肝臓
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17 巻, 11 号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
  • 藤田 恒夫
    1976 年 17 巻 11 号 p. 803-808
    発行日: 1976/11/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
  • II 連続切片法による早期PBCの肝内胆管崩壊の観察
    中沼 安二, 太田 五六
    1976 年 17 巻 11 号 p. 809-819
    発行日: 1976/11/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    原発性胆汁性肝硬変は形態学的には,肝内小葉間胆管の進行性の崩壊に特徴づけられる.2例の早期PBCの辺縁肝生検を材料として,小葉間胆管が崩壊する際に,どのような形態学的変化を示すかを連続切片法を用い検索した.
    小葉間胆管が崩壊する際に,3種の形態学的変化がみられた.1. 胆管周囲に細胞反応を伴うもの(小円形細胞,類上皮肉芽腫),2. 胆管周囲に浮腫を伴うもの,3. 胆管周囲に軽度の線維化がみられたり,特別の変化がみられないもの.そして胆管内腔の嚢状拡張もしくは細小化が,これらの病変に随伴することがある.
  • 岡上 武, 滝野 辰郎, 奥野 忠雄, 杉野 成, 小笠原 孟史, 高橋 示人
    1976 年 17 巻 11 号 p. 820-831
    発行日: 1976/11/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    一部の慢性肝炎・肝硬変では,Disse腔に存在する脂肪摂取細胞はその数を増し,脂肪摂取細胞の一部のものは脂肪滴様の空胞を除けば肝小葉内及び門脈域にみられる線維芽細胞にきわめて類似した超微形態学的特徽を示す.門脈域の線維形成には線維芽細胞が関与し,門脈域に存在する線維芽細胞の中には細胞質内に脂肪滴様の空胞を有し脂肪摂取細胞にきわめて類似した形態を示すものがある.したがって脂肪摂取細胞と線維芽細胞とは類似した機能を持つことが推定される.これらのことより肝小葉内の線維化には,脂肪摂取細胞が重要な役割をはたしていると考えられる.
    増殖胆管系周囲の線維形成には線維芽細胞のほかに増殖胆管系上皮細胞も重要な役割をはたしているものと思われる.
  • エストロゲンを中心に
    前田 淳, 市岡 四象, 井内 正彦
    1976 年 17 巻 11 号 p. 832-836
    発行日: 1976/11/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    われわれは慢性日本住血吸虫症患者の血中エストロゲン値を測定し,脾腫の有無と共に検討を加えた.
    1) 脾腫の発生は肝硬変を呈する男性,肝線維症を呈する女性に多い傾向がみられた.
    2) 血中エストロゲン値は肝硬変および肝線維症を呈するものに高値を示し,慢性肝炎を呈するものは全例とも正常範囲内であった.
    3) 脾腫のみられるものの血中エストロゲン値は脾腫のみられないものより高値を示すものが多く,肝硬変群では脾腫のみられる男女に,肝線維症群では脾腫のみられる青壮年の女性に高値を示すものが多かった.
    4) 妊娠回数との関係では肝硬変群では関連はうすかったが,肝線維症群では妊娠回数の多いものほど脾腫のみられるものが多く,血中エストロゲン値も高いものが多かったが,今後,検討を要するものと思われる.
  • 西岡 幹夫
    1976 年 17 巻 11 号 p. 837-844
    発行日: 1976/11/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    3'-methyl-DABやN-2-fluorenyl-acetamideなどの化学発癌剤によって誘発されたラット肝細胞癌には,各自に個有な腫瘍抗原と,それぞれの癌に共通な抗原として胎児抗原が存在した.これらヘパトーマ関連抗原に対するラットの免疫応答は肝癌移植後,8日目には認められ,これらは腫瘍が大きくなると消失した.Blocking factorは肝癌移植後,3週前後に証明され,その後,強まる傾向にあった.
    血清中AFP濃度は肝癌移植後,3週前後から急激に増加し,ある一定の期間,腫瘤の増大と共に増加した.
  • 牧坂 泰治, 西明 義晃, 松浦 宏, 松原 龍男, 延吉 正清, 田中 貞雄, 富士 匡, 原田 俊則
    1976 年 17 巻 11 号 p. 845-851
    発行日: 1976/11/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    制癌剤投与により腫瘍組織が完全に壊死に陥ったと考えられる切除不可能な原発性肝細胞癌の1症例を報告した.患者は45歳の男性で右季肋部痛にて入院.著明な肝腫を認め,α-Fetoproteinが陽性で,肝シンチでは右葉下外側に広範囲の陰影欠損像が,また,肝動脈造影では右葉分枝に著明なTumor Stainが認められた.肝生検による組織診断はEdmondson II型の肝細胞癌であった.Mitomycin C (10mg)の固有肝動脈内注入を2回, 5-Fu(250~500mg)・MitomycinC(4mg)の全身性投与を週2回の割合で16回施行した結果,自覚症状及び肝腫の消失,α-Fetoproteinの陰性化,肝動脈造影所見の著明な改善を認めた.患者は治療中止約3カ月後に急性腎不全で死亡したが,剖検上,肝右葉に見られた8×5×7cmの厚い被膜で覆われた腫瘍組織は完全に壊死に陥っており,肝内肝外に転移巣なく,肝実質障害も殆ど認められなかった.本症例は,若し合併症がなかったならば,長期に生存が可能であったものと考えられた.
  • 藤井 浩, 鹿岳 研, 岩佐 昇, 三好 正人
    1976 年 17 巻 11 号 p. 852-858
    発行日: 1976/11/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    36歳の女性で剖検の結果,原発性肝線維肉腫であった症例を報告した.患者は1ヵ月来の増強する上腹部痛を訴えて当院を訪れ,著明な肝腫大を指摘された,臨床的諸検査から胆管上皮性肝癌または転移性肝癌が疑われた.免疫化学療法を施行するも入院後5ヵ月半で,肝性昏睡にて死亡した.剖検上,肝は4,650gで,多数の白色の腫瘍結節が左右両葉にみられた.光顕的に腫瘍組織は異型性の強い紡錘形細胞の交錯した束状構造を示した.結合織の特殊染色にて,豊富な線維成分が腫瘍細胞の間に認められた.
    本症例は剖検,特殊染色などによる検索にて確診された8例目の原発性肝線維肉腫の症例である.従来の報告例について若干の文献的考察を行なった.
  • 都留 正展, 平野 正憲, 神坂 和明
    1976 年 17 巻 11 号 p. 859
    発行日: 1976/11/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
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