1980年11月から1992年までの12年間にわたり, 大阪市内1小学校の学童咽頭より溶血レンサ球菌 (A, B, C, G群) の検出を行い, 得られた菌株の内の3,227株について薬剤感受性 (MIC) を測定した.
1. Penicillin系, Cephem系薬剤については耐性菌は認めなかった. A, C, G群菌に比してB群菌では感受性が2~3管劣っていた.
1980年11月から1992年までの12年間にわたり, 大阪市内1小学校の学童咽頭より溶血レンサ球菌 (A, B, C, G群) の検出を行い, 得られた菌株の内の3,227株について薬剤感受性 (MIC) を測定した.
2. Macrolide系薬剤 (ML) に対してはMIC90は全群共感性城にあった. 耐性菌は1980~82年までは5.9~8.6%認めたが, その後漸減し1986年以降は殆ど検出されなかった. 群別ではA群菌に多く認め, B, G群にも若干認めた.
3. Tetracycline系薬剤 (TC) のうちMINOに対しては耐性菌は少数であったが, TCに対してはこの12年間を通してA, B, C, G群すべてに耐性菌を認め, MIC
90も耐性城にあった.
4. Chloramphenicol (CP) に対しMIC
90は全群とも感受性域にあったが, A, B, G群については1980~85年までに3.0~5.1%の耐性菌を認めた. しかし1986年以降は大幅に減少した.
5. 1980~82年には多剤耐性菌を多く認めた. 特にA群にMLs, TC, CPの多剤耐性菌, TC, CP耐性菌などを多く認めた. 他にはB, G群についても多剤耐性菌を少数認めたが, 1986年以降は激減した.
6. A群の多剤耐性菌の殆どはT-12型であり, B群ではIa, Ia/C, III, III/R型に認めた.
7. TC耐性はA群T-13型に特に多く認め, 1980~86年には60%以上の耐性率を示したが, その後はやや減少した.
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