肝臓
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15 巻 , 5 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • 中島 敏郎, 神代 正道, 坂本 和義, 奥田 邦雄, 下川 泰, 久保 保彦
    1974 年 15 巻 5 号 p. 279-291
    発行日: 1974/05/25
    公開日: 2010/01/19
    ジャーナル フリー
    原発性肝細胞癌は,最近の診断法および治療法の進歩にかんがみ,早期に占拠部位,拡がり,肉眼形態,発育速度,肝硬変の合併の有無などを判定する必要がある.従来はEggelの1)びまん型,2)結節型,3)塊状型に分ける分類が用いられたが,これは,多彩な形態と発育様式を示す肝細胞癌の肉眼分類としてはあまりに大まかであった.診断および治療法選択に資するようなきめの細かい肉眼分類の確立が必要であると考える.よってヒョランヂオーマを除き,肉眼形態の判定可能な112例の肝細胞癌肝臓につき検討し,腫瘍の大きさよりもむしろ割面の性状,ことに肝実質との境界の状態,拡がりに重点をおいて,また血管造影所見など臨床診断的特徴を意識しながら分類を行った.その結果,従来のびまん・結節・塊状の3大型をそれぞれびまん型と細結節撒布型の2型,多結節,寡結節硬変型,被包型,結節塊状型の4型,および単塊状型,融合塊状型の2型に細分した.これら計8つの型のそれぞれ代表的肉眼写真を示し,今後臨床所見その他との対比を行い,早期診断と予後の見通しをつける事に役立たせたいと考える.
  • 中野 雅行
    1974 年 15 巻 5 号 p. 292-300
    発行日: 1974/05/25
    公開日: 2010/01/19
    ジャーナル フリー
    Wistar系雄ラットに3'-Me-DABを短期間(1, 2, 4週)投与し,その後普通食で飼育しその肝に起こる変化を経時的に観察した.
    肝細胞の変化は可逆的で投与中止後回復に向かう.一方異常増殖したoval cellは,大部分萎縮消失するが,一部は結合織の増殖を伴いcholangiofibrosisの結節を形成する.3'-Me-DAB投与中止後も時間の経過に伴い結節はその数・大きさを増す.管腔周囲の線維化により上皮細胞は萎縮し瘢痕化へと進むが,周辺に新結節の形成,胆管の腺腫様増生が起こる.瘢痕化しつつある結節内に嚢胞形成が見られ,上皮細胞に異型的増殖像が散見された.
    投与中止後40週経った一例に転移を伴ったcholangiocarcinomaの発生が認められた.
    以上よりcholangiofibrosisの形成にoval cellの増殖が必要であり,cholangiofibrosisは不可逆性増殖を続ける事,その上皮細胞からcholangiocarcinomaの発生の可能性について考擦する.
  • 伊東 進, 高岡 猛, 岸 清一郎, 藤井 節郎, 奥田 拓道
    1974 年 15 巻 5 号 p. 301-309
    発行日: 1974/05/25
    公開日: 2010/01/19
    ジャーナル フリー
    酵素作用で遊離するammoniaを直接比色定量する新しいmonoamine oxidase (MAO)測定法を用い,benzylamineを基質として測定した値(BZA-oxidase)とn-butylamineを基質として測定した値(NBA-oxidase)を比較し,その臨床的意義について検討した.肝抽出液ではBZA-oxidaseがNBA-oxidaseより高値を示し,血清では肝とは逆に,NBA-oxidaseがBZA-oxidaseより高値を示した.したがって,肝MAOと血清MAOは同一でないと考えられる.血清NBA-oxidaseおよびBZA-oxidaseは,急性肝炎および慢性肝炎では正常に比べて軽度の上昇がみられ,肝硬変および肝癌では高度の上昇がみられた.組織学的に線維化が高度になるにしたがって高値を示す傾向がみられ,臨床的意義は大きい.血清MAOの測定にはbenzylamineを基質に用いるより,n-butylamineを基質に用いたNBA-oxidaseの測定がより適していると思われる.
  • 柏木 徹, 末松 俊彦, 房本 英之, 鎌田 武信
    1974 年 15 巻 5 号 p. 310-314
    発行日: 1974/05/25
    公開日: 2009/05/26
    ジャーナル フリー
    門脈流線現象がヒトで存在するか否かいまだ明確ではない.そこで経皮的に脾内に99mTcO4-を注入し,シンチカメラにて観察するScintiphotosplenoportographyと198Au colloid静注による肝シンチグラムとを定性的定量的に比較することにより,ヒトにおける門脈流線現象の有無を検討した.対象とした症例は10例で,10例中2例において脾内に注入されたRIがおもに左葉に流入し,門脈流線現象が存在することを示した.しかし初回左葉優勢を示した例でも2回目右葉優勢を示し,また右葉優勢が5例に認められたことより,流線現象がヒトでは常に存在するものではないと考えられた.
  • 鈴木 宏, 杉浦 光雄, 吉場 朗, 上野 幸久, 田岡 賢雄, 戸田 武二, 岡山 昌弘, 佐藤 倚男, 奥村 恂, 平山 千里
    1974 年 15 巻 5 号 p. 315-328
    発行日: 1974/05/25
    公開日: 2009/05/26
    ジャーナル フリー
    慢性の肝性脳症に対するLactuloseの治療効果をFradiomycinを標準薬としてcrossover方式による二重盲検法により検討した.
    対象症例は22例で,脳波,精神神経症状,手指振戦,書字及び描図能力,血中アンモニア値および数唱能力試験について,それぞれの改善度および総合改善度について両者の優劣およびMc-Nemarの検定を行なった.
    総合改善度の優劣比較ではFradiomycinに対して7勝8敗5引分でほぼ互角の成績であった.各検定項目ごとの検定では両者に有意差は認められなかった.なお,脳波,精神神経症状,高アンモニア血症に対するLactuloseの改善率は約60%であり,最も改善率の悪いのは数唱能力で約35%に改善がみられたに過ぎなかった.副作用として下痢が2例にみられたが,1例はLactulose, 1例はSorbitolによるものと考えられた.以上の成績から,肝性脳症に対し,LactuloseはFradiomycinとほぼ同じ効果を示すことを認めた.
  • 藤川 行村, 芝山 雄老, 光井 英昭, 引田 亨, 椎名 健, 荒木 恒治
    1974 年 15 巻 5 号 p. 329-333
    発行日: 1974/05/25
    公開日: 2009/05/26
    ジャーナル フリー
    抗結核剤投与中に発生した急性肝壊死の2症例を報告した.症例1:61歳男.肺結核.SM, PAS, INAH, CS, THの投与を受けた.黄疸出現し,22日後に肝性昏睡に陥り,死亡.肝は黄赤色肝萎縮(540g)に陥り,小葉中心帯の高度の出血性壊死を認めた.残存肝細胞は比較的健在で,間葉系細胞反応は軽微であった.症例2: 32歳女.肋膜炎.SM, PAS, INAHによる治療中に黄疸が出現,15日後に肝性昏睡にて死亡.肝は黄赤色肝萎縮(480g)に陥り,第1例と類似の組織像を示したが,間葉系細胞反応および残存肝細胞の変性が第1例よりも高度であった.第1例は第2次抗結核剤(Ethionamide)による急性肝壊死,第2例はPAS肝炎の可能性も否定し得ないが,第1次抗結核剤投与中に偶然発症したウイルス性激症肝炎と考えられた.
  • 井本 勉, 松本 秀敏, 平出 典, 伊藤 憲一, 宮本 力, 三宅 有
    1974 年 15 巻 5 号 p. 334
    発行日: 1974/05/25
    公開日: 2009/05/26
    ジャーナル フリー
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