感染症学雑誌
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59 巻 , 2 号
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  • 田村 偉久夫, 島瀬 公一, 市村 宏, 金藤 英二, 栗村 統, 土江 秀明, 栗村 敬
    1985 年 59 巻 2 号 p. 65-69
    発行日: 1985/02/20
    公開日: 2011/09/07
    ジャーナル フリー
    5年間以上追跡調査のできたHBVキャリア-478例のうち, 血清中のHBsAg消失例が36例 (7.5%) みつかった. この36例における各種HBVマーカーの経時的推移について検討した.
    1) Anti-HBsが出現したのは14例 (Group I) で, 残りの22例 (Group II) は検出されなかった.HBsAg 消失時の平均年齢において, Group I (58.5歳) とGroup II (44.6歳) の間に年齢的有意差が認められた.したがって, Group IIにもanti-HBsの出現する可能性が示唆された.
    2) HBsAgの消失と他のHBVマーカー (HBeAg, anti-HBe, anti-HBc) の推移との間には判然とした関連性はないことがわかった.
    3) HBsAgの年間消失率は1.27%であった.また, 年齢階層別の年間消失率から, 40歳以上でHBsAg消失率の増加することが明らかとなった.
  • 柏木 征三郎, 林 純, 野村 秀幸, 梶山 渉, 池松 秀之, 大島 道雄
    1985 年 59 巻 2 号 p. 70-76
    発行日: 1985/02/20
    公開日: 2011/09/07
    ジャーナル フリー
    米国のメルク社製のB型肝炎ワクチン (HEPTAVAX-B®) を医療従事者75例に, 20mcg3回投与し, 以下のような結果が得られた.
    1.ワクチン2回もしくは3回投与後のanti-HBs陽転率は69例中65例の94.2%であった.
    2.3回目の投与により良好なブースター効果がみとめられ, 高い抗体価が得られた.
    3.副作用としては, 局所の疼痛が25%(56/223回注射) に, 全身倦怠感が16%(36/223) に発熱が4%(8/223) にみとめられたが, そのほとんどは軽度であり, 接種2日後にはほとんど消失していた.
    以上の成績から, HEPTAVAX-B®は安全ですぐれたワクチンと考えられる
  • 丸山 直人, 佐田 通夫, 神代 龍吉, 日野 和彦, Tomoki ARITAKA, 瀬戸山 浩, 長田 英輔, 安倍 弘彦, 谷川 久一 ...
    1985 年 59 巻 2 号 p. 77-85
    発行日: 1985/02/20
    公開日: 2011/09/07
    ジャーナル フリー
    種々の環境要因がHAVおよびHBVの浸淫度に与える影響を検討するため, 1978年に採血した筑後地区一般人188名, アルコールまたは覚醒剤中毒者120名, 外国航路船員68名, 精薄施設児93名, 医療従事者73名および林業従事者75名についてHAVおよびHBV関連抗原抗体を測定した.更に, 抗HAV抗体保有率の年次的推移を比較検討するため, 1983年に採血した一般人302名についても抗HAV抗体を測定した.この結果, 1978年度の一般人のHAVおよびHBV浸淫度は全国での調査結果と差はなく, 1978年と1983年度の一般人の抗HAV抗体保有率の比較では, 1978年度の抗体保有率の上昇曲線が5年程右へ移動していることより戦後の環境衛生の改善が抗体保有率に関与していると考えられた.また, アルコールまたは覚醒剤中毒者では, 抗HAV抗体保有率が20歳代で25.0%, 30歳代で70.4%を示し, HBV感染率は20歳代で70.0%, 30歳代で80.0%と, ともに一般人より高率であった.更に, この群ではHBs抗原陽性者が120名中8名 (6.7%) で, その内HBs抗原持続陽性者は3名 (2.5%).一過性陽性者は5名 (4.2%) と一過性陽性者が多かった.外国航路船員のHAVおよびHBV浸淫度そして精薄施設児と林業従事者のHAV浸淫度は一般人と比べ差はなかった.医療従事者では, 40歳代の抗HAV抗体保有率が58.8%で一般人より低かった.
  • 伊藤 武, 高橋 正樹, 斉藤 香彦, 高野 伊知郎, 甲斐 明美, 大橋 誠, 福山 正文, 上村 知雄
    1985 年 59 巻 2 号 p. 86-93
    発行日: 1985/02/20
    公開日: 2011/09/07
    ジャーナル フリー
    カンピロバクター腸炎の感染源として重視されているニワトリにおける本菌の保菌状況ならびに養鶏場内の環境における本菌汚染について検討を行った.
    2日齢のヒヨコ26羽からは本菌が検出されなかったが, 4週齢の若鶏では39羽中1羽, ブロイラーで は46羽中13羽 (28.3%), 廃鶏では341羽中112羽 (32.8%) の腸管内容物からカンピロバクターが検出された.分離菌株のほとんどがC.jejuniC.coliはわずかに6.3%にすぎなかった.ブロイラーや廃鶏での検出率には養鶏場によって著しい差異が認められた.
    経時的に本菌の排菌状態を検討した結果, 長期間連続して排菌するものと, 時々排菌するものがみられた.ふん便への本菌排菌量は1g当り103~104個/gであった.
    ニワトリの飲み水34検体中7検体が本菌陽性であった.また養鶏場内で捕獲したハエも11%の頻度で本菌を保有しており, ハエによっても本菌汚染が広がり得ることが示唆された.
    ニワトリから検出されたC.jejuni 73株中62株 (85%), 養鶏場環境由来の42株中34株 (81%) が著者らが開発した血清型別法で型別可能であった.
    ニワトリ由来のC.coli 7株のうち5株は著者らのC.coliの血清型CCK 5に該当し, 2株は型別不能株であった.
  • 山崎 悦子, 石崎 裕子, 滝永 和美, 笠井 範男, 北野 敬, 水岡 慶二, 茂手木 皓喜, 増田 剛太
    1985 年 59 巻 2 号 p. 94-102
    発行日: 1985/02/20
    公開日: 2011/09/07
    ジャーナル フリー
    薬剤感受性検査は現在多くの検査室でディスク法を用いている.しかし, ディスク法について最近基礎的検討の報告が少ないので, ここにあらためて, 日本化学療法学会による最小発育阻止濃度測定法を標準法として比較検討を行った.今回は一濃度ディスク (昭和薬品) について報告する.
    対象蘭種は当検査室において.各種臨床材料より分離されたEscherichia coli (26株), Klebsiella pneumoniae (26株), Enterobacter cloacae (24株), Serratia spp. (27株), Proteus mirabilis (25株), Pseudomonas aeruginosa (26株) である.標準株としてE.coli ATCC25922を用いた.使用薬剤は ampicillin (ABPC), piperacillin (PIPC), carbenicillin (CBPC), cephalothin (CET), cefsulodin (CFS), cefmetazol (CMZ), cefotaxime (CTX), latamoxef (LMOX), kanamycin (KM), gentamicin (GM), amikacin (AMK), chloramphenicol (CP), tetracycline (TC), minocycline (MINO), colistin (CL), polymyxin B (PL), nalidixic acid (NA) の17薬剤である.
    一濃度ディスクと標準法 (寒天平板希釈法) との一致率は90%であり, 一部相関の悪い (80%未満) 薬剤と菌種の組み合せを除外すると95%と良好であった.薬剤別の一致率ではCP (76%), 菌種別ではSerratia spp. (77%) を除いて, おおむね良い相関を示した.ただし, 一致率が80%未満であった菌種と薬剤の組み合せは次のようであった.すなわち, E.coliとNA (72%), E.cloacaeとCP (48%), Serratiaspp.とKM (75%), GM (50%), AMK (78%), CP (74%), P.mirabilis とCET (38%), CP (78%), P.aeruginosa とPIPC (55%), CFS (68%) である.
  • 黒崎 知道
    1985 年 59 巻 2 号 p. 103-114
    発行日: 1985/02/20
    公開日: 2011/09/07
    ジャーナル フリー
    近年, Haemophilus influenzae (以下H.influenzae) のABPC耐性化が注目されつつある.そこで, 小児臨床材料より分離されたABPC耐性H.influenzaeの実態を把握するために, 薬剤感受性, β-lactamaseの性状, さらに耐性plasmidの検出率につき検討を行った.
    (1) 千葉大学小児科におけるABPC耐性H.influenzaeの分離率は, 1感染エピソード1株として集計すると, 1979年5株 (10.4%), 1980年13株 (11.5%), 1981年19株 (16.8%), 1982年19株 (17.4%) で漸増傾向を示し, ABPC耐性菌は, 全株β-lactamaseを産生した.
    (2) ABPC耐性H.influenzaeの県下の分布の一端を知るため, 千葉県東総地区の旭中央病院で, 1981年6月から1982年2月に分離されたH.influenzae226株につき, ABPC耐性率を検討した.小児鼻咽腔由来株では7/197 (3.6%), 小児急性中耳炎児の耳漏由来株では1/29 (3.4%) と低率であったが, 千葉県東総地区内において, ABPC耐性菌の偏在はなかった.
    (3) ABPCに対する薬剤感受性で, 1.56μg/ml以上の株は全株ともβ-lactamase陽性であり, ABPC耐性と判定した.これらの株は, CTX, LMOX, CAZ, CPZと第3世代セフェム系薬剤には非常に良好な感受性を示した.以下, RFP, NA, GM, BRL25,000 (AMPC-CVA), MINO, KM, SMの順で感受性が分布し, CCL, CFT, AMPC, EMには, 1管程度の差があるものの, 耐性であるABPCとほぼ同程度の感受性パターンを示した.CP, TCに対しては, 2峰性の感受性パターンを示し, 耐性率はそれぞれ14%, 52%であった.ABPC・CP・TC3剤耐性株も7株 (14%) 分離された.尚, CP耐性株は, chloramphenicolacetyltrarlsferase (CAT-ase) 陽性であった.
    (4) ABPC耐性H.influenzaeは, 50株全株β-lactamase陽性であり, 基質特異性は, 23株につき検討したが, 全株I型penicillinase (三橋分類) であった.
    (5) ABPC耐性H.influezaeからplasmidの検出を試みたが, recipientとしてEcoliK12株を用いた所, すべて陰性であった.H.influenzae をrecipientとし, ABPC耐性H.influenzae50株中30株 (60%) から伝達性薬剤耐性 (R) plasmidが分離され, その伝達頻度は, 腸内細菌と比較すると頻度が低かった.
  • 三木 文雄, 井上 英二, 寺柿 政和, 秋岡 要, 葭山 稔, 平賀 通, 村田 哲人, 斎藤 玲, 氏家 昭, 阿部 守邦, 高城 義信 ...
    1985 年 59 巻 2 号 p. 115-163
    発行日: 1985/02/20
    公開日: 2011/09/07
    ジャーナル フリー
    新しいセファマイシン系抗生物質Cefminox (MT-141以下CMNXと略す) の呼吸器感染症に対する有効性と安全性を, Cefotaxime (以下CTXと略す) を対照薬剤として, well-controlled studyにより比較検討した.
    感染症状明確な15歳以上の, 慢性呼吸器感染症 (慢性気管支炎, び漫性汎細気管支炎, 感染を伴った気管支拡張症・肺気腫・肺線維症・気管支喘息など) およびその急性増悪, 細菌性肺炎, 肺化膿症症例を対象として, CMNXあるいはCTXを1回1g宛1日2回, 原則として14日間点滴静注により投与し, 臨床効果, 症状改善度, 細菌学的効果, 副作用・臨床検査値異常化の有無, 有用性を判定し以下の成績を得た.
    1.薬剤投与260例 (CMNX投与126例, CTX投与134例) 中, 42例を除外した218例, (CMNX投与108例, CTX投与110例) について有効性の解析を行ない, 副作用は243例 (CMNX投与121例, CTX投与122例) について, 臨床検査値異常化は232例 (CMNX投与116例, CTX投与116例) について解析を実施した.
    2.小委員会判定による臨床効果は, 全症例ではCMNX投与群76.6%, CTX投与群67.0%, 肺炎・肺化膿症症例ではCMNX投与群 (58例) 78.9%, CTX投与群 (68例) 63.2%, 肺炎・肺化膿症以外の呼吸器感染症症例ではCMNX投与群 (50例) 74.0%, CTX投与群 (42例) 73.2%の有効率が認められ, 5%の有意水準では, 両薬剤投与群間に有意差を認めなかった.
    3.症状改善度では, 肺炎・肺化膿症症例におけるCRPの3日後の改善度, 肺炎・肺化膿症以外の症例における赤沈値の14日後の改善度はともにCMNX投与群がCTX投与群よりすぐれ, 両薬剤投与群間に有意差 (p<0.05) が認められた. 肺炎・肺化膿症症例における7日後の赤沈値と胸部レ線点数の改善度, 14日後の体温, CRPの改善度, 肺炎・肺化膿症以外の症例における胸部ラ音の3日後の改善度, 体温の14日後の改善度においてはいずれもCMNX投与群がCTX投与群より高率を示したが, 5%の有意水準では両薬剤群問に有意差を認めなかった.
    4.細菌学的効果はCMNX投与群47例, CTX投与群52例について検討したが, 除菌率はCMNX投与群91.5%, CTX投与群80.8%で, 両薬剤投与群間に有意差は認められなかった.
    5.副作用解析対象243例中, 何らかの自他覚的副作用の出現例はCMNX投与群121例中6例, CTX投与群122例中9例で, 両薬剤投与群間に有意差は認められなかった.
    6.臨床検査値異常化解析対象232例中, 何らかの検査値異常化の認められた症例はCMNX投与116例中26例 (22.4%), CTX投与116例中42例 (36.2%) で, 両薬剤投与群間に有意差が認められた.臨床検査項目別にみると, 好酸球増多がCMNX投与116例中6例 (5.2%), CTX投与116例中16例 (13.8%) と, その出現率に関して両薬剤投与群間に有意差が認められた.
    7.有効性と安全性を勘案して判定した有用性は, 全症例ではCMNX投与111例中極めて有用61例 (55.0%), 有用20例 (18.0%), CTX投与110例中極めて有用43例 (39.1%), 有用27例 (24.5%), 肺炎・肺化膿症症例ではCMNX投与60例中極めて有用34例 (56.7%), 有用11例 (18.3%), CTX投与68例中極めて有用25例 (36.8%), 有用16例 (23.5%) と, ともにCMNXの有用性がすぐれ両薬剤投与群間に有意差 (p<0.05) が認められたが, 肺炎・肺化膿症以外の症例においては, 両薬剤投与群間に有意差は認められなかった.
    以上の成績より, CMNXは呼吸器感染症の治療においてCTXより有意にすぐれた臨床的有用性をもつ薬剤であると考えられる.
  • 斎藤 玲, 石川 清文, 中山 一朗, 富沢 麿須美, 阿部 守邦, 芝木 秀俊, 知本 武久, 田中 昌博, 伊藤 長英, 武内 恵輔, ...
    1985 年 59 巻 2 号 p. 164-200
    発行日: 1985/02/20
    公開日: 2011/09/07
    ジャーナル フリー
    Aspoxicillin (ASPC, 治験番号TA-058) の呼吸器感染症に対する有効性と安全性ならびに有用性をPiperacillin (PIPC) を対照薬とする二重盲検法により比較検討した.投与量は両薬剤とも4g/日 (2g×2回/日) とし, 原則として14日間点滴静注を行い, 以下の成績を得た.
    1) 呼吸器感染症に対するASPCとPIPCとの臨床効果は, 全症例での有効率は小委員会判定ではASPC群76.2%(93/122), PIPC群78.3%(94/120), 主治医判定ではASPC群83.2%(99/119), PIPC群79.8%(99/124) であり両薬剤群間に推計学的な有意差は認められなかった.
    2) 細菌学的効果ならびに症状, 所見, 臨床検査値等の改善度においても両薬剤群間に有意差は認められなかった.
    3) 副作用の発現率はASPC群5.3%(7/131), PIPC群4.7%(6/129) また臨床検査値異常の発現率はASPC群25.2%(32/127), PIPC群22.4%(28/125) であり, いずれも両薬剤群間に有意差は認められなかった.
    4) 有用性は, 小委員会判定での有用率はASPC群73.4%(91/124), PIPC群74.2%(92/124), 主治医判定ではASPC群78.9%(97/123), PIPC群74.2%(95/128) でいずれも両薬剤群間に有意差は認められなかった.
    以上の結果より, ASPCは呼吸器感染症に対しPIPCとほぼ同等の臨床的有用性をもつものと考えられた.
  • 小林 宏行, 二瓶 倫子, 武田 博明, 河野 浩太, 斎藤 玲, 富沢 磨須美, 中山 一朗, 平賀 洋明, 菊地 弘毅, 山本 朝子, ...
    1985 年 59 巻 2 号 p. 201-226
    発行日: 1985/02/20
    公開日: 2011/09/07
    ジャーナル フリー
    新マクロライド系抗生物質TMS-19-Q (TMS) の肺炎を中心とした呼吸器感染症に対する有効性, 安全性および有用性を検討するため, Midecamycin (MDM) を対照として二重盲検比較試験を実施した.投与量は基礎検討, 一般臨床試験等の結果より, TMS1日600mg分3, MDM1日1,200mg分3とし, 以下の結果を得た.
    1.全肺炎における臨床効果はTMS群64例中84.4%, MDM群53例中90.6%の有効率であった.また気道感染症ではTMS群14例中85.7%, MDM群19例中78.9%の有効率であった.いずれの疾患群においても両薬剤群間に有意差はなかった.
    2.細菌学的効果は両薬剤群間に有意差はなかった.
    3.副作用はTMS群で1例, MDM群で4例にみられ, また臨床検査値の異常変動はTMS群で12例, MDM群で9例にみられたが, ともにその発現率に有意差はみられなかった.
    4.有用性は, TMS群では有用以上84.4%, MDM群では88.9%であり, 両薬剤群間に有意差はなかった.
    以上の成績より, TMS-19-Qは軽症ないし中等症の急性肺炎, マイコプラズマ肺炎等の呼吸器感染症に対し, MDMの半量投与で同等の有用性を有すると考えられた.
  • 河野 茂, 中島 学, 門田 淳一, 平谷 一人, 宮崎 幸重, 福田 博英, 朝長 昭光, 重野 芳輝, 鈴山 洋司, 山口 恵三, 牧山 ...
    1985 年 59 巻 2 号 p. 227-233
    発行日: 1985/02/20
    公開日: 2011/09/07
    ジャーナル フリー
    近年, 各種抗菌剤の投与によって生じた偽膜性腸炎の報告が数多くみられている.しかし抗結核剤と偽膜性腸炎との関連はあまり知られておらず, 1980年に初めてrifampicin (RFP) による偽膜性腸炎が報告された.以来欧米において8例の報告がなされているが本邦においてRFPと偽膜性腸炎の関連を明確に指摘した報告は, 我々の調べ得た範囲では未だ見られていない.今回, 我々は肺結核患者にRFP450mg, ethanbutol (EB) lg, isoniazide (INH) 0.4g投与中, 13日目に大腸炎を併発し, 内視鏡的に偽膜様所見を認めた症例を経験した.生検にて偽膜の存在は確認されなかったものの, 細菌学的に糞便中より1.8×109CFU/gのRFP耐性のClostridium difficileが分離され, さらに糞便抽出液中に細胞障害性毒素の存在を確認したことから, 本症例をC. difficile腸炎と診断した.なお, 本例は抗結核剤の投与を中止するとともにmetronidazole (750mg/日) を投与することによって, 治癒せしめ得た.
  • 1985 年 59 巻 2 号 p. 234-236
    発行日: 1985/02/20
    公開日: 2011/09/07
    ジャーナル フリー
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