愛媛大学医学部附属病院にて, 2002年と2003年の間に各種臨床材料から分離された
Streptococcus pneumoniae 81株を用い, 耐性遺伝子解析を行った. PBPs遺伝子においては, 変異なし7株 (8.7%),
pbp2x単独変異23株 (28.4%),
pbp2b単独変異1株 (1.2%),
pbp1aと
pbp2xの変異5株 (6.2%),
pbp2xと
pbp2bの変異18株 (22.2%), すべての変異27株 (33.3%) であった. マクロライド耐性遺伝子の結果は, 感受性株14株 (17.3%),
mefAのみ20株 (24.7%),
ermBのみ46株 (56.8%), 両遺伝子保有は1株 (1.2%) であった.
gyrAおよび
parCの解析では, 両遺伝子の変異は3株 (3.7%),
parCのみ変異は26株 (32.1%) で,
gyrA単独変異は認めなかった. 以前の分離株よりPBPs遺伝子で複数の変異株や
ermB保有株の増加が, またlevofloxacin耐性株も認められた.
gyrAまたは
parC変異株は高率にPBPs遺伝子変異とマクロライド耐性遺伝子を保有しており, 今後さらに多剤耐性化が進むことを示唆させる成績であった.
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