vogt-小柳-原田病(原田病)は,本邦では2番目に多いぶどう膜炎である。自己のメラノサイトに対する自己免疫性疾患と考えられており,汎ぶどう膜炎に加え,中枢神経症状,内耳症状,皮膚症状をきたすことが特徴的である。標準治療は全身的なステロイド大量療法である。更に不十分なステロイド剤使用は再燃や遷延化を招く。
    今回,B 型肝炎ウイルスキャリアに初発した原田病に対し,ステロイド剤を一切使用せずに竜胆瀉肝湯(一貫堂)と五苓散の併用が奏効した一例を経験したので報告する。
    症例:40歳男性。両)霧視を主訴に近医眼科を受診し,両)黄斑症を認め当科に紹介。原田病と診断し,和漢診療学的に軽度の水滞・瘀血を伴う足厥陰肝経の湿熱と捉え,竜胆瀉肝湯(一貫堂)と五苓散を投与した。結果,翌日から徐々に視力が改善し始め,ステロイド剤を使用することなく治癒した。原田病に漢方単独の治療が選択肢になり得ることが示唆された。
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  • 山崎 武俊, 峯 尚志, 土方 康世
    65 巻 (2014) 4 号 p. 287-292
    公開日: 2015/03/30
    ジャーナル フリー
    冠攣縮性狭心症は冠動脈が一時的に収縮するためにおこる狭心症であり,薬物治療が有効である。ただし治療に難渋する症例も多い。今回,我々は冠攣縮性狭心症に対して四逆散と桂枝茯苓丸を併用し,症状の消失を認めた2症例を経験したので報告する。症例1:73歳,男性。安静労作に関係のない胸部不快感を自覚。ホルター心電図で症状に一致するST 上昇を認めた。抗狭心症薬を処方されたが症状が消失せず。四逆散と桂枝茯苓丸を投与したところ,症状が完全に消失した。症例2:58歳男性。安静時の胸部不快感を自覚。アセチルコリン負荷試験陽性となり上記診断を得られた。抗狭心症薬を処方されたが,胸部不快感が消失せず。四逆散と桂枝茯苓丸を処方。症状が完全に消失した。治療抵抗性の冠攣縮性狭心症に対して,四逆散と桂枝茯苓丸の併用が有効である可能性が示唆された。
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  • 三澤 広貴, 野上 達也, 引網 宏彰, 荒井 紗由梨, 北原 英幸, 海老澤 茂, 渡り 英俊, 藤本 誠, 柴原 直利, 嶋田 豊
    65 巻 (2014) 4 号 p. 293-297
    公開日: 2015/03/30
    ジャーナル フリー
    羗活勝湿湯は振り返ることのできないほどの頸部痛に用いられる処方である。我々が同方を投与した6例におい て,有効例が3例,無効例が3例であった。有効例と無効例の漢方医学的所見について検討したところ,有効例では虚証で臍上悸と歯痕を認めた。また自覚症状について検討したところ,有効例では「腰のまわりが寒いことがある」,「冷房はきらいである」「冬は電気毛布などが必要」という症候が多く認められ,「皮膚がカサカサになる」,「関節に水がたまることがある」,「膝が痛んで正座しにくい」といった症候はみられなかった。これらは羗活勝湿湯を用いる上での使用目標となる可能性があり,特に臍上悸は本検討で初めて見出した有用な所見と考えられる。
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  • 堀場 裕子, 吉野 鉄大, 渡辺 賢治
    65 巻 (2014) 4 号 p. 298-301
    公開日: 2015/03/30
    ジャーナル フリー
    月経困難症の漢方治療では,駆瘀血剤が処方されることが多く,大柴胡湯が第一選択になることは少ない。今回,月経困難症に大柴胡湯単独で奏効した2例を報告する。症例1は19歳,大学入学後から月経痛が悪化し,市販の鎮痛剤が無効であり,頭痛や嘔吐のため講義に出席できないこともあった。腹力充実,腹部膨満,胸脇苦満,左右臍傍の圧痛を認め,実証,熱証,気うつ証・瘀血証とした。大柴胡湯エキス内服4週後には月経前の頭痛や嘔気が軽減し,20週後には月経痛に対する鎮痛剤が不要となった。症例2は35歳,息子の進学問題と転居を契機に月経痛や頭痛,いらいらが出現した。腹力やや充実,腹部膨満,胸脇苦満,心下痞鞕,左右臍傍の圧痛を認め,実証,熱証,気うつ証・瘀血証とした。大柴胡湯エキス内服8週後には頭痛やイライラが消失し,20週後には月経痛は気にならなくなった。2例とも大柴胡湯にて「気うつ」が消失し,月経痛が改善した。
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  • 森 裕紀子, 小田口 浩, 及川 哲郎, 花輪 壽彦
    65 巻 (2014) 4 号 p. 302-308
    公開日: 2015/03/30
    ジャーナル フリー
    症例1は24歳女性。大声で話すことがきっかけで会話時に喉のつかえを感じ始めた。症例2は51歳女性。婦人科手術後にざわざわとした動悸発作が始まった。2例とも発作性の上行する症状が不安感とともに生じるため,奔豚気と考えた。奔豚気とは症状が下腹から胸の方へ突き上げてきて,発作時は死にそうに感じるが,発作が治まると元に戻ることをいう。金匱要略・奔豚湯を投与して治癒した。
    この2例と当施設過去11年間における『金匱要略』奔豚湯の有効8例の合計10例を検討した。全例が奔豚気を生じる精神的負荷を認めた。奔豚湯が有効だった症例は,発作性の症状で不安感を伴うことが多かった。『金匱要略』奔豚湯の適応となる患者の特徴は,『肘後備急方』奔豚湯ほど虚証ではなく,瘀血のある病態で,熱症を伴うか強い冷えを認めず,肩こり,頭痛などの症状を伴う臨床的特徴があった。
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論説
  • 寺澤 捷年, 土佐 寛順, 平崎 能郎, 小林 亨, 地野 充時
    65 巻 (2014) 4 号 p. 309-312
    公開日: 2015/03/30
    ジャーナル フリー
    宿便という用語は単に便秘によって消化管内に内容物が停留していることを意味するのではなく,通常の排便では排泄できない消化管内の貯留物を想定したものである。しかし,その実態は不明であった。筆者らは硫酸バリウムによる上部消化管検査を受けた過敏性腸症候群の一患者において,検査後に下痢がみられたにも拘わらず3日後の腹部単純X 線撮影よって,下部消化管壁に附着した硫酸バリウムを確認し,これが宿便の一つの形態であることを示唆するものと考えた。また,宿便という用語が何時から用いられたかについて過去の文献検索を行い,尾台榕堂の方伎雑誌が初出であり,この用語が宿食から派生したものであると考察した。
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フリーコミュニケーション
  • 中島 正光
    65 巻 (2014) 4 号 p. 313-320
    公開日: 2015/03/30
    ジャーナル フリー
    第63回日本東洋医学会学術総会(会頭:中田敬吾,準備委員長:三谷和男,2012年京都で開催)で学生発表が行われた。発表のために広いスペースが準備され,20演題の発表が行われた。レベルの高い発表もあり,活発な質疑応答がなされた。日本東洋医学会は漢方医学の未来を背負う人材の育成に努める必要があり,学生教育の一環として,今後学生発表が継続されることを希望したい。学生は彼らの発表の準備,発表を行う過程で,指導者なくして学生発表は行えないと感じられ,漢方教育を行う指導者が重要であることが再認識された。学生演題は抄録を掲載していないので,その発表内容などをお知らせするために審査内容,発表内容(抄録)などとともに考察を加え報告する。
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  • 若山 育郎, 形井 秀一, 山口 智, 篠原 昭二, 山下 仁, 小松 秀人
    65 巻 (2014) 4 号 p. 321-333
    公開日: 2015/03/30
    ジャーナル フリー
    鍼灸は我が国の医療のなかで有効に活用されていない。鍼灸を本当の意味で国民のための医療とするにはどうすれば良いかについては,いくつか選択肢はあると思われるが,最も重要なのは現在の医療制度の中に鍼灸を取り入れ,鍼灸師が病院で活躍できる制度にすることである。
    病院で鍼灸を取り入れることにより,西洋医学が不得意としている疾患・症状に対して患者に対応することができる。また,医師との共同研究も可能となる。しかし,そのためには鍼灸師教育の質の向上が必須である。病院における鍼灸導入のメリットもきちんとデータで示していかねばならない。
    1981年,Acupuncture and Moxibution Therapist 制度(AMT 制度)という病院内で鍼灸師が活躍できる制度が提言されたことがあった。現在の我が国で,そのような制度を整備することはかなり困難と思われるが,国民の健康維持の方法の一つとして鍼灸を取り戻し,日本の医療をさらに発展させるには必要な制度であると考えている。
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