3年半前に食道静脈瘤,肝脾腫,血清Al-Paseの軽度上昇を指摘されたことのある60歳の女性が突然の上部消化管出血を初発症状として発症し,食道離断術と脾切除術(輸血4,500ml)をうけた.その際皮膚掻痒感,黄疸,黄色腫などの臨床症状を欠くが,Al-PaseとIgMの上昇があり,抗糸粒体抗体が強陽性に検出され,肝臓の試験切除標本はchronic non-suppurative destructive cho1angitis (Rubinら)の組織像を示したため,presymptomaticあるいはasymptomatic Primary biliary cirrhosisと診断された.術後食思不振,全身倦怠感,血清Transaminaseの急上昇とともに黄疸をきたし,HBsAg, anti-HBcいずれも陽性化し,肝針生検でも著明な小葉中心性胆汁うっ滞を伴なう急性ウイルス肝炎の組織像を合併したが,約3カ月後には治癒した.早期のPrimary biliary cirrhosisにたいして97日間azathioprineを投与し,血清生化学的,免疫学的,病理組織学的検討を加えたが,本療法による有意な改善は認められなかった.
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