肝臓
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15 巻, 8 号
選択された号の論文の10件中1~10を表示しています
  • そのGlucose Responseについて
    兼重 順次, 藤井 信, 河野 宏
    1974 年 15 巻 8 号 p. 455-462
    発行日: 1974/08/25
    公開日: 2010/01/19
    ジャーナル フリー
    肝障害時のケトン体代謝,とくにそのglucose responseを追求する目的で急性四塩化炭素中毒ラット(肝障害群)および対照ラット(対照群)について実験的研究を行ない,下記の結果を得た.
    1) 肝障害群では対照群と異なり,glucose負荷後においても肝α-glycerophosphateの増加が認められなかった.
    2) 肝mitochondriaのoxaloacetate濃度はglucose負荷後,対照群で約3倍に増加したのに対し肝障害群では逆に減少した.
    3) 肝β-hydroxybutyrate/acetoacetate比はglucose負荷後,対照群で著明に減少したのに対し,肝障害群では有意の変動を認めず,したがって肝障害群ではglucose負荷後も脂肪酸酸化速度の抑制は認められなかった.
    4) 以上の結果より,glucose負荷後,肝acetyl-CoAおよび肝ケトン体は対照群で著明に減少したのに対し,肝障害群では軽度の減少にとどまった.
  • 藤井 節郎, 奥田 拓道
    1974 年 15 巻 8 号 p. 463-471
    発行日: 1974/08/25
    公開日: 2009/05/26
    ジャーナル フリー
    1) デキストラン硫酸の投与によってallylalcohol肝障害時にラット血漿中に上昇するロイシンアミノペプチダーゼ(LAP)とGPTが低下する.
    2) デキストラン硫酸の投与によって,D-Galactosamine肝障害ラットにおいて,とくに血漿中に上昇するGPTが低下する.
    3) CCl4, allylalcoholの投与によって,ラット肝ミクロゾームのグルコース-6燐酸脱燐酸酵素の活性が著明に減少するが,デキストラン硫酸を同時に投与することによって,このような減少はみられなくなる.
    4) In vitroでCCl4, Allylalcoholはミクロゾームのグルコース-6燐酸脱燐酸酵素を阻害するが,デキストラン硫酸はこのような阻害を解除する.
  • 林 慎一郎, 河内 信子
    1974 年 15 巻 8 号 p. 472-476
    発行日: 1974/08/25
    公開日: 2009/05/26
    ジャーナル フリー
    ラット肝アルカリフォスファターゼ(ALP)のheterogeneityを検討する目的でゲル濾過(Sephadex G-200),澱粉ゲル電気泳動を行なうとともに,酵素の物理化学的特性を調べた.ラット肝のN-butanol抽出液中のALPは,ゲル濾過では3分画に分かれ,流出の速い順にI,II, III分画とした.他方,電気泳動では,4本の活性帯が出現し,陽極側からALP1,2,3,4とした.ゲル濾過分画I, II, IIIの電気泳動からは,それぞれALP4, ALP1,3,およびALP2が出現した.III分画ALPは他の分画に比して耐熱性,L-phenylalanine阻害はもっとも強く,逆に,ureaによる阻害はもっとも弱かった.ALP2のneuraminidase処理による電気易動度の変化はみられず,p-nitrophenyl phosphateに対するKmはALP1の約2倍であった.以上の成績は,ALP2はALP1に比べて酵素学的特性を異にしており,分子量が比較的小さく,sialic residueを欠除しているか,もしくはneuraminidase作用をうけ難い酵素蛋白と考えられる.
  • 土屋 雅春, 森下 鉄夫, 朝倉 均, 島袋 嘉修, 外山 圭助, 山口 寿夫
    1974 年 15 巻 8 号 p. 477-485
    発行日: 1974/08/25
    公開日: 2010/01/19
    ジャーナル フリー
    近年,骨髄腫や原発性マクログロブリン血症以外にみられるM成分が注目をあびている.患者は50歳,男性,会社員.全身倦怠感,食欲不振にて入院.肝腫大,AFP陽性,肝シンチおよびS.C.A.所見にて原発性肝癌と診断.さらに蛋白分画にてβ位にsharp peakも認め,IgA2,640mg/dlと異常高値を示し,血清免疫電気泳動でK型monoclonal IgAと判明した.骨髄形質細胞17%, IgG 1,680mg/dl, IgM 105mg/dl,尿中ベンスジョーンズ蛋白陰性,骨破壊像はなかった.剖検では肝はほとんど腫瘍組織で占められ,乙型肝硬変症を合併していた.形質細胞は骨髄では一部形態学的に多様性を示したが,他の臓器ではきわめて成熟した像を呈し,組織の破壊はみられなかった.腎は骨髄腫性ネフローゼの所見に乏しかった.蛍光抗体法にて骨髄,肝のIgA含有細胞を検索した.IgA monoclonal gammopathyを呈した原発性肝癌はきわめてまれであり興味あると考え報告した.
  • 船曳 孝彦, 渡辺 伸太郎, 富田 濤児, 西田 一己
    1974 年 15 巻 8 号 p. 486-491
    発行日: 1974/08/25
    公開日: 2010/01/19
    ジャーナル フリー
    胆管気管支瘻は,わが国においてはまれな疾患であり,外傷性,寄生虫性,または胆石などの胆汁うっ滞性などの肝膿瘍に続発し,咳嗽と胆汁を含んだ多量の喀疾に特徴があるといわれる.ここに報告する1例は,原発性肝癌に続発した胆管気管支瘻症例である.患者は65歳女性で,右季肋部痛を主訴とし,咳・喀痰はほとんどみられなかった.入院2週後の胸部レ線上で右下肺野に滲出性陰影を認め,経皮経肝胆管造影では,肝内に不規則,雲恕状の造影剤の広がりを認め,横隔膜を越え,気管支への交通が認められた.肝動脈にカニュレーションを行ない,制癌剤注入療法が行なわれたが,術後71日目死亡した.剖検にて肝右葉上部を中心とする胆管細胞癌で,肺・横隔膜・肝は線維性に強固に癒着しており,一部には癌細胞の変性,癌細胞周囲の線維化,横隔膜筋層の消失などがみられた.胆管気管支瘻形成機序,化学療法の効果などについて論じた.
  • 大腿部肉腫の併存例
    関 英雄, 高邑 裕太郎, 河野 智之, 鈴木 修, 小野 忠, 伊藤 進, 村井 哲夫
    1974 年 15 巻 8 号 p. 492-496
    発行日: 1974/08/25
    公開日: 2010/01/19
    ジャーナル フリー
    76歳男.食欲不振,意識混濁にて入院.入院後黄疸はしだいに増強し,閉塞性黄疸の像を呈した.肝シンチグラムでは肝外腫瘍による右葉の挙上がもっとも考えられた.経皮経肝胆道造影像では肝内胆管は著明に拡張蛇行し,また拡張した肝管は左右とくに左側から圧迫されていた.総胆管はその起始部から4cmぐらいの範囲にわたって狭窄されており,この部に主病変があるものと考えられた.その後全身状態はさらに悪化して,第18病日に死亡した.剖検により肝門部に小児頭大の腫瘍があり,これが胆道を狭窄していた.また右大腿外側に3×4cm大の腫瘍があった.組織学的にこの2ヵ所の腫瘍はStoutの円形細胞性脂肪肉腫と診断された.脂肪肉腫は軟部組織の悪性腫瘍のなかでは比較的頻度の高いものとされているが絶対数からはいまだまれな疾患である.閉塞性黄疸を主徴とし,肝門部と大腿部に脂肪肉腫を認めた興味ある症例を報告した.
  • 鈴木 司郎, 三浦 賢佑, 田中 慧, 松本 明
    1974 年 15 巻 8 号 p. 497
    発行日: 1974/08/25
    公開日: 2009/05/26
    ジャーナル フリー
  • 清沢 研道, 古田 精市, 大森 晶彦, 長田 敦夫, 月岡 寿一郎, 高橋 俊博, 赤羽 賢浩, 小池 ゆり子, 佐原 勍, 小田 正幸
    1974 年 15 巻 8 号 p. 498
    発行日: 1974/08/25
    公開日: 2009/05/26
    ジャーナル フリー
  • 中嶋 健一, 清水 達夫, 大西 三朗, 石井 勝, 戸沢 辰雄
    1974 年 15 巻 8 号 p. 499
    発行日: 1974/08/25
    公開日: 2010/01/19
    ジャーナル フリー
  • 1974 年 15 巻 8 号 p. 503
    発行日: 1974年
    公開日: 2009/05/26
    ジャーナル フリー
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