パリ協定において,世界の平均気温上昇を産業革命前に比べて1.5℃に抑えるという目標達成のため,メタン排出削減は喫緊の課題となっている。
本稿は,その中でも,近年米国及びカナダで注目されている放置された廃止石油坑井(Orphaned Gas Wells: OGW)からの温室効果ガス排出量を推計し,環境影響と封鎖削減の公共事業としての可能性を分析する。秋田県秋田市の黒川油田を対象に,過去の調査資料と現地調査に基づき,OGWからの天然ガス(メタン)排出量を年間で約8千t二酸化炭素換算(以下,CO2e)と推計した。坑井封鎖コストは約7.6億円と試算されたが,費用便益分析では,有益性が認められた。また,OGW封鎖は,炭素価格導入や脱炭素技術普及に寄与し,環境意識向上にも貢献する可能性があることが示された。
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