感染症学雑誌
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72 巻, 11 号
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  • 雨宮 一彦, 井上 豊, 嶋田 直美, 長崎 広美
    1998 年 72 巻 11 号 p. 1163-1170
    発行日: 1998/11/20
    公開日: 2011/09/07
    ジャーナル フリー
    市内の個人開業医から培養を依頼された検査材料から肺炎球菌を分離した.分離された457株についてoxacillin (MPIPC) ディスク法によるペニシリン耐性肺炎球菌 (PRSP/PISP) のスクリーニングを実施した.また, 同時に73株についてbenzylpenicillin (PCG) のMICを測定し, ディスク法との比較, 薬剤耐性パターンおよび血清型を調べ以下の結果を得た.
    1) 肺炎球菌の検出率は各種の臨床検査材料のうち鼻分泌物 (11.4%) で最も高かった.2) 年間検出頻度は11月から3月に高く, 8月と9月に低い季節変動を示した, 3) 患者の年齢層は9歳以下と60歳以上が多かった. 4) ディスク法とMICを比較すると阻止円直径が6mmを示した30株は全て耐性 (PRSP/PISP) であった.また20mm以上を示した20株は全て感受性 (PSSP) であった. しかし, 7mm-19mmを示した23株のうち16株 (70%) は中程度耐性 (PISP) で7株 (30%) は感受性 (PSSP) であった.5) 各種材料から分離した457株のうちディスク法で阻止円直径が6mmを示す菌株は194株 (42.5%), 7mm-19mmは141株 (30.9%), 20mm以上の株は122株 (26.7%) であった.6) PRSP/PISPの70%以上はPCG, erythromycin (EM), minocycline (MINO) を含む多剤耐性菌であった.7) PRSP/PISPの血清型分布は19型 (41.3%), 23型 (21.7%), 6型 (13.0%) の順であり, PSSPでは3型 (18.5%), 6型 (11.1%), 19型 (11.1%) の順であった.このようにPRSP/PISPとPSSPでは血清型分布は異なった.
  • 前田 光一, 古西 満, 三笠 桂一, 眞島 利匡, 植田 勝廣, 善本 英一郎, 坂本 正洋, 濱田 薫, 澤木 政好, 佐野 麗子, 増 ...
    1998 年 72 巻 11 号 p. 1171-1175
    発行日: 1998/11/20
    公開日: 2011/09/07
    ジャーナル フリー
    一般に非病原性とされるNeisseria属菌を経気管吸引法 (TTA) で検出した呼吸器感染症49例54回について臨床的に検討した.
    本菌の検出頻度は呼吸器感染症全体では15.7%, 疾患別では肺炎で17.8%, 急性気管支炎で15.4%, 慢性下気道感染症で14.0%であった.本菌の単独検出例はなく全例が複数菌検出であり, 同時検出菌はα-Streptococcus属菌が75.9%と圧倒的に多く, Haemophilus influenzae (25.9%), 嫌気性菌 (22.2%) がこれに次いだ. 年齢層別の本菌の検出比率は45歳以上で高かったが, 必ずしも高齢になるほど増加する傾向は認めなかった. 本菌検出の背景因子として明らかな誤嚥が37%, 医原性要因が16%, 重喫煙歴が61%にみられた. 誤嚥が明らかでない症例のうち検出時に38℃以上の発熱またはPaO2 70torr未満の低酸素血症があった例は非高齢者より高齢者の方が多い傾向を認めた.
    いわゆる非病原性Neisseria属菌のTTAでの検出には上気道から下気道への細菌の落下を防御・排除できない宿主状態の関与が考えられるが, それには顕性あるいは不顕性誤嚥の他に, 喫煙, 基礎疾患などによる粘液線毛輸送機能の低下や全身状態の悪化も重要と考えられた.
  • 次亜塩素酸ナトリウム溶液との比較検討および手洗いにおける有効性
    人見 重見, 馬場 重好, 矢野 久子, 森沢 雄司, 木村 哲
    1998 年 72 巻 11 号 p. 1176-1181
    発行日: 1998/11/20
    公開日: 2011/09/07
    ジャーナル フリー
    食塩電気分解水の抗菌効果と手洗いに使用した場合の有効性について検討した.この電気分解水のpHと遊離残留塩素濃度はそれぞれ6.7-6.9, 20-22ppmだった.黄色ブドウ球菌と大腸菌に対する殺菌力を調べたところ, 両菌種に対し遊離残留塩素濃度が60ppmの希釈次亜塩素酸溶液とほぼ同等の殺菌力を示した.これらのデーターから計算すると, 塩素の量とpH値によって決まる次亜塩素酸の量だけがこの電気分解水の殺菌力を規定すると考えた.この電気分解水で手を洗ったところ, 付着させた黄色ブドウ球菌を1/102に減少させた.流水および擦込式エタノールでの減少度はそれぞれ1/10, 1/105だった.よってこの電気分解水は, 手洗い時に流水の代りとして使用することができると結論した.
  • 川合 宏和
    1998 年 72 巻 11 号 p. 1182-1187
    発行日: 1998/11/20
    公開日: 2011/09/07
    ジャーナル フリー
    パラ百日咳菌は, 百日咳流行の後期, あるいは百日咳患者からも分離される等百日咳菌と関係が深いが, 関連性については明らかではない. 今回生後10-12日齢子マウス (n=40) にパラ百日咳菌を単独あるいは百日咳菌と混合感染させ両菌の関連性について実験的検討を行った. 百日咳菌抗体 (PT, FHA) を付与した子マウスに1%カザミノ酸によって調整した臨床株パラ百日咳菌422株 (1.2×104CFU) 単独感染あるいは百日咳菌18-323株とパラ百日咳菌422株 (各々6×103CFU) 混合経鼻感染させ, 両菌の定着性を末梢血白血球数, 肺内菌数を指標に経時的に比較した. 白血球数に関してはパラ百日咳菌単独感染群の子マウスには白血球数に変化はみられなかった. 混合感染群の抗体 (-) 子マウスでは約2-3万程度の白血球数増多を認めたが抗体 (+) 子マウスでは白血球増多はみられなかった. 肺内菌数に関してパラ百日咳菌単独感染群では, 菌の持続的定着はみられなかった. 混合感染群の抗体 (-) 子マウスでは, 主に感染2, 3週目, 百日咳菌 (106CFU), パラ百日咳菌 (102CFU) が認められた. しかし抗体 (+) 子マウスの肺内百日咳菌菌数は感染2, 3週目には102CFUと減少し, かわってパラ百日咳菌増菌 (105CFU) がみられた. 今回の感染実験結果はパラ百日咳菌の臨床的特徴 (百日咳流行後期および百日咳患者からも菌分離される) と合致しており, これらの事実から百日咳菌がパラ百日咳菌定着に関連していると考えられた.
  • 甲田 徹三, 田村 偉久夫, 石川 勝憲
    1998 年 72 巻 11 号 p. 1188-1192
    発行日: 1998/11/20
    公開日: 2011/09/07
    ジャーナル フリー
    本邦でのデルタ肝炎の長期観察例は少なく, 肝疾患との関係も判然としてない. B型肝炎ウイルス (HBV), デルタ肝炎ウイルス (HDV) およびC型肝炎ウイルス (HCV) 抗体陽性肝細胞癌を約7.5年間経過観察した一例を経験した.
    [症例] 69歳, 男性. 1949年から約1.5年間, 塩酸メタンフェタミン15mg-30mg/日, 常用していた. 刺青 (+). 1975年より肝機能障害で某院に通院, 1984年2月肝硬変のため, 国立呉病院に紹介された. 1989年11月腹腔内鏡, 肝生検で肝硬変を伴う肝細胞癌と診断した. 以後肝動脈塞栓術を3回行った. 1995年2月, 全身倦怠, 食欲不振のため入院, 7月頃より肝腫瘍マーカー (AFP, PIVKA-II) の上昇, 全身状態が徐々に悪化し1996年1月死亡した. HBs抗原, 抗HDV抗体は1984年8月, 抗HCV抗体は測定開始時の1990年より持続陽性であった. また, 肝生検, 剖検材料より非癌組織中にデルタ抗原を証明した.
    本症例はHBV, HDV, HCVの三重感染に発症した肝硬変に肝細胞癌を併発したにもかかわらず, 肝動脈塞栓術の効果により長期生存したと思われる.
  • 古西 満, 森 啓, 善本 英一郎, 眞島 利匡, 植田 勝廣, 寺本 正治, 坂本 正洋, 辻本 正之, 前田 光一, 三笠 桂一, 澤木 ...
    1998 年 72 巻 11 号 p. 1193-1196
    発行日: 1998/11/20
    公開日: 2011/09/07
    ジャーナル フリー
    胸部X線写真および/または胸部CT所見上空洞を伴う浸潤影を認め, かつ経気管吸引法 (Transtracheal aspiration: TTA) から細菌を分離した肺膿瘍症例20例 (男性18例・女性2例, 平均年齢54.3±11.2歳) の臨床像を解析した.
    基礎疾患・合併症は糖尿病12例, 歯牙・歯周疾患11例などであった. 臨床症状は咳嗽, 胸・背部痛が多く, 発熱を認めない症例もあった. TTA分離菌は75%が複数菌感染であり, 好気性菌17株, 嫌気性菌35株を分離した. 好気性菌ではStreptococcus pneumoniaeStreptoccoccus intermedius, 嫌気性菌ではPeptostreptococcus microsFusobacterium necropkorumを多く分離した. 白血球数・好中球比率は増加していたが, CRPは上昇しない症例も存在した. 胸部画像所見上病巣部位は右上葉・右下葉・左上葉が各6例であった. 全例抗菌薬治療のみで治癒したが, 4例で空洞が残存した.
  • 坂田 宏, 丸山 静男
    1998 年 72 巻 11 号 p. 1197-1201
    発行日: 1998/11/20
    公開日: 2011/09/07
    ジャーナル フリー
    対象は1988年7月から1998年6月までの10年間に感染症あるいは感染症疑いのため旭川厚生病院小児科に入院し, 入院時の血液培養で菌が検出された小児22名である. 22名の年齢は生後7日目から4歳10カ月の範囲で, 1歳未満が13名と過半数を占めていた. 原因菌はEscherichia coliが7名, Haemophilus influenzaeが4名, Streptococcus pneumoniaeが4名, Staphylococcus aureusが2名, Streptococcus pyogenes, Stzeptococcus agalactiae, Listeria monocytogenes, Moraxella catarrhalis, Rahnella aquatilisが1名ずつであった. 疾患は尿路感染症が6名, 髄膜炎が6名, 気道感染症が4名 (中耳炎合併2名), 皮膚感染症が2名, 明らかな感染巣がない例が4名であった. 予後は死亡例はなったが, H.influenzae髄膜炎の1例で難聴と下肢の不全麻痺の後遺症を認めた.
  • 藤本 嗣人, 近平 雅嗣, 西尾 治
    1998 年 72 巻 11 号 p. 1202-1207
    発行日: 1998/11/20
    公開日: 2011/09/07
    ジャーナル フリー
    アデノウイルスB亜群 (3, 7および11型) を他亜群アデノウイルスから区別するPCR法について検討した. この方法はヘキソンコーディング領域に特異的なプライマー対を用いたPCR (入れ子PCRでない) による. 同PCRによりB亜群標準株 (3, 7および11型) およびアデノウイルス分離株 (3および7型) のDNAは増幅したが, A亜群 (31型), C (1, 2, 5および6型), D (8, 19および37型), E (4型) およびアデノウイルス分離株 (1, 2, 5および6型) からのDNAは増幅しなかった. これらの結果よにり, この研究で開発したプライマー対を使用したPCR法によりアデノウイルスB亜群 (3, 7および11型) が選択的に検出可能であることが示唆された. アデノアイルス3, 7および11型の増幅産物はRsa Iによる制限酵素解析により区別可能であった.
  • 多施設共同試験
    正岡 徹, 珠玖 洋, 堀内 篤, 藏本 淳, 原田 実根, 仁保 喜之
    1998 年 72 巻 11 号 p. 1208-1218
    発行日: 1998/11/20
    公開日: 2011/09/07
    ジャーナル フリー
    急性骨髄性白血病をはじめとする各種造血器疾患に合併した深在性真菌症およびその疑いの患者を対象に, 経口抗真菌剤イトラコナゾールの投与を行い, 臨床効果および安全性を検討するとともに血清学的検査, 培養検査等についても検討した.
    総症例79例中, 真菌症確定例4症例, 臨床的真菌症例33症例, 真菌症疑い15症例の計52例について臨床的有効性を検討した.
    有効性の評価では,「有効」以上は35例で有効率は67.3%(35/52例), その内訳は真菌症確定例で25.0%(1/4例), 臨床的真菌症例で78.8%(26/33例), 真菌症疑い例で53.3%(8/15例), 真菌症の重症度別では軽度75.0%(15/20例), 中等度76.2%(16/21例), 重度36.4%(4/11例) で, 軽度と中等度の症例で統計学的に有意に高い有効率が得られた (p=0.0479). また前治療薬無効のため剤に切り替えた10例のうち, 有効以上と判定されたのは7例であり, 全例フルコナゾール注射からのり替えであった.
    安全性については, 評価対象79例中本剤との因果関係を否定できない副作用 (肝機能障害, GOT, GPT上昇, 嘔気, 嘔吐, 胸痛など) がみられたのは6例 (7.6%) であった.
    以上より, 経口抗真菌剤イトラコナゾールは各種造血器疾患患者に発症した深在性真菌症に対し, 高い治療効果を示し, 安全性に優れた薬剤であると考えられた.
  • 久保田 武美, 石和 久, 鈴木 正明, 宇津野 栄, 猪狩 淳
    1998 年 72 巻 11 号 p. 1219-1224
    発行日: 1998/11/20
    公開日: 2011/09/07
    ジャーナル フリー
    非放射線の液相ハイブリダイゼーションを用いたDNA診断法であるHybrid Capture法についてHuman papillornavirus (HPV) 感染症診断における有用性を検討した.検体は子宮頚部あるいは外子宮口をスワブで擦過することにより得られた.中-高リスク型 (Probe B) に属するHPVの陽性率を求めた結果, 細胞診Class IあるいはIIの婦人では13/9%(23/166) が, また, 細胞診Class, V, Vの婦人では70.6%(48/68) が陽性を示した (P<0.0001, Fisherの直接法).子宮頚部上皮内腫瘍の認められない例では29.0%(18/62) が, また, 子宮頚部上皮内腫瘍あるいは子宮癌例では78.6%(44/56) が陽性を示した (p<0.0001, Fisherの直接法).Hybrid Capture法とPCR法との比較 (n=217) において陽性一致例は74.6%, 陰性一致例は92.7%と良好であった.Hybrid Capture法は臨床におけるHPV感染症診断に有用であることが示唆された.
  • 玉田 貞雄
    1998 年 72 巻 11 号 p. 1225-1231
    発行日: 1998/11/20
    公開日: 2011/09/07
    ジャーナル フリー
    ペニシリン耐性肺炎球菌による肺炎の感染病態を検討する目的で, 臨床分離ペニシリン感受性菌 (J4株, ペニシリンG (PCG) のMIC0.016μg/ml) と臨床分離ペニシリン耐性菌 (PSTY045株, 同2.0μg/ml) を用い, マウスに実験的肺炎を作製し, 以下の検討を行った.上記各々の菌株を用いた感染治療実験において, コントロールとした未治療群の場合は何れの菌株による肺炎の場合とも4-5日目に全ての動物が死亡したが, PCG治療時のED50値は, J4株感染群で14,800IU/kg, PSTY045で92,600IU/kgと顕著な差がみられた.未治療の場合は何れの菌株の肺炎も, 感染24時間後には肺胞腔内に炎症細胞の浸潤を認め, 感染72時間後には組織学的に大肺葉性肺炎の像を認め典型的な肺炎球菌性肺炎の経過を呈したが, 詳細にみるとJ4株感染群で血管周囲の好中球浸潤がより著明であった.両菌株感染群で血液培養を検討した結果, J4株感染群で感染24時間後に全マウスが陽性を示したのに対し, RSTY 045株感染群では, 4日間の肺炎経過を通しての陽性率は6.7%であった.両株についてPneumolysinの測定を行った結果, J4株191HU/ml, RSTY 045株, 1,622HU/mlと血液培養の結果とは相関が認められなかった.
    J4株, RSTY 045株以外の臨床分離株6株でも同様の検討を行い, 感受性菌感染群に血液培養陽性率の高い傾向を認めるものの, Pneumolysisの測定値とマウス死亡率, 血液培養陽性率とに明らかな相関は認められなかった (p>0.05).
    以上の成績から, 今回の検討では耐性菌感染群で投与薬剤量に相関する治療効果が認められ, 高用量ペニシリン投与のペニシリン耐性肺炎球菌性肺炎に対する有用性が示唆された.耐性菌 (RSTY 045株) 両感染群で大葉性肺炎の組織学的経過を呈し, 感受性菌 (J4株) では肺動脈周囲の炎症反応が著明であった.それを反映し感受性菌で肺炎に高頻度に敗血症を合併することがモデルで再現された.しかし肺炎球菌のPneumolysin産生が単独で敗血症の発症に関与するのではなく, 他の因子, または複数の要因が敗血症合併に関与することが考えられた
  • 大久保 建, 小井戸 則彦, 小花 光夫, 松岡 康夫, 入交 昭一郎
    1998 年 72 巻 11 号 p. 1232-1235
    発行日: 1998/11/20
    公開日: 2011/09/07
    ジャーナル フリー
    A 58-year-old male experienced a sudden stroke-like onset of right hemiplegia and numbness of his right upper limb while engaged in his desk-work on April 7, 1997. He had a past history of diabetes mellitus and hyperlipidemia. On admission, he had no fever and the blood pressure was 140/70 mmg. General physical examination was unremarkable. Neurological examination showed 4/5 strength of his right unilateral extremities and numbness of his right upper limb. Clinical features and computed tomography (CT) without contrast medium at the onset of hemiplegia suggested a stroke. Seven days after admission, his consciousness worsened and body temperature fluctuated between 37 and 38. Subsequent Gd-enhanced magnetic resonance (MR) which demonstrated an irregular shaped ring-enhancement lesion and lumbar puncture 9 days after admission was compatible with the diagnosis of brain abscess. Surgical drainage confirmed the presence of brain abscess due to-streptococcus. It improved following surgical drainage and antibiotic therapy with PAPM.BP 2g/day and PIPC 4g/day. An afebrile patient of sudden stroke-like onset may be a rarity to be added to the differential diagnosis of brain abscess.
  • 井上 祐一, 石井 寛, 平潟 洋一, 前崎 繁文, 朝野 和典, 河野 茂
    1998 年 72 巻 11 号 p. 1236-1241
    発行日: 1998/11/20
    公開日: 2011/09/07
    ジャーナル フリー
    A 73-year-old male was admitted to our hospital because of productive cough and infiltrate on the chest roentogenogram. The underlying diseases was found to be multiple myeloma. He received a physical examination in June, 1996. The chest X-ray and CT scan on admission showed an infiltrative shadow with multiple bulla in the left upper lung field. Internal use of antibiotics and drip infusion of IPM/CS were ineffective.
    The chest X-ray showed air-fluid level in left upper peripheral bullous lesion and a percutaneus needle aspiration of the lung was performed. The specimen was pus with blood and microscopical examination of smears revealed no acid-fast bacilli, but Mycobacterium szulgai was isolated and identified by DNA-DNA hybridization method. the patient was treated with isoniazid and rifampicin, and improved in a few months.
    There are a few case reports of pulmonary infection due to M. szulgai associated with emphysematous bulla of the lung in Japan. M. szulgai infection of the lung is similar to M. kansasii infection in respect to clinical features (improvement of chest abnormal shadow, efficacy of drug).
  • 白井 亮, 松原 啓太, 大西 毅, 西山 仁, 宮本 潤子, 渡辺 章文, 原田 龍二, 門田 淳一, 河野 茂
    1998 年 72 巻 11 号 p. 1242-1245
    発行日: 1998/11/20
    公開日: 2011/09/07
    ジャーナル フリー
    The genus Clinostomum is a cause of parasitic laryngo-pharyngitis. We report the 15th case of Clinostomum sp. infection in Japan. A 29-year-old female visited our hospital because of throat discomfort and expectoration of a worm by sneezing on November 17, 1997. The pharyngitis was caused by the worm. The worm was morphologically identified as the adult of the genus Clinostomum.
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