肝臓
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17 巻, 9 号
選択された号の論文の10件中1~10を表示しています
  • 特に細胞性免疫反応による肝細胞壊死の形態学的表現
    志方 俊夫, 柄沢 勉, 鵜沢 輝子, 賀古 真, 鳥居 正男, 鈴木 宏
    1976 年 17 巻 9 号 p. 651-661
    発行日: 1976/09/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    B型肝炎の発生及び進展の機序に関しては,B型肝炎ウイルス自体の細胞傷害性はあまり強くなく,HBs抗原に対する液性抗体及び細胞性免疫反応が重要であろうと考えられている.液性抗体の作用に関してはいくつかの直接の証拠があるが,HBs抗原な持った肝細胞に対するT細胞の反応などに関しては直接の証拠にとぼしい.
    色素によるHBs抗原の染色法が開発された時,これでHBs抗原を持った肝細胞とT細胞,マクロファージとの関係が明らかになると期待された.然し染色法の感度の問題なども関係しているのか,HBs抗原を持った肝細胞にT細胞と思われるリンパ球が反応し,その細胞な破壊してゆく像はそう常には見出し得なかった.然しT細胞の機能が適度に低下して,かなりのHBs抗原の産生をゆるし,又T細胞もこれに反応する若干の機能があるという状態なら,HBs抗原を持つた肝細胞に対してT-cell in actionという像が必ずや多数見られる筈であると考えた.事実asy-mptomatic carrierの若干の症例において,HBs抗原を持った肝細胞にリンパ球とマクロファージが反応し,その細胞をこわして行くかに見える所見が多数認められたのである.
  • 吉田 勝彦, 周防 武昭, 田中 弘道, 石原 国
    1976 年 17 巻 9 号 p. 662-668
    発行日: 1976/09/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    HBs抗原の持続陽性者13例とその構成血縁者109例のHBs抗原,HBs抗体,HBs抗原subtypeおよびα1フェトプロテイン(以下AFPと略す)値を測定し,次の結果を得た.HBs抗原陽性率は34.8%,HBs抗体陽性率は30.3%であり,これらは日本人供血者の成績と比較して有意に高率であった.なお男女比はそれぞれ男48.2%:女20.8%および男20.8%:女39.6%であった.母親がHBs抗原陽性の場合,その子供のHBs抗原陽性率は70.6%であり,父親の31.6%と比しきわめて高く垂直感染の強いことを裏付けた.HBs抗原subtypeはadrが大部分をしめ,今回の調査では純粋なadwは認められず山陰地方のHBs抗原subtypeがadrに偏向していることをうかがわせた.AFP値異常はHBs抗原陽性者の41.2%にHBs抗体陽性18.2%に,HBs抗原,HBs抗体ともに陰性者の22.6%に認められた.
  • 肝内胆管癌の臨床-剖検57例の検討
    久保 保彦, 有島 恒明, 沢 靖彦, 岡崎 伸生, 中島 敏郎, 野口 武英, 中嶋 征男, 奥田 邦雄
    1976 年 17 巻 9 号 p. 669-678
    発行日: 1976/09/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    剖検された57例の cholangiocarcinoma (C.C)について末梢型と肝門型に分け,主に臨床的検討を加え,同時に肝細胞癌と比較した.男女比は1.7:1で肝細胞癌に比べ女性の比率が高い.肝硬変は原因としては関係なく,食道静脈瘤,脾腫は認めない.HBs抗原は陰性であった.胆石の保有率が17.5%と高かった.主要症状は黄疸,腹痛,発熱,肝腫大などであった.一般的に肝門型は閉塞性黄疸を主とする所見であり,末梢型では肝細胞癌と肝門型の中間の所見を呈する.両者とも高率に胆道感染を合併する.α-FetoproteinはMO法で23例中1例,RIAで10例中5例が陽性で,低値ではあるが陽性率は低くはなかった.減黄術はかなりの延命が得られる.
  • 選択的腹腔動脈造影による肝細胞癌の肉眼形態の診断
    陣内 重信, 久保 保彦, 下川 泰, 森山 幹雄, 桑原 靖道, 長崎 嘉和, 坂本 和義, 中島 敏郎, 山崎 武, 中嶋 征男, 奥田 ...
    1976 年 17 巻 9 号 p. 679-690
    発行日: 1976/09/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    診断の確案な肝細胞癌141例の腹腔(肝)動脈造影フィルムについて検討した.内64例では剖検又は手術によってフィルムと肉眼所見の対比を行った.その結果,血管造影により癌の肉眼型がかなりよく診断できる事がわかった.即ち単塊状型,被包型の診断は容易で,後者の被膜はlucentなrimとして認められる.大きい肝内動脈枝の偏位の無い例では型診断は必ずしも容易ではないが,びまん型,寡結節変性は他の所見な参考にするとかなりの例で型診断が可能であつた.あわせて肝細胞癌によくみられる所見,ことに特有な動・門脈shuntおよび腫瘍栓塞を反映する造影所見についても述べた.
  • とくに直接死因と治療に関する考察
    吉村 良之介, 藤山 進, 中沢 秀夫, 針原 重義, 門奈 丈之, 山本 祐夫, 山崎 嘉和, 中森 宏, 須川 佶
    1976 年 17 巻 9 号 p. 691-698
    発行日: 1976/09/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    妊娠末期にみられる急性妊娠脂肪肝の臨床経過および肝組織像については既に多くの報告があゐが生存例は極めて少ない.
    本症患者にDICを合併したことを凝血学的に証明し,腹膜潅流を施行し生存しえた1症例を経験したので,DIC合併の面より,本症の死因並びに治療に関して文献的考察を加えて筆者らの見解を述べる.
    症例:25歳,経産婦.妊娠33週で胎盤早期剥離を伴って分娩し,分娩後急激に黄疸,出血傾向,意識障害が増強し,急性腎不全を合併した.凝血学的検査値でDICの合併と診断し,新鮮血輸血と共に,腹膜潅流を9目間施行したところ,全身状態の改善,BUN値の正常化が認められ生存しえた.第30病日に施行した肝生検組織像で,本症に特徴的な脂肪沈着を認め,肝細胞壊死や炎症像はほとんどみられなかった.本症にみられる重篤な合併症状がDICに起因する可能性が示唆され,DICに対する注意と治療の重要性を強調した.
  • 山科 昭雄, 海藤 勇, 佐藤 俊一, 石井 隆, 許山 進, 畠山 昇, 及川 慶一
    1976 年 17 巻 9 号 p. 699
    発行日: 1976/09/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
  • 野々村 昭孝, 新谷 寿久, 吉沢 浩司, 太田 五六, 西村 功, 杉岡 五郎, 加登 康洋, 小林 健一
    1976 年 17 巻 9 号 p. 700
    発行日: 1976/09/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
  • 野々村 昭孝, 新谷 寿久, 太田 五六, 西村 功, 杉岡 五郎
    1976 年 17 巻 9 号 p. 701
    発行日: 1976/09/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
  • 森次 保雄, 高橋 和明, 真弓 忠, 志方 俊夫
    1976 年 17 巻 9 号 p. 702
    発行日: 1976/09/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
  • 1976 年 17 巻 9 号 p. 703-730
    発行日: 1976/09/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
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