肝臓
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17 巻 , 3 号
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  • 船津 和夫
    1976 年 17 巻 3 号 p. 141-157
    発行日: 1976/03/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    肝線維化過程におけるcollagen fiber形成に占める酸性ムコ多糖(AMPS)の役割を追究した.すなわち,四塩化炭素(CCl4)起因実験的ラット肝線維症において,AMPSを消化し,且つcollagen fiberの増生を抑制すると知られているcrude papainの肝線維化抑制機序をruthenium red染色法を用い電顕組織化学的に観察した.障害肝のAMPSが蓄積したDisse腔の線維芽細胞様細胞周囲にはcollagen fiberの成熟過程を示唆するfilament, microfibrilおよび未熟なcollagen fibrilが観察され,類洞内皮細胞直下に存する基底膜はruthenium red陽性を呈した.crude papain併用群はCCl4単独投与群に比べ,AMPSとcollagen fiberの増生は軽度で,新生したcollagen fibrilの幅は不規則,且つcollagen fibrilの周期性横紋に一致し,その外側部に通常存在するruthenium red陽性顆粒が認められない部分が目立ち,一部の線維の変性,崩壊の所見がみられた.crude papainの肝線維化抑制機序としてAMPSの消化による2次的なcollagen fiberの成熟障害が推測された.
  • 桜井 秀憲
    1976 年 17 巻 3 号 p. 158-169
    発行日: 1976/03/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    ミトコンドリア(以下Mtと略)の呼吸と内膜Mt ATPase活性および肝細胞内アデニンヌクレオチドの経時的変化をダイコクネズミの70%肝切除後の残存肝と単開腹術後の肝を用いて追跡し,肝大量切除後の病態生理をエネルギー代謝面から検討した.またMt DNAの複製過程を〔3H〕チミジンのMt DNAへの取り込みから検討した.Mtの燐酸化能(ATP産生能)と呼吸調節比は残存肝では対照肝より高値を示したが,ATP値とエネルギー充足率は残存肝では対照肝より低値を示した.内膜Mt ATPase活性は残存肝と対照肝で差が認められなかった.残存肝におけるMt DNAは主として開環状型のDNAであろうと推定された.以上の結果より残存肝では消費優勢型の旺盛なエネルギー代謝が行なわれており,主要エネルギー産生分画であるMt自身も肝再生時には分裂増殖するものと考えられた.
  • 山脇 忠晴
    1976 年 17 巻 3 号 p. 170-188
    発行日: 1976/03/25
    公開日: 2010/01/19
    ジャーナル フリー
    3'-Me-DAB (3'-methyl-4dimethyl aminoazobenzene)肝癌発生過程早期にみられるいわゆるoval cellの増生は発癌の病理発生を解明する上で極めて興味深い.著者はこの増生oval cellの運命を追求し,発癌に対する役割を明らかにする目的で,3'-Me-DAB投与ラット肝を形態学的に検索し,oval cell増生にひきつづき多くの点で増生oval cellと極めて同一の態度をとるsmall basophilic hepatocyteの著しい出現を認め,且つこれら両細胞の中間に位置するとみなされる中間型細胞の存在を確認した.ついでautoradiographyにより肝部分剔除前後のoval cellとhepatocyteの標識率を検討し,肝部分剔除前後に於いてoval cellの一部はhepato cyteへ移行すると結論づけられた.以上のことからoval cellはintermediate cellを経てsmal basophilic hepatocyte,さらには成熟肝細胞に分化する過程を想定した.さらにoval cellの増生はcholangiofibrosisの形成にあずかり,その異型管腔上皮はoval cell由来で,且つ3'-Me-DAB発癌に非常に重要な役割を果すものと考えられる.
  • 牧野 勲, 橋本 博介, 田城 明子, 篠崎 堅次郎, 中川 昌一
    1976 年 17 巻 3 号 p. 189-194
    発行日: 1976/03/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    Cholestasis患者(急性肝炎26名,閉塞性黄疸13名)について尿中総胆汁酸とそのうちの硫酸抱合胆汁酸百分率を測定し,これらと肝機能検査との相関について追求し,更に急性肝炎の予後との関連について検討した.その結果尿中総胆汁酸と肝機能検査との間には相関を認めなかったが,硫酸抱合百分率と血清総ビリルビン,アルカリフォスファターゼとは負の相関が存在し,高度なcholestasisを伴った病的肝では硫酸抱合能の低下が推定された.また急性肝炎において尿中硫酸抱合胆汁酸百分率が50%以上の症例は治癒期間が22~180日間で全例治癒または軽快したのに反して抱合率50%以下の症例はcholestasisが著明であり,7例中5例(71%)が肝萎縮,肝性昏睡に移行し,1カ月以内に死亡の転機をとった.今後尿中硫酸抱合胆汁酸の測定が急性肝炎の重篤度を推測する一助して利用出来る可能性を認めた.
  • 児島 淳之介, 松村 高勝, 金谷 正子, 中川 史子, 山本 孝紀, 和田 昭, 谷口 春生, 清永 伍市, 大森 清彦
    1976 年 17 巻 3 号 p. 195-203
    発行日: 1976/03/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    癌関連胎児性蛋白と異常alkaline phosphatase (ALP)がそれぞれ異った組合せで血清中に共存した胃癌肝転移の3剖検例を報告した.第1例はα-fetoprotein (AFP)とvariant ALPの共存例で,AFPは9,100ng/ml, variant ALPは血清ALP値41.8 K.A.u.の4.5%を占めていた.第2例は更に,carcinoembryonic antigen (CEA)も共存していた症例で,血清AFPとCEAはそれぞれ3,025,000ng/ml, 6,000ng/mlと著増し,variant ALPも血清ALP値77.2 K.A.u.の14.9%を占めていた.第3例は血清AFP及びCEAはそれぞれ5,525ng/ml, 5ng/mlであったが,65℃10分の加熱で失活しない癌性耐熱性ALPも共存し,血清ALP値64.6 K.A.u.の約30%を占めていた.又この耐熱性ALPはKmや阻害試験の成績がNagao isoenzymeに類似していたが,Disc電気泳動で易動度が胎盤性ALPのslow moving位を示したので,Nagao isoenzymeの変型と考えられる.更にこれら3症例の癌組織像は何れも分化型の間質に乏しいadenocarcinoma tubulareで,転移巣と原発巣が類似していた.
  • 多羅尾 和郎, 船山 道敏, 杉政 龍夫, 遠藤 修, 松崎 誠, 戸田 有亮, 巣山 隆, 池内 孝夫, 中村 信彦, 大塚 明子, 福島 ...
    1976 年 17 巻 3 号 p. 204-213
    発行日: 1976/03/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    最近本邦においても原発性胆汁性肝硬変症(primary biliary cirrhosis,以下PBCと略)の症例が散見されるようになったが,長期間経過を追跡し得た症例の報告は今だ少ない.我々は最近7年以上の長期間にわたる全経過を追跡し得た典型的なPBCの一例を経験し,更に死後剖検する機会を得たので若干の考察を加えて報告する.
    症例は42歳の女性で初発症状は掻痒感で慢性の閉塞性黄疸と全身の色素沈着があり,高アルカリフォスファターゼ血症,高コレステロール血症がみられたが,逆行性膵胆管造影及び剖検では肝外胆道閉塞は否定され,2回の肝生検及び剖検で小葉間胆管の破壊消失が目立ち,抗ミトコンドリア抗体も陽性で肝脾の腫大,病的骨折もあり,典型的なPBCであった.
  • 原田 俊則, 西明 義晃, 牧坂 泰治, 松浦 宏, 松原 龍男, 松原 宏
    1976 年 17 巻 3 号 p. 214-219
    発行日: 1976/03/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    24歳の男性で,乳幼児にみられる血管内皮腫の組織学的特徴を備えた原発性肝血管内皮腫の1剖検例を報告した.主な臨床症候は著明な肝腫と腹水の貯溜で,発症より約2年,腹水発現より1年4カ月後に吐血を来たして死亡した.剖検上,肝は3590gで,直径0.5~1.5cmの中心部赤紫色,周辺部灰白色の結節が肝全体に多発して認められ,特に左葉では線維化が著しく,一部は瘢痕化していた.乳幼児にみられる肝血管内皮腫は先天的なもので,その多くは生後36時間から4歳半までに発症するとされ,また,本腫瘍は組織学的には良性であるが腫瘍の急速な発育のためその殆んどは発症より6カ月以内に死亡するとされている.本症例は本腫瘍が極めて緩除に発育する場合のあること,または長期間潜在性に経過する場合のあることを示唆するものである.
  • 三田村 圭二, 鈴木 宏, 遠藤 康夫, 織田 敏次, 今井 光信, 真弓 忠
    1976 年 17 巻 3 号 p. 220
    発行日: 1976/03/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
  • 鈴木 宏, 三田村 圭二, 遠藤 康夫, 織田 敏次, 今井 光信, 真弓 忠
    1976 年 17 巻 3 号 p. 221
    発行日: 1976/03/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
  • 宇土 一道, 小島 峯雄, 亀谷 正明, 福田 信臣, 足立 信幸, 清水 勝, 高橋 善弥太
    1976 年 17 巻 3 号 p. 222
    発行日: 1976/03/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
  • 森次 保雄, 鈴木 宏, 市田 文弘, 小田 正幸, 高橋 善弥太, 志方 俊夫, 織田 敏次
    1976 年 17 巻 3 号 p. 223
    発行日: 1976/03/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
  • 木谷 健一, 三浦 玲子, 金井 節子, 森田 良子
    1976 年 17 巻 3 号 p. 224
    発行日: 1976/03/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
  • 石川 浩一, 小坂 淳夫, 市田 文弘, 島田 宜浩, 原田 尚, 佐藤 寿雄, 井口 潔
    1976 年 17 巻 3 号 p. 225-234
    発行日: 1976/03/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
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