前報において, 妊婦及び非妊婦の腔内におけるGBSの検出率及び血清型別を検討した成績を報告したが, 今回腔より分離されたGBSに対し, 各種薬剤感受性試験を行い, さらに血清型別に薬剤耐性を検討した.
対象は, 中央鉄道病院産婦人科外来患者301名で, このうち51名からGBSが分離されその血清型を検査したが, このうちの46株について最小発育阻止濃度 (MIC) を測定した.方法は, 日本化学療法学会標準法に準じ憾天平板希釈法により, 接種菌液は108CFU/mlを用い, 供試薬剤はPc-G, CER, TC, CP, EM, LcMの6剤である.
GBS46株のMICの成績は, PC-G, CERのMICはすべて0.05μg/ml以下と感受性が高く, TCのMICでは17株 (37.0%) に50μg/ml以上, CPでは4株 (8.7%) に25μg/ml以上, EMでは1株 (2.2%) に12.5μg/ml, LcMでは1株 (2.2%) に100μg/mlの耐性菌が認められた.
各種薬剤耐性の組合せと血清型との比較検討では, CP単独の耐性はIIIR型1株, TC単独ではIa型8株, IIIR型2株, Ic型1株, R型1株, その他1株に, TC・CPの二剤耐性はIIIR型2株, III型1株に, TC. EM. LCMの三剤耐性はR型1株に認められた. いずれかの薬剤に耐性を示す血清型の頻度は, IIIR型83.3%, R型66.7%, Ia型57.1%, Ib型0%, Ic型11.1%, III型10%と血清型による耐性化の差を認めた.
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