感染症学雑誌
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69 巻, 8 号
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  • 斎藤 隆行, 鈴木 一雄, 伊藤 章, 林 孝子, 渡邉 寿美, 近藤 真規子, 今井 光信
    1995 年 69 巻 8 号 p. 851-857
    発行日: 1995/08/20
    公開日: 2011/09/07
    ジャーナル フリー
    ポリA固相化マイクロタイタープレートを用いた非放射性逆転写酵素活性測定法により, 経時的に採取したHIV-1抗体陽性者血漿中の逆転写酵素 (RT) 阻止抗体の測定を行った.
    経過観察期間中無症候キャリアー (AC) のままであった6例とACからAIDSへと移行した3例から, 29カ月~51カ月の間に経時的に採取した血漿について, HTLV-IIIB株のRT活性に対する阻止反応によりRT阻止抗体を測定し, その推移を追跡した.
    AC例6例中5例では, 経過期間中 (45~51カ月) の段階希釈した血漿のHTLV-IIIBのRT活性に対する阻止率およびRT活性を50%阻止する血漿の希釈倍数にほとんど変動はみられなかった. また, これら5例は患者末梢血単核球 (PBMC) からのHIV分離, 血中HIV p24抗原ともにすべて陰性であった. しかし, AC例046の血漿では, 48カ月の経過期間中にRT活性阻止率および50%阻止希釈倍数はともに徐々に低下していった. この例では, 血中HIVp24抗原は陰性のままであったが, 経過追跡開始から27カ月目より患者PBMCからHIVが分離できるようになった. 一方, ACからAIDSへと移行した3例の血漿では, いずれも経過期間中 (29~35カ月) 臨床症状の発現あるいはHIV分離成功に並行して, RT活性阻止率および50%阻止希釈倍数が徐々に低下していた. これらの結果より, RT阻止抗体のレベルは, HIV感染者の病態をよく反映しているものと思われた.
  • 田部井 由紀子, 貞升 健志, 森 功次, 門間 公夫, 関根 大正, 工藤 泰雄, 宮沢 豊, 岡田 清
    1995 年 69 巻 8 号 p. 858-863
    発行日: 1995/08/20
    公開日: 2011/09/07
    ジャーナル フリー
    母児感染の有無を診るために, HIV-1抗体陽性の母親3例と, それらより帝王切開で生まれた子供3例及び人工中絶例2例を対象に, ウエスタンブロット法による抗体検査, ELISA法によるp24抗原検査, Nested PCR法によるproviral DNAの検出, およびウイルス分離試験を末梢血, 膀帯血, 羊水, 胎盤について行った. 母親は全例, 抗体検査及びNested-PCR法によるproviral DNAは陽性であったが, ウイルス分離試験及びp24抗原検査は陰性であった. 生まれた子供及び人工中絶胎盤は, 抗体検査を除く感染マーカー試験では, 全て陰性であった. 今回の調査では, HIV-1の母子感染例は見られなかった.
  • 徐 光, 藤田 次郎, 根ケ山 清, 大西 隆行, 宮脇 裕史, 北条 聡子, 瀧川 圭一, 岡田 宏基, 山地 康文, 高原 二郎
    1995 年 69 巻 8 号 p. 864-872
    発行日: 1995/08/20
    公開日: 2011/09/07
    ジャーナル フリー
    今回我々はエリスロマイシンの誘導体であるクラリスロマイシンのマクロファージ各種機能に与える影響について検討した.検討した項目は直接作用として, i) 遊走能, ii) 運動能, および, iii) 増殖能, に対する影響を検討した.また間接作用として, i) ビーズ貧食能, ii) lipopolysaccharide (以下LPS) に対する遊走能, および, iii) Candida albicans殺菌能, に対する影響を検討した. さらにエンドトキサン処理で貧食能, 遊走能, 殺菌能の低下したマクロファージに対するクラリスロマイシンの影響についても検討した. クラリスロマイシンはマクロファージへの直接作用として, 遊走能, 運動能を増強し, さらに増殖促進作用を示した. また間接作用として, ビーズ貧食能, LPSに対する遊走能, およびCandida albicans殺菌能のいずれも増強した. さらにエンドトキシン処理で低下した貧食能, 遊走能, 殺菌能のいずれをも回復した. これらの効果はクラリスロマイシン0.02~0.1μg/ml濃度で認められ, 臨床的にも到達可能な濃度で効果を示した. クラリスロマイシンによるマクロファージの活性化は慢性下気道感染症に対するクラリスロマイシンの有効性を説明する一因子となりうる可能性が示唆された. また抗癌剤投与時などの免疫抑制を回復させるという目的でのクラリスロマイシンの有用性が示唆された.
  • 石田 直, 松井 保憲, 武田 修明, 田中 陸男, 藤井 寛之, 本郷 俊治
    1995 年 69 巻 8 号 p. 873-877
    発行日: 1995/08/20
    公開日: 2011/09/07
    ジャーナル フリー
    劇症型A群溶血性連鎖球菌によるtoxic shock-like syndrome (TSLS) は, 突発的な循環不全で発症し, 急速に多臓器不全を呈する疾患であり, 近年その報告が増加している. 当院において, 1977年より1994年までにA群溶連菌を検出した症例をreviewし, TSLSの診断基準に合致すると思われた症例を6例経験したのでその臨床経過を報告した. いずれの症例も感冒様症状を前駆症状とし, 短期間でショックや多臓器不全を呈した. 6例中3例は電撃的な経過をとって死亡し, 3例は救命しえた. 救命できた例については, 早期の抗生剤治療および抗DIC治療が有効であったと思われた. A群溶連菌は5例で血液から, 1例で腹水から, 1例で壊死組織より検出された. 検出菌の血清型は3例でTlM1型, 1例でT8型, 1例でT28型であった. 毒素型は4例でB型, 1例でB+C型であった. 本邦では1992年以前にTSLSの報告はほとんど認められていないが, それ以前にも潜在的に起こっていた可能性が考えられ, 決して稀な疾患ではなく臨床医が常に認識すべき疾患であると考えられた.
  • 堀川 和美, 岡田 賢司, 石橋 哲也, 村上 光一, 大淵 典子, 植田 浩司
    1995 年 69 巻 8 号 p. 878-883
    発行日: 1995/08/20
    公開日: 2011/09/07
    ジャーナル フリー
    1990年8月から1993年3月までの30カ月間に福岡県内6病院小児科を受診した百日咳様患者を対象として, 百日咳菌分離を行った. この期間に菌検索を行った179検体から43株 (24%) の1, 3, 6型のK抗原因子を保有する百日咳菌と1株のパラ百日咳菌を分離した. 百日咳菌を分離した患者の年齢は1歳未満が22名 (51%), 1歳から10歳が18名 (42%), 成人が3名であった. これら43名中39名がDPTワクチン未接種であったが, 3名はDPTワクチン接種済みであった. 分離菌株の23薬剤に対する最小発育阻止濃度 (MIC) を求めた. MIC測定は微量液体希釈法で行った. PIPC, EM及びCPZのMIC50 (使用菌株50%に対するMIC値) は0.005, 0.02及び0.01μg/mlであった. また, CER及びCCLのMIC50は各々10及び20μg/mlであり, 分離菌株はこれら薬剤に対して耐性であった. 更に従来から用いられている寒天平板希釈法も併せて実施し, 微量液体希釈法と比較検討した. 両法による使用菌株のMICは何れの薬剤も同じかやや寒天平板希釈法の方が高かった.
  • 血清抗体価測定の意義およびStreptococcus pneumoniaeによる呼吸器感染症との患者背景および発症要因の比較
    木村 丹, 松島 敏春, 田野 吉彦, 小橋 吉博, 矢野 達俊, 中村 淳一, 米山 浩英
    1995 年 69 巻 8 号 p. 884-889
    発行日: 1995/08/20
    公開日: 2011/09/07
    ジャーナル フリー
    過去4年間に当科に入院したStreptococcus milleri (以下S. milleri) による感染症8例の臨床的検討を行った. また併せて, S. milleri感染症とStmptococcus pneumoniae (以下S. pneumoniae) を原因菌とした呼吸器感染症の患者背景および発症要因について比較検討した. S. milleri感染症の年齢は21から81歳まで (平均62.0), 性別は男性6例, 女性2例であった. 感染症の内訳は, 膿胸3例, ほかに膿胸+肺膿瘍, 胸膜炎, 肺気腫の二次感染, 気管切開部の皮膚感染, 硬膜下膿瘍+脳膿瘍各1例で, 8例中6例が膿を形成するものであった. 基礎疾患は7例に存在し, そのうち5例はperformancestatusに影響を及ぼしていた. 琉球大学第一内科に依頼した6例の血清抗体価の測定値は, S. millerigroupのうちSanginosus3例, S. intermedius 2例, S. constellatus 1例に対して×1,024または×2,048の高値を呈していた. S. milleriによる感染症の診断のためには血清抗体価の測定が有用であると考えられた. Smilleri感染症とS. pneumoniae感染症の患者背景および発症要因の比較では, 年齢はS. pneumoniae群 (P群) がやや高齢であったが, 基礎疾患はS. milleri群 (M群) に多く存在し, 喫煙習慣もM群で多くみられた. また栄養状態を表わすhemoglobinおよびalbumin値はM群で低く, 細胞性免疫を示すツベルクリン反応はM群で陰性または疑陽性を呈した割合が高かった. S. milleri感染症は, S. pneumoniae感染症に比較して, 基礎疾患を有し喫煙習慣がある患者, 栄養状態や細胞性免疫が低下した際に発症し易く, 膿瘍を形成することが特徴のように考えられた.
  • 山上 由理子, 田代 隆良, 時松 一成, 永井 寛之, 長岡 博志, 橋本 敦郎, 後藤 陽一郎, 那須 勝, 山崎 透, 伊東 盛夫
    1995 年 69 巻 8 号 p. 890-894
    発行日: 1995/08/20
    公開日: 2011/09/07
    ジャーナル フリー
    1981年10月から1992年12月までの12年間の大分医科大学附属病院における真菌血症の起因真菌の推移について検討した. 血液培養陽性789例中, 真菌検出例は113例 (14.2%) であり, I期 (1981~1985年) 13.0%, II期 (1986~1988年) 12.1%, III期 (1989~1992年) 16.9%と増加傾向にあった. 真菌菌種ではCandida parapsilosisが29例 (25.7%), C. albicansが28例 (24.8%) と最も多く, 以下, C. tropicalis16例 (14.2%), Trichosporon beigelii 12例 (10.6%), C. glabrata 9例 (8.0%) などであった. 基礎疾患別に起因真菌をみると血液疾患ではT. beigeliiの占める割合が大きく, C. albicans C.parapsilosisの減少とC. glabrataの増加がみられた. 非血液疾患では, C. parapsilosis, C. albicansが多数を占め, C. glabrataも増加していた. 基礎疾患による起因真菌の違いと推移には抗真菌剤による選択が働いていることが示唆された.
  • 黒須 いくみ
    1995 年 69 巻 8 号 p. 895-902
    発行日: 1995/08/20
    公開日: 2011/09/07
    ジャーナル フリー
    平成元年1月から平成5年12月までの5年間に血液培養でAcinetobacter spp.が陽性となった37例のうち27例について, その薬剤感受性, 年齢, 基礎疾患, 臨床症状, 炎症マーカー, 中心静脈カテーテル挿入の有無, および使用薬剤について調査した.
    27症例のうちAcinetobacter anitratusが23例, A. lwoffiiが4例を占めた. 患者の年齢は新生児が5例, 60歳以上の高齢者が11例であり, 基礎疾患は血液疾患や悪性腫瘍例, 未熟児, 先天異常児などであった. 発熱を23例, 血圧低下を6例, 頻脈を17例, 多呼吸を12例で認め臨床的にsepsis syndromeの状態にあった症例が多かった. 炎症マーカーも多くの例で上昇していた. 中心静脈カテーテルは22例に挿入されており, 培養陽性後すみやかにカテーテルを抜去した13例中9例は解熱し, うち4例はカテーテル先端から同菌が分離された. 7例にヘパリンが投与されていた.
    Acinetobacter spp. による菌血症はcatheter-related infection, およびヘパリンとの関係が報告されているが, 今回の調査もそれを支持するものであった. 臨床的にsepsisの症状を示した症例ではカテーテルの抜去により解熱を認めた治療成功例があり, 留置カテーテルのある症例ではカテーテル敗血症の可能性を考えた早期診断, 治療が重要であると思われた.
  • 加藤 直樹, 加藤 はる, 田中 香お里, 渡辺 邦友, 上野 一恵
    1995 年 69 巻 8 号 p. 903-907
    発行日: 1995/08/20
    公開日: 2011/09/07
    ジャーナル フリー
    糞便以外の臨床材料から分離されたBacteroides fragilis groupの菌としてB. fragilis 179株, Bacteroides distasonis 13株, Bacteroides ovatus 9株, Bacteroides thetaiotaomicron 75株Bacteroides uniformis9株, Bacteroides vulgatus 15株の合計300株におけるエンテロトキシン産生性をHT29/C1細胞を用いた細胞培養法により検討した. B. fragilisからは特異抗血清で中和されるエンテロトキシンが36株 (20.0%) 検出された. そのうち, 血液由来株では31%(18/59) がエンテロトキシン陽性であったのに対し, 非血液由来株では15.0%(18/120) が陽性で, 血液由来株から有意 (p<0.05) に高率にエンテロトキシン産生株が検出された. B. fragilis以外の菌種ではHT29/C1細胞に形態変化をもたらす株は認められなかった. 以上の結果から, エンテロトキシン産生性B. fragilisは下痢以外の臨床材料から少なからず分離され, B. fragilisの産生するエンテロトキシンはB. fragilis groupの中ではB. fragilisに固有の毒素であることが明らかとなった. また, 血液由来株では非血液由来株に比べ有意にエンテロトキシン産生株が多いことから, metalloproteaseであるこのエンテロトキシンは菌血症や敗血症において病原因子の一つとして何らかの役割を演じている可能性が示唆された.
  • 水痘ワクチンによる帯状庖疹予防効果の推測
    寺田 喜平, 平賀 由美子, 河野 祥二, 片岡 直樹
    1995 年 69 巻 8 号 p. 908-912
    発行日: 1995/08/20
    公開日: 2011/09/07
    ジャーナル フリー
    水痘ワクチンによる高齢者の帯状庖疹の予防効果について検討するために, 水痘患者を多く診察し特異細胞性免疫が賦活化されている小児科医の帯状疱疹発症率を調べた. また, 帯状庖疹と診断された患者の水痘患者との接触歴や家族構成を調べ, 水痘患者や小児との接触が多いかを調べた.
    500名の小児科および内科小児科を標榜する50歳と60歳代の医師にアンケート調査し, 344名の有効解答を得た. 50歳および60歳代の帯状庖疹発症率はそれぞれ65.2,158.2/100,000 person-yearsであり, 他の報告の約1/2から1/8と低かった. 61名の基礎疾患を持たない帯状庖疹の患者では, 発症前4名だけが水痘患者と接触していたが家族内接触はなかった. また50歳以上の40名の患者のうち7名だけが14歳以下の子供と同居し, 23名は1世帯家族で孫や子供と同居しておらず, 子供との接触が少ないため水痘のブースターの機会が少なかったと思われた.
    以上より, 水痘ワクチン投与によるブースター効果で高齢者の帯状疱疹を予防できる可能性があると思われた.
  • 高畑 正裕, 黒瀬 朱美子, 新村 裕子, 渡辺 泰雄, 成田 弘和, 長谷川 真常
    1995 年 69 巻 8 号 p. 913-918
    発行日: 1995/08/20
    公開日: 2011/09/07
    ジャーナル フリー
    実験的膀胱結石モデルの作成と共に結石に対する菌の定着を検討した. Wistar系ラット (雌性) 膀胱内に手術用絹糸を刺入し, 1% ethylene glycol (EG) を摂水させることにより, 高率に膀胱内に結石の形成がみられた. 得られた結石の成分は分析電顕, イオンクロマトグラフィー等の結果からシュウ酸カルシウムとリン酸カルシウムとの混合結石であった. 結石惹起7日目にP. aeruginosaを経尿道的に接種し, 結石の定着を調べた. 走査型電子顕微鏡観察により, 結石表面にバイオフィルム様の緑膿菌定着が認められた.
    本モデルは菌定着メカニズム, バイオフィルムの研究, さらには抗菌剤による化学療法の評価等に有用と考えられた.
  • 那須 良次, 渡辺 豊彦, 門田 晃一, 櫻本 耕司, 小野 憲昭, 津川 昌也, 公文 裕巳, 大森 弘之, 安井 晃榮
    1995 年 69 巻 8 号 p. 919-923
    発行日: 1995/08/20
    公開日: 2011/09/07
    ジャーナル フリー
    990年から1994年までの岡山大学付属病院で分離された腸球菌属の検討を行ない, 以下の知見を得た.
    (1) 腸球菌属の分離頻度は各年を通して全体の6%前後であった.
    (2) 腸球菌属の中でEnterococcus faecalis (E. faecalis) の占める割合は減少していたが, Enterococcus faecium (E. faeciurn), Enterococcus avium (E. avium) は増加していた.
    (3) 薬剤感受性率の検討では, E. faecalis, E. aviumでofloxacin (OFLX) に対する耐性化傾向が認められた. E. faecalisでは第一選択薬であるampicillin (ABPC) で耐性化傾向が認められた.
    (4) 少数ながらvancomycin (VCM) 非感受性腸球菌属が検出された.VCM非感受性株はABPC, imipenem (IPM), gentamicin (GM), OFLXにも低感受性を示す場合が多く多剤耐性の傾向が認められた.
    (5) 腸球菌属から100株を選びニトロセフィン法, ヨード・デンプン法によりβ-lactamase産生能の有無を検討したが全て非産生株であった.
  • 李 仲興, 王 秀隼, 郭 月珠, 趙 建宏
    1995 年 69 巻 8 号 p. 924-927
    発行日: 1995/08/20
    公開日: 2011/09/07
    ジャーナル フリー
    Fifty clinical isolates of Pseudomonas aeruginosa were tested for inhibition of growth of clinical isolates of Escherichiacoli, Salmonella infantis, Klebsiella pneumoniae and other Gram-negative bacteria in the authors' laboratory. Pseudomonas aeruginosa was strongly active against both E. coli and Enterobacter cloacae, with 89.4% and 94.7% inhibition respectively, but weakly active against S. infantis, K. pneumoniae and Proteus mirabilis with 56.3%, 48.8% and 23.8% inhibition, respectively. The pigmented strains were found to have stronger antimicrobial activity than the unpigmented strains.
    Pyocyanin, the major metabolite of Pseudomonas aeruginosa, has been shown to inhibit Escherichia coli, Proteus spp. and other Gram-negative bacteria, by research with a few strains of P. aeruginosa and a single inhibited strains. However, little attempt has been made to determine the inhibitory action of many strains of P. aeruginosa against a large number of clinical isolates such as Escherichia spp., Klebsiella spp., and Salmonella spp., up to now. For this reason, in this study we examined 50 randomly selected clinical isolates of P. aeruginosa for inhibition of growth of a wide range of Gram-negative bacteria, including 30 strains of E. coli, 30 of K. pneumoniae, 30 of S. infantis, 6 of Enterobacter cloacae and 9 of Proteus mirabilis.
  • 箕原 豊
    1995 年 69 巻 8 号 p. 928-933
    発行日: 1995/08/20
    公開日: 2011/09/07
    ジャーナル フリー
    Human parvovirus B19 (B19) は, 伝染性紅斑の起因ウイルスとして知られる他, 様々な病態との関連が報告されている. このたび著者はアレルギー性紫斑病 (SHP) とB19の関連について後方視野的研究を行った.
    対象は, SHPと診断された16例で男9例, 女7例, 平均年齢は6.0±1.7歳であった. 血清を使用しenzyme immunoassay法でB19特異的抗体及び, polymerase chain reaction (PCR) 法でB19DNAの検索を行った.
    今回の検討では, PCR法でB19DNAが陽性は5例に, 急性期のB19 IgMは3例が陽性であった. 腎症状がみられたのは, B19感染のあった例では1例, なかったものは2例であった. 腹部症状は, B19感染では1例, なかったもの3例であった.
    16例中5例のHSP患児にB19感染が考えられた. 今回の検討から, 伝染性紅斑様症状の出現がなくても, SHPの症例においてB19感染の検討が必要であると考えた.
  • 宮下 修行, 窪田 好史, 河端 聡, 吉田 耕一郎, 岸本 寿男, 中島 正光, 二木 芳人, 松島 敏春, 松本 明, 副島 林造
    1995 年 69 巻 8 号 p. 934-939
    発行日: 1995/08/20
    公開日: 2011/09/07
    ジャーナル フリー
    A 62-year-old male was admitted to our hospital after an abnormal shadow was pointed out by Chest X-ray in June, 1994, even though he was asymptomatic otherwise (first episode). The serum IgG antibody against Chlamydia pneumoniae was elevated up to 512-fold in the acute phase and decreased to 32-fold in the convalescent phase using the micro-immunofluorescence (MIF) test, indicating a C. pneumoniae acute infection. In fact, no other micro-organisms were detected. The patient recovered from the pneumonia without any treatment.
    He was admitted to our hospital again after having right chest pain in December, 1994 (second epidose). An X-ray examination revealed a slight infiltration of the right lower lung field and pleural effusion. In this episode, he received therapy with carbapenem anti-bacterial agent and he recovered from the pneumonia 9 days after the administration of the antibiotic. The serum IgG titer against C. pneumoniae was elevated up to 1024-fold on admission, indicating mixed infection with bacteria and C. pneumoniae. It was concluded that both of these episodes indicated a spontaneous cure of the pneumonia which had developed from C. pneumoniae.
  • 長尾 由実子, 佐田 通夫, 谷川 久一, 亀山 忠光
    1995 年 69 巻 8 号 p. 940-944
    発行日: 1995/08/20
    公開日: 2011/09/07
    ジャーナル フリー
    口腔扁平苔癬 (orallichenplanus: OLP) は, 慢性の角化異常を伴う難治性の炎症性疾患であるが, その経過は長く完全治癒が困難な疾患の一つである. OLPの発症原因については種々のものがあるとされているが, 今だ明らかにされておらず, 根治的治療法は, 確立されていない. そこで今回, 従来慢性肝炎に対する有効な治療法の一つとして広く使われているグリチルリチン (SNMC®) を, OLP患者に投与してその経過を観察した.
    症例は49歳の女性で, 主訴は口腔内粘膜全体のi接触痛であった. 既往歴にC型慢性肝炎があり現在経過観察中である. 現病歴は, 1994年11月頃より両側下顎歯肉部から頬粘膜にかけて白斑を認め近医での加療を続けていたが, 改善ないため久留米大学医学部口腔外科を受診した. 扁平苔癬 (両側頬粘膜, 全顎に及ぶ歯肉並びに歯肉頬移行部, 口底, 口蓋粘膜部) の診断で, セファランチン®末の内服投与及び外用ステロイド剤を使用した. 同治療を7カ月続けたが, 口腔粘膜病変の若干の改善と再発を繰り返すだけで, 同年10月には両側頬粘膜のびらん面の拡大を認め, 強い接触痛のために摂食障害が出現した. そこで, 軽度の血清AST値, ALT値の異常があることを考慮し, SNMCの連日投与 (40ml/dayiv) を行った. 治療後2カ月で両側頬粘膜のびらん面はほぼ消失しまた広範囲に認められていた白斑病変は消失傾向を示し, 疹痛も軽減した.
  • 豊田 丈夫, 大角 光彦, 青柳 昭雄, 川城 丈夫
    1995 年 69 巻 8 号 p. 945-949
    発行日: 1995/08/20
    公開日: 2011/09/07
    ジャーナル フリー
    The Gen-Probe® Amplified Mycobacterium Tuberculosis Direct Test (MTD) is a rapid direct specimen assay method for identification of M. tuberculosis by amplification of ribosomal RNA and detection of the product with a specific chemiluminescent DNA probe.
    We report two cases of tuberculous meningitis which were positive in the MTD. Since the cerebrospinal fluid showed negative smears and positive cultures in both cases, we could diagnose tuberculous meningitis by MTD about 2 months earlier than by conventional smear and culture methods.
    In one patient, the fever didn't subside immediately after staring chemotherapy. In the other patient, an intracerebral focus appeared after administration of antituberculosis drugs. However, we did not hesitate to continue the therapy because of the MTD positive findings.
    MTD is considered to be a very useful test especially in diseases like tuberculous meningitis which need rapid diagnosis and rapid therapy, and is useful for improvement of convalescence and is economical.
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