感染症学雑誌
Online ISSN : 1884-569X
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98 巻, Supplement 号
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委員会報告
  • 三鴨 廣繁, 多屋 馨子, 浅井 信博, 川名 敬, 倉井 大輔, 小宮 幸作, 髙園 貴弘, 高橋 洋, 南宮 湖, 比嘉 太, 宮入 烈 ...
    2024 年98 巻Supplement 号 p. s1-s43
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/10/05
    ジャーナル フリー
    ●はじめに  一般社団法人日本感染症学会が,新たに作成した「RSV 診療の手引き」には,疫学,診断,治療,予防の項目が 含まれています.特に,RSV 感染症予防に関しては,ワクチンが上市されたこと,新しい抗RSV ヒトモノクロー ナル抗体製剤が上市されたこともあり,全世界的にRSV 感染症に対する意識が高まっています.
     一般的に,RSV 感染症は,風邪に似た症状から始まりますが,咳,鼻水,発熱,喘鳴,呼吸困難などが見られる こともあり,インフルエンザウイルス感染症と比較すると罹病期間も長くなります.以前よりRSV 感染症は小児特 有の疾患という認識が臨床医に多かったのですが,高齢者に対するワクチンが上市されたこともあり,その認識も 確実に変化しつつあるのが現状です.疫学の項目では,世界の疫学,日本の疫学についても限られた報告をまとめ させていただきました.
     RSV 感染症の診断は,鼻咽頭ぬぐい液を使用した迅速抗原検査が一部の患者さんに限定して保険診療の範囲内で利用可能であるものの,遺伝子検査法は多項目遺伝子検査を利用できる患者群でしか使用できないという問題点も残されています.日本感染症学会RSV 診療の手引き委員会としては,日本でもRSV の遺伝子検査法が保険診療で承認されることを強く望んでおります.
     なお,今回の刊行物は,「RSV 診療ガイドライン」という名前にはせず,「RSV 診療の手引き」としたことには訳 があります.ワクチンにしても,新しい抗RS ウイルスヒトモノクローナル抗体製剤にしても,十分な日本人のデー タがない,十分なエビデンスがないのが現状であり,これから皆さまとこれらのワクチンや薬剤のエビデンス構築 を目指していかないといけないという中で,参考となる資材を提供すべきであるということから,学会としてスピー ド感を持って作成したことがその理由です.「RSV 診療の手引き」発刊直後から,日本感染症学会RSV 診療の手引 き委員会としては,新しいエビデンスも参考にしながら,改訂作業を進める所存であります.将来的には,日本か らのデータを基にして「RSV 診療ガイドライン」につながることを期待しております.いずれにせよ,RSV 感染症 の予防と治療には,最新のデータに基づく対応が求められると考えており,今回発表させていただいた「RSV 診療 の手引き」が先生方の日常診療において役立つと確信しております.
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