Chlamydia trachomatis (C. trachomatis) に対する血清抗体検出法として, Immunoblot (W-B) 法の有用性を検討, これにより得られた成績とmicro-IF法, 市販キット (セロイパライザ
®-lgG-IgA, イパザイム
®-IgG-IgA, ヒタザイム
®-IgG-IgA) による成績とを比較検討した.
被検血清には妊産婦血清及び泌尿器科受診患者血清35検体を用いた. 抗原は
C. trachomatis血清型L2を用い, 判定は主要外膜タンパク及び40~62KDa領域の複数のバンドの染色をもって, 抗体陽性とした.
その結果, IgG抗体の検出におけるWB法とセロイパライザ
®の全体一致率は85.7%, 陽性一致率は83.3%, 陰性一致率は90.9%であった. 同様に, イパザイム
®とは85.7%, 83.3%, 90.9%, ヒタザイム
®とは82.9%, 75%, 100%であった.W-B法と標準法とされるmicro-IF法の一致率は順に85.7%, 79.2%, 100%で比較に用いたキットのそれとほぼ同じであった.
IgA抗体では, W-B法とセロイパライザ
®の全体一致率は82.9%, 陽性一致率100%, 陰性一致率66.7%であった. 同様に, イパザイム
®とではそれぞれ77.1%, 58.8%, 94.4%, ヒタザイム
®では, 65.7%, 64.7%, 66.7%であった. また, micro-IF法とでは82.9%, 70.6%, 94.4%であった.以上の結果はW-B法が市販キットとほぼ同レベルの成績を与え, 異なる原理に基づく
Chlamydia抗体検出法の1つとして利用できることを示す.
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