感染症学雑誌
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69 巻, 12 号
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  • 山下 順香, 出口 松夫, 細坪 秀夫, 浅利 誠志
    1995 年 69 巻 12 号 p. 1323-1328
    発行日: 1995/12/20
    公開日: 2011/09/07
    ジャーナル フリー
    1992年1月より1993年6月までの期間に当院にてB型慢性肝炎と診断された患者6症例 (自然経過2症例, インターフェロン治療経過4症例) の血清73検体を用い, microparticle EIAを原理とするAxSYM systeo (ダイナボット社) によりHBe抗原・抗体の測定を行い, ALTおよびHBV-DNAとの関係を検討した.
    1) B型慢性肝炎患者血清73検体中HBe抗原が陽性を示したものは53検体であり, このうち45検体はHBe抗原のみ陽性 (Group A), 残り8検体はHBe抗原・抗体共に陽性 (Group B) であった.また, Group AおよびGroup BにおけるHBV-DNAとの判定一致率はそれぞれ91.1%(41/45), 50.0%(4/8) であった.一方, HBe抗体のみ陽性を示したものは20検体であり, このうち4検体 (20.0%) はHBV-DNAが陽性を示した.すなわち, HBe抗原とHBV-DNAの判定値が異なる結果を示したのは12検体であった.また, これらの判定不一致試料はすべて肝炎直後から鎮静化するまでの時期に採取されたものであり, それらのHBe抗原測定値は何れも基準値 (2.1S/N) 付近であった.
    2) B型慢性肝炎患者6症例におけるHBe抗原とALTを経時的に観察したところ, HBe抗原の変動とALTの動きは関連したものであり, HBe抗原はALTの動きに先行して増減する傾向が確認された.以上の結果より, AxSYM systeoによるHBe抗原・抗体の測定はB型慢性肝炎患者の臨床経過のモニタリングに極めて有用であると思われた.
  • 開院後約7年間の集計成績をもとに
    高木 妙子, 秋田 博伸, 加藤 達夫
    1995 年 69 巻 12 号 p. 1329-1335
    発行日: 1995/12/20
    公開日: 2011/09/07
    ジャーナル フリー
    血液培養から検出される細菌の動向について検討した.1987年5月より1993年12月までの期間に提出された血液培養検体4,887件のうち565症例 (11.6%) が陽性であった.年度別の菌種別分離頻度では, グラム陽性球菌の占める割合が, どの年度においても圧倒的に高く, その中でもcoagulase negative StaphylococciとStaphylococcus aureusの2菌種で80~90%を占めていた.グラム陰性桿菌では, Serratia marcescensの持続的増加, EnterobacterおよびPseudomonas aeruginosaの一過性の急増などが認められた.複数菌検出例では, 30例 (5.3%) でCNS, S. aureus, Enterococcus属などのグラム陽性球菌が関与する組み合わせが多かった.IVHカテ先同時検出例では, 55例 (9.7%) 認められ, CNS, S. aureus, Candidaの3菌種で86%を占めていた.危険因子 (1993年, 87症例) では, カテーテル2本以上挿入例が42.5%, 先に抗菌薬が投与されていた例は48.3%であった.基礎疾患では, 悪性腫瘍, 脳血管障害, 多発外傷を有している症例に多く認められた.同時検出部位では, S. aureusがカテーテル類および創部, 腸内細菌では尿および胆汁, 真菌では尿およびカテーテル類より検出される傾向が認められた.
  • 松下 秀, 山田 澄夫, 関口 恭子, 太田 建爾, 工藤 泰雄
    1995 年 69 巻 12 号 p. 1336-1341
    発行日: 1995/12/20
    公開日: 2011/09/07
    ジャーナル フリー
    近年輪入事例が大半を占めるようになった細菌性赤痢の菌学的, 疫学的特徴を把握するため, 東京において1980年以降輸入及び国内事例から分離された赤痢菌を対象に, その菌種・血清型並びに薬剤耐性の面から検討し, 1980年~1989年の10年間の成績についてはすでに本誌に報告した.本報では, それ以降1990年から1994年の最近5年間の検討成績について報告する.輸入事例より分離された336株 (輸入事例由来株) と海外とは直接関連が認められていない都内での分離株110株 (国内事例由来株) における菌種別検出頻度は, 両由来株ともShigella sonneiが最も高く, 次いでS. flexneriであった.S. boydiiS. dysenteriaeはそれぞれ11株と5株検出されたが, 各1株を除きすべて輸入事例由来であった.各菌種における血清型は, 輸入事例由来株が国内事例由来株に比して多彩であった.この5年間には, 新血清型として提案されている赤痢菌が8例の輸入事例と2例の国内事例より分離された.
    CP, TC, SM, KM, ABPC, ST, NA, FOM, NFLXの9種薬剤について実施した耐性試験では, 輸入事例由来株で82.7%, 国内事例由来株で89.1%が耐性であった.薬剤別では, 両由来株ともSM, TC, STに対する耐性率が高かった.その耐性パターンは, 全体で21種認められたが, 両由来株ともTC・SM・STの3剤耐性を示すものが最も高頻度であった.なお, FOMとNFLXに対する耐性株は全く認められなかった.
  • 楠 伸治, 竹村 清, 高木 恵子, 稲垣 裕司, 浅香 純一郎, 江崎 孝行, 五十君 裕玄
    1995 年 69 巻 12 号 p. 1342-1347
    発行日: 1995/12/20
    公開日: 2011/09/07
    ジャーナル フリー
    結核菌のリファンピシン (RFP) 感受性試験の新方法を考案した.この方法はRFP存在下で加熱処理を施した結核菌菌体内の71-kDaヒートショック蛋白mRNAの内部配列を検出するものである.275塩基長の目的配列は逆転写反応の後PCR法で増幅された.PCR産物はアガロースゲル電気泳動とエチジウムブロマイド染色により検出された.RFP濃度を10μg/mlに調製したMiddlebrook7 H9 broth中で一夜培養後, 45℃45分間の加熱処理を行うと, RFP感受性結核菌H37Ra株からは目的バンドは検出されなかった.一方, 耐性菌MY-129株では275bpの増幅が観察された.続いて実施した65株の臨床分離株を被検菌とした試験では, 寒天平板希釈法によるMIC値から判定されたRFP感受性の有無と本法の結果は1株を除いて一致した.本法は結核菌のRFP感受性を早期に判定する実際的な方法であると考えられる.
  • 當山 真人, 草野 展周, 斎藤 厚
    1995 年 69 巻 12 号 p. 1348-1355
    発行日: 1995/12/20
    公開日: 2011/09/07
    ジャーナル フリー
    呼吸器感染症において重要な嫌気性菌の一っであるPrevotella intermediaの臨床分離株RUST004を用いて, その培養濾液のヒト好中球機能への影響について検討した.
    RUST004の培養濾液は好中球によるStaphylococcus aureusの貧食殺菌能を有意に抑制した (p<0.05).また, 加熱後の培養濾液でも有意な抑制 (p<0.05) を認め, 抑制物質が耐熱物質である可能性が示唆された.一方, 好中球の貧食能に対する培養濾液の明らかな影響は認められなかったが, 細胞内殺菌は有意に抑制された (p<0.05).これらのことから, P. intermediaの培養濾液による好中球貧食殺菌能の抑制は, 主として細胞内殺菌の抑制によるものであると考えられた.ガスクロマトグラフィーによる培養濾液成分の定量分析を施行したところ, コハク酸やイソ吉草酸が認められ, これらの短鎖脂肪酸は培養濾液の含有濃度で好中球の走化能を有意に抑制した (p<0.05).また, 好中球の貧食殺菌能に対してイソ吉草酸 (1mM, 5mM) では抑制作用を認めず, コハク酸30mMで有意に抑制作用を認めた (p<0.05).以上のことから, P. intermediaの培養濾液に含まれている好中球機能の抑制物質の一つとして短鎖脂肪酸 (コハク酸等) が考えられ, 嫌気性菌の混合感染時にはこれらの作用によって同時感染菌の病原性がさらに増強される可能性が示唆された.
  • 塩田 量子, 武下 公子, 山本 公三, 今田 和子, 藪内 英子, 王 笠
    1995 年 69 巻 12 号 p. 1356-1364
    発行日: 1995/12/20
    公開日: 2011/09/07
    ジャーナル フリー
    我々は, 温泉浴槽内で溺水後にadult respiratory distress syndrome (ARDS) を起こし, 一旦軽快後, 再度ARDSを伴って重症肺炎を発症した71歳女性の気管吸引物のBCYEα 寒天培養でLegionella pneumophila serogroup (SG) 3を純培養状に検出し起炎菌と判定した.マイクロプレート定量凝集反応で測定した患者ペア血清の抗体価はL. pneumophila SG3のパイ'ロツト株Bloomington-2 (=ATCC 33155) と患者由来株Y-1の双方に対して1: 20から1: 320に上昇し, seroconversionと認めた.溺水より27日後, 同じ浴槽の温泉水を採取して培養しL. pneumophila SG3を検出したので浴槽水を感染源と判定した.浴槽水中の菌数は3CFU/100mlと少なく, 通常は問題にならない菌数であるが, 溺水による浴槽水吸引が感染を導いたと推定される.従って浴槽水中のLegionella属菌数の低減に努めるのみならず, 無人の浴室での高齢者や飲酒者の単独入浴を避けること, 浴槽内に手すりなどの設備をすることが必要である.
  • 出口 松夫, 細坪 秀夫, 山下 順香, 浅利 誠志
    1995 年 69 巻 12 号 p. 1365-1370
    発行日: 1995/12/20
    公開日: 2011/09/07
    ジャーナル フリー
    B型慢性肝炎におけるHBs抗原値の臨床的有用性について検討するために, 5症例のB型慢性肝炎患者血清におけるHBs抗原値をcounting immunoassay (CIA) により定量測定した.CIAはラテックス凝集反応と粒子計数技術を組み合わせた新しい免疫測定法である.
    その結果,
    1) 活動性肝炎患者4症例におけるHBs抗原値の上昇はGPT値のそれよりも早く, HBVDNA-P活性とほぼ同様の推移を示した.
    2) インターフェロンα あるいはβ による治療を実施した4症例の患者におけるHBs抗原値はHBVDNA-p活性と同様に低下した.
    3) 非活動性肝炎患者1症例におけるHBs抗原値はHBV DNA-p活性と同様の推移を示した.これらの結果より, HBs抗原の定量測定はB型慢性肝炎における増悪や予後の把握に有用であると思われた.
  • 松永 泰子, 武田 直和, 山崎 修道, 鎌田 公仁夫, 黒澤 大介
    1995 年 69 巻 12 号 p. 1371-1375
    発行日: 1995/12/20
    公開日: 2011/09/07
    ジャーナル フリー
    1973年と1984年の調査以来2回の伝染性紅斑の全国的流行を経て, わが国における抗B19ウイルス抗体保有状況がどう変化したかを, 新たに開発された組換えVP1+VP2粒子を抗原としたELISA法により調査した.はじめに, この新しいIgG抗体測定法をウイルス陽性血漿より部分精製したB19ウイルス粒子を抗原とした従来法と比較したところ, 220検体中212検体 (96.4%) が完全に一致し, 従来法に代替し得ることを確認した.1993年に収集された宮城, 群馬, 福岡3県居住者由来の血清900検体における年齢群別抗体保有状況は, 0~4歳 (10%), 5~9歳 (54%), 10~14歳 (59%), 15~19歳 (46%), 20~29歳 (38%), 30~39歳 (48%), 40~49歳 (64%), 50歳以上 (76%) で, 男女差はなかった.これらの値を1984年のそれと比較すると, 40歳未満の年齢群で20~40%の保有率の上昇が認められ, 40歳以上ではほとんど変化がなかった.このことから, 1回の伝染性紅斑の全国的流行時には, 40歳未満の人口の約10%(約800万人) がB19ウイルスに感染 (抗体を獲得) し, 感染症サーベイランスからはさらにその約1/10を伝染性紅斑患者として把握したと考えられる.
  • 大角 光彦, 豊田 丈夫, 川城 丈夫, 青柳 昭雄
    1995 年 69 巻 12 号 p. 1376-1382
    発行日: 1995/12/20
    公開日: 2011/09/07
    ジャーナル フリー
    結核菌のribosomal RNA (rRNA) を増幅し, 検体より直接結核菌を検出するGen-Probe ® Amplified Mycobacterium Tuberculosis Direct Test (MTD) が開発され, 喀痰については有用性が高く評価され, 既に広く実施されている.我々は胸水17検体, 髄液6検体, 気管支肺胞洗浄液 (BALF) 23検体について従来の塗抹培養検査とMTDを施行し, その成績を比較検討した.培養で結核菌陽性で, MTDが陰性であったものは胸水で1検体存在した.従来法では結核菌が検出されなかった胸水の2例, BALFの3例がMTD陽性を示し, その臨床像と合わせて結核症の確定診断が可能であった.またMTD陽性であった髄液の2検体は, いずれも塗抹陰性で, 培養で約4週間後に結核菌が検出されており, MTDにより結核性髄膜炎の迅速な診断が可能であった.
  • 宮島 一郎, 佐田 通夫, 内村 恭代, 鈴木 宏, 谷川 久一
    1995 年 69 巻 12 号 p. 1383-1388
    発行日: 1995/12/20
    公開日: 2011/09/07
    ジャーナル フリー
    C型慢性肝炎に対するインターフェロン (IFN) 療法の効果は, 肝組織の線維化の進展に伴い低下し, 特に, 肝硬変に対する著効率は極めて低い.そこで著者らは, 肝組織の線維化の進展が, 何故, IFNの治療効果を低下させる要因になるかを明らかにするために, ラット肝硬変モデルを用いて抗ウイルス状態の誘導能を検討した.抗ウイルス状態の誘導能は, IFNにより誘導される2', 5'オリゴアデニル酸合成酵素活性 (2-5AS) で評価した.肝硬変ラットとコントロール・ラットにおいて, IFN投与後の血清2-5ASの変化には, 差を認めなかったが, 肝ホモジネート中の2-5ASは, 肝硬変ラットにおいて有意に低かった (105±18.5vs.171±10.2pmol/μg, p<0.01).今回の実験結果から, 肝組織の線維化が, IFNによる抗ウイルス状態の誘導能を低下させる要因になっている可能性が示唆され, また, このことが肝硬変においてIFNの治療効果が低い要因の一つと考えられた.
  • 林 龍之介
    1995 年 69 巻 12 号 p. 1389-1395
    発行日: 1995/12/20
    公開日: 2011/09/07
    ジャーナル フリー
    我々は抗A抗体を用いたELISA法でヒト血清中のA物質の存在を明らかにした.本物質はA. laidlawiiの膜成分より精製分画した物質でHIV増殖増強活性を示した.ヒト血清中のA物質はBligh-Dyer法による分画でクロロホルム層に認められた.また薄層クロマトグラフィーで分画するとRf値0.28に認められた.本物質はA. laidlawiiの画分と同様にHIV増殖促進活性を認めたがTNF誘起能は認められなかった.さらにヒト血清によるHIV増殖促進活性は抗A抗体添加で抑制された.このことからヒト血清中の物質にはA. laidlawiiの膜成分に存在するHIV増殖促進物質と共通の活性部位が存在することが示唆された.
  • 谷口 治子, 迎 寛, 飯干 宏俊, 芦谷 淳一, 伊井 敏彦, 坂本 晃, 増本 英男, 松倉 茂, 田中 宏典, 河野 茂
    1995 年 69 巻 12 号 p. 1396-1401
    発行日: 1995/12/20
    公開日: 2011/09/07
    ジャーナル フリー
    A 51-year-old female was admitted with complaints of fever and general fatigue. Chest X-ray showed diffuse bilateral fine nodular shadows and infiltrates. Complication of hepatic and muscular injury was suspected from increased levels of GOT, GPT and CPK in the seurm. Arterial blood gas analysis revealed hypoxemia. Because hypoxemia aggravated despite treatment with intravenous minocycline (200 mg/day), corticosteroids and mechanical ventilation were started, and the administration of minocycline (400 mg/day) and sparfloxacin was added. Consequent, chest X-rays and several laboratory data improved gradually. The final diagnosis was established with a significant rise of both IgG and IgM antibody against Chlamydia psittaci with MIF and identification of Chlamydia with the cell culture method. Chlamydia was successfully isolated from BALF of this patient obtained 5 days after commencement of minocycline treatment.
    Psittacosis should be considered as a possible cause of severe respiratory failure necessitating emergency care including mechanical ventilation.
  • 友野 順章, 森 雅亮, 菊池 信行, 今川 智之, 片倉 茂樹, 相原 雄幸, 横田 俊平
    1995 年 69 巻 12 号 p. 1402-1407
    発行日: 1995/12/20
    公開日: 2011/09/07
    ジャーナル フリー
    We reported a case who suffered from tuberculous meningitis at 10 months of age, and progressed to basal tuberculoma despite intensive drug therapy with isoniazid, rifampin, and streptomycin. Pan-hypopituitaliam due to basal tuberculoma was effectively replaced by the administration of anti-diuretic hormone (DDAVP) and levothyroxine sodium. Basal tuberculoma was finally removed by surgical operation. Histopathological examination of the tuberculoma revealed Mycobacterium tuberculosis and Langhans giant cells. During the 6 years after te operation, her growth rate was found to be retarded, and the administration of human growth hormone was started. Remarkable catch-up growth was demonstrated. We like to emphasize that infantile tuberculosis, mostly a result of intafamilial transmission, may manifest meningitis in the early phase of the disease, and it sometimes progresses to basal tuberculoma unresponsive to anti-mycobacterial drug therapy.
  • 狩野 繁之, 林 昭太, 神田 亨勉, 鈴木 守
    1995 年 69 巻 12 号 p. 1408-1412
    発行日: 1995/12/20
    公開日: 2011/09/07
    ジャーナル フリー
    ハロファントリンは1984年よりマラリアの臨床治験が開始され, 本邦においてもその優れた有効性が報告されてきている.しかしながら1993年より, 本薬剤投与後の心電図上のQT時間延長を伴う心筋に対する重篤な障害が諸外国において報告されだした.われわれは三日熱マラリアの22歳の日本人男性に, 患者への説明とその同意を得てハロファントリンを投与したところ, 自覚的な副作用は認められることなく患者は治癒に至ったが, 薬剤投与後2日目, 3日目に心電図上にQT時間の延長を一過性に認めた.本報告はハロファントリンの副作用と考えられる心電図上の変化を, 日本人で初めて確認した症例と考えられる.
  • 山本 俊信, 鈴木 幹三, 山腰 雅宏, 山本 俊幸, 有我 憲仁
    1995 年 69 巻 12 号 p. 1413-1417
    発行日: 1995/12/20
    公開日: 2011/09/07
    ジャーナル フリー
    A case of itraconazole-induced hypokalemia with pulmonary aspergilloma is reported. A 68-year-old female who had been followed for rheumatoid arthritis, gastric ulcer and pulmonary aspergilloma was admitted to our hospital because of a cough, low grade fever and hemosputum. She was treated with itraconazole (100 mg/day) for pulmonary aspergilloma of the left upper lobe. Fifty seven days after starting the treatment, her serum potassium was 2.33 mEq/l. Since there was no history of diarrhea, vomiting or abuse of drugs known to cause hypokalemia, itraconazole-induced hypokalemia was suspected. Thirty one days after the discontinuation of the treatment with itraconazole, her serum potassium increased to 3.57 mEq/1 without potassium supplement. The lymphocyte stimulation test for itraconazole was negative. This case suggests that serum potassium should be monitored in the patients treated with itraconazole.
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