感染症学雑誌
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62 巻, 12 号
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  • 後藤 俊幸, 横田 芳武, 松本 清子, 中井 益代, 山形 裕士
    1988 年 62 巻 12 号 p. 1105-1110
    発行日: 1988/12/20
    公開日: 2011/09/07
    ジャーナル フリー
    乳酸菌類2株 (Lactobacilluscasei, Lactobacillus acidopkilus) のインターフェロン (IFN) 誘発能と, それに関係する細胞障害活性やマクロファージの貧食能について検討し, 次の結果を得た.
    1.L.caseiにおいてIFN誘発能があり, そのIFN中にはIFN-α, β, γ それぞれが含まれていた. とくにペニシリン (PC) 処理菌ではγ-IFNの産生が多くみられた.
    2.L.caseiPC処理菌のIFN誘発様式はOK-432誘発IFNと類似していた.
    3.L.casei菌感作マウス脾臓リンパ球にはマウス白血病に対する細胞障害活性もみられた.
    4.L.casei菌感作マウス腹腔マクロファージの異物貧食活性の上昇がみられた.
    以上よりL.casei菌 (とくにPC処理菌) によるIFN誘発, 細胞障害活性, マクロファージ活性の増強より白血病に対する抗腫瘍効果がみられるのではないかと考えられた.なおL.acidopkilusではIFN産生は低く, 明瞭な結果はえられなかった.
  • 1. 臨床的検討
    広瀬 崇興, 熊本 悦明, 酒井 茂, 西島 紀子
    1988 年 62 巻 12 号 p. 1111-1120
    発行日: 1988/12/20
    公開日: 2011/09/07
    ジャーナル フリー
    1976年から1987年までにおける当科入院症例のP.aeruginosaによる尿路感染症の院内感染について検討したところ以下のことが判明した. 1) 本菌による尿路感染症の発症頻度は各年度の入院総数のうち1976年は15.9%であったが1983年には4.5%まで減少した後, やや増加し, 1987年は5.1%であった.2) 留置カテーテルを有する複雑性尿路感染症の本菌分離頻度は14.3%と高値であった.3) 入院時の糞便中の本菌陽性率は1.4%~13.9%, 退院時のそれは5.0%~20.7%であり, 退院時の方が高率であった.4) 尿と糞便分離の本菌の血清型分布の年次変遷は同様に推移していた.5) 入院時に糞便中の本菌が陰性で入院中に本菌による尿路感染症を発症した症例の頻度は5.7%であったのに対し, 入院時に糞便中の本菌陽性症例のそれは16.9%と高値であった.しかし, その頻度はPolymixin-Bを経口投与させ糞便中の本菌を陰性化させると2.0%まで減少した.6) 入院時に糞便中の本菌が陰性で, かつ入院中に本菌による尿路感染症が発症した症例では退院時の糞便中の本菌陽性率は15.1%と高値であったが, 入院中に尿路感染症の発症がない症例では, その頻度は5.1%と低値であった.7) 入院期間中に尿および糞便から本菌を検出した症例のそれぞれの血清型を比較すると, 尿と糞便の本菌の血清型が同一型である場合が38.9%に認められ, このことにより, P.aeruginosaによる院内感染のうち40%前後が自己感染によるものであることが示唆された.
  • 山本 典巳, 前田 耕平, 大沢 昭朗, 橋本 岩雄, 大山 昭夫
    1988 年 62 巻 12 号 p. 1121-1131
    発行日: 1988/12/20
    公開日: 2011/09/07
    ジャーナル フリー
    マウス及び腹腔滲出細胞を用いてCammpylobacter fetus, ならびにC.jejuniの病原性を検討した.腹腔内接種後いずれの菌種も腹腔内の生菌数は経時的に減少, 血中へ速やかに移行した.腹腔細胞内の生菌数はC.fetusでは経時的に減少したが, C.jejuniでは一定の菌数を保つと判明した.血中生菌数は両菌種ともに経時的に減少したが, C.fetusに比べC.jejuniの減少はやや遅い傾向を示した.
    初代培養マウス腹腔macrophage (Mφ) に両菌種を接触させた結果, いずれの菌種も6時間迄はMφに貧食されても消化されず, Mφ1個当りの菌数が増加することが判明した.更に, 6時間接触後Mφを洗浄, 培地を交換し培養を継続した結果, C.fetusではMφ 内生菌数は経時的に減少し18時間後にはphagosome内で菌体の消化像が観察されたが, C.jejuniでは若干増加, 42時間後でもphagosome内の菌体は原形を保つことが観察された.
    EDTA-Lysozyme処理にて両菌種外膜の分離精製を行った結果, EDTA-Lysozyme処理のみでは外膜の分離は悪く, 更にEDTAなどの処理を行うことで外膜画分を得た.両菌種の外膜をSDSgel電気泳動し蛋白染色を施した結果, C.fetusのmajor outer membrane protein (major OMP) として分子量46,000-51,000の蛋白が, C.jejuniではmajor OMPとして分子量42,000-46,000の蛋白の存在が認められた.以上のことから, Campyloacterの病原性の1つにMφ に対する抵抗性を挙げることができ, その抵抗性は基本的には本菌の外膜によることが示唆された.
  • 小林 譲, 丹下 宜紀, 兼光 望, 岡田 貴典, 馬原 文彦
    1988 年 62 巻 12 号 p. 1132-1137
    発行日: 1988/12/20
    公開日: 2011/09/07
    ジャーナル フリー
    1987年10月に紅斑熱群リケッチア症患者よりヌードマウスを用いて病原体として片山株を分離した. この片山株は, 徳島県で発生した本症患者からは初めての株である.片山株に感染したヌードマウスは, 痩せと著明な脾腫を示して接種後2-3週で発症し, 死亡するものがある.健常マウスは, 接種後5-10日の間に発症するが, 多くはその後回復して免疫を獲得した. 組織培養法ではBSC-1細胞, L細胞に良好な発育を示した. 片山株は, 蛍光抗体法による染色所見から, 主としてそれらの細胞質内で増殖し, 一部は核内にも侵入し, 増殖することが明らかになった.
    また, 蛍光抗体法により, 分離した片山株の他, R.sibirica246株, Thai tick typhus TT-118株を用いて, 患者血清の抗体価を測定した結果, いずれの抗原に対しても抗体の上昇を認めたが, 分離株に最も高い価を示した.Weil-Felix反応では, Proteus OX2に抗体価の上昇を認めた.
    次いで, それぞれの株を用いて作製した免疫マウス血清による交差蛍光抗体試験の結果より, 片山株は, R.sibirioa246株, Thai tick typhusTT-118株と共通抗原をもつことが明らかになった. さらに, 細胞融合法によって作製した抗片山株モノクローナル抗体による血清学的性状の解析の結果, 片山株はそれらの2株とは異なる特異的抗原決定基を持つことが明らかになった.
  • 角野 洋一, 本田 政幸, 高倉 剛二
    1988 年 62 巻 12 号 p. 1138-1142
    発行日: 1988/12/20
    公開日: 2011/09/07
    ジャーナル フリー
    新生児とその母親より分離された大腸菌を比較し, 次の成績を得た.
    新生児株は母親株に比較して血清型の種類が少なく, 一方, 尿路感染症高頻度分離0群が新生児に多くみられた.
    マウスを使用した尿路感染実験の結果, 新生児由来株は母親株に比較して, マウス腎に高度の親和性と起炎性を示した.そのうちでも尿路感染症高頻度分離0群に属する株は, 他の株に比較して, 特に高度の親和性と起炎性を示した.
    従って, 新生児に初期に定着する菌群は単なる汚染菌ではなく, なんらかの選択を受けた菌群であり, 尿路感染症原因菌と同一の菌群であると結論された.
  • 特に尿所見 (尿中細菌数と尿中白血球数) および自覚症状についての分析
    広瀬 崇興, 熊本 悦明
    1988 年 62 巻 12 号 p. 1143-1151
    発行日: 1988/12/20
    公開日: 2011/09/07
    ジャーナル フリー
    膀胱刺激症状を有して泌尿器科に受診した基礎疾患のない1, 353例の女性について臨床的検討を行ったところ, 以下のようなことが判明した.1) 全体の2/3がUTI研究会の基準を満たす典型的急性膀胱炎であった.2) UTI研究会の基準を満たさない非典型例の58%は排尿痛を有していた.3) 非典型例の61%は10個/hpf以上の膿尿を有していた.4) 非典型例の51%は104/ml以上の細菌尿を有していた.5) 細菌尿と膿尿と自覚症状のそれぞれの程度の相関性を検討したところ, 細菌尿と膿尿の程度の正の相関性が一番高く, 次に膿尿の程度と自覚症状の強さ, 細菌尿の程度と自覚症状の強さと続いた.したがって, 膀胱炎発症の機序として臨床的にも, まず尿中細菌が増加し, 続いて局所炎症反応としての膿尿が出現し, それによる自覚症状が最後に出現するために, このような相関関係の順序になったと考えられた.
  • 粕谷 志郎, 後藤 千寿, 大友 弘士
    1988 年 62 巻 12 号 p. 1152-1156
    発行日: 1988/12/20
    公開日: 2011/09/07
    ジャーナル フリー
    アニサキス幼虫に対する殺虫効果のあるなしを13の食品もしくはその抽出液について検討した.それぞれ乾燥重量に対し5%となるよう生理食塩水にて抽出液を作成し, これにスケトウダラ内臓より採取したアニサキス幼虫を入れ24時間観察した.その結果, アオジソ, ショウガ, ワサビ, ニンニクの4食品の抽出液で完全に虫体の運動を消失 (死亡と推定) させることができた.エタノールは8%以上の=濃度で強い致死効果が認められた.シソ, ワサビの2.5%抽出液ではそれぞれの5%溶液に比し致死率が低下したが, ショウガの2.5%溶液はなお完全な効果を示した.運動停止 (1分間の観察中動きが認められない) までの平均時間はシソ3.1時間, ショウガ3.2時間, ワサビ5.6時間, ニンニク10.8時間であった.ネギ, パセリ, ダイコン, キャベツ, ホウレンソウ, ミツイシコンブ, トウガラシ, チャ (茶) には致死効果は認められなかった.
    強力な殺虫効果を示したシソ, ショウガの若干の既知成分についてもこのような効果があるか検討し,[6]-shogao1,[6]-gingerol (以上ショウガ), perillaldehyde, perillylalcoho1 (以上アオジソ) のそれぞれが100%致死効果を発揮する最少濃度が62.5μg/ml, 250μg/ml, 125μg/ml, 250μg/mlであることが判明した.一方, 陽性対照に使用したthiabendazoleでは10mg/dlでも死亡虫体を認めなかった.
  • 島崎 哲弥
    1988 年 62 巻 12 号 p. 1157-1165
    発行日: 1988/12/20
    公開日: 2011/09/07
    ジャーナル フリー
    特異性が高く, 高感度で簡便な麻疹ELISA抗体測定法を考案した.麻疹ウイルス感染Vero細胞を用いて精製法を改良し, 密度勾配超遠心法などにより精製度の高いウイルス抗原を作製した.また, ヒト血清中には対照Vero細胞抗原に対し比較的高い吸光度 (≧0.20) を示す血清があるため, 抗Vero細胞抗体を吸収した157血清の対照抗原に対する吸光度の平均値に標準偏差の3倍の値を加えて陰性判定値 (Cutoff値) とした.被検血清を吸収抗原で吸収し, このCutoff値を用いる事で特異性と感度の高い麻疹ELISA抗体測定法が確立できた.尚, Vero細胞に対する抗体はForssman抗体ではなかった.単一血清希釈 (200倍) の吸光度からELISA抗体価に換算できる表を作製した.この換算表を使用すれば, 一度に多数の検体のELISA抗体価測定が可能となる.このような方法で測定したELISA抗体は麻疹AIK-Cワクチン接種後HI抗体や中和抗体より早期に出現し, また自然感染におけるELISA抗体の持続は中和抗体と同様長期にわたった.以上のことから著者の麻疹ELISA法はHI法より感度が良く中和抗体価測定法に匹敵し, かつ中和抗体価測定法より簡便な優れた検査法といえる.
  • 柴 孝也, 斎藤 篤, 嶋田 甚五郎, 宮原 正, 小野寺 壮吉, 佐々木 信博, 斎藤 玲, 富沢 磨須美, 中山 一朗, 田村 昌士, ...
    1988 年 62 巻 12 号 p. 1166-1191
    発行日: 1988/12/20
    公開日: 2011/09/07
    ジャーナル フリー
    いわゆる慢性気道感染症に対する新しい経ロセフェム剤CS-807の有効性, 安全性および有用性を客観的に検討する目的で, Cefaclor(以下CCL)を対照薬剤とし, 二重盲検法により比較試験を実施した. CS-807は日400mg(1回200mg, 1日2回), CCLは1日1,500mg(1回500mg, 1日3回)を原則として14日間経口投与し, 以下の成績を得た.
    1)全例で199例に投与され,小委員会により採用された臨床効果解析対象例は170例(CS-807群84例, CCL群86例)であった.その背景因子は, 感染症の重症度を軽症, 中等症に層別した場合, CCL群に有意に中等症が多かった.
    2)小委員会判定による臨床効果は, CS-807群75.0%(63/84), CCL群76.7%(66/86)の有効率で両薬剤群間に有意差は認められなかった. 主治医判定でもCS-807群75.6%(62/82), CCL群70.9%(61/86)で同様に有意差は認められなかった. 一方, 感染症の重症度で層別した場合, 軽症でCS-807群の有効率68.2%(55/66), CCL群74.5%(38/51)で両薬剤間に有意差を認めなかったが, 中等症でCS-807群の有効率100.0%(18/18), CCL群80.0%(28/35)でCS-807群が有意に優れていた(U-test). また, 起炎菌別に層別した場合, H. influenzae単独感染例の有効率は, CS-807群73.3%(11/15), CCL群35.7%(5/14)でCS-807群が有意に優れていたが(U-test), 単独菌, 複数菌および全体では両薬剤群間に有意差は認められなかった.
    3)細菌学的効果はCS-807群の除菌率81.0%(34/42), CCL群60.0%(18/30)で両薬剤群間に有意差はみられなかった. 一方, 菌種別にみた場合, H. inHuenzaeの除菌率はCS-807群95.0%(19/20), CCL群50.0%(8/16)でCS-807群が有意に優れた成績が示されたが, 他の菌種においては両薬剤間に差を認めなかった.
    4)副作用はCS-807群4.3%(4/93), CCL群4.2%(4/96)で両薬剤群間に有意差は認められなかった. 臨床検査値異常の発現はCS-807群13.9%(11/79), CCL群26.3%(21/80)で両薬剤群間に有意差は認められなかった.
    5)小委員会判定による有用性はCS-807群74.1%(63/85), CCL群76.7%(66/86), 主治医判定ではそれぞれ73.2%(60/82), 69.8%(60/86)でいずれにおいても両薬剤群間に有意差は認められなかった. 以上より, CS-8071日400mgの慢性気道感染症に対する有効性は, CCL1日1,500mgの有効性と比較して, 全体の臨床効果, 除菌率とも両薬剤群間に差を認めなかったが, 中等症の感染例およびH. influmzae感染例では除菌率も含めて, 有意に優れた成績が示された. 一方, 副作用については両薬剤群ともその発現は低値であり, かつ重篤な例はみられなかった. また, 投与中の検査値異常の出現率に関しても有意差はみられず, かつ高度な異常例および後遺的な値もみられなかった. 従って, 経口抗生剤CS-807は外来での慢性気道感染症の治療およびその管理に有用性の高い薬剤と考えられた.
  • 岩本 耕太郎, 西村 文朗, 吉野 靖, 三原 純司, 岡部 正, 亀田 博行, 久場川 哲二
    1988 年 62 巻 12 号 p. 1192-1196
    発行日: 1988/12/20
    公開日: 2011/09/07
    ジャーナル フリー
    紅斑熱 (Spotted fever) とはつつが虫病類似の臨床症状を呈するリケッチア感染症であり, 高熱と紅斑状発疹を主徴とする疾患である.
    昭和59年に本邦初の報告がなされて以来, 三十数例の報告がみられているが, いずれも四国の東海岸及び九州に限られており, わが国の他地域よりの臨床報告は未だ認めない.われわれの経験した症例は千葉県で発症したという点に於て, 疫学上貴重な報告である.
    又, 本症例は意識喪失発作という中枢神経症状で発症した.
    紅斑熱における中枢神経症状の報告は本邦では初めてであり, われわれは本症例の臨床経過と脳波所見を追って観察し, 興味ある知見を得たので報告する.
  • 神奈川県第5例
    田中 朝雄, 橘 裕司, 永倉 貢一, 金田 良雅, 渡辺 浄
    1988 年 62 巻 12 号 p. 1197-1201
    発行日: 1988/12/20
    公開日: 2011/09/07
    ジャーナル フリー
    大複殖門条虫病は日本人特有の寄生虫症である.その生活史はいまだ不明だが, 海産哺乳類の寄生虫と考えられている.ヒトへの感染はイワシ, サバ, カツオやハマチなどを生食することによると推定されている.著者らはカツオを生食したことによって感染したと疑われる神奈川県第5例目の大複殖門条虫症を経験したので報告する.患者は58歳の男性で, 1週間下痢が続き, その後排便時に, 紐状虫体を排出し来院した.持参した虫体の片節中に1対の生殖・器官が認められた.この特徴より大複殖門条虫症と診断され, ビチオノールが投与された.治療後, 頭節を含む全長10m65cmの虫体の排出が認められた.その1ヵ月後の検便において虫卵が認められなかったことにより, 治癒したと判定された.
  • 山口 雅美, 竹内 勤, 細野 治, 高野 慎, 糸山 進次, 鈴木 洋次, 安倍 達
    1988 年 62 巻 12 号 p. 1202-1206
    発行日: 1988/12/20
    公開日: 2011/09/07
    ジャーナル フリー
    慢性リンパ性白血病 (chronic lymphocytic leukemia: CLL) をま, 比較的成熟したリンパ球が腫瘍性に増殖する疾患で, 他の白血病に比し予後良好とされている.今回教室では, 急速に進行するびまん性病変によって呼吸不全を呈し, 剖検にてカリニ肺炎と診断されたCLLの一症例を経験したので報告する.本例では, B1+, T1+の表面抗原を有する典型的B-CLL細胞で本院入院時すでに抗腫瘍剤による治療をうけており, 高度の免疫不全状態にあった.突然出現した呼吸困難, 著明な低酸素血症, およびこれらの所見にもかかわらず軽度の間質性陰影などから, カリニ肺炎を疑い, 早期よりST合剤の投与を開始した.しかし呼吸不全は急速に悪化し, 剖検にてグリコット染色で黒染される物体を多数認め, カリニ肺炎と診断された.本例に認められたカリニ肺炎発症の基礎Jなった免疫不全について考案するとともに, カリニ肺炎治療における発症予防の意義について検討した.
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